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【テヘラン鵜塚健】先月31日にテヘランで閉幕した非同盟諸国会議(120カ国・機構加盟)首脳会議で、エジプトのモルシ大統領がシリア政権を批判した演説内容を、議長国のイラン政府が、イラン人通訳に圧力をかけて「誤訳」させていたことがわかった。通訳は、モルシ氏がシリア政府の圧政などを批判した部分を、反体制派を支援する「バーレーン政府」と置き換えてペルシャ語に翻訳し、これをイラン国営テレビやラジオが流した。
同会議の運営に関わったイラン革命防衛隊関係者が、毎日新聞の取材に答えた。会議は、アサド政権を擁護するイラン政府が主催。軍事組織の革命防衛隊が深く関与し、会議を通じてシリア支持の流れを作ろうと画策していた。
関係者によると、モルシ大統領がシリア批判を展開することが予測されたため、イラン政府は事前に通訳を呼び出し「シリア批判に触れても翻訳しないように」と徹底したという。
モルシ氏は30日にアラビア語で演説。自国で起きた民主化運動「アラブの春」に言及したうえで「その後、リビアやイエメンでも続き、現在は圧政的な政権に対抗する革命がシリアで起きている」などと語った。しかし、通訳は繰り返し「シリア」の国名を、「バーレーン」に置き変えてペルシャ語に翻訳した。翌日の保守系紙は、モルシ氏のシリア批判を一切伝えていない。
イランは、自国と同じイスラム教シーア派系が政権を握るシリア政府を支持している。スンニ派が中枢を支配するバーレーン政府は、シリアの反体制派を支援する一方、国内ではイランが支持するシーア派の反政府デモに悩まされている。
バーレーン政府は1日、イランに謝罪を求めて抗議。バーレーン国営通信も「こうした捏造(ねつぞう)は受け入れがたい」と反発し、外交問題にも発展している。
http://mainichi.jp/select/news/20120903k0000e030146000c2.html
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