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■中国が数発のミサイルで米国の軍当局を驚かせた。
西側マスメディアによると、中国は弾頭の分離を伴う(つまり多弾頭独立目標再突入ミサイル、MIRV。ひとつの弾道ミサイルに複数の核弾頭を装備しそれぞれが違う目標に攻撃することが出来る弾道ミサイル)新しいタイプの大陸間弾道ミサイルの試験発射を行った。
月刊軍事雑誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーの伝えたところによれば、中国が発射したのはDF‐41型ミサイル(東風‐41、Dong Feng‐41)。しかし技術分析センターのワシーリイ・カーシン研究員は、発射されたのはDF‐41とは別のものだという。
研究員によれば、今回のミサイルはまったく新しい中国の戦略的システムによるものであり、その発射は明らかに、米国のミサイル防衛計画への対抗措置として行われたものである。中国が弾頭の切り離しを伴う重量級の大陸間弾道ミサイルを開発しているということはつとに知られていた。
その計画に基づくミサイル発射は、米国の戦略的ミサイル防衛計画の展開への対抗措置として、中国にとっては避けられないものだった。米国をけん制するための中国の核ポテンシャルの保持にとって、必要不可欠のものだった。
現在中国は、4種類からなる約70発の大陸間弾道ミサイルを展開している。
しかし、仮定の話であるが、米国からの最初の核攻撃を耐え抜き、米国本土の枢要な都市へ反撃を加えられるものは、現実的には移動型重燃料ミサイルDF‐31A(DF-31(東風-31、Dong-Feng-31)の改良型。
MIRV搭載)のみである。それ以外の単発の、弾頭と切り離し不可能なミサイルこそ、まさに米国の戦略的ミサイル防衛システムによって迎撃されてしまうタイプである。ミサイルによる抑止力のポテンシャルは、こうして、幻想に過ぎないものとなりつつある。
海上における戦略的核戦力について見ると、情況は中国にとってますます不利である。技術分析センターのワシーリイ・カーシン研究員の分析では、中国の核3要素(陸海空)の中で、空軍セクションも相当に脆弱だ。そう多いとは言えない数の大型爆撃機H‐6(轟炸六型、Hong-6)を擁するものの、それら戦闘機は米国本土に到着することが出来ない。研究員は続ける。
こうして中国は、米国を抑止するための核戦力ポテンシャルを完全に失う危機に直面した。こうした状況の中で、新しい、より強力な大陸間弾道ミサイル、それも核弾頭の切り離しを伴うものの開発が避くべからざるものになった。ミサイルから切り離し可能な核弾頭の研究開発については、中国は既に1990年代から取り組んでいた。
当時は重量級ミサイルDF‐41の開発が進められていたが、のちに取り止めとなった。中国は数種類のミサイルを同時に開発するための資源を持たなかったため、より軽量のDF‐31に転換したのだ。
軍事アナリストは、新型大陸間弾道ミサイルがいつ装備に編入されるのか、その時期を予測している。中国のミサイル計画の歴史に鑑みると、発射実験の始めから装備への編入までには数年を要する。ワシーリイ・カーシン研究員の意見では、その間にも当然、中国はDF‐31Aミサイルの製造を盛んに続けていくだろう。
新型ミサイルへの切り替えが叶った暁には、中国自身の安全保障のために、米国のミサイル防衛システムを打ち破ることが可能になるだろう。この計画の実現からの重要な帰結は、中国の保有する核弾頭の数が不可避的に増大するということである。
こうして、中国の新しいミサイルをめぐるデータによって、ロシアの外交的視点の正しさが証明される。ロシアは米国の戦略的ミサイル防衛計画が地球規模の安全保障に不安定をもたらすと主張してきた。
012/08/26 http://japanese.ruvr.ru/2012_08_26/chuugoku-nazo-no-misairu-hassha/
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