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「シリア西部にある村、クベイルで住民が虐殺されたという話が流れているのだが、実態が明らかにならない段階で国連や西側メディアはシリア政府を非難、体制転覆を目指す」【櫻井ジャーナル】
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201206070000/
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シリア西部の都市、ハマから20キロメートルほど離れた場所にあるアル・クベイルで数十名が殺されたと「シリア人権観測所」が発表した。同じく反政府派の「シリア国民評議会」も虐殺があったと主張している。
シリアの反体制派が偽情報を流してきたことは隠しようのない事実なのだが、そんなことを気にせず、国連の潘基文事務総長はシリア政府を非難し、「西側」のメディアは政府側に責任があるとする論調で伝えている。「シリア人権観測所」がイギリス外相と緊密な関係にあると本ブログでも何度か書い通りだ。
潘事務総長は、シリア軍は国連の停戦監視団がアル・クベイルへ向かうのを阻止、その際に発砲しているとも語っているのだが、政府軍側は危険だから止めたのだとしている。「平和的な抵抗運動を政府軍が弾圧している」などという脳天気なことを伝えるメディアはもう存在しないだろうが、昨年春の段階で内戦(人によってはNATOや湾岸産油国による軍事介入としている)状態であり、自由に動くことができないのは仕方のないことである。
5月25日にはホウラ地区で多くの人が殺されているのだが、このときも「西側」メディアや国連は端からシリア政府を批判していた。最初は砲撃で殺されたという話が流れたのだが、死体の状況から否定されると親政府派のシャッビアが処刑したという話に変化していった。
ところが、殺された子どもの多くは親政府派の家族だという指摘が出てきた。政府を支持しているアラウィー派(大統領を含め、党や軍の幹部に多い)だというのである。
現地を取材したロシア人ジャーナリストのマラト・ムシンによると、虐殺したのは傭兵とFSA(自由シリア軍)で構成された総勢約700人の部隊で、ホウラの北東から侵入し、中央部や警察署を抑えてから親政府派の家族を殺し始めたとしている。
こうした指摘には国連も反論できず、調査を行うと言わざるをえなくなった。少なくとも現段階で政府軍にホウラでの虐殺の責任を押しつけることはできない。
アメリカのヒラリー・クリントン国務長官は相も変わらずシリアを自分たちに明け渡せと叫んでいる。アフガニスタンやイラクで100万人を超す人びとを殺害したとも推計されているが、その責任をどう考えているのだろうか。
言うまでもなく、殺害の切っ掛けは自分たちが撒き散らした嘘である。ビル・クリントン大統領は嘘でユーゴスラビアを先制攻撃、ジョージ・W・ブッシュ政権は嘘でアフガニスタンやイラクを先制攻撃、そして今、バラク・オバマ政権はリビアに続き、シリアやイランの体制を転覆させようとしている。
こうした嘘をついてきたアメリカ政府を信じる人間が多いとは思えない。大多数は「信じているふり」をしている人たちだろう。
前にも書いたことだが、ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官は2007年10月にはこんなことを話している:1991年の段階でネオコンのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)は旧ソ連圏の国々、シリア、イラン、イラクを5年から10年の間に掃除すると話していた。
この年、アメリカの国防総省では「唯一の超大国」として地位を守るために軍事力を使うとした「DPG(国防計画指針)」が作成された。その延長線上にネオコンのシンクタンク、PNAC(新しいアメリカの世紀プロジェクト)が2000年に公表した「米国防の再構築」がある。
そして2001年9月11日、こうした計画を描いていた人々に取っては「幸運」なことに、ニューヨークの世界貿易センターにあった超高層ビル2棟に航空機が突入、さらにペンタゴンが攻撃されるという出来事が引き起こされた。この攻撃を口実に使い、ブッシュ・ジュニア政権はアフガニスタンやイラクに攻め込んだのである。
クラーク元司令官によると、ブッシュ政権は9/11の直後にイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンを攻撃する計画を始動させている。2006年に実施された演習「ビジラント・シールド07」ではロシア、中国、朝鮮も攻撃のターゲットになっているという。ロシアや中国はNATOや湾岸産油国、そしてイスラエルの動きを自分たちの問題として考えているはずだ。
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