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世論は戦争まで引き起こす
タグ: 国際, 領土問題, 解説, 政治, アジア・オセアニア, 日本関連
イリナ イワノワ
20.08.2012, 15:39
Фото: EPA
日本の財産が中国と日本の両国が領有権を主張する領土問題の犠牲となってしまった。この島は日本名・尖閣諸島、中国名・ジャオユイダオという。中国では怒り狂った市民たちが日本企業や日本人が所有する商店などを襲ったほか、日本車を壊して回った。領土問題の犠牲となるのは、次は地域における平和かもしれない。
このような中国における反日デモの嵐を受けて、日本政府は中国政府に対して日本人の安全を守るよう要請することを余儀なくされたほか、アジア太平洋地域の安定と繁栄のために日中関係が重要であることを宣言した。
これと似たような状況は2005年同じく中国で発生していた。当時、そのきっかけとなったのは、南京虐殺の評価を見直す歴史教科書がでたこと、そして小泉首相(当時)が靖国神社を参拝するということだった。中国政府は反日的機運を国民の団結、そして日本への圧力のために使っていたものの、当時の反日デモの規模は、中国の指導部でさえも驚くほどだった。2005年、中国政府はこのような機運の高まりがコントロールできない規模にまで成長する危険性があることに初めて気付いたわけだ。
経済的な利益を背景に、日本と中国は妥協の模索を余儀なくされ、大陸棚に石油およびガスが埋蔵されているとされている領土問題についても妥協の模索が始まった。両者は共同資源開発でほぼ合意に達したものの、2010年9月、中国漁船拿捕事件を受けてその交渉も中断されてしまった。
現在の状況は、両国政府をして複雑な立場に立たせている。中国においても日本においても、世論は強硬な立場を求めており、譲歩を許さないとしている。モスクワ国立国際関係大学国際研究所のアンドレイ・イワノフ氏は、このような状況が日中関係をかなり複雑化させうると指摘している。
−例えば、日本・中国・韓国の三カ国間での自由貿易圏に関する交渉が決裂してしまう危険性があります。領土問題のさらなる激化は、日本がさらに米国との軍事協力を強めることになりますが、中国はそれを望んでいません。というのも現在の状況では、米日防衛同盟はさらなる反中国に向かうことは必至だからです。
中国人による反日的活動が活発化した背景には、日本が、韓国によって実効支配されているトクト(竹島)への領有権を主張したり、ロシア領である南クリル諸島に関して、第二次世界大戦の結果の見直しを求めたりしていることがあるかもしれない。
諸隣国はこのような日本の動きが、帝国的野望と軍国主義の再来であるとみなしている。それゆえ中国は自らの軍事力を強化しており、日本は日本で米国との軍事同盟および自国の軍事力を強化している。
日本と中国の関係を衝突の手前で引きとどめるためには、両国における民族主義的機運の高まりを抑えるという方法しかない。しかしこれは単純ではない。長い間、日本人たちは尖閣諸島が日本固有の領土であると吹き込まれてきたし、中国人は中国人でジャオユイダオが中国の領土であると信じさせられてきた。このような状況で妥協を見出すのはほとんど不可能だ。両国政府は自らの国民がいだく民族主義的感情の虜となり下がりつつある。世論というものが事実上、アジア太平洋地域の2大国を危険な衝突への導いているのだ。
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http://japanese.ruvr.ru/2012_08_20/seron-ha-sensou-made-hikiokosu/
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