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(10/16 18:27) fnnニュース
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00255962.html
安倍政権をも揺るがす小泉 純一郎元首相の発言。小泉元首相がカメラの前で16日、新たな持論である「原発ゼロ」を訴えた。
首相退任から早7年、政界引退後は、悠々自適の生活を送っているとされた小泉 純一郎元首相が今、時の人になっている。
かつて、自民党政権史上、まれに見る人気を博した小泉元首相が、久しぶりにカメラの前で語った。
小泉元首相は「政治が決断すれば、日本は原発ゼロでもやっていける。原発ゼロの方向を打ち出すべきだと」と語った。
これまでの自民党の政策とは真っ向対立する原発ゼロ発言に、今、安倍政権に衝撃が走っている。
小泉元首相が打ち上げた「原発ゼロ」発言に広がる波紋。
6月、安倍首相は「(原子力規制)委員会が、新たな基準に適合すると認めた場合には、再稼働を進めていきます」と語っていた。
福島第1原発の汚染水対策に苦慮する現在も、安倍首相は、安全基準に適合した原発の再稼働を進める方針を内外に示している。
そんな安倍首相が、かつて官房長官として支え、政治の「師」と仰いできた小泉元首相が、最近、各地の講演会などで、現政権の再稼働方針と真っ向から異なる原発ゼロを打ち出している。
そして16日、台風通過直後の千葉県内で、小泉元首相の講演会が行われた。
講演会に来た人は「(お目当ては?)純ちゃんに決まってる」、「小泉 純一郎になってから、政治に興味が出た」、「これだけ人が集まるだけ、魅力がある」などと話した。
会場の席は1,000席以上あるが、完売しているということで、非常に多くの人が講演を聞きに訪れていた。
そこに登場した小泉元首相は、早速の「小泉節」を披露。
司会から紹介された小泉元首相は、「もういいよ。プロフィルなんて、もういい」と話した。
久しぶりに許されたカメラ取材で、冒頭から語り始めたのは、原発ゼロだった。
小泉元首相は「福島県の原発事故、そのあとのさまざまな問題を考えてみると、日本で原発をこのまま推進していくのは、無理だなと感じ始めました」、「8月の汚染水の問題が出ている、はるか以前から、(原発)推進論者との議論の中でも、はっきりと私は、原発ゼロがいいと主張していた」などと語った。
原発ゼロを訴える理由について、小泉元首相は「わたしが原発ゼロにしろという1番の理由は、いくつかありますけど、1番の理由は、処分場がないことです。それ(放射性廃棄物)をきっちりと、危険のないように保管する場所、どこにもない。日本は」と話した。
さらに、「原発ゼロなんてやったら日本の経済成長できないよ。また日本が貧しい国に落ちていく。そうではない。今まで、原発は安全でコストが安いと言ったけど、信じる人はほとんどいないでしょう。わたし、もう信じませんね」との持論を展開した。
コストが火力より安いとされる原子力発電がなくても、日本は十分、経済成長できるというわけだった。
しかし、小泉元首相は、首相時代の2006年1月、施政方針演説で「原油価格の高騰が続いていますが、安全を大前提とした原子力発電の推進に取り組んで参ります」と語り、原発推進の立場を鮮明にしてきていた。
その変節に戸惑うのは、再稼働を進める現在の政府・与党だった。
2日、菅官房長官は「わが国は、言論の自由がありますから、途中で考え方も変わるでしょうから」と述べていた。
そして4日、自民党の村上 誠一郎議員は「はっきり言うと、小泉(純一郎)さんは、これ(原発問題)だけでいいかもしれないけど。われわれは財政の関係や貿易収支の問題など、いろいろ考えるわけよ。俺も、小泉さんみたいな単細胞になりたい」と語っていた。
一方、脱原発を掲げる野党、生活の党の小沢代表は2日、「冷静に日本の現状と将来を考える人であれば、たいてい行き着く結論だろうと」と語った。
みんなの党の渡辺代表は9月下旬、小泉元首相と会食した際、原発ゼロに関する意見を交換したという。
みんなの党の渡辺代表は「(小泉元首相が)『俺がおごってやるから』と言うから、ごちそうになった」、「結論は全く同じだと思います。原発はいらない。首相が決断すれば、すぐにできるじゃないか」などと述べた。
政治の決断を求める姿勢は、16日の講演でも見られ、小泉元首相は「政治が決断すれば、日本は原発ゼロでもやっていけるという。原発ゼロの方向を打ち出すべきだと」と述べた。
講演終了後、小泉元首相は「いつもの考えを述べただけ。(自民党内から批判も?)批判は自由だ」と語った。
その変遷と意図について、フジテレビ・石原正人政治部長は、「そもそも総理時代は、原発を推進する政策を閣議決定するなど、推進派だったんですね。ところが、原発をゼロにすべきであるというふうに、大きく方針を転換しています。その背景には、ことし(2013年)の夏、フィンランドのオンカロ最終処分場ですが、そこを視察したことによって、やはり、原発はもう、ゼロにすべきであると確信したと。独特の嗅覚によって感じ取ったという面があります。さらに、安倍首相との対立軸を自民党の中につくることによって、政策論議を活発にさせて、決して自民党を傷つけない形で政策転換できるという思いも、心の中にはあるのかなというふうにみられています」と語った。
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