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株式日記と経済展望
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アメリカの戦略家が考えそうな事は、ヨーロッパで二度の世界大戦が
あったように、今度はアジアで世界規模の戦争をさせて儲けるつもりだ。
2012年8月27日 月曜日
◆「冷戦後」という現実 8月26日 田中良紹の「国会探検」
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/08/post_312.html#more
1991年12月にソ連が崩壊し第二次世界大戦後の冷戦体制に終止符が打たれた時、アメリカの政治家の多くはモスクワに向かった。歴史的瞬間を自らの身体で感じたいと思ったのだろう。また冷戦の終焉はそれまでの国家戦略を根底から見直す必要をアメリカに迫っており、そうした緊張感も多くの政治家をモスクワに向かわせたのだと私は思った。
一つの歴史の終わりと新たな歴史の始まりを感じさせる動きだったが、日本に歴史的瞬間を体感しようとする政治家は現れなかった。冷戦の終焉を国会が議論することもなかった。政治家だけではなく日本全体が冷戦の終焉を遠くから見ていた。
日本人にとっての戦後は、敗戦の荒廃から立ち上がり、他国にはない「勤勉さ」で高度経済成長を成し遂げたという成功物語である。平和主義に徹して冷戦による暴力の世界とは無縁でいることが成功の理由だと思い込んでいた。日本人は冷戦の終焉を「平和の配当が受けられる」と喜び、「自らの立場が根底から変わる」とは考えなかった。
しかしアメリカは冷戦の終焉を喜んでなどいない。アメリカ議会では、ソ連の核の拡散をどう防ぐか、米軍の配備をどう変更するか、ソ連に代わる諜報の標的は何かなど、新たな秩序作りに向けた議論が3年余り続いた。その議論の前提にあるのは、米ソのイデオロギー対立で抑えられていた民族主義、宗教、文明の対立が世界中で噴き出し、世界は著しく不安定になるという認識である。
その不安定な世界をアメリカが一国で管理する戦略とは何か。アメリカはそれまで以上に世界の情報を収集・分析する必要に迫られ、首都ワシントンのシンクタンク機能は強化され、諜報活動も冷戦時代以上に必要と認識された。一方で安全保障戦略の中枢は軍事から経済に移行すると考えられ、対ソ戦略を基にした米軍の配置を見直し、経済分野における諜報活動が強化されることになった。
そうした中で「ソ連に代わる脅威」とみられたのが日本経済である。日本の経済力を削ぐ事がアメリカの国益と判断され、日本経済「封じ込め」が発動された。その一つが「年次改革要望書」を通して日本に国家改造を迫る事である。また一つは高度経済成長の司令塔であった官僚機構を弱体化させる事であった。さらに日本国家の血管部分に当たると言われる金融機関を抑え込むためBIS規制が導入された。
アメリカの「年次改革要望書」は自民党の宮沢政権から麻生政権まで引き継がれ、小泉政権はこれに最も忠実に対応したが、09年の政権交代により鳩山政権の誕生でようやく廃止された。官僚機構でアメリカが標的にしたのは大蔵省と通産省である。東京地検特捜部が「ノーパンしゃぶしゃぶ」をリークし若手官僚を逮捕した接待汚職事件で大蔵省は威信を喪失、貿易立国を主導してきた通産省も輸出主導型経済を批判されて往時の面影を失った。そして自己資本比率8%の達成を迫るBIS規制は日本の銀行を貸し渋りに追い込み、企業倒産の増大と経済活動の停滞という「失われた時代」に日本を突入させたのである。
アメリカが日本経済を目の敵にした理由は、戦後日本の経済成長は日本人の「勤勉さ」によるものではなく、冷戦のおかげだと考えるからである。アメリカのソ連封じ込め戦略は、アジアでは日本、ヨーロッパでは西ドイツを「反共の防波堤」にするため、両国の経済成長を図る事にあった。敗戦国の日本と西ドイツがアメリカに次ぐ経済大国となりえたのは冷戦のおかげである。しかし日本の高度経済成長はアメリカ経済にまで打撃を与えた。
日本製品の集中豪雨的輸出がアメリカの製造業を衰退に追い込み、1985年、ついにアメリカは世界最大の借金国に転落する。一方の日本は世界最大の金貸し国となった。それでも冷戦体制にある間はアメリカが日本と決別することはできない。アメリカの軍事力に「タダ乗り」して金儲けに励む国をアメリカはただ批判するだけであった。
ところが冷戦が終われば事情は異なる。もはや「タダ乗り」を許すわけにはいかない。アメリカの軍事力にすがりつかなければ日本の安全保障は維持できないと思わせる一方で、そのためには出費を惜しまないようにする必要がある。日米安保体制は冷戦の終焉で終わる運命にあったが、中国と北朝鮮の存在を理由に「アジアの冷戦は終わっていない」とアメリカは宣言し、日米安保は再定義され継続された。
しかし中国と北朝鮮はかつてのソ連と異なる。ソ連は世界を共産主義化しようとしたが、中国も北朝鮮も世界を共産主義化しようとはしていない。していないどころか「改革開放」という名の資本主義化を目指している。ただ両国とも軍事に力を入れているところがアメリカにとって都合が良い。中国と北朝鮮の脅威を強調すれば日本から金を搾り取ることが出来るからである。
北朝鮮がミサイルを撃てば日本はイージス艦やMD(ミサイル防衛)やアメリカの兵器を購入する。しかしその北朝鮮が最も手を組みたがっている相手がアメリカである事をアメリカはよく知っている。一方の中国はアメリカにとって今や日本以上に重要な経済パートナーである。相互依存度もダントツなら、日本をしのぐための技術開発でも米中は協力している。しかも核を持つ大国同士だから戦争することはありえない。アメリカは中国に追い越されたくはないが、いずれ米中2国で世界を管理する日が来るだろうと考えている。
地下資源があるとみられる北朝鮮にもアメリカは興味がある。ミャンマーのような民主化を達成できれば、中国以上の影響力を行使できると考えている。日本の小泉政権がアメリカの頭越しに北朝鮮と国交正常化を図ろうとしたが、アメリカは断固としてそれを許さなかった。同じように日本が周辺諸国と手を結ぶことをアメリカは望まない。日本はアメリカとだけ友好関係を築き、中国が大国化するのを牽制するために利用できる存在であればそれで良いのである。それが冷戦後のアメリカの基本戦略である。
8月10日に韓国の李明博大統領が竹島に上陸して領土問題に火をつけた。大統領はその後も民族主義を煽る言動を繰り返して日本を挑発している。この人物の政治手法は小泉総理と似ている。アメリカを政権運営の後ろ盾としながら、小泉総理が靖国参拝で日本国民の反中国感情を刺激したように、慰安婦問題を持ち出して韓国の反日感情を刺激している。おそらくアメリカの許容範囲と見ているのだろう。
15日には尖閣諸島に香港の活動家が上陸して逮捕・強制送還される事件が起きた。いずれも日本にとっては許しがたいが、日本の領土問題には第二次大戦とその後の冷戦体制が色濃く影を落としている。北方領土問題はそもそも太平洋戦争に勝利するためアメリカがソ連に千島列島を帰属させると約束して対日参戦を促した事から始まる。竹島は冷戦体制であったが故に日本は日韓協力を優先させて韓国の暴挙を見逃してきた。そして尖閣問題でアメリカは介入しない事を明言している。
竹島や尖閣をアメリカが「日米安保の対象地域」と発言しても、国益にならない領土問題にアメリカが介入する事はない。つまり領土問題は日本が独力で解決する以外に方法はないのである。すでに世界が冷戦型思考を切り替えているのに、日本だけは「アジアの冷戦は終わっていない」とアメリカに教えられて冷戦型思考を引きずってきた。しかしこの夏に起きた領土を巡る不愉快な出来事は、日本が自身の戦後史を振り返り「冷戦後」の現実を直視するための格好の機会である。日本は自力で生き抜くしかない「冷戦後」の現実を下敷きにして今後の国家戦略を構築していくべきなのである。
(私のコメント)
昨日は、「国際政治学界の大物、ズビグネフ・ブレジンスキー元国家安全保障担当大統領補佐官(84)は、今週発売された新著『戦略的ビジョン』(仮題。原題=『Strategic Vision: America and the Crisis of Global Power』)で、米国の衰退に伴う世界の「核の勢力図」の変化について」を再度紹介させていただきましたが、アメリカのこれからの国家戦略のヒントになるだろう。
オバマ大統領の米中によるG2演説もブレジンスキーの構想が土台になっているのだろう。もちろんアメリカには多くの国際政治学者がおり、キッシンジャーやナイも政権との繋がりが深く、ワシントンには多くのシンクタンクがあり、これには中国が「超限戦」戦略に則って大統領からシンクタンクに至るまで買収作戦でやられている。買収作戦には合法非合法いろいろありますが、これほど効率的な外交戦略は無いだろう。
自民党政権でも政治家や企業幹部など影響力のある人が行くと親中派になって帰ってくる。外交官でもハニートラップに引っかかって自殺した人がいましたが、今の自民党総裁もハニートラップに若い頃引っかかっている。中国も韓国も外国だから日本の警察も司法も税務署も及ばないから政治家達は中国や韓国を訪問することが大好きだ。金や女でダメなら日中○○友好連盟会長などの肩書きで取り込んでいく。
アメリカの国務省の高官も引退後は米中のブローカー業務で稼ぐからコネを作る為に中国に取り込まれて行く。ビル・クリントンなどは中国美女をあてがわれれば取り込むことなど簡単だろう。民主党の前総理も韓国女性との隠し子がいると言う事ですが、このように利権や金や女や名誉で取り込んでいくのが「超限戦」の基本だ。福島第一原発事故の時も東電の勝俣会長とマスコミの幹部が中国旅行中でしたが中国に行くとよほどいい事があるのだろう。
このような事をしていれば国民は政治家やマスコミを信用しなくなり、ネット上の記事などで事実を知るようになる。新聞などのマスコミはネットは信用ができないと言いますが、ネットを中国や韓国などが買収することは物理的に不可能だ。だからマスコミが親中や親韓的な報道をすればするほどネットは嫌中、嫌韓的な記事で溢れる事になる。韓国はネットも実名制だからなかなか本心を語る事はできない。
いずれ日本もネットも実名制になって本心を語る事は難しくなってくるかもしれない。人権擁護の名の元に中国人や韓国人を批判すると人権擁護委員会が捜査権を持って人権侵害で逮捕されると言う事も考えられる。そうなると政府を擁護する記事しか書けなくなり、政府を批判するとネットに記事が書けなくなる時代が来るかもしれない。
ブレジンスキーは1972年に「ひよわな花・日本」を書きましたが、日本の経済大国の弱点を指摘してソ連崩壊以降のアメリカの敵として「日本叩き」のバイブルになった。それは田中良紹氏も記事に書いていますが、大蔵省や通産省を解体して、銀行もBIS規制で縛ることで日本経済を弱体化させていった。しかし日本を弱体化させることがアメリカにとって本当に利益なのだろうか? ブレジンスキー氏に聞いてみたいところだ。
田中氏は、『日本製品の集中豪雨的輸出がアメリカの製造業を衰退に追い込み、1985年、ついにアメリカは世界最大の借金国に転落する。一方の日本は世界最大の金貸し国となった。それでも冷戦体制にある間はアメリカが日本と決別することはできない。アメリカの軍事力に「タダ乗り」して金儲けに励む国をアメリカはただ批判するだけであった。』と書いていますが、アメリカの製造業を衰退させたのは価格破壊的な輸出をしてきた中国製部品であり、その事は「株式日記」でも書きました。
◆『中国が世界をメチャクチャにする』 ジェームズ・キング:著 「アメリカは強欲さから内部分裂するだろうとレーニンは言った。レーニンは正しかった」 2009年9月18日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/0247a422a94aeae98fda123b83aeb323
(私のコメント)
アメリカのロックフォードは東京や大阪の下町にあるような機械工業部品の生産地だった。多くが数十人規模の中小企業であり自動車のエンジンを作る精密工作機械など高い技術力を持っていた。そこに中国企業が三分の一の価格で部品の販売攻勢をかけてきて、一つまた一つと伝統ある金属加工会社が倒産して行った。そして倒産した会社の機会や設計図や操作ノウハウを中国が買いあさっていった。
アメリカ政府はこのような国防上も影響のある中小企業を保護する事もなく見捨てて、300万人もの雇用が失われていった。GMやクライスラーが新世代の自動車が作れなくなったのは、このような中小企業が倒産してなくなってしまったからであり、GMやクライスラーは中国の安い部品で自動車を作るようになった。
ボーイング社も世界最大の航空機メーカーですが、安い部品は中国から輸入して組み立てている。GMやボーイング社のようなグローバル企業から見れば、国内で生産するよりも人件費がただのような中国で部品を作ったほうが合理的だ。中国は広い国土と膨大な人口を持つから自動車や航空機の巨大市場になる可能性がある。事実中国は世界一の自動車大国になった。
中国の自動車メーカーは400社もあるそうですが、自動車が国産化できるようになったのも早くからアメリカのメーカーの下請工場として部品を作ってきたからであり、アメリカのグローバル企業は日本やヨーロッパと対抗するには中国の安いコストで対抗する必要があった。だからアメリカは中国の人民元の切り下げにも協力した。80年代は1ドル2元が90年代には1ドル8元にまで切り下げられた。GMやボーイングにとってはその方がいいからだ。
アメリカ政府は国家戦略として製造業は切り捨てて金融立国を目指した。1997年のアジア金融危機はアメリカが仕掛けたものであり、アメリカ資本は倒産したアジアの企業を買いあさった。韓国の主要銀行はすべて外資に買収されて経済植民地になってしまった。物作りは中国や韓国や台湾に任せて金融で稼ぐのが一番効率がいい・・・はずだった。
しかしアメリカはバブルは破裂して金融立国戦略は破綻した。しかし製造業はロックフォードの例を見るまでも無く会社は倒産して熟練工もいなくなった。新製品を作ろうと思っても国内では作る事が出来ない。製造工場がいったん無くなれば元に戻す事はできない。工場は海外に自由に移転させられるが、人は移す事ができない。失業した熟練工は時給7ドルのウォルマートの販売店員になるしかなかった。
この光景は現在に日本で起きている光景と同じであり、トヨタやキヤノンといったグローバル企業は工場を中国に移転して国内は空洞化してしまった。経済的にはそれが合理的なのでしょうが、中国はアンフェアな国だ。技術を手に入れたら格安で販売攻勢をかけてくるだろう。NHKはアジアの巨大市場を手に入れるには技術を移転させていくしかないと言うのでしょうが、アメリカと同じ道を行けと言うのだろうか?
(本日の私のコメント)
田中氏は、『日米安保体制は冷戦の終焉で終わる運命にあったが、中国と北朝鮮の存在を理由に「アジアの冷戦は終わっていない」とアメリカは宣言し、日米安保は再定義され継続された。』と書いていますが、ソ連の失敗を中国はするはずが無く、改革開放経済でアメリカと手を組む一方で米中は日本を封じ込める事で戦略が一致した。それには親中反日のブレジンスキーの戦略が生かされている。
オバマの米中G2戦略は今も生きており、田中氏は、「一方の中国はアメリカにとって今や日本以上に重要な経済パートナーである。相互依存度もダントツなら、日本をしのぐための技術開発でも米中は協力している。しかも核を持つ大国同士だから戦争することはありえない。アメリカは中国に追い越されたくはないが、いずれ米中2国で世界を管理する日が来るだろうと考えている。」と書いていますが、米中経済同盟関係は深まる一方だ。
その反面では、アメリカは背後から中国や韓国の反日を煽り、領土問題も中立を決め込んでいる。しかしリーマンショック以降はアメリカの金融立国戦略は破綻して、20代から40代の若年労働者の失業率は15%を超えており全体でも9%の失業率ではオバマの再選は難しいだろう。『中国が世界をめちゃめちゃにした』と同時にアメリカをめちゃめちゃにしたのは中国に買収されたブレジンスキーに責任がある。
アメリカの戦略家が考えそうな事は、ヨーロッパで二度の世界大戦があったように、今度はアジアで世界規模の戦争をさせて儲けるつもりだ。だから中国や韓国で反日を煽っている。昨日紹介したブレジンスキーの新著でもそのように読める。
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