26. 2013年6月28日 18:51:28
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『メディアが広めたイスラエルに関する10の嘘』これはメディアを用いたイスラエル正当化のためのメディアが広めたプロパガンダ作戦であると思います。中東の平和実現のため、世界の人々に、インタ-−ネットなどを使い正しい情報を伝える記者の役目を果たすよう呼びかける 『メディアが広めたイスラエルに関する10の嘘』これはメディアを用いたイスラエル正当化のためのメディアが広めたプロパガンダ作戦であると思います。中東の平和実現のため、世界の人々に、インタ-−ネットなどを使い正しい情報を伝える記者の役目を果たすよう呼びかける。/ベルギ−人ジャ−ナリスト、ミシェル・コロン より / http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=iJU3VBA7euU 動画 / http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=iJU3VBA7euU 動画
/ http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=iJU3VBA7euU 動画
/「イスラエルについて語りましょう」という本の執筆を準備していた時、私は二人の助手に頼んでブリュッセルの通りに出て、イスラエル/の歴史と状況について何を知っているか人々に尋ねてもらいました。 /結果は悲惨なものでした。 /大衆の無知が存在します。 /そして、それは偶然ではないと思います。 /60年前から世界一を誇るヨーロッパのメディアが大衆に情報を与えていますが、大衆は最も重要な点を知らされていなかったことがわかり/ます。 /これはメディアを用いたイスラエルのプロパガンダ作戦であると思います。 /私はそれを、イスラエル正当化のためのメディアが広めた10の大嘘として要約しました。 ------------------------------------------------------------------------ /メディアによる第一の嘘は、イスラエルが1940年から1944年のユダヤ人虐殺への反動として作られたというものです。
/これは完全に嘘です。 /実際は、それ以前からの植民地計画でした。 /1897年のバーゼル会議で決定されました。 /ユダヤ民族運動がパレスチナの植民地化を決定しました。 /当時は植民地主義という言葉を使っても恥ずかしくはありませんでした。 /そして、保護を得るために当時の協力な植民地保有国に援助を求めました。 /トルコ帝国は関心を示しませんでしたが、大英帝国は非常に関心を持ちました。 /なぜならイギリスは東西に広がるアラブ世界の中央に植民者を必要としたからです。 /彼らは脅威である大国エジプトを弱体化したいと考え、莫大な利益をもたらしたインドの植民地への通り道であるスエズ運河の支配も望み/ました。 /の後、アメリカがそれを引き継ぎました。 /彼らの関心は石油なので石油の警察官が必要でした。 /ですから、イスラエルの建国は1944年から45年に始まったものではなく、もっと古いもので、それは植民地計画でした。 /当時、ヨーロッパの植民地主義列強はアフリカを菓子を切り分けるように分割していたことを思い出すべきです。 /1885年のベルリンの会議でイギリス、フランス、ポルトガル、ベルギー、ドイツがアフリカをただの菓子のように分割しました。 アフリカ人は当然一人もそこには呼ばれていませんでした。 /ですから、完全に植民地時代の出来事なのです。 /イスラエルは植民地計画だと言うべきです。 ------------------------------------------------------------------------ /イスラエルを正当化する第二の神話は、「しかし、ユダヤ人は彼らの国に戻るにすぎない。紀元後70年にローマ人から追放されたのだから/」というものです。
/これも完全な神話です。 /私は本を書くために歴史学者シュロモー・サンドにインタビューしました。 /彼自身イスラエル人の考古学者や歴史学者に話しを聞いた結果、全員が追放は存在しなかったと言っています。 /ですから帰還もないのです。 /大まかに言えば、人々はあの地にとどまったのです。 /そこから移動しませんでした。 /もちろん、侵入や移民や混血はありました。 /しかし、全体的に見て、人々は移動しませんでした。 /そこから2つの滑稽な結果が生じます。 /第一の結果とは、イエス・キリストの時代のユダヤ人の子孫は現在パレスチナに住んでいる人々だということです。 /第二の結果は、人々がそれでも国を出たと仮定して帰還すると言っている人々は誰でしょうか。 /実は彼らはヨーロッパ東部や西部やマグレブ地域の改宗者です。 /彼らは様々な時代に、様々な理由でユダヤ教に改宗しました。 /そして、シュロモー・サンドが言っているように、ユダヤ民族というものは存在しません。 /共通の歴史や共通言語や共通の文化は存在しません。 /あるのは宗教だけです。 /しかし、宗教は民族はありません。 /キリスト民族やイスラム民族とは言いません。 /ですからユダヤ民族も存在しません。 ------------------------------------------------------------------------ /第三の大きな神話とは、「でも、彼らがパレスチナ植民のために居住したのは許せる。なぜならあそこは砂漠で人も住まず、空いた土地だ/ったのだから」というものです。
/これも全くの嘘です。 /当時の証言があります。 /19世紀初期の人の言葉ですが、「パレスチナは麦の大洋だ」と。 /作物の栽培が行われ、特にフランスに輸出されていました。 /油、石鹸、有名なジャファのオレンジなどです。 /ですから、1920年から、植民者のイギリス人ついでユダヤ人がパレスチナに居住しようとした時、パレスチナの農民は土地を譲ることを拒/否しました。 /人々は抵抗し、集団ストライキやデモが行われ、多くの死者が出ました。 /パレスチナにはゲリラさえ存在しました。 /ですから空いた土地どころではなかったのです。 /全てが占領者のイギリス人、ついでシオニストの極めて残忍な弾圧によって打ち砕かれました。 /それでも、「確かにパレスチナ人はいたけれども彼らは自分から出て行った」と言う人がいるかも知れません。 /これも嘘です。 /私も長いことそう信じており、皆この説を信じました。 /これがイスラエルの公式説だったのです。 /ところが、ある時、イスラエルの新歴史学者と呼ばれる人々が、私がインタビューしたベニー・モリスやパッペなどが、「そうではない。/パレスチナ人は暴力とテロ行為によって追放された。土地を空にする目的デパレスチナ人を強制退去させるための徹底的な作戦が存在した/と。」主張しました。 /ですからこれも完全な神話です。 /以上は歴史に関することです。 /イスラエルの歴史に関する嘘です。 /私たちに隠されていることを理解することは非常に重要です。 ------------------------------------------------------------------------ /次に現在の状況について言われることは、「イスラエルは中東で唯一の民主主義国家であるから、他国に保護される権利がある。イスラエ/ルは正当な国家だ。」というものです。
/第一に、イスラエルは正当な国家ではありません。 /イスラエルは世界で唯一、憲法が領土の限界を定めない国です。 /世界の全ての国の憲法に、領土はここで始まってここで終わると書かれています。 /私たちの国はそうです。 /イスラエルはそうではありません。 /なぜなら、イスラエルは制限のない拡張計画だからです。 /さらに、その憲法は完全に人種差別的でイスラエルはユダヤ人の国家であると書かれています。 /つまり、それ以外の人は市民以下、人間以下であるということです。 /これは民主主義の否定であり、憲法の否定です。 /ですから、イスラエルは民主主義では全くありません。 /イスラエルは植民地主義、土地の略奪、そして民族浄化です。 /これを民主主義とみなすことは出来ません。 /それでもイスラエルには国会もメディアも、NIFの教授の批評もあると言われるかも知れません。 /それは正しいです。 /しかし、国家が土地の略奪に基づく以上、それは、いかにしてさらに盗み続けるかを決めるための、泥棒同士の間の民主主義です。 /これは民主主義ではなく、植民地主義であり独裁に変わりありません。 ------------------------------------------------------------------------ /イスラエルを保護しようとするアメリカは、イスラエルが隣国を攻撃するために毎年30億ドル分の軍備支援を行っていると言われています。 /アメリカが守ろうとしているのは中東における民主主義であると言われています。 /しかし、民主主義を守ろうとしているためならば、そうだと知れたことでしょう。 /なぜなら、サウジアラビア、クウェート、暴君ムバラクの恐ろしい独裁政権を敷いたのはアメリカ人なのです。
/彼らはこれら全てを設置しました。 /実際はアメリカがイスラエルに関心を持つのは民主主義ではなく石油の警察官のためです。 /チョムスキーもサミール・アミンなどもよく説明していますが、アメリカは石油の支配を絶対的に望んでいるので中東の支配が必要です。 /彼らは彼らの計画に抵抗し、ただで石油を与えようとしない国家をすべて崩壊しようと望み、イラク戦争でも他の侵略でもそれが明らかで/した。 ------------------------------------------------------------------------ /とはいえ、アメリカは気に入らない中東の全ての国を絶えず攻撃することは出来ません。 /それで、チョムスキーが言うところの「地区警察官」を必要とするのです。
/イスラエルは地区警察官なのです。 /かつて、アメリカには、1953年にイランで選挙で選ばれた首相モサデクを倒して強制した恐ろしい独裁者シャーが存在しました。 /アメリカは恐ろしい独裁を敷いたのです。 /しかし、彼らはイランを失い、現在では実質上、イスラエルしかありません。 /そのためにアメリカは、イスラエルが国際法に違反し、国連憲章に違反し、人間同士の平等に反するにも関わらずこの国を保護するのです。 /ですから、アメリカが行っているのは経済戦争であるのは明らかです。 ------------------------------------------------------------------------ /ヨーロッパは、より中立的立場を主張し、イスラエル人とパレスチナ人の間の解決を模索しているように振舞っていますが、それは完全に/嘘です。
/ヨーロッパ外務大臣ソラナが最近、イスラエルで、あなた方は28番目の欧州連合加盟国であると言いました。 /ヨーロッパの軍需産業がイスラエル軍需産業に協力し財政支援しているのです。 /ランスではサルコジと親しいラガデールやダッソーがイスラエルの軍需産業と協力しています。 /そして、パレスチナ人が独自の政府を選出したとき、欧州連合は承認を拒否しガザ爆撃へのゴーサインを明確にイスラエルに与えました。 /ネタニヤフやバラクやオルメルトがパレスチナ人を爆撃するとき、爆撃するのは同時にサルコジであり、メルケルであり、欧州政府である/ということを、明確に世論に伝える必要があります。 /私たちがこのようにパレスチナとイスラエルについての真実を話し、アメリカとヨーロッパの憤慨すべき打算を示すと、彼らは直ちに、反/ユダヤ主義だと言って黙らせようとします。 /反ユダヤ人種差別者というわけです。 /明確にしておかなければならないことが一つあります。 /イスラエル政府を批判する時、私たちは反ユダヤ人種差別主義者ではなく、その反対です。 /私たちは、人間同士の平等やユダヤ教徒とイスラム教徒の間の平等を否定する政府を批判するのです。 /私たちはその反対に、ユダヤ教徒とイスラム教徒とキリスト教徒と無宗教者の間に、いずれ平和と相互理解が可能になることを望むのです。 /そのために、イスラエルがあのような犯罪を犯すのを止めさせることが必要なのです。 /なぜなら、それは憎しみを撒き散らすだけだからです。 /そして、緊張と憎しみを撒き散らすことが、まさにイスラエルの戦略なのです。 ------------------------------------------------------------------------ /するとメディアはそれに応えて、「でも、パレスチナ人は暴力的だ。これはテロリズムである。」などと言います。 /私の言いたいことは、真の暴力は植民地主義だということです。 /それは60年前からパレスチナ人の土地や家を盗み続けているイスラエル占領軍です。
/イスラエル軍が、パレスチナ人が正常な生活を送ることを妨げているのです。 /家と仕事場の間に検問所があり、そこで1時間、時には1日待たねばならないのです。 /独裁的な検問所の警官に止められたせいで死亡した妊婦もいます。 /ですから、占領こそが暴力なのです。 /国連はその重要な憲章の中で、植民・占領支配を受ける全ての人々に、彼らが正しいと判断する全ての手段を用いて抵抗する権利を認めて/います。 /抵抗は正当です。 /暴力とはここでは占領だけです。 ------------------------------------------------------------------------ /当然ながら、多くの人々が問題にすることですが、イスラエルやイスラエルを支持する国々が意図的に撒き散らす多くの憎しみに対して、/人々は「この扮装は常に存在し、解決法はない、憎しみが多すぎる」などと思います。
/しかし、解決法が存在することを知るべきです。 /1960年代半ばに、パレスチナの複数の大組織が非常に民主主義的で単純な解決法を提案しました。 /すなわち、差別のない国家、ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒、無宗教者が全て平等な権利を持つ単一国家という案です。 /これは民主主義の定義そのものです。 /男性、女性に一人一票です。 /イスラエルは常に解決へむけた交渉を拒否してきました。 /イスラエルがしたことは、投獄や暗殺です。 /ハマスの指導者だけでなくファタやパレスチナ解放人民戦線の指導者に対してもそれを行いました。 /このようにイスラエルは交渉を拒否し、明快な解決法を拒絶します。 /その理由がなぜなのか考えるべきです。 /唯一の理由は、先ほど言ったように、イスラエルはアメリカにとって石油の警察官として役立つということです。 /ですから、これは経済戦争であり、石油のための戦争、多国籍企業のための戦争なのです。 /これを止める唯一の方法は、全ての人々の、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、アフリカ、中東など各地の市民の圧力です。 /イスラエルの共犯である政治的指導者への圧力です。 /真実を言わないメディアへの圧力です。 /インターネットを用いて、私たちのように、パレスチナに関する情報書簡を流すなどのイニシアチブを用いてそれを行うことです。 /各自が情報提供を行い、メディアの嘘やイスラエル正当化の神話の仮面を剥いで真実を明らかにするのです。 /この考えを実践すれば私たちは皆、記者であり、真に短期間で、中東に平和を確立するための交渉の可能性が生まれると思います。 //////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 異様な「TPP開国論」歴史の連続性を見抜け 内橋克人氏講演会 ・“四つの異様” ・MAI蘇る ・マネーの意思 ・自覚的消費者
(社)農協協会、新世紀JA研究会、農業協同組合研究会の3団体は経済評論家の内橋克人氏を講師に1月28日、東京・大手町の東京會舘で「人間をこそ主人公とする協同組合が創る社会を」テーマに新春特別講演会を開き、予定を超える200人余の参加者が集まり盛況だった。内橋氏は2012年国際協同組合にむけた同全国実行委員会代表だが、この日の講演内容はその立場を離れた個人としての意見を述べるものだと断って、TPP(環太平洋連携協定)問題については歴史的、全世界的な規模で捉えることが必要だと強調した。以下に講演の部分抜粋を紹介する。 むき出しの市場原理主義に対抗思潮を
TPPについて東京発マスコミの「開国」一辺倒論ぶりは異様なものです。例えば去年秋の日比谷での大規模な反対集会について1行も報道していません。 これに対して、地域社会に密着するジャーナリズムは違っておりまして、私が書いた『TPP開国論を問う』『市場原理主義 再び』といった反対論を大きく掲載しています。お手許に配ってあります資料をご覧ください(中国新聞、北海道新聞)。すでに崖っぷちに立たされている日本農業の背中をさらに押す、というような圧力が出てきた時、中央紙とはまるで違う対応をする。それがコミュニティ・ペーパーの特徴でもあるでしょう。ともあれ、いまやTPPをめぐって「国論二分」の状況になってきました。 協同組合の中にもいまだTPPに関して態度を決めかねている方がいます。「まだ情報を収集中」などという、ある協同組合トップの方に私は率直に「情報が集まった時にはもう手遅れですよ」と申し上げた。 菅直人首相は歴史上、幕末・明治を第一の開国、あたかも輝かしい開国であったかのごとく信じているようですが、蒙昧とはこのことをいうのでしょう。第一の開国こそは欧米列強への隷従的・片務的な「不平等条約」でした。相手国は一方的に関税を決め、日本は独立国家の当然の権利である関税自主権さえ奪われた。それから領事裁判権という名のもと、犯罪を犯した外国人を日本の法律で裁けない治外法権も強制されました。対等な関係における日本の「開国」がやっと実現したのは、第一の開国から60数年も経った第1次大戦後のことです。近代日本がいかに苦悶を迫られたか、それを菅氏はご存じない。 「開国」という「政治ことば」に秘められた大きな企みが人々を間違った方向へ導いていく。「規制緩和」「構造改革」がそうでした。これに反対するものは「守旧派」と呼び、少数派として排除しましたが、今回も同じ構図です。「改革」とか「開国」とか、一見、ポジティブな響きの、前向きの言葉の裏に潜む「政治ことば」の罠、その暗闇に目を注ぎながら言葉の真意を見抜いていかなければなりません。「国を開く」などといいますが、その行き着くところ、実質はまさに「国を明け渡す」に等しい。「城を明け渡す」とは落城のことです。光り輝く近代化というイメージ、その実態は?と問わなければなりません。「第一の開国」についての詳細はお手許の資料に詳述してあります。
◆“四つの異様”
TPPにつきまして事情はすでにご存じの通りです。シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイといった4カ国に始まる多国間協定への経緯、またこれにアメリカ、カナダなどが参加表明するに至ったそもそもの理由など、基礎的、常識的な事情は省略いたしまして、なぜいまアメリカは「米主導のアジア圏」形成に向けて動き出したのか。TPPにかけるアメリカのしたたかな戦略性ということについて、考えを述べたいと思います。 昨年10月、米国際戦略問題研究所(CSIS)と日本経済新聞社共催のシンポジウムで前原誠司外相は「(日本の第1次産業の割合は)1.5%。そのために(これを守るために)残り98.5%が犠牲になっている」と発言しました。場所も内容も不適切です。が、これを問題にするジャーナリズムは皆無でした。 私はこれを「三つの異様」と呼び、第一に菅首相の開国論の異様、第二に前原発言の異様、そして第三に新聞・メディアの異様、三つを揃えて批判の論拠を書きました。こうしたあり方になびく日本社会全体の異様、これを含みますと「四つの異様」となります。 ところで、CSISとはいったい何を研究するシンクタンクなのか。ワシントンのジョージタウン大学のなかにある。1960年代から長期間、アメリカの世界戦略に携わってきたこのシンクタンクをめぐっては、さまざまな説がありますが、今日はその部分は控えておきましょう。前原氏はこの機関と日本の大手マスコミとの共催シンポジウムの場で30分ほどの基調講演をし、そのなかで先程のような発言をした。アメリカにとってはまさに「舌なめずり」したくなるような言葉です。 1990年代半ば、「多国間投資協定」(MAI)をめぐる大きな騒動がありました。 米国のクリントン政権がこの協定を“21世紀における世界経済の憲法”とまで称して、多国間で資本、マネーに関する協定を結ぼうと画策していたのです。市民、NGOが気付いたときには、すでに、通商交渉に関して議会の承認なく大統領の一存ですべてを決めることのできる「ファストトラック」という手続き開始の直前。物事は進んでおりました。 以後、全世界1000を超えるNGОが猛烈な反対運動を展開して結局、クリントン大統領は構想の撤回に追い込まれた。フランスのNGO・ATTACはじめ世界中の市民あげての一大反対運動が盛り上がったからです。1997年のことでした。日本から声を上げたのは「市民フォーラム2001」というNGОだけで、いってみれば日本は“ただ乗り”の形で難を逃れたことになります。だから、今回、市民も無防備なのかも知れません。 ◆MAI蘇る
このMAIの狙いがTPPに姿を変えていまに蘇った、と私は考えています。長い歴史の連続性をきちんと認識できるジャーナリストがいなくなってしまいました。 もし今回のTPP騒動にヨーロッパが巻き込まれておれば、とっくの昔にNGОが反対運動を立ち上げ、世界中に広げていたことでしよう。 MAIの狙いはマネーにとって障壁なき「バリアフリー社会」を世界につくるということでした。協定批准国が外資に内国民待遇を与えることを義務付けます。 重要な点を挙げますと、まず第1に、例えば日本の自治体が不況対策として地場の中小企業に制度融資などを行った場合、これを協定違反とみなします。国内企業への公的支援、優遇策はすべて外資に対する差別であるとするのです。 第2は、投資に対する絶対的自由の保障で、外資に対して天然資源の取得権まで含めて投資の自由を保障する。つまり国土の切り売りを認めなさいということです。今、外資による森林や水源の買収が問題になっていますが、すでに南米などでは国土を切り売りしている国もたくさんあります。 第3は、外国人投資家に相手国政府を直接、提訴できる損害賠償請求権を与えるとしたことでした。例えば地場産業育成のための公的支援を差別待遇だと外国人投資家が判断すれば、当該国政府を相手取って賠償を求めることができるのです。 以上は、外国資本への“逆差別”の奨励であり、徹底した外資優遇策です。その背景にウォール街の意思、マネーの企みがあること、いうまでもありません。 13年ほど前、こういう協定が結ばれようとしていた事実を認識していただきたい。もし実現していたらどうなっていたか。いずれにせよ、こうした長期の国際戦略を研究し、政策提言するシンクタンクは、たとえ大統領が何代変わろうとも、生き続けているのです。 今、形を変えてMAIの戦略性が息を吹き返した、それがTPPに盛り込まれた高度の戦略性です。ここを見抜かなければなりません。関税ゼロはその一つに過ぎない。 米国の狙いは対中国戦略にもあります。中国はいまなお社会主義市場経済を名乗り、アングロサクソン型市場経済とはルールが違います。 ◆協調と緊張 例えば中国には個人に土地所有権はありません。資本主義市場経済の最も重要な要素は私的所有権、つまり財産権です。その一部がないという中国のルールを変えて完全な私的財産権を確立させる、これによって、アメリカ覇権による「グローバル・スタンダード」を世界に普遍化していく、と。TPPの真意の一つは中国経済への対抗力、包囲力というものを日本を巻き込んで日米共同で形成していく、これが米国の狙いの一つです。TPP加盟予定、参加表明国も含めた環太平洋9カ国の合計GDPの95%が日米二国で占められています。実質は日米FTAといわれるのも、その故ですが、FTAなどとは比較にならないほど、重大なアメリカの対アジア戦略がTPPには込められています。その一つが、いまいいました対中国戦略です。 中国はEUとFTAを結び、むろんアジアでも覇権を確立しようとしています。ルールの違うものが大変な勢いで伸びていることに米国が脅威を感じないはずはありません。 軍事的にはもちろん、経済的にも米中間には協調と緊張の両側面があり、米国のシンクタンクはこれを両立させていくために、“協調的対決”あるいは“対決型協調”をもって、世界に広がっていく中国の勢いを喰い止めようと政策提言を重ねてきました。 米国の多国籍企業、超国家企業にとって中国市場こそは人口規模の大きさ、今後の成長力からして、まさに舌なめずりしたい利益機会です。しかし、他方で戦略的緊張関係は増大する。この二律背反のなか、米中のルールの調整が大きなテーマになってきました。 どちらのルール(法的・経済的諸制度)に合わせるのか。むろんのこと、アングロ・サクソン型ルールへの呑み込み(吸収的等質化)をはかることが、アメリカの長期の戦略なのであり、その目的の実現に向けてあらゆる手法を採ろうとするでしょう。 イラク攻撃ではアメリカは対テロ戦という大義を掲げましたが、その真意がイスラム社会のルールを変えさせることにあったことが、いまや歴史的にも明らかにされてきました。イスラム世界でも中国の土地と同じように財産権の概念が薄い。アングロ・サクソン型資本主義市場経済の基礎的条件である「私的財産権の絶対化」というインフラは、こと少なくとも正統なイスラム圏には存在しない。 ◆マネーの意思
イスラムでは「正当な労働の報酬以外は受け取ってはならない」という戒律があります。当然ながら「利が利を生むマネー」を正当化したり、壮大な不労所得を是認したり、というマネー資本主義は、少なくとも正面玄関から入っていくことはできません。利子を取らないイスラム銀行が世界中で伸びています。マネー資本主義にとってこれは大きな障壁です。マネーは運動できる場の領域が広ければ広いほど、利が利を呼び、高い蓄積を可能にする。こうしたマネーの意思はイラク・アタックのさなか、各所で実現に向けて展開されていたことが、いま明らかになってきました。世界のNGOが伝えています。 たとえば米軍がバグダッドを攻めた時、彼らの戦車は汚水を飲み水に浄化できる「逆浸透膜」という精緻な技術の浄化装置を積み込んで進みました。 バクダッドの南、ウムカスルスという街に米軍の部隊が入ったとき、その街では米空軍の猛爆のため水道水はじめほとんどのインフラが破壊されていて、住民は飲み水にもこと欠き、渇(かつ)えていた。やってきた米軍は真っ先に何をするか、それを現地にとどまったNGOが逐一、見届けた。米軍はまずその街の人びとに声をかけ、タンクローリー車の所有者を探した。給水車ですね。タンクローリーをもっている、というのは、むろんのこと富裕層です。名乗りを上げた富裕層に米軍は何を指示したか。「街の人びとは水に飢えているでしょう。ここに水があります。これを皆さんに無料で差し上げます。皆さんはこれを街の人びとに与えなさい。ただし、条件がある」と。それが「代金をとって売りなさい」ということでした。つまり飲み水を「商品」として売らせよう、ということです。 タンクローリーの所有者たちは最初、「もらった水を売るということはイスラムの戒律からしてできない」と。しかし、目の前に喉の渇えた人びとがたくさんいる。給水された水を代金をとって売ってみる。すると、苦労しなくてもカネは入ってくる。「あ、これはいいな」と。次第に感覚が麻痺して、これはいい商売だ、と。つまり市場経済の餌付けですね。 こうしたやり方はヘリテージ財団系のシンクタンクがマニュアルを作成した。レッスン1からレッスン10まで明示されている。米軍は忠実に実行していった。こうして先般、米軍はイラクから撤退しましたが、その後にはかつてのイスラム世界とは違う市場化されたイラク経済が残りました。国有企業の民営化が進み、銀行には外資が入り、それまで禁じられていた利益の海外送金も自由になった。 こうした歴史からも明らかなように、経済的ルールの違う中国経済圏への対抗力(一面協調・他面敵対)をどう保つか、アメリカにとっては最重要のグローバル・ポリシーです。TPPに込められた戦略性、その網のなかに日本はからめとられていくでしょう。 ◆大黒柱を抜く
以上、TPP構想に込められた、これまで触れられていない、しかし重大な側面を指摘しました。TPPについてはひとまずこれくらいにして次のテーマです。 日本経済を振り返りますと、昭和30年代後半から「貿易・資本自由化」が実施に移され、モノとカネの自由化がどんどん進められました。日米安保改定のもう一つの顔が日本市場の開放にあったことを知る人が少ないのに驚きます。小麦も大豆も粗糖も飼料用トウモロコシも、すべて自由化の対象として開放を迫られた。日本農業の大黒柱が、このとき、抜かれたのです。穀物すべてにわたる低い低い自給率への道が掃き清められた。いま、最後の砦、コメが狙いであること、そして背後にアメリカの長期にわたるグローバル・ポリシーがあること。何も、景気回復に必死のオバマ政権に始まったことではないこと、重ねて強調しておかなければならないでしょう。 お配りした『TPP開国論を問う』に、前原発言の虚妄について具体的な数字を挙げて反論しておりますので、じっくりお読み頂ければ、と思います。 さて、いま、日本の自動車は25%以上が海外生産です。日本経済がこういう日本型多国籍企業、私は「グローバルズ」と呼んできましたが、わずか百社ほどのグローバルズにおんぶしておれば、国内での雇用力は衰退し、高度失業化社会に至ること、目に見えています。完全失業者350万人、雇用調整助成金で辛うじて保たれている雇用が199万人。そのほかに「雇用保蔵」が600万人超(GDPの需給ギャップから推計)。表に出た数字からは想像もつかない大量失業の現実です。 誰が日本国内における雇用を守るのか。私は「ローカルズ」と呼んでおりますが、日本列島に固着して生きる中小企業、農業、そして協同組合などを措いてないこと、明らかなところでしょう。国内の地域社会に密着して生きていくほかにない日本人、そして地域に固着する社会的企業です。私たちはこれからますます“シンク・スモール・ファースト”(小さきもの、弱きものの利益から先に考える)という、ヨーロッパでは常識の思想性を深めていかなければならないと思います。 私は地域社会に根ざした人間中心の経済について「人間主語の経済」、あるいは「理念型経済」と呼んできました。「市場」が主語でなく「市民」が市場を制御する社会です。そういう社会は可能かと、多くの実例を挙げて問うてきました。 ◆自覚的消費者 例えば北欧における「自覚的消費者」の積極的な育成が挙げられます。家電製品の場合、全ての商品にエネルギー・マークが貼ってある。ABCD・・・と。当初は価格の安い、しかし、エネルギー効率の悪いAが売れます。値段が安いから。ところが消費者のうちの自覚的な人びとが、いや、値段はやや高いけれども、電力消費の少ない、効率的なDのほうがよい、こちらを選択すべきだ、と。すると一般の消費者もDを選ぶようになる。Dの価格の中には地球環境を守るコストが込められている、とそう理解して選ぶ消費者が増えていく。するとDに量産効果が出てきて、AよりDのほうが安くなる。Dが一般化していくと、今度はさらにEという次の、もっと省エネの商品を開発する、といった具合です。そういう形で市場を市民社会的制御の下に置くわけです。 またデンマークでは一般家庭の電気代に上乗せしてグリーン料金というのが課せられる。これを出資金として風力発電を行う市民共同発電方式が大きく育った。配電会社は市民共同方式による電力を高く買う一方、企業からは安く買う制度になっており、政策的に優遇している。市民の出資金は「グリーン証書」という証券となって流通していきます。 また同国は原油価格の国際相場が下がっても国内の石油製品価格は下げないという二重価格制をとったこともありました。そのようにしてオイルショック時には1.5%だったエネルギー自給率がいまや180%となり、実力ある電力輸出国になった。因みに同国の食料自給率は300%です。 ワイルドな資本主義、むき出しの市場原理主義、新自由主義の時代を超克していくためには、これに歯止めをかける「対抗思潮」というものを盛り上げていかなければならないでしょう。そのために協同組合の力の結集、内部の革新、そして「協同の協同」(協同組合間連携)が必要なのです。 最後に「賢さをともなわない勇気は乱暴なだけであり、勇気をともなわない賢さなどはくそにもならない」というドイツの作家エーリッヒ・ケストナーの言葉を紹介しておきたいと思います。ナチに弾圧されたケストナーは「賢さをともなった勇気」だけが人間社会を幸せにできる、と書き遺しました。いま、ケストナーの言葉のなかにこそ「協同組合人」が備えるべき資質の核心が込められているのではないか、そう信じています。 こうした認識をいっそう深めるため、皆様のお手許にありますように、価値高い2本の論文が宇沢弘文先生から寄せられました。心から御礼申し上げる次第です 61. 2012年8月27日 06:46:54 : tYXzDOfLsA 財務官僚とやで、経済に詳しい人間は、ひと握りである。 そのひと握りの人物も、正論を唱えれb高橋氏のようにパージされる。 企業の財務諸表をまともに読めない輩が、国家の予算 の舵取りをしている。 無免許で車を運転すれば、当然、事故の危険性は高まる。 現状は、たまたま国家公務員試験が上位であって、上司の覚えが目出度い 無免許運転者が、車を運転しているのである。事故が起きないはずが ないのである。 無免許運転者が更に、次の無免許運転者を生み出していく構図も恐るべき ものがある。 政治屋はこの事態をいつまで放置していくつもりなのか? |