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シリアで、反体制派に対する政権側の攻勢が強まっている。北部では戦闘が激化し、重傷を負った市民らが続々とトルコ側へ国境を越えて搬送されている。主要な国境の検問所を反体制派が掌握する一方、都市部では政権軍が制圧作戦に出ている模様だという。
トルコ国境に近いシリア北西部の都市イドリブの会社員の男性(40)は、今月18日にバイクで自宅に帰る途中、武装反体制派の自由シリア軍と政権軍との銃撃戦の間に入ってしまい、胸や右腕に銃弾を受けた。自由シリア軍に助けられ、トルコに運ばれた。
イドリブでは、これまで街の中心をのぞいて大半を反体制派が掌握していたという。1カ月ほど前まで、政権軍は時折攻撃を仕掛ける程度だったが、ここ5日間は政権軍の攻撃が激しくなった。戦車も使われているという。男性は「政権軍は女性や子どもを問わず、動くものすべてに発砲した」と話す。また、反体制派も政権軍の複数の戦車を奪って反撃しているのを見た。街の機能は全て停止しているという。
男性は「自分は銃を持って戦わないが、心では戦っている。家族を残してきているから今すぐにでも戻りたい。トルコで慈悲を乞うより、故郷で死ぬ方がいい」と語った。
また、同じ病院に入院する自由シリア軍の男性(21)は、2日前にイドリブで足を撃たれた。国境までは仲間に運ばれ、そこから国境のフェンスを越えて、トルコ軍に引き渡された。4カ月前までは政権軍にいたが、逃げる女性や子どもにまで銃口を向ける軍に疑問を感じて、逃げた。「政権軍の攻勢が激しくなっている。早く戻って戦いたい」と話した。
2人は「アサド政権は間もなく崩壊する」「恐れることはない。断食月が終わる(8月18日)までだ」と話した。ただ、差し支えがあるとして名前を明かすことや写真撮影は断った。
反体制派はイドリブに近いトルコとの国境の検問所バーブ・ハワを19日に掌握。だが、トルコ政府はシリア側の治安を理由にトルコ側の検問所の一般通行を禁止した。(アンタキヤ〈トルコ南部〉=杉山正)
■首都中心部から反体制派が撤退
首都ダマスカスでは、政権軍側の反撃が強まっている。先週から市街地で攻勢に出ていた反体制派は23日までにミダン、カブン、メッゼなど、ダマスカス中心部に近い地区から撤退。郊外に押し戻されたかたちだ。23日に会見したマクデシ外務報道官は「一両日中にもダマスカスでの勝利を宣言する」と述べた。
政権軍側はヘリや戦車、装甲車を動員しており、軍事面では反体制派よりも優位だ。アサド大統領は22日、アイユーブ氏を新任の参謀長に任命し、反体制派の徹底した制圧を指示。18日のラジハ国防相暗殺で揺らぐ政府の威信を維持しようとしている。
一方、ミダン地区など戦闘が起きた地域では民家や商店が破壊されるなど、大きな被害が出ている。また、22日に制圧されたメッゼ地区などでは、政権軍に後ろ手に縛られて射殺されたとみられる遺体約20体がみつかり、バルゼ地区でも「若い男性が政権軍に問答無用で次々と射殺された」との情報が出ている。
近郊ドゥマなどでは昨年から政権軍と反体制派の拠点の奪い合いが続いている。ダマスカス市街地でも今後、再び反体制派が盛り返し、戦闘が続く可能性は否定できない。(ダマスカス=貫洞欣寛)
http://digital.asahi.com/articles/TKY201207230742.html?ref=comkiji_txt_end
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