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古代エクロンの遺跡から発見されたとされる4本の角のある祭壇。
フィリスティア(ペリシテ)人(philistine)というと、英語圏では芸術や文化を理解しない無教養な人を意味する形容詞として使われている。
若者ダビデがフィリスティアの巨人ゴリアテと対決したという出来事を、たいていの人は知っている。(サムエル第一 17:23-51)聖書の年代計算によると、この戦いは西暦前1,100年ごろに行なわれた。しかしその当時のフィリスティア人の文化についてはどんなことが言えるだろうか。
ダビデの時代にフィリスティアの主要都市であった古代エクロンとみなされている遺跡の発掘によって、フィリスティア人は都市計画に関する進んだ概念をもつ優れた建築家であったことが分かった。一例として、1988年夏、214平方メートルほどの建物群が発掘されたが、それはフィリスティア人が活躍していた時代(西暦前12世紀から10世紀)のものとして知られている建造物の中でも最大のものであった。20ヘクタールほどのその遺跡を発掘すると、都市を段々に造って自然の雨水の流れを利用する方法が用いられていたことが明らかになった。考古学者のシーモー・ギティンはこれに驚嘆し、「それは高度に洗練された建築方法だった」と述べている。
さらに、鳥や魚、幾何学模様などをあしらった精巧な陶器が大量に発掘されたし、4本の角のある祭壇や、オリーブ油などを蓄えたと思われるつぼ、金属の道具類も見つかった。これらのものはすべて、古代フィリスティア人の技術と進んだ文化を示している。「フィリスティア人は……世界のこのあたりに新しい文化を導入した。彼らはついには、貿易大国となり産業強国となった」と、ギティンは述べている。
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