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RPEジャーナル↓
http://www.mag2.com/m/0000012950.html
★アメリカ、【戦争のお墨つき】をえる・・・
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
(●CIAが何やってるか知りたい?
詳細は【編集後記】で! )
ついにアメリカが、国連から戦争の【お墨つき】を得ました。
(今回の話は、
2012/07/25
★(欧米vs中ロ代理戦争)シリア問題の行方↓↓↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20120725232558000.html
2012/08/02
★中国がシリアに軍艦を派遣!〜第3次大戦の兆し???↓
http://archive.mag2.com/0000012950/20120802183112000.html )
のつづきです。
まだ読んでない方は、まず↑をご一読ください。
理解が10倍深まります。
▼シリア問題のこれまで
なんか最近「シリア問題」ばかりで申し訳ありません。
しかし「シリア問題」は、「米中覇権争奪戦」の延長ですから、これ
を語らないわけにはいかないのです。
まず簡単にここまでの流れを。
7月19日、中国とロシアは国連安保理で、3度目の「拒否権」を行
使しました。
<<シリア>中露が米欧提出の決議案に拒否権 国連安保理
毎日新聞 7月20日(金)11時13分配信
【ワシントン白戸圭一】国連安全保障理事会は19日午前(日本
時間同日深夜)、シリアのアサド政権が停戦に応じない場合、経
済制裁発動を警告する米欧提出の決議案を採決した。
アサド政権への圧力強化に抵抗する常任理事国のロシア、中国
が拒否権を発動し、決議案は否決された。
中露がシリアに関する決議案への拒否権を行使するのは昨年10
月、今年2月に続き3度目。>
「国連安保理じゃあ、問題解決できんわ!」とシビレを切らしたアメ
リカ。
「これからは国連安保理無視していきますんでよろしく!」と宣言
します。
↓
<対シリア 安保理対応 米「枠外で行動」
産経新聞 7月22日(日)7時55分配信
【ニューヨーク=黒沢潤】国連安全保障理事会は20日、国連シリ
ア監視団(UNSMIS)の任期を30日間延長する決議案を採択した
が、前日にはシリアのアサド政権への制裁警告を盛り込んだ任期
延長決議案がロシアと中国の拒否権行使で廃案となった。
対シリア決議案での中露の拒否権行使は3度目で、米国はこの問
題での安保理の対応に“見切りをつける”方針を表明、ロシアは早
速反発し溝の深さをうかがわせた。>
アメリカは、イラク戦争時同様、「国連安保理」無視を決めた。
しかし、私は、「イラク戦争時のような抵抗や反戦運動は起こらな
いだろう」と予測しました。
理由は以下のとおり。(前号から転載)
<1、国際世論がアメリカ側についている
世界のメディアを見ると、「アサドが自国民を大量虐殺している」
という情報はひろく拡散されています。
一方ロシアが主張する、「反政府側も虐殺している」という情報
はあまりひろがっていません。
ですから、アメリカがシリア攻撃を決めても、それほど大きな反
対は起こらないでしょう。
2、欧州がアメリカについている
イラク戦争に反対していたのは、中国、ロシア。
もっと重要だったのは、フランス、ドイツが反対だったことです。
西欧の二大強国が反対ということで、国際世論が反米にむいた。
しかし、今回欧州は一致してアメリカの方針を支持しています。
3、アサド政権は「化学兵器保有」を認めた
アメリカはイラク戦争時「フセインは大量破壊兵器を保有している」
と主張していました。
それがウソだったことがバレ、苦境に立たされた。
大量破壊兵器とは、生物兵器、化学兵器、核兵器、放射能兵器
のことをさします。
アサド政権は、最近大量破壊兵器である「生物化学兵器保有」
の事実を認めました。
もっとまずいことに、「それを使う可能性がある」と宣言した。
↓
<大量破壊兵器の保有を公言、国民への使用は否定 シリア
CNN.co.jp 7月24日(火)10時3分配信
(CNN) シリア外務省は23日、外国から侵攻された場合に備
えて生物化学兵器などの大量破壊兵器を保有していると公言
した。ただしシリア国民に対して使うことはないと断言している。
シリア外務省のマクディシ報道官は記者団に対し、「シリアが
保有している(大量破壊兵器の)ストックや非通常兵器は、いか
なる状況においても民間人やシリア国民に対して使うことはな
い。
保有兵器はすべてシリア軍によって監視され、外部からシリア
に対する侵攻があった場合にのみ使用される」と発言した。>
つまり「外国から攻撃された場合は使う」と。
これは、「外国からの攻撃を阻止するため」に発表したのでしょう。
しかし、逆効果です。
アサドは、自ら「墓穴」を掘ることになりました。
欧米に、「アサドは自国民を大量虐殺し、生物化学兵器を使うと
公言するクレイジーな独裁者だ!いかなる手段を使っても排除
しなければ!」という口実を与えてしまいました。>
さて、その後、シリア問題はどうなったのでしょうか?
7月25日号で予測したとおり、急速に「戦争にむかっての環境」
が整えられつつあります。
▼アメリカ、戦争の【お墨つき】を得る
まず8月2日、ここ半年間シリア問題の解決に尽力してきたア
ナン国連特使(前国連事務総長)が「辞意」を表明しました。
↓
<シリア>アナン特使が辞任へ 調停失敗
毎日新聞 8月3日(金)1時20分配信
【ジュネーブ伊藤智永、ニューヨーク草野和彦】シリア停戦を仲介
してきたアナン国連・アラブ連盟合同特使(前国連事務総長)は2
日、ジュネーブの国連欧州本部で記者会見し、任期末の8月31日
付で特使を辞任すると表明した。>
なぜ辞任するのでしょうか?
↓
<シリア北部アレッポを中心に政府軍と反体制派の戦闘が激化し、
調停失敗が確実になったため。>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なぜ調停に失敗したのでしょうか?
その理由は?
↓
< アナン氏は安保理には「団結し、持続的な圧力」をアサド政権
にかけるよう要請してきたが、安保理の対シリア制裁決議案は中
露の拒否権行使により3度にわたって廃案になり、アナン氏は事
態打開は困難と判断したとみられる。
事務総長は声明で
「安保理内の分裂が仲介をより困難にしている」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
と強い調子で
中露の対応を非難した。>
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つまり、「アサドを制裁しようとしても、中国・ロシアが拒否権を使うの
で、圧力がかけられない」といっているのです。
ちなみに、ロシアのメディアでは、「欧米のせいでシリア問題は解決し
ない。ロシアはアナンさんを支持してきたし、やめないで欲しい」とい
う報道です。
しかし、イラク戦争時とは違い、今回は「アサドは悪」「中ロも悪」とい
う論調が圧倒的。
そしてついに、アメリカが戦争の【お墨つき】を国連から得ることに成
功しました。
↓
<アサド政権の攻撃非難=停戦要求決議を採択―国連総会
時事通信 8月4日(土)5時46分配信
【ニューヨーク時事】国連総会は3日のシリア内戦をめぐる会合で、
アサド政権による重火器使用を非難し、同政権がまず暴力を停止
するよう求める決議案を賛成133、反対12、棄権31の賛成多数で
採択した。
総会決議に法的拘束力はないが、安保理が有効な措置を講じら
れない中、国際社会としての結束を示した形だ。>
賛成133・・・。
中ロ、完敗ですな・・・。
<決議は反体制派を支持するサウジアラビアが作成。
同国のムアリミ国連大使は演説で、安保理の努力は2カ国の拒否権
行使で行き詰まったと述べ、アサド政権への制裁を目指す欧米の決
議案を3度阻止してきたロシアと中国を批判。
「世界の良心はシリア国民の苦しみを無視しないと強く確信している」
と強調した。 >(同上)
↑
「絶対君主国家」(絶対独裁)サウジがよくいったものだと思います
が。
中ロは名指しで非難され、それに133国が賛成するという結果。
「国際世論」は今、「シリア問題」についてどういうことになっている
のでしょうか?
1、アサドは、「化学兵器を保有」し、それを「使用する」と公言している。
そして、自国民を大量虐殺しているクレイジーな独裁者である
2、国連安保理は、そんな悪の独裁者アサドを失脚させなければなら
ない
3、しかし、中国・ロシアがアサドを守り、安保理で「拒否権」を行使す
るため、圧力がかけられない
4、中ロのせいで、国連安保理は、「機能不全状態」になっている
5、アメリカは、「国連安保理」を無視する意向を示したが、それは
「仕方のないこと」である
6、国際世論が「アサド排除」であることは、国連総会の決議(賛成
133)を見ても明らかである。
つまり、欧米が、国連安保理を無視して、明日「シリア攻撃」を開始
しても、ほとんど問題にならない環境が整ったといえるのです。
▼イラク戦争時との違い
シリア問題の状況をわかりやすくするために、「イラク戦争」と比較
してみましょう。
まず、国連安保理の状況はどうだったか?
1、国連安保理
イラク。
常任理事国中、戦争支持は、アメリカとイギリスだけ。
フランス、中国、ロシアが戦争に反対。
シリア。
常任理事国中、アメリカ、イギリス、フランスがシリア戦争支持。
(「戦争支持」とは公言していないが、誰もが知っている。)
中国、ロシアが反対。
2、国連総会。
イラク。
シリア問題で「国連特使」をつとめるアナンさん。
前国連事務総長なわけですが、04年にこんな発言をしています。
毎日新聞04年9月16日から。
↓
< 【ニューヨーク高橋弘司】
国連のアナン事務総長は15日、英BBCとの会見で、米英が主導
したイラク戦争について
国連憲章に照らして「違法」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
との見解を初めて示した。
アナン氏はたびたび同戦争に批判的な見方を繰り返してきたが、こ
れほど明確な批判は異例だ。
アナン氏はイラク戦争は違法かとの質問に、「私の見解では国連憲
章に合致していないと思う」と前置きし、
「違法だった」
~~~~~~~~~~~~~~
と明言した。
また、「国連の承認や国際社会の広範な支持がない、イラクのよう
な軍事作戦が再び起こらないことを望む」と述べた。
イラクの旧フセイン政権に大量破壊兵器完全廃棄を迫る国連安保
理決議の審議が続く中、昨年3月、米英が一方的開戦に踏み切っ
たことへの強い疑念が背景にあるとみられ、アナン氏は「新たな決
議を目指すべきだった」と振り返った。>
アナンさんは当時、米英主導のイラク戦争を「違法だ!」と断言した
のですね。
そういう「フェアだ」という名声のある人が今回、調停の「サジ」を投
げた。
中ロ、そしてシリアにとっては、まったく痛いできごとでしょう。
次、シリア。
既述のように、賛成133。
もちろん、これは、「戦争に賛成の国が133」という意味ではあり
ません。
しかし、実際戦争になっても、それほど変化はないと思います。
3、大量破壊兵器
イラク。
皆さんご存知のように、米英は、「フセインは大量破壊兵器をも
っている!」と決めつけて、戦争を開始しました。
しかし、「実はなかった」ことがわかり、米英の評判は失墜したの
です。
<「米上院報告書、イラク開戦前の機密情報を全面否定
【ワシントン=貞広貴志】米上院情報特別委員会は8日、イラク戦争
の開戦前に米政府が持っていたフセイン政権の大量破壊兵器計画
や、国際テロ組織アル・カーイダとの関係についての情報を検証した
報告書を発表した。(読売新聞 06年 9月9日)>
<「報告書は『フセイン政権が(アル・カーイダ指導者)ウサマ・ビン
ラーディンと関係を築こうとした証拠はない』と断定、大量破壊兵器
計画についても、少なくとも1996年以降、存在しなかったと結論付
けた」>(同上)
シリア。
シリアは、上記のように、「生物・化学兵器保有」を認め、戦争の際
に使用する可能性を示唆しています。
よって、国際的には、「イラクより危険な国。アサドは、フセインより
もクレイジーな独裁者」というコンセンサスができてしまった。
このように、シリアと、それをサポートする中国、ロシア、イランは、
情報戦に負け、すっかり悪者になっています。
情報戦で負けたので、今度は、「戦争開始するなら、とんでもな
いことになるぞ!」と脅しているのです。
↓
<中国軍艦艇3隻、シリアに向けスエズ運河通過
読売新聞 7月30日(月)11時8分配信
【カイロ=工藤武人】エジプトの政府系アル・アハラム紙(電子版)
は、中国軍の駆逐艦2隻とフリゲート艦1隻が29日、シリアに向
かうためエジプトのスエズ運河を通過したと報じた。 >
しかし、国際世論は完全にアサドを見放している。
ですから、中ロは介入すればするほどマスマス自国の評判を失
墜させていくことでしょう。
▼進化するアメリカ
皆さんご存知のように、私は「アメリカ教徒」ではありません。
むしろ、「アメリカからの自立」を切望している、一日本人です。
アメリカは、新世紀に入ってから既に三つの大きな戦争を戦ってい
る。
すなわち、アフガン戦争、イラク戦争、リビア戦争。
アメリカという国は、新世紀に入ってから、最初の一年をのぞき、
ず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜と休むことなく戦争をつづけている恐ろ
しい国。
そうはいっても、やはりすごい(恐ろしい)国だと思わざるをえませ
ん。
なんでしょうか?
この国は、「過去の失敗」からきちんと学んでいます。
たとえば、オバマさん。
世界恐慌時(1929年〜)の教訓を生かし、即座に「ケインズ」で危
機に対応しました。
世界恐慌時アメリカの失業率は25%までいった。
それが、現在は8.3%。
いろいろオバマさんの経済政策を悪くいう人もいますが、どんだ
けマシかというのです。
(ちなみに、「今の時代25%の失業率なんてあるか!?」という反
論がでるかもしれません。
しかし、スペインの失業率は現在25%、若者は50%(!)。
つまり今でも政策を間違えば、世界恐慌時のようなことはおこり
えるのです。)
戦争についても同様です。
イラク戦争は、明らかにアメリカの失敗でした。
オバマさんは、ブッシュ政権の過ちからきっちり学び、同じ過ち
をくりかえしません。
独善性を排除し、英仏を前面に立てることでうまく批判をかわ
しています。
ノーベル平和賞をもらったオバマさん。
ちゃっかりリビア戦争をしているし、今もシリア戦争、イラン戦争
の準備を着々とすすめている。
しかし、ブッシュのように「戦争好き」と批判されることはメッタに
ありません。
忍耐強い外交と、情報戦を重視している。
「アメリカは戦争したくないが、アサドやアフマディネジャドはクレイ
ジーな独裁者だから仕方ない」
と、世論をうまく誘導している。
日本政府はあまりに弱腰なので、「強気でいけ!」という世論が強
いです。
しかし、オバマさんのように、対立を避けながら「ちゃっかり」目的を
達成してしまう外交術が、日本にも必要かもしれません。
というわけで、今回は「アメリカは戦争のお墨つきを国連から得た」
という話でした。
追い詰められているのは、ロシアのプーチンさんです。
彼は、どうやってアメリカに逆襲するのでしょうか?
先回りして知りたい方は、こちらをご一読ください。
山盛り証拠つきで全部わかります。
↓
【3刷決まりました!】
【アマゾン(社会・政治部門)1位!】
●「プーチン最後の聖戦」 (集英社インターナショナル)
(詳細は→ http://tinyurl.com/8y5mya3 )
↑
<プーチン本はいろいろ出ているが、これが独特で面白い。>
(立花隆 「週刊文春」2012年7月12日号)
●RPEジャーナル、そのほかの情報は
↓
http://www.mag2.com/m/0000012950.html
●【世界一わかりやすいアメリカ没落の真実】(北野幸伯著)
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