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「広島に原爆が落とされて67年目の現在、米国は英国、仏国、トルコ、サウジアラビア、カタールなどと手を組み、アル・カイダを使ってシリアの体制転覆、国家乗っ取りを目指す」
(櫻井ジャーナル)
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201208050000/
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67年前の8月6日、アメリカはウラン235を使った原子爆弾「リトルボーイ」を広島市の投下、十数万人を一瞬のうちに殺害した。その時に放射性物質を浴びた多くの人がいまだに殺され続けている。この事実に歴代日本政府は目をつぶってきたが、今、東電福島第一原発の事故でも同じことを繰り返そうとしている。
広島に原爆が投下される21日前、アメリカはニューメキシコ州のホルナダ・デル・ムエルト(死者の道)砂漠でプルトニウムを使った原爆の爆発実験が行われた。実験の翌日から8月2日の期間にベルリン郊外で開かれたのがポツダム会談である。アメリカのハリー・トルーマン大統領は実験が終わるまで会談を引き延ばしていたという。
4月に急死したフランクリン・ルーズベルト大統領は、2月に開かれたヤルタ会談でソ連に対日参戦を求めていたが、トルーマン大統領は原爆の独占によってソ連の影響力を排除したいと願っていたという見方もある。
ヤルタ会談の取り決めによると、ドイツ敗戦の90日以内にソ連は日本との戦争は始めなければならない。ドイツは5月7日に降服しているので、8月5日までにソ連は日本に宣戦布告しなければならなかったが、実際に参戦するのは8日、広島に原爆が投下された後のことである。
9日から10日にかけて日本では「御前会議」が開かれ、ポツダム宣言の受諾を決定、スイスの日本大使館を経由して連合国へこの決定を伝えている。15日の「終戦勅語」は「臣民」に対し、負けたとも降服したとも言わない発表にすぎない。日本軍に停戦命令が出たのは16日、降伏文書の調印は9月2日である。
この段階で日本は「ポツダム宣言」に基づく戦後が始まったはずだが、日本の支配層はその事実を認識できなかったらしく、思想犯の釈放や治安維持法の廃止は考えていなかった。何しろ、10月の段階で山崎巌内相は特高警察を使い、天皇制に反対する人間を逮捕すると公言している。そのひとつの結果が三木清の獄死である。
日本が戦後の第1歩を踏み出すのはその直後、ダグラス・マッカーサー連合軍最高司令官が「政治、信教ならびに民権の自由に対する制限の撤廃、政治犯の釈放」を指令、政治犯が釈放されたときである。が、その後も特高は「公安警察」として生き残り、思想検察などと同様、国民弾圧の責任者たちは戦後も支配的な地位に居座り続けた。
アメリカが日本の体制を変えるということは、それなりに合理的な理由はある。ほかの連合国を無視するという問題はあるが、それでもアメリカは日本との戦争に勝利し、日本は連合国に無条件降服している。日本は敗戦国であり、アメリカは戦勝国である。しかも日本の支配層に対する対応は優しかった。ほかの連合国を無視する形で天皇制を維持する憲法を作り、「戦前レジーム」を残したのも一例。
ところで現在、シリアでは「民主化運動」を支援、政府軍の弾圧を止めさせるという口実でアメリカは軍事介入している。シリアという国と戦争しているわけではない、ということになっている。そうした状況の中、アメリカはイギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタールなどと同盟を組み、特殊部隊を潜入させ、傭兵を雇い、アル・カイダ系のイスラム武装集団と手を組んで破壊と殺戮を繰り返している。この事実は隠しようがなくなっている。
どうやら、最近、アメリカはシリア国民を無視する形で、シリアの新体制をアメリカに都合良く作り替えようとしている。要するに、植民地化しようとしている。
本ブログでは何度も書いているように、反政府軍の編成、訓練、資金や武器の提供という形で軍事介入してきた。現在、トルコ、レバノン、ヨルダンなどの拠点からシリアへ部隊を軍事侵攻させている。
昨年の春から、トルコにある米空軍インシルリク基地でアメリカの情報機関や特殊部隊、イギリスやフランスの特殊部隊が反政府軍のFSA(自由シリア軍)を訓練していると伝えられていたが、ここにきて反政府軍のプロパガンダ機関と化しているBBCもこの事実を認め始めている。ただ、訓練は次の段階に移っているようだが。
アメリカはシリアと戦争しているのではなかったはず。「弾圧されたシリア国民」を支援するというなら、主役は国民でなければならないのだが、困ったことに反政府軍の主力は外国人である可能性が高い。イスラエル建国時のように、恐怖(テロ)戦術を使い、住民を入れ替えるつもりなのだろうか?
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