http://www.asyura2.com/12/warb9/msg/363.html
Tweet |
シリア虐殺「遺体写真」は偽物
http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-640.html
2012-05-29 陽光堂主人の読書日記
シリアの内戦は泥沼化しています。最近では、女性や子供を中心に大量虐殺が行われたと報じられ、アサド政権の仕業だとされています。国際的な非難が高まっているにもかかわらず、政権倒壊の兆しは見えていません。本当のところはどうなっているのでしょうか?
「NHK NEWS WEB」は、27日付でこう報じています。(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120527/k10015402291000.html)
アサド政権の虐殺か 遺体多数確認
シリアで活動を続けている国連の停戦監視団は、アサド政権側に虐殺されたとみられる女性や子供を中心に90人以上の遺体を確認しました。
今後、アサド政権への厳しい対応を求める声がいっそう高まるものとみられます。
シリアの人権団体によりますと、シリア中部ホムスのホウラ地区で、25日、アサド政権の部隊が砲撃をした後、政権を支持する民兵が街に入り、女性や子どもを次々に殺害したということです。
ホムスの住民はNHKの電話取材に対し、「大虐殺が起きた。女性や子どもが首を切られて100人近くが死亡した」と話し、政権側による虐殺が起きていると訴えています。
インターネット上に投稿された現地からのものとみられる映像には、殺害された幼い子どもたちが横たわっている凄惨(せいさん)な光景が写っています。
これを受けて国連の停戦監視団は、26日、ホムスのホウラ地区に入り、住民に聞き取りを行うなどの調査を行った結果、子ども32人を含む92人の遺体を確認したとして、「残忍で悲劇的な出来事が起きた」と虐殺を激しく非難しました。
シリアでは、監視団の目の届かないところで、アサド政権による市民への弾圧が続いていて、国連などの特使を務めるアナン前事務総長は、近くシリアを再び訪問し、事態打開の糸口を探るため、アサド大統領との会談を検討しています。
今回の虐殺の実態が明らかになったことで、アサド政権への厳しい対応を求める声がいっそう高まるものとみられます。 (下線は引用者による。以下同じ)
NHKは、お手軽な電話取材で済ませていますが(危険ということで職員を派遣しないのでしょう)、取材した「ホムスの住民」は誰なのでしょうか? 虐殺があったとして、それが政府の仕業だと何故判ったのでしょうか? 反政府側の人間としか思えません。
国連の停戦監視団も遺体を確認したようですが、虐殺を非難しているものの、政府の仕業だとは述べていません。断定するだけの根拠がなかったわけですが、記事を読んだ人は政府が殺ったと思ったはずです。マスコミはしばしば、こういう印象操作を行います。
この記事にあるインターネット映像と同じものかどうか分りませんが、出回っている「遺体写真」の中には偽造されたものがあるので注意が必要です。イギリスのBBCも「遺体写真」を掲載していますが、偽物だったようです。「櫻井ジャーナル」は、昨日付でこう報じています。(http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/)
シリアでの「虐殺」を伝えるBBCが「活動家」から入手したとして多くの遺体が並べられた写真を掲載したが、これは2003年にイラクで撮影されたものだと判明した
シリアの体制を転覆させようとする動きに水を差すような報道があった。イギリスのBBCは5月27日、シリアで殺された子どもたちと思われる遺体として1枚の写真を掲載したのだが、これが嘘、あるいは間違いだったのである。実際は2003年3月27日、アメリカ軍を中心とする部隊が先制攻撃を開始して8日後、マルコ・ディ・ラウロがイラクで撮影したものだった。遺体は身元確認のため、砂漠の中にあった集団墓地から掘り起こされたのだという。
BBCはこの写真を「活動家」から入手したとしていた。「シリア政府軍の残虐行為」を宣伝する「活動家」が信用できないことを再確認させる出来事だ。以前にもBBCは「活動家」に騙されたことがあるわけで、ミスだとしても、事実を伝えるという基本をBBCは忘れていると言わざるをえない。
前回のケースとは、シリア系イギリス人、ダニー・デイエムのでっち上げ映像。BBCだけでなくCNNなど「西側」のメディアにしばしば登場、「シリア軍の残虐行為」を「証言」していた。それがでっち上げだったのである。
シリアは昨年の春から内戦状態どころか、事実上、NATO諸国や湾岸産油国からの軍事介入を受けている。しかもアル・カイダ系の武装グループも多くの戦闘員を送り込んでいるわけで、悲惨な状態になっていることは確かだろう。が、その最大の原因を作っているのは、アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタールなどの国々だという事実から目をそらせてはならない。
こういうでっち上げはよくあるので、最近は騙される人が少なくなりましたが、それでも遺体写真などは強烈な印象を与えますので、情報操作には有効です。だから毎度使用されるのです。
「櫻井ジャーナル」では一貫して、シリアの内戦に米英仏トルコや湾岸独裁諸国が介入して反政府勢力に肩入れし、特殊部隊を投入していることを告発しています。これらの国々は、アサド政権転覆を画策し、軍隊まで投入しているのです。しかし、御用マスコミはそれを報道しようとしません。
数々の住民虐殺がアサド政権のみの仕業であったなら、いくら独裁国家とは言え、軍も離反するはずです。あのリビアでさえ、持ち堪えることはできませんでした。虐殺の大半は、反政府勢力や外国の特殊部隊の仕業と思われます。
アサド大統領は独裁者と言われていますが、一応国民投票で信任を受けています。民主的な国とはとても言えませんが、アサド大統領自身は非常に真面目な人のようです。(真面目だからこそ、弾圧に走るということもあるわけですが…)
シリアは多民族国家で、政権の中枢はイスラム教アラウィ派によって占められています。しかし、このアラウィ派は少数派で、大半の国民はスンニ派に属しています。アサド家もアラウィ派ですが、アラウィ派は山岳系(スーフィ・シーア系)であり、シーア派の系統です。
シーア派の中心はイランで、サウジアラビアなど湾岸独裁諸国はスンニ派ですから、シリアの内戦は宗派間の代理戦争でもあるわけです。アサド政権が崩壊すれば、敵対するイスラエルに有利になりますから、米英などが盛んに介入しています。前回述べたように、イスラエルは何としても守らなければならないわけですから。
それにしてもアルカイダ系と共闘しているのは呆れます。元々アルカイダというのはCIAが創りだした組織なので、協力するのは当然ですが、米国と敵対しているというポーズさえ取らなくなっています。それだけ余裕がないのでしょう。
米国などが力を貸してもアサド政権は崩壊しないし、女子供の虐殺を演出しても見破られる始末です。米国の黄昏は隠しようもなく、今後はロシアや中国が中心となって解決を図ると見られています。やたらと人を殺して野望を遂げるという旧来の手法は通じにくくなっており、NATO諸国は早くその愚を悟るべきです。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。