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本音のコラム たくらみ 佐藤優(さとうまさる) 東京新聞
東京新聞 2012年(平成24年)8月31日(金曜日)(書き起こし)
明確な証拠をつかんでいるわけではないが、一部の外務官僚がよからぬことをたくらんでいるのではないかという気がしてならない。
このままの状況が続けば尖閣諸島で日中間の武力衝突が発生する。領土は国家の礎だ。憲法九条で戦力の不保持と交戦権の否認が定められていても、国家は生き残るための本能を持つ。
尖閣諸島周辺に中国の軍艦が出動すれば、日本は力でそれを除去する。彼我の力関係を冷静に考えた場合、米軍が出動しなくても「尖閣沖大海戦」では日本が勝利する。
そうなれば「日本の領土を守れ」というスローガンで、オスプレイの沖縄配備、米海兵隊普天間飛行場の辺野古移設の強行に加え、普天間基地の閉鎖延期、さらに先島への自衛隊配備が迅速に行われる。防衛官僚は、手の込んだ謀略は苦手だ。
他方、自らが戦場に赴くことがなく、安全地帯である外務本省にいる一部の勇ましい外務官僚は、旧陸軍参謀のように沖縄の地図を見ながら、この人たちが信じるところの国益を実現するために尖閣諸島をめぐる武力衝突を望んでいるのではないか。
だから外務官僚は中国と武力衝突を阻止するための協議を行わないのだ。仮によからぬたくらみが実現した場合、沖縄の日本からの分離機運が確実に強まり日本国家は分裂の危機にひんする。
(作家・元外務省主任分析官)
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