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2014-03-14
インドが先進国になるには、ハードルはあまりにも高すぎる
新興国は発展するのかしないのか。新興国のひとつ、インドは発展するのかしないのか。
今回、インドのコルカタをさまよい歩いて考えていたのは、ずっとそのことばかりだった。
インドは投資に値する国なのか、そうではないのか。インドは先進国の仲間入りするのかしないのか。インド社会は、うまくいくのかいかないのか……。
いずれインドも今よりも発展し、投資は報われ、ひと飛びに先進国に向かわなくても、「中進国」くらいにはなっていく。
しかし、問題なのはスムーズにそうなるのではなく、それには途方もなく長い時間がかかるのを覚悟しなければならないということだ。
10年前、インドは投資に値するのかどうかということを考えたとき、私は「期待できない」と考えた。
あまりににインドでは人権蹂躙が跋扈しており、警察も汚職にまみれ、貧困者も無限と言ってもいいほど存在しており、文盲の人たちも相変わらず多い。
今もまだ貧困層はそのまま取り残されていた
そんな国が、資本主義体制に変わったと言ってもすぐに対応できるはずがないのは明らかだった。
蓋を開けてみると、やはり2014年になった今もまだ貧困層はそのまま取り残されていた。そして、インド社会の非効率さや官僚主義も、そのまま残っている。
たとえば、日本人がインドに行くにはインドのビザを取らなければならない。そのビザはインターネットで登録するのだが、そこに何を書かされるのか。
学歴だとか、職業は言うに及ばない。自分の宗教だとか、外見の特徴だとか、親の名前だとか、過去にパキスタンを旅行したことがあるかどうかとか、以前の国籍はどこなのかとか、二重国籍なのかどうかとか、ジャーナリストなのかどうかとか、個人情報を微細に収拾する。
個人が「たかが旅行」をするのに、「親の名前」「親が存命かどうか」を執拗に聞くのは、インド大使館くらいなものだと言える。
しかも、ビザ申請はインターネットで完結しない。わざわざ紙に印刷したものを「インドビザ申請センター」に出すのだが、これがまたよく分からない駅のよく分からない場所にある。
そこでパスポートを預けたら、今度はパスポートを取られたまま「数日待たされる」のである。終わっても、電話やメールなどで周知が来ない。自分で、できたのかどうかを確かめにいかなければならない。
たかが旅行に行くのに、これほどまで非効率なことをさせるのがインドという国なのである。
インドのビザ。インドでは、たかが旅行に行くのに非効率なインド式官僚システムに付き合わなければならない。
汚職が蔓延していると、途中で金は消える
ちなみに「親の名前」をドキュメントに書かせるというのは、ビザだけではなく、インドの公式書類の多くはそのようになっているのだという。
その理由を尋ねると、インドでは戸籍制度も国民番号もないので、公式書類に親の名前や出自を書かないと、同姓同名がいた場合、判断できなくなってしまうという理由からそうなっているのだという。
これはインドの警察官から直接聞いた話だ。
インドはITに強い国というイメージがあるかもしれないが、インドの官公庁ではいまだにドキュメントは手書きがほとんどであり、地方に行けば行くほどITの片鱗もない。
コピー機すらも使われず、いまだにカーボンコピーを利用して書類の控えを取るような、そのような非効率なことを平気でしている。
面倒ではないのか。もちろん、面倒だ。だから、政府官公庁の多くの案件が適当なものになっていき、行政もかなり適当なものになっていく。
非効率であるがゆえに、インド社会そのものが非効率さをショートカットしようとして、秩序が逆になくなってしまっているようにも見える。
行政と言えば、インドでは貧困層もそのまま取り残されていて、まったく福祉が成り立っていない。
弱者救済は、主に宗教家やNGO団体や政治団体がボランティアで行っている。それは政府が弱者に金を渡そうとしても、その金は途中で消えてしまって弱者に回らないからでもある。
汚職が蔓延していると、途中で「金は消える」のだ。弱者に渡る前になくなってしまう。だから、汚職が蔓延したら、弱者は救われないというのが現実だ。
インドには地下鉄も走っている。しかし、20分待っても、30分待っても、電車が来ないときも多い。時刻表などもない。
インド社会の根本的な欠陥も10年間とまったく同じ
日本でも、年金記録が消えて莫大な金が「行方不明」になるという事件が起きているが、インドではそんなことはあまりにも当たり前すぎて事件にもならない。
政治家がどんなに美辞麗句を数時間熱弁しても、決してインド社会が救われないのは、非効率さも混乱もまったく改善できないからでもある。
インドは自己主張と利己主義が徹底している社会である。
(必死になって自己主張をするインドの売春女性に学ぶこと)
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20140308T2053320900.html
だから、その結果として自己主張に失敗した弱者は社会から蹴落とされて、人間らしく生きることすらも難しい状態になってしまう。弱者が保護されない。どんどん奪われていく。
2014年のインドは、2004年頃のインドとは変わったのか。
もちろん、10年も経てば少しは経済発展の恩恵も受ける人たちも増えている。
しかし、インド人気質はまったく変わっておらず、インド社会の根本的な欠陥も10年間とまったく同じままそこに残っていた。非効率さやそれに伴う混乱は、そっくりそのまま残っていたのである。
インドは投資に値する国なのか、そうではないのか。インドは先進国の仲間入りするのかしないのか。インド社会は、うまくいくのかいかないのか……。
インドが先進国になるには、超えなければならないハードルはあまりにも高すぎると私は見ている。あと10年経っても、インドはまだ何も変わっていないのかもしれない。
インドはエキゾチックで旅するには素晴らしいかもしれない。しかし、この国には投資したくない。インドの非効率さは私たちの常識を越えるものがある。
2014年インド。路地を入れば、どこでもこのような路上生活者の姿が見られる。10年間とまったく何も変わっていなかった
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20140314T2351110900.html
2013-08-16
このままでは国家破綻か。危機的状況に陥りつつあるインド
インドが恐ろしいことになっている。インドの通貨ルピーが怒濤のように価値を失っており、2013年8月16日、1ドル61ルピー台にまでなってしまった。
実際にインド経済がおかしくなったのは、2011年の後半頃からである。2012年6月には、ダークネスでインド経済の変調を書いた。
(インドへの投資は失敗する。追い詰められていく新興国の姿)
http://www.bllackz.com/2012/06/blog-post_12.html
インドはすでに巨額の経常赤字を抱えている。世界経済が回復しないのであれば、インド経済が上向くこともあり得ないので、投資家は逃げる。
それはインドからの資本流出という形を取るようになって、ルピーの価値は毀損していく。
そして、原油の80%近くを輸入に頼っているインドは、インフレを避けることができず、すでに2013年7月の段階で約6%ものインフレになっている。
2013年の後半のどこかで、インドの「破綻」が新聞の一面を飾る日が来るかもしれない。それほどまで追い込まれている。
先進国が人為的に経済発展「させた」国がインドだ
ところで、インドは日米欧のように、自力で経済発展した国ではない。先進国が人為的に経済発展「させた」国である。
世界の「多国籍企業」がインドに対して狙っていたストーリーは、貧困層が所得を上げて、中流層に上がっていくことである。
膨大な貧困層が中流階級になっていくことによって、彼らは購買力をつける。そうすると、先進国で生産されたあらゆる商品が消費される。
その結果、先進国の「多国籍企業」が儲かるのである。
先進国での消費はとっくに頭打ちになっている。そうなると、商品の「売り先」がなくなって、多国籍企業の成長も止まる。
そこで、多国籍企業は、膨大な人口を抱える中国・インド・ブラジル等の新興国に目を向けた。その国を富ませて、膨大な人口に商品を売りまくるのだ。
とにかく、彼らが購買力を持たなければならない。だから、欧米の多国籍企業は、こぞってインド・中国・ブラジルの成長を促進させるために手を尽くしたのである。
すべては、多国籍企業が成長を維持するために仕掛けられたシナリオであり、実際そのように世の中が動いている。
分かりやすく言えば、こうだ。
多国籍企業が生き残るために、新興国を富ませて消費を加速させるという戦略が採られ、中国とインドが人口の多さから選ばれた。
ルピーの通貨価値が、2011年の後半からどんどん毀損しているのが分かる。現在、それが危機的な状況にまで陥ってしまった。ここからインド政府がどのように切り返すのか、予断を許さない状況だ。
何者かが勝手にやってきて、世の中を変えている
インドは国内に激しい社会対立と分断があるにもかかわらず、突如として、迷うことなく、経済成長と経済発展に向けて動き出した。
投資家に注目され、話題をさらい、将来を祝福され、大国だと持ち上げられた。
あの貧困層の群れとはまるで関係のないところで、大きな力が動いていて多国籍企業の筋書き通りに世界が動いた。
しかし、インドは政治家の腐敗も、国内の宗教闘争も、カーストも、何ひとつ解決しないまま、貧困層を取りこぼしながら、ほんの一部のインド人が中間層になっただけだった。
だから、今でもインドの貧困層は経済発展とは無関係だし、世界で何が起きているのか分かっていない。
貧困層は「取り残された」のである。
何が起きているのか貧困層が気が付いていなくても、それは無理もないことだ。
外部の何者かが勝手にやってきて、世の中を変えているのだから、分かるはずがない。
ただし、懐(ふところ)が良くなっていくことについては、誰も文句は言わないから、すべてのインド国民がそれに対して希望を抱くようになった。
貧困層も、無理すれば、携帯電話やカラーテレビを買うことができるようになっている。売れっ子の売春女性の部屋には古いカラーテレビが置いてあったのも覚えている。
しかし、依然として100ドル以下の生活を強いられている人々は6億人ほどもいて、中世と変わらないような生活をしているのも事実だ。
カラーテレビのある家。スラムに住む貧困層も、家でテレビを見ることができる時代になってきている。
国が割れることになったとしても、対立は収まらない
しかし、ある日、インド経済が突然大不調に陥ったり、成長が止まって国が破綻寸前になったら、どういうことになるのだろうか。今、まさにその危機的状況が起きつつある。
混沌の国が、さらなる混沌に飲まれて行ったらどうなるのだろうか。
インドの経済発展がいつ頓挫するかどうかは誰にも分からないが、このままでは、かなり近い将来、危険なことが起きる可能性が高い。
新興国(ついこないだまで発展途上国と言われていた)は、昔も今も、外部の先進国の都合によって発展したり停滞したりしている。鍵を握っているのはインドそのものではない。
エジプト経済も大変なことになっているが、インドや中国も無事に立っていられる保証など、どこにもない。
インドは文字通り「発展の途上」にあるわけで、経済発展が経済停滞へ、そして経済後退へと逆流していったら、政治的安定は必ず吹き飛んでいく。
インドは国民が一致団結する国ではない。
民族、宗教、文化、制度、人種、世代が、すべて先鋭的な対立を起こす国である。一度激化した対立は、日本人のように「水に流す」ようなことは絶対にあり得ないのだ。
パキスタン、バングラデシュがインドから分離したのも、妥協なき宗教対立の結果である。
国が割れることになったとしても、対立は収まらない。インド圏とはそういう場所である。
経済発展で一様に潤っているときは不協和音は消される。しかし、それが逆流した瞬間に、以前よりも大きな不協和音がインド国内に充満していく。
先進国の人間は、インド国内の貧困層の絶望や憎悪を甘く見ている。彼らが救われなかったとき、自然発生的に破壊行動が起きていく。
あまり、「インドの成長」を無邪気に信じない方がいい。今のインドは崖っぷちにある。
ムンバイの中心地は「大都市」だが、郊外を見ると依然として貧困層の家屋で埋め尽くされているのが分かる。
取り残された貧困層が多ければ多いほど、不況や国家破綻が起きたとき、社会不安が大きなものになっていく。
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20130817T0018520900.html
2012年6月12日火曜日
インドへの投資は失敗する。追い詰められていく新興国の姿
インドはリーマン・ショックの直撃を受けて2009年は大幅に失速したが何とか盛り返して、有望な新興国だと見る人も未だに多い。確かにインドは成長している。
しかし、2010年からはインドの内情が急激に悪化しつつある。
マンモハン・シン首相が健康状態を悪化させて、明らかに活力を失いつつある。
そして、閣僚の汚職問題に巻き込まれ、先進国の量的緩和を受けた影響でインフレが加速して大規模なデモの発生を止められなかった。現在はルピー安に苦しんでおり、これがGDPの成長も低下させている。
原油価格が上がると、政権崩壊の危険性
先進国の消費が減退し、リセッションに差し掛かったら、先進国を市場としているインドの輸出企業もダメージを受ける。
ここ2年ほどで次から次へとトラブルに巻き込まれているマンモハン・シン首相に対する求心力の悪化と、ルピー安と、インフレの3重苦に陥っているインドは今後どうなるのだろうか。
まず、インドの実質GDPの伸び率は落ちている。2012年5月31日に発表された2011年度のGDP伸び率は6.5%となって、「高成長国」の看板が怪しいものになりつつある。
また、相次ぐ利上げにも関わらず、インフレはほとんど止まっておらず、これが貧困層の生活を直撃している。
インドのインフレで問題を引き起こす要因となるのは、原油の輸入価格の値上げだ。
これは新興国全体の問題なのだが、原油価格が上がると、貧困層はすぐにインフレに巻き込まれて生活苦に陥る。
そうなると、彼らは自らのサバイバルのために、激しく政権を突き上げて何とかしろというデモにつながっていく。
こういったデモが、暴動になり、政権崩壊のきっかけになっていくのが新興国の特徴なのである。
分かりやすく言うと、新興国ではインフレが止まらないと株価が下がるとか通貨価値が下落するという経済的な問題の範囲に収まらない。
インフレが止まらないと、政情不安・政権崩壊の要因になるのである。だから現在、インドでもシン政権が不安視されている。
マンモハン・シン首相。
これほど優秀な政治家でもインドを立て直せないのか?
投資適格級の格付けを失う恐れ
通常、景気が悪いと中央銀行は利下げを行って景気を刺激する。
2012年5月、インド中央銀行はセオリー通りに金利を0.5%引き下げているが、問題はインドは景気悪化と同時にインフレの高止まりも発生していることだ。
金利引き下げは、インフレを悪化させかねない。しかし、これ以上の利上げはインド経済全体を停滞させかねない。
インド中央銀行は上にも下にも身動きが取れず、今回は利下げをしたものの、これを持続させることはできないだろう。
また、先進国の景気そのものが打撃を受けている状態なので、インドが0.5%利下げしたところで、景気が回復する見込みもないのである。
今回の利下げは、単に「効果のない時間稼ぎ」だと市場から見透かされている。
景気を何とか維持させる効果は恐らく望めず、それよりもインフレがさらにインド経済を苦しめることになるはずだ。
インド経済の失速は、インドに投資する先進国の投資ファンドも懸念を持っている。
たとえばモルガン・スタンレーは、インドが袋小路に入り込んだと見ており、「シン政権の弱体化と、先進国の経済悪化が、直接インドに景気減速をもたらす」と指摘し、投資評価を引き下げた。
経常赤字も、財政赤字も膨らんでいる。アメリカの格付け会社S&Pは、この財政赤字を問題視しており、2012年5月に格付け見通しを安定的からネガティブへと引き下げた。
また、2012年6月にはさらに一歩踏み込んで、インドそのものがBRICsの中で最初に投資適格級の格付けを失う恐れがあることを警告した。
インド、BRICsで最初に投資適格失う可能性
米大手格付け会社のS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)は11日、インドが成長著しい4カ国BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の中で最初に投資適格を失う可能性があることを示唆した。足元の経済成長鈍化や政局の停滞などを要因として挙げている。
S&Pによるインドの国債格付けは現在「BBB−」と投資適格の中では最低で、1段階下は投機的水準(ジャンク級)。S&Pは4月にインドの国債格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げており、今後の格下げを予感させる。
インドは自滅していこうとしている
何が起きているのか分かるだろうか。
まず、マンモハン・シン首相政権が急激に事態に対応できなくなっており、インドそのものが崩壊の危機に直面しつつあるということだ。
様々な政治的判断が朝令暮改になって、それが混乱を引き起こし、外国企業を撤退させている。
ガソリン高騰に対処するために補助金を付けると言っては止め、大型店舗を受け入れると言っては止め、空港を民営化すると言っては止め、通信を民営化すると言っては止め、税制を見直すと言っては止めている。
政府が計画を発表しても、それが実行されないし途中で覆されてしまう。それが混乱を引き起こして、政府自体が計画を取りやめる。
これは、どう見ても、政権弱体化と崩壊の予兆だ。
マンモハン・シン首相は非常に優秀で清廉潔癖で熟達した政治家である。
にも関わらず、あまりにも周りの閣僚の質が良くないために、成長軌道に乗りつつあったインドは自滅していこうとしている。
インドは成長して軌道に乗りつつある国なのだろうか。それとも、混乱と自壊しつつある国なのだろうか。
日本では、インドは成長している国、これからの国、これからも成長する国であると信じられている。
しかし、現状はどうもそうではなさそうだ。先進国が失速すれば、間違いなく新興国も失速する。
その上、新興国が政情不安を内包しているのであれば、どうなるのか。場合によっては、非常事態宣言が出されるほどの暴動や政権崩壊が起きることになるだろう。
インドはもともと文化的にも宗教的にも人種的にも多彩なものを抱えており、「ひとつになる」のが難しい国である。私はインドについて、まったく何も楽観していない。
楽観どころか、これから大変な事態になっていくのではないだろうか。
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