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27拘禁施設の所在地、指揮官名、拷問方法 明かされる
2012年07月03日
(ニューヨーク)−元被拘禁者と脱走兵の協力により、シリアの諜報機関が運営している27カ所の拘禁施設の所在地、運営責任を担う情報機関名、拷問方法、多くの指揮官の氏名などが特定された。ヒューマン・ライツ・ウォッチが、本日公表したマルチメディア報告の中で明らかにした。ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査結果は、虐待と拷問が組織的に行われていることを示しており、拷問と虐待が政府による政策として行われていることが分かる。こうした行為は、『人道に対する罪』に該当する。
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http://multimedia.hrw.org/features/2012MENA_Syria_Torture/maps/index.html
報告書「拷問列島:2011年3月以降シリアの地下拘禁施設で継続する恣意的逮捕、拷問、強制失踪」
http://www.hrw.org/reports/2012/07/03/torture-archipelago-0
(全81ページ)は、2011年3月にシリアで反政府デモが始まって以来、ヒューマン・ライツ・ウォッチが行ってきた200を超える聞き取り調査を基に作成されている。報告書には、拘禁施設の位置を示す地図、元被拘禁者のビデオ証言、更にそれらの施設内で拷問を経験あるいは目撃した多数の人びとが詳述した、拷問方法のスケッチも含まれている。
http://www.hrw.org/features/syria-documented-torture-methods
ヒューマン・ライツ・ウォッチ緊急対応部門調査員、ウレ・ソルバンは「複数の諜報機関が、国全域に散在する多数の拘禁施設を運営しており、さながら拷問センター列島の体をなしている」と述べる。「我々は、拘禁施設の所在地を公にし、拷問方法や施設の指揮官を詳細に特定した。これは、加害者に対する『自身が行った恐ろしい犯罪の責任を取らなければならない』という通告だ。」
ウレ・ソルバン調査員によるビデオ解説(英語)はこちら。
http://youtu.be/5lr-dcHOtzo
各都市の拷問施設の詳しいサテライト画像: Damascus, Homs, Idlib, Aleppo, Daraa, Latakia
http://www.hrw.org/sites/default/files/media/images/photographs/2012_Torture_Damascus_EN.jpg
http://www.hrw.org/sites/default/files/media/images/photographs/2012_Torture_Homs_EN.jpg
http://www.hrw.org/sites/default/files/media/images/photographs/2012_Torture_Idlib_EN.jpg
http://www.hrw.org/sites/default/files/media/images/photographs/2012_Torture_Aleppo_EN.jpg
http://www.hrw.org/sites/default/files/media/images/photographs/2012_Torture_Daraa_EN.jpg
http://www.hrw.org/sites/default/files/media/images/photographs/2012_Torture_Latakia_EN.jpg
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、国連安全保障理事会に、シリアでの事態を国際刑事裁判所(以下ICC)に付託すると共に、人権侵害に明らかに関与しているとみなされた政府当局者を対象とした制裁措置を採るよう求めた。
本報告書では、多数の証言者が同じ所在地を指し示し、行われた拷問について詳細な説明をした施設を掲載した。しかし、諜報機関によって使用されている拘禁施設の実数は更に多い可能性が高い。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの聞き取り調査に応じたほとんどすべての元被拘禁者が、拘禁中に拷問を受けた、あるいは他の被拘禁者への拷問を目撃したと話していた。取調官、看守、情報機関当局者らによる拷問の手法は多岐にわたり、長時間にわたる警棒やケーブルを使用した打擲や苦痛を伴う姿勢の強要、電流の使用、酸でやけどをさせる、性的暴行や辱めを与える、爪をはがす、疑似処刑などが行われていた。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、公安機関と諜報機関が行っていた合計20種類以上の拷問手法を明らかにしている。
ほとんどの場合、元被拘禁者たちは多岐にわたる拷問の被害に遭っている。6月にイドリブ県で拘禁されていた31歳の被拘禁者は、ヒューマン・ライツ・ウォッチに、イドリブ中央刑務所で、諜報機関がどの様に彼を拷問したか次のように詳述した。
「彼らは私を裸にして、それからペンチで指をつまみ始めたんだ。指、胸、耳にホチキスを打ち込んだ。何か供述したら、それを抜くのを許されるんだよ。耳にうたれたホチキスが一番痛かった。それから2本のケーブルを車のバッテリーに繋いで、電気ショックも与えられたし、性器に2回、スタンガンを当てられた。家族には2度と会えないと思った。彼らは3日間で3回そんな風に私を拷問したんだ。」
ヒューマン・ライツ・ウォッチの聞き取り調査に応じた拷問の被害者のほとんどが18歳〜35歳までの青年男性だったが、子ども、女性、高齢者も含まれていた。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査は、最も残酷な拷問は、一般にムハバラートと呼ばれている、次に挙げる同国の4つの主要諜報機関が運営する拘禁施設の中で起きたことを明らかにしている。
軍情報局
政治治安局
総合情報局
空軍情報局
4つの諜報機関はそれぞれ、ダマスカス中央支所と全国地域、都市、地方に支所を置いており、ほぼすべての支所の内部に様々な規模の拘禁施設が存在する。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの聞き取り調査に応じた証言者のすべてが、極端な過密状態、不適切な食料の支給、必要な医療扶助の日常的な拒否など、時にはそれら自体が拷問となり得る拘禁環境におかれていたと話した。ある元被拘禁者が描いた過密状態の監房の図は、その環境が国際法上の基準に満たないものであるかことを明確に示している。
『人道に対する罪』の実行あるいは命令をした者は、国際法の下で個人の刑事責任を問われ、更に指揮する立場にいた者が、部下の犯罪を知っていたあるいは知っているべきだったにもかかわらず、それを防止あるいは処罰しなかった場合も、同じく刑事責任を問われる。この「上官責任」は、拘禁施設を監督する当局関係者のみならず、諜報機関の長、政府閣僚、国家元首であるバッシャール・アサド大統領にも適用される。
シリア政府は、ICCを創設したローマ規程を批准していないため、国連安保理がシリアの事態をICCに付託する決議を採択した場合に限り、同裁判所は管轄権を持つことになる。国連安保理の常任理事国であるロシアと中国は、これまで、安保理の責任を追求する取り組みを妨害してきた。
「拷問施設ネットワークの広がりと非人道性は、本当に恐ろしいことだ」と前出のソルバン調査員は述べる。「ロシアはこのような犯罪の加害者に、保護の手を差し伸べてはならない。」
証拠により拷問が行われていることが分かった拘禁施設、それぞれの所在地、運営機関、指揮官を記した一覧表は下記の通り:(この後に日本語対訳続く)
(以下リンク先参照のこと)
http://www.hrw.org/ja/news/2012/07/03
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