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オスプレイ配備を米国に断れと書いた朝日の社説の真意
http://www.amakiblog.com/archives/2012/07/03/
2012年07月03日 天木直人のブログ
きょう(7月3日)の報道の中で私が注目したのは何と言っても朝日
新聞の「オスプレイ 政府は待ったをかけろ」と題する社説である。
オスプレイの配備をめぐる政府答弁や新聞論調は、これまではすべて
沖縄に丁寧に説明して理解を得よというものばかりだ。
たとえばきょう(7月3)の日経の社説なども「オスプレイで丁寧な説明
を」と題して、日本の安全保障に資する海兵隊の即応能力を強化するオス
プレイの配備は必要だ、だから沖縄の理解を得るため十分に説明して理解
を得るしかない」、と書いている。
ご丁寧に、そのためには沖縄に負担軽減策というアメを与えればいい、
といわんばかりだ。
何もわかっていない藤村官房長官もまた、2日の記者会見で「配備は
安全保障上の観点から極めて重要だ。(だから沖縄の)理解を得られる
ように努力する」などと、対米従属の官僚が書いた答弁を繰り返すだけだ。
そんな中で朝日の社説は異彩を放っている。
「森本氏(防衛相)は話をする相手を間違っている。米政府に配備を
強行せぬよう『待った』をかけるべきだ」とはっきりと書いている。
朝日はリベラル紙を装いながらその実はもっとも親米保守の新聞だ。
その朝日が変節したのか。
違う。親米保守だからこそ、そう書いているのだ。
「機体に問題がないのに事故が相次ぐということは、素直に考えれば
操縦がむつかしいということではないか」
と書いている。そのとおりだ。
そして「(県民の気持ちを逆撫でしてまで強行配備し、)そのあげくに
事故が起きてしまえば、日米同盟が取り返しのつかない危機に陥るだろう
ことは、日米両政府ともわかっているはずだ」
と続けている。これもそのとおりだ。
つまり、朝日の社説は、墜落する可能性は高い。そうなれば今度こそ
沖縄の反米感情が高まり日米同盟が危うくなる。そのリスクに比べれば
オスプレイの配備など強行に値しない。もっと他のやり方でアジアの安全
保障を高めるべきだ、そう言っているのだ。
オスプレイ配備問題は米国政府内部でも意見が分かれる。生命を堵して
戦争の最前線に向かう海兵隊の要求は聞いてやらないといけない。だから
国防総省はオスプレイ配備の受け入れを日本に求めざるを得ない。
しかしそんな事で反米感情を悪化させるのは愚かだという意見も米国
内部にはある。
日本が強く反対してくれればオバマ大統領も調整がし易い。だから日本
政府から言い出してくれ、そう朝日新聞は米国の意向を代弁しているのだ。
沖縄に理解を求めるしかないという考えにしか思いが至らない官僚と
野田首相が、この朝日の社説が伝えようとしているメッセージに気づかな
いうちに、小沢一郎は早く声をあげるべきだ。
日米同盟は重要だ。だからこそ、その日米同盟を正しく機能させるため
にも、私はオバマ大統領に頼み込む。オスプレイの配備の強行は得策では
ないから止めてくれ、と。
アジアの安全保障強化のためには、ほかに日本が受け入れられるより
良い策があるはずだ、と。
オバマ大統領がこれに理解を示せば、これこそが対米自立外交だという
ことになる。
小沢側近議員の中で、この事に気づいて小沢一郎にしゃべらせる知恵者
はいないものか。
小沢一郎よ、自らの言葉でもっともっと政策を語れ。
◇
オスプレイ―政府は待ったをかけろ
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#Edit1
2012年7月3日(火)付 朝日新聞社説
米政府は、墜落事故が相次ぐ米軍の新型輸送機オスプレイを沖縄県の普天間飛行場に配備すると日本政府に通告した。これを受けて森本防衛相は沖縄、山口両県に出向き、知事らにその内容を説明した。
だが、森本氏は話をする相手を間違っている。米政府にこそ配備を強行せぬよう「待った」をかけるべきだ。
米政府は、オスプレイ12機を7月下旬に山口県の岩国基地に船で運び込む。当初は岩国での試験飛行をへて普天間に移す予定だったが、その後、最近の2件の墜落事故の調査結果が出る8月まで試験飛行を見合わせると方針を変えた。
米政府は日本側の懸念に配慮したという。それでも、10月からオスプレイを普天間で運用するという計画は変えていない。
米軍の日本政府への説明によると、4月のモロッコでの海兵隊機の墜落では、機体に不具合はなかったと断定し、人為的ミスを強く示唆している。
6月の米・フロリダでの空軍機の事故の詳細は不明だが、空軍はその後も「飛行は安全だ」として使い続けている。
オスプレイは、機体の両脇についた回転翼を90度傾けることで、垂直飛行と飛行機並みの水平飛行ができる特異な形の航空機だ。機体に問題がないのに事故が相次ぐということは、素直に考えれば操縦が難しいということではないか。
実際、海兵隊用のオスプレイの飛行時間10万時間あたりの事故率は1.93で、いま普天間に配備されている輸送ヘリCH46の1.11より高い。飛行時間が2万時間あまりしかない空軍用にいたっては13.47だ。
住宅地の真ん中にあり、沖縄県民が県外移転を強く求めている普天間飛行場だ。墜落の危険が大きい航空機が配備されることは、住民には耐え難い。知事が激しく抗議したのは当然だ。
今後、米側が何らかの欠陥を認めるとは考えにくい。それでも配備を認めれば、県民の気持ちを逆なでするだけだ。
そのあげくに事故が起きてしまえば、日米同盟が取り返しのつかない危機に陥るだろうことは、日米両政府ともわかっているはずだ。
森本氏は、配備の変更を求める権限は日本にはないという。条約上はその通りだし、戦略上もあり得ないというのが、軍事専門家としての森本氏の理解なのだろう。
だが、いま求められているのは日本の防衛相としての政治的な判断だ。向き合う相手は米国であることを忘れては困る。
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