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http://news.livedoor.com/article/detail/8640922/
ギズモード・ジャパン
2014年03月17日19時00分
文明生活をエンジョイしているみなさま、ご機嫌よう。
人類文明はこのままいくとあとウン十年で崩壊することが、NASAゴダード宇宙飛行センター出資の最新調査(*)で明らかになりましたよ。まあ、今のうちに、エンジョイ。
なんでも、現代の工業化社会は持続不可能な資源消費欲求の重みに耐え切れなくなって崩壊する運命にある、貧富の二極化がこれを加速しており、この崩壊におそらく逆戻りはないだろう、というんですね。
調査は「Human And Nature DYnamical (HANDY)モデル」をベースにしたもので、アメリカ国立科学財団が出資するSESYNCの応用数学者サファ・モテシャリ(Safa Motesharri )氏を筆頭に自然・社会科学分野の科学者たちが領域横断的に行ったもの。
結果は論文審査のある理系の学術専門誌「Ecological Economics」に掲載中ですが、政策研究開発研究所事務局長のナフェーズ・アーメド博士(Dr. Nafeez Ahmed)がもっと分かりやすい言葉で英紙ザ・ガーディアンにまとめてますので、そちらから骨子を引用させていただきますね。
ローマ帝国も、それに劣らず高度だった漢文明も、モーリャ王朝文明もグプタ朝文明も、数多あるメソポタミア帝国の文明も、みな崩壊した。これは高度に進化した複雑で創造性豊かな文明も、もろくて永久ではない何よりの証拠だ。(論文より)
研究班ではこうした過去の崩壊例から人間と自然の力学を調べ、文明衰退に大きな役割を果たした要因(つまり今の崩壊リスク特定に役立つ要因)を特定した。これが人口、気象、水、農業、資源だ。
以上の要因が相まって、資源浪費と貧富の差という2つの社会状況が生まれると、その文明は崩壊する。「過去5千年」の歴史の中で「文明崩壊の特徴や過程で中心的役割を担った」のはこの2つの現象だった。
今は貧富の二極化が激しく、それが資源浪費に直接繋がっている。このふたつを牽引するのが、先進国に多く住むエリートだ。
[…] 積もりに積もった黒字は社会全体に均一に分配されず、一部エリートに支配されている。この富を生み出しているのは人口の大多数を占める大衆なのだが、その彼らにはエリートから富のほんの一部しか回ってこない。普通は必要最低限の生活を維持できるレベルか、それにほんのちょっと毛が生えた程度だ。(論文より)
技術で資源効率を高めれば資源枯渇の問題は解決できる、という人もいるが、人が人害を回避するため作った技術も結局は崩壊に繋がってしまう。
技術革新で資源使用効率を高めても、人口ひとりあたりの資源消費量と資源採取の規模も同時に増えてしまう傾向がある。そのため、有効な政策不在の状態では、消費が増えた分で資源使用効率を高めた分がチャラになってしまうことが多い。(論文より)
現に過去200年で農業も工業も生産性はかなり向上したが、それで「資源消費が減る」ということはついぞなかった。
様々なシナリオでモデルを組んだ結果、研究班は「今の世界を現実を反映した状況では崩壊回避は困難という結論に至った」。例えば1番目のモデルは「文明」。
持続可能な状態がだいぶ長く続くと思われているが、極一部のエリートの将来を枯渇スピードが一番緩いシナリオで占ってみても、エリートは浪費が行き過ぎて、平民に飢餓をもたらし、それが引いては社会の崩壊をもたらす。この種のLラインの崩壊は自然崩壊が原因で起こるのではなく、不平等が原因で飢餓が起こり、それが労働者喪失に繋がって起こる。これは頭に刻んでおくべき重要なポイントだ。(論文より)
「解決策は主に2つ。資源がもっと平等に配分できるよう、経済の不平等を減らすこと。資源負担の軽い再生エネルギーに依存し人口増加を抑制することで、資源消費を劇的に減らすこと」(論文より)
これは簡単なようでいて難しい…今のままでは絶対起こりえないシナリオかもね…。もちろん政府が強力なリーダーシップをとって、企業も消費者も変われば滅亡は回避できるのだけど、エリートとその支持層は変化には反対だろうし、「これまでもこれでやってきたんだから、これからもなんにもしなくてオッケー」とか言ってる間に貧乏人がバタバタ死んで文明は崩壊する、現に古今東西人類文明は全部そうだった、と論文では書いてます。本当に目から鱗で必読。こりゃなんか行動起こさないと手遅れになるぞって気持ちになります。
[論文(pdf) via The Guardian]
Robert Sorokanich(原文/satomi)
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