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沖縄本島の東に、琉球開闢の祖神が降り立ったと言われている、久高島という島があります。
この島では、島の祭祀は女性が取り仕切るのですが、その担い手は、特定の女性がなるのではなく、島で生まれた女性みんなが、神女となり行っています。
『日本人の魂の現郷 沖縄久高島』比嘉康雄著(集英社新書)からの引用です。
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序章 久高島の祭祀世界
女は神人(カミンチュ)、男は海人(ウミンチュ)
女児は生後、旧暦の3月、6月、8月におこなわれるフボー御獄(ウタキ)参りのときのいずれかに、母親が抱いて参列する。これは将来、神女になる願いがこめられている。
また、旧暦8月11日には、15歳以下の娘たち全員のフボー御獄参りがおこなわれていた。娘たちは、ノロや神女たちの円陣の中に入れられ、神歌で祝福された。女は7歳から神が憑依すると考えられていて、以前は幼年の神女がいたという話もある。
女は11歳の旧暦6月24日におこなわれる健康願いの祭祀のときから腰巻(メーチャー)を付けた。女は男のように、16歳で正人になるといった節目はない。しかし、女も16歳から結婚できる一人前の女性と考えられていたと思われる。16歳から神女就任儀式である<イザイホー>に該当する年齢までとくに祭祀に参加することはないが、この年齢層で結婚し子供を産み、これから神女になったときに守護する家族を作ることになる。
イザイホーは12年ごと午年におこなわれ、そのとき30歳から41歳の女性がイザイホーを経て神女となり、家族の守護を担い、やがてノロの祭祀に参列することになる。そして70歳になると、フボー御獄でノロや後輩神女たちに祝福されて引退する式(フバワケの中のテーヤク)をおこなう。
30歳で神女になった人は40年間、神女をつとめることになる。引退後は、大きい祭祀になると、祭場の隅で後輩たちを見守っている。なお、家の祭祀はひきつづきとりおこなう。
このように、久高島の女と男の一生は、それぞれコースが決まっていた。久高島では基本的に女は守護する者、男は守護される者ということである。結婚を通じて結ばれた一対の女と男であれば、女は神女になり、一生、夫や子供たちの守護者として生きる。一方、男は、16歳から70歳まで、妻や母たちがおこなっている祭祀を経済的に助ける。こんな夫を守護者である妻は頼れる存在として「フサティ」(腰当の意)と呼ぶ。
戦前まで、働き盛りの男たちは、北は奄美、南は宮古、八重山、台湾、さらに南洋まで出漁し、半年以上島を留守にするのが常であった。男たちが出漁中、女たちは農業をし、子供を育て、祭祀をおこない、出漁中の男たちの安全と大漁を祈り、ひたすら男たちの帰りを待って暮らしていたのである。
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=288769
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