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米国は、イランからのシリアへの武器・原油輸送を阻止するため、情報機関員や外交官を使うなど武力ではなく、シリアのアサド政権崩壊を早める秘密裏の工作を進めている。この限定的な作戦で米国はまた、前線のシリア反政府組織にも情報を提供している。
今年この工作で中心となったのはイラクにイラン−シリア間の航空路を閉鎖させることだった。積荷リストでは、切り花などとされているものの、米情報当局はイランからの空輸でシリア政府軍向けに武器が運ばれているとみているためだ。米国はまた、スエズ運河を通過してシリアに武器や燃料などが輸送されることを阻止しようしているが、首尾はまちまちとなっている。
これらの作戦には米国の中央情報局(CIA)、国務省、財務省、米軍などが参加しているが、米国が従来よりもアサド政権に対抗する姿勢を強めていることを示している。米国がシリア反政府勢力との関係が良好化する一方、アサド大統領が武器調達を必死に進めている中で、米国のこの作戦は一段と強化されている。
しかし、この作戦については、オバマ政権内部のほか議会では、「場当たり的な対応でアサド政権後の米国の影響力拡大を狙う意図は遅きに失した」との批判も出ている。シリア反政府勢力の指導者の間では、米国の対応は不十分であるのとの不満が出ている一方、カタール、サウジアラビア、トルコなどがシリア反政府勢力に武器を提供するなど、米国よりも大きな役割を果たしているとの指摘もある。
米当局者は、対アサド政権工作が限定的なことについて、シリア紛争に米国が直接巻き込まれることにオバマ政権が慎重になっているためであることは認めている。シリアへの武器空輸の一部は阻止されているものの、正確な情報を入手することは困難で外国政府は協力には前向きではないという。武器や燃料は米側の監視をすり抜け、シリア側に流入しているという。
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イランからシリアへの武器の空海輸送路
シリア反政府勢力は、特にトルコ南部にいる米国務省職員やCIA要員との接触を密にしていることを認めている。しかし 同勢力によると、米国はもっと早い段階でシリアへの武器・燃料の空海輸送を阻止するため、より連携の取れた動きを強めることができたはずだと主張している。
シリア反政府組織「自由シリア軍」の兵站担当幹部は、米国によるサポートについて「脆弱で適切ではない」とした上で、衛星写真の提供や作戦室の設置など反政府勢力が要求していることは達成されていないと不満を漏らしている。
これに対し、米情報機関高官は、エジプトが管理しているスエズ運河を通過するシリアへの武器輸送に対し、米側は「可能な限り取り締まりを強化する新たな動きに出ている」と強調する。
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