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専門家の多くは、東シナ海にある釣魚諸島(日本名:尖閣諸島)の領有権を巡る中国と日本のあつれきに不安を抱いている。
だが中国にはより過激な見解を持つアナリストたちがいる。そのようなは人たちは、この釣魚諸島を巡る論争は日本の沖縄県が多くを占める琉球諸島にまで拡大する可能性があると考えている。
中国の還球時報は7月、中国は沖縄県がある琉球諸島に対する日本の支配に関する法を見直すべきだとする社説を掲載した。
沖縄県には米兵士を除いておよそ140万人が暮らしている。
英国の「ファイナンシャル・タイムズ」紙が記事を抜粋して伝えたところによると、
「中国は領土の一体性に関する論争において、日本と争うことを恐れるべきではない」という。
中国人民解放軍国防大学 ・戦略研究センターの所長を務める金一南少将は、さらに踏み込んだ考えを表した。
所長は国営ラジオの番組で、釣魚諸島だけを対象とするのは「あまりにも幅が狭い」との見解を表し、中国は琉球諸島すべてに関する領有権問題を提起するべきだと述べた。
http://japanese.ruvr.ru/2012_07_26/chuugoku-okinawa-no-ryouyuuken-wo-shuchou/
<以下はファイナンシャル・タイムズからの貼付け>
多くの観測筋にとっては、東シナ海の、陸地から遠く離れた海域に浮かぶいくつかの無人島を巡って
中国と日本の摩擦が激化していく様子だけでも十分心配だ。
しかし、中国で影響力を持つ一部の国家主義者たちが思い通りにできれば、
日本が支配している尖閣諸島(中国政府は釣魚島と呼んでいる)を巡る小競り合いは、
これよりもはるかに重要な島々を巡る議論に拡大する可能性がある。
■沖縄県や琉球列島に対する領有に異議
中国では、日本による沖縄県の支配に異議を唱えるべきだとの声も上がるようになった〔AFPBB News〕
中国の新聞「環球時報」は今月、中国政府は日本による沖縄県の支配に
異議を唱えることを検討すべきだという激しい内容の社説を掲載した。
多数の島々から成る同県には140万人の人々が住み、米軍の基地が数多く設けられている。
「日本と対決して領土の一体性に傷を付け合うことを中国は恐れるべきではない」。
共産党が運営する同紙はそう明言した。
中国国防大学戦略研究所の所長、金一南少将はさらに踏み込んだ発言をした。
国営ラジオの番組で金氏は、議論の対象を釣魚島に限定するのでは「狭すぎる」とし、
中国政府は琉球列島全体の領有について疑問を呈すべきだと述べたのだ。
■琉球列島については様々な定義があり、その中には沖縄県以外の島も含むとするものがある。
中国政府はこのように過激な見解への支持を表明していないが、
高い地位にある人物が賛意を公にしていることは、日本やその他近隣諸国の不安をかき立てることになりそうだ。
「琉球列島に対する日本の主権に異議を唱えるとなれば、過去と決別することになるだろう」。
マサチューセッツ工科大学(MIT)に籍を置く中国の安全保障問題の専門家、テイラー・フラベル氏はこう指摘する。
フラベル氏によれば、中国政府はこれまで、国境画定のために領有権を主張することを自制する傾向があった。
沖縄が日本のものであるのはおかしいという中国の疑義は、現在の沖縄県のルーツが、
琉球列島の支配を15世紀に確立した琉球王国という独立国家にあることに基づいている。
琉球王国の王は中国の皇帝に貢ぎ物を贈り、そうすることで有利な交易を行っていた。
貢ぎ物は、1609年に王国が日本の大名に征服された後も続けられた。
沖縄が正式に日本の一部になったのは1879年になってからのことだった。
かつて中国に貢物を贈っていた国は中国の領土?
中国には、日本による琉球列島の支配には正統性がないと見なすにはこの歴史だけで十分だという声もある。
琉球列島は、中国海軍が太平洋に出て行く際の最大の障害と見なされている、戦略的に重要な島々だ。
かつて東京の中国大使館に外交官として勤務していた唐淳風氏も、
日本による沖縄支配の容認を中国は再考すべきだと主張している。唐氏によれば、
過去の自制は「かなりの害をもたらした」という。
■今後の展開次第では、日中関係の基盤が揺らぐ恐れがある〔AFPBB News〕
「私は日本にいた時、琉球列島がかつて我々のものだったとは全く知らなかった」。
日本専門家の唐氏は現在、中国商務省のシンクタンクに所属している。
しかし、このような主張は外交に火種を持ち込む恐れがある。
「過去のある時点で貢ぎ物を受け取っていたことが20世紀に主権を主張する根拠になるなどと言い出したら、
たくさんの人々が心配し始めるだろう」。
中国と日本の専門家であるマイアミ大学のジューン・トイフェル・ドライヤー氏はこう話す。
「かつて中国に貢ぎ物を贈っていた国は本当にたくさんある」
■尖閣諸島を手に入れるための危険な戦術
中国のタカ派の中には、沖縄は中国の領土であるべきだとまでは言わず、
琉球列島は日本から独立すべきだという考え方を広めれば十分だと示唆する向きもある。
そうすれば、釣魚島・尖閣諸島に対する中国の領有権主張を否定し続けることのコストを日本政府が理解する、というわけだ。
しかし、中国外交学院の周永生教授は、そのような戦術を使うべきではないと警告する。
「釣魚島の問題を解決するために琉球の主権の問題を使えば、日中関係の基盤を破壊することになる・・・領有権の主張を検討すれば、基本的に軍事行動の前ぶれとなるだろう」
国政府はまた、沖縄県民の間で独立の機運が盛り上がることも期待できない。
たしかに日本政府の政策――そして米軍の駐留――を快く思っていない県民は多いが、
日本からの分離・独立を目指す気持ちは弱い。実際、2006年の沖縄県知事選挙には独立賛成派が1人立候補したが、
獲得したのは6220票にすぎなかった。
■「琉球独立を中国に利用させてはならない」
また、沖縄に対する日本の主権に中国が異を唱えれば、中国政府自身の政策と比較されるはずだ。
チベットやモンゴル、ウイグルなどの人々ははるかに激しい独立運動を展開しており、
中国政府はこれを抑圧する政策を取っているからだ。
龍谷大学の松島泰勝教授は、日本政府による沖縄の支配は違法との考えから沖縄の独立を強く支持しているが、
日本では少なくともそうした見解を公の場で表明できると指摘している。
もし中国が沖縄の人々の自主的決断を支持する一方で、自国内の少数民族の自主的決断を否定し続けるとしたら、それは「奇妙なことだ」と松島氏は述べている。
「(中国が独立を支持する時には)その背景に何があるかを考えなければならない」と松島氏。「琉球の独立を利用させるわけにはいかない」
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