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【カイロ前田英司】シリア中部ハマ近郊の村クベイルで6日あった虐殺疑惑で、生存者の男性(30)と女性(35)が7日、毎日新聞の電話取材に応じた。約150人の住民の半数以上が殺害された事件は、シリア国内の宗派対立に暗い影を落とす。「俺がこの手で復讐(ふくしゅう)してやる」。男性の声は重く、憎悪に満ちていた。
男性は自宅の庭で花に水をやっていた。6日午後2時半ごろ、戦車が突然現れて砲撃を始めた。約30分後には武装した一団を乗せたバスがやってくるのが見えた。「シャビハ(政府系民兵)と治安部隊だった」
男性は近くのオリーブ畑まで必死に走り、身を隠した。自宅には母親ら家族7人もいたが、攻撃が激化して一人で逃げるのがやっとだった。しばらくは携帯電話がつながり、「家に火をつけられた」「人々が殺されていく」と叫ぶ家族の声が耳に響いた。しかし、その連絡もやがて途絶えた。
砲撃は夜になってようやくやんだ。午後8時半ごろ戻ると、自宅は燃え、風呂場に焼け焦げた母親の遺体があった。他の4人も殺されているのが見つかったが、2人が行方不明だった。近所の人から「死体の一部は持ち去られた」と聞かされた。
クベイルは国内多数派のイスラム教スンニ派の村。アサド大統領は少数派イスラム教アラウィ派の出身で、シャビハは大統領に忠実なアラウィ派で構成されるといわれる。男性が怒りをぶちまけた。
「(6日の事件後)国連監視団に再三電話したが『夜間は動けない』と言われた。助けてくれないなら、俺がアラウィ派を殺す」
一方、生存者の女性は、買い物に出かけていて難を逃れた。自宅にいた両親と兄弟4人は全員殺されたという。「(国際社会は)こんな虐殺を犯すアサド大統領をなぜ放っておくの……」。女性は電話口で泣いた。
国連監視団は7日、政府軍に阻まれて現地に入れず、実態はいまだ不明だ。住民の撮影とされるネット映像には、毛布にくるまれた子供たちの遺体が映し出されていた。
アサド政権は虐殺を否定し、治安当局が「テロリスト」を掃討したと主張している。
http://mainichi.jp/select/news/20120608k0000e030225000c.html
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