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http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/22/2012052200765.html
中国漁船拿捕で浮上した「東経124度問題」
北朝鮮が西海(黄海)上で中国遼寧省の漁船3隻を「拿捕(だほ)」し、その後解放した事件の背景には、両国間で画定されていない海上境界線をめぐる神経戦があったのではないかとする分析が浮上している。中国が協定も結ばないまま、慣行として適用してきた境界線を主張し、北朝鮮と摩擦が起きたとの見方だ。
■EEZ画定できず
中国と北朝鮮の間では、いまだに排他的経済水域(EEZ)が画定されていない状態だ。韓日間で結ばれている漁業協定さえまだない。国際海洋法裁判所の白珍鉉(ペク・チンヒョン)裁判官は「北朝鮮と中国には公式な海洋境界協定がない」と指摘した。
現在、西海での両国の暫定的な海洋境界線は、1962年に北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席と中国の周恩来首相が結んだ朝中国境条約が根拠となっている。
同条約は西海での両国の領海境界線の基点を鴨緑江の河口(東経124度10分6秒)と定めている。ここから南へ北緯39度31分51秒までの範囲で両国の領海を設定。さらに東経123度59分26秒から124度26分までを「自由航行水域」とした。
中国は同条約を根拠として、東経124度を中朝間の暫定的な海上境界線としてきた。中国政府は漁船が東経124度を越えないように指導。北朝鮮もそれを了解するのが慣行だった。今回中国漁船が「拿捕」されたのは、東経123度57分、北緯38度5分の海域で、124度線から見て中国側の海域で、北朝鮮は慣行を無視して「拿捕」したことになる。
しかし、北朝鮮にも言い分はある。北朝鮮は朝中国境条約の締結から15年後の1977年に200カイリの排他的経済水域(EEZ)を設定した。北朝鮮のEEZは、中国と重なった場合、両国の中間線を境界線としている。北朝鮮の主張に従えば、中国船舶が「拿捕」された海域は北朝鮮のEEZに属する。外交安全保障の専門家は「北朝鮮にとっては、中国船がEEZを侵犯したと主張する根拠がある。漁業資源が枯渇し、中国漁船が北朝鮮側にしばしば越境するのをけん制するため、北朝鮮が極端な措置を取った可能性がある」と指摘した。
■北朝鮮に不利な海上境界線
中国が東経124度を海上境界線と表現してきたことに、北朝鮮がこれまで積極的に対処してこなかったことを問題視する見方もある。中国が自国にはるかに有利な海上境界線を適用してきたことに対し、北朝鮮が沈黙を続ければ、韓半島(朝鮮半島)の統一後に問題になりかねないからだ。別の外交安全保障専門家は「中国と北朝鮮が慣行として適用してきた124度線を統一後に海上境界線として受け入れることはできないとの立場を明確にすべきだ」と述べた。
仁荷大のキム・ヒョンス教授は「中国メディアなどに登場する東経124度には何の意味もない。北朝鮮の中国漁船『拿捕』は、これまでの慣行を乗り越え、何らかの新たな漁業秩序をつくる狙いがあるのではないか」と指摘した。
北朝鮮は、東海(日本海)では1986年にロシアとEEZの境界線を画定した。82年に発効した国連海洋法条約は批准していない。
李河遠(イ・ハウォン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/05/22/2012052200757.html
中国漁船拿捕した北朝鮮軍、まるで海賊
中国漁船3隻を拿捕、物品を略奪し航跡記録を削除
外交問題化するや「身代金」なしで釈放
今月8日に西海(黄海)海上で北朝鮮軍の小型艦により拿捕(だほ)された中国漁船3隻が、21日午前7時ごろ、拿捕されてから13日ぶりに母港の遼寧省大連港に到着した。
新華社通信が伝えたところによると、2隻の乗組員は到着後直ちに医療機関で検査を受けたが、乗組員3人がひどい目まいを訴えており、また3人にははっきりとした外傷の痕があるという。また拿捕された漁船の乗組員は、当初報じられた29人ではなく28人だったことが判明した。
中国漁船の船主たちによると、船員たちは拿捕された後、黄海北道沿岸の「西島」という場所に連行されたという。北朝鮮は、船員たちを太陽の光も当たらない暗い船倉に閉じ込め、食事は1日にかゆを2杯しか与えなかった。命令通りに動かないと、木の棒などで殴ったという。船内にあった物品や食糧なども、全て略奪した。また、船員たちによると、北朝鮮側は釈放に先立ち、漁船内にあるGPS(衛星利用測位システム)の航跡記録を全て削除したという。
これに先立ち、北朝鮮外務省は今月20日、一切の条件を付けずに漁船を釈放し、送り返したと発表した。当初は1隻当たり90万元(約1100万円)にまで上っていた身代金も、受け取らなかった。
北朝鮮の態度がこのように一変したのは、拿捕された漁船と共に操業していて、身代金を払って戻ってきた「遼丹漁23537」号のGPS航跡記録が大きく影響したといわれている。航跡記録によると「遼丹漁23537」号は、中朝間で海洋境界線の役割を果たしている東経124度10分6秒の西側(中国側)で操業していたことになっている。この記録の通りであれば、北朝鮮の軍艦は中国の漁船を(中国側で)拿捕して身代金を要求したことになり、この行為はソマリアの海賊と何ら変わらない。これについて、韓国統一部(省に相当)の当局者は「各級部隊ごとに自活が求められる北朝鮮軍の特性上、金に窮した一部の部隊が、無理に外貨を確保しようとしてこのような行動に出た可能性がある」と語った。
中朝両国はこれまで民間協力のレベルで、一定の金額を払った中国漁船に漁業許可証を付与し、北朝鮮の海域で操業できるようにしてきた。北朝鮮軍傘下の企業と中国の漁業会社が契約を結び、許可証発給の手続きを代行した。
しかし、両国間の紛争も少なくない。北朝鮮の各海域を管轄する海軍の各部隊が、漁業許可証なしに北朝鮮海域へやって来る中国漁船を取り締まる際、「越境」したかどうかをめぐって争いが起こるという。中国側はこれまで、両国関係を考慮し、こうした問題は内密にしてきた。しかし今回は、中国漁船が境界線を越えていないことが確実であるにもかかわらず、北朝鮮海軍が船主に電話をかけ、巨額の身代金を要求したため、問題の公表に踏み切った。北朝鮮の海賊行為をこれ以上黙認するつもりはないという意味だ。
一方、中国紙『環球時報』英語版は21日付の社説で「北朝鮮による中国漁船拿捕事件に関して、中国は北朝鮮の誤った行動をこれ以上許容すべきではなく、また北朝鮮は中国の国益、特に中国国民の生命と財産を尊重すべきだ」と主張した。
北京= 崔有植(チェ・ユシク)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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