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http://jp.wsj.com/World/Europe/node_442618
イラン核問題の正念場 カギを握る3人
2012年 5月 15日 11:34 JST
イランの核開発を阻止しようという、長期間にわたる曲折のある米国の政策で、今後1カ月が最も重要な期間になる。そして注目すべき人物が3人いる。オバマ米大統領、イランの最高指導者ハメネイ師、それにイスラエルのバラク国防相だ。
米国や他の有力国の当局者は5月23日、イラクのバグダッドで開かれる核協議に参加する。この会議では、しばしば協議されるものの、極めて現実的ということもない、イランの核兵器製造能力達成を阻止するための外交的道筋が実際に存在するのかどうかが示されることになる。
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Associated Press/Getty Images (2)
(左から)オバマ米大統領、イラン最高指導者ハメネイ師、イスラエルのバラク国防相
こうした外交的道筋に乗るための条件は決して良くなっていない。イランに対する経済制裁―特に同国産原油の国際的輸入禁止措置―は、顧客が徐々にいなくなったために、同国産原油を積んだタンカーが行き場を失って同国沖合に浮かんでいるという程度まで効果が出ている。そして、欧州連合(EU)のイラン産原油購入禁止が7月1日に実施されると、原油禁輸は一段と厳しくなる。
米国と中国、ロシア、フランス、英国、それにドイツは4月半ば、1年以上ぶりにイランとの交渉を行った。米当局者は、同交渉は怒鳴り声や前提条件なしでイランが一連の会話に参加した初めてのものだったと指摘した。
この交渉でバグダッドでの核協議がセットされた。この会議では世界の有力国からの真剣な提案がテーブルに乗せられ、イランは核開発から手を引くことを示す具体的な措置を取るよう求められることになる。ただ、この提案がイランを驚かすことはないだろう。会議が近づく中で欧州とイランはひそかに話し合いをしており、同会議でイランが何を求められるかが説明されているからだ。
このためイランがバグダッドで何かを話すとすれば、それは世界がイランに求めていることに驚いているからではなく、イランが全般的なことを既に承知しており、その考えについて話し合う用意があるからだ。会議が成功すれば、米国の当局者は初めて実際の外交的道筋が敷かれると感じることだろう。
言い換えれば、真剣な外交が根付くとすれば今月こそがその時なのだ。それが失敗すれば、イランの核開発阻止のためのイスラエルあるいは米国の軍事行動の公算が一段と大きくなる。
米国などが23日の会議でイランから求めようとしているのは、これまでのアイデアの変形である公算が大きい。つまり、別の場所で製造した安全な原子炉燃料を提供する代償としての、イランによるウラン濃縮計画の中止、および既に濃縮したウランの放棄―核兵器の燃料となり得るものの備蓄の一掃―だろう。
具体的には、これは20%にまで濃縮したウランを同国から運び出し、安全とされる5%を超える濃縮をこれ以上させないという計画を意味することになろう。これはおそらく、聖なる都市コム近郊にある施設での濃縮阻止ということになるのだろう。この施設は米国とイスラエルの当局者が最も恐れているものだ。
濃縮停止の見返りにイランは海外から処理済みの核燃料を入手する。これはイランの民生・医療用の平和的核計画を世界が受け入れることのしるしだ。当然のことながら、同国に対する制裁は緩和される。
イランは多分、こうした道を歩みたいと思えば、欧州の指導者らが7月のイラン産原油全面禁輸を回避してくれることを望むだろう。しかし、米当局者は、少なくとも今の時点では、こうしたことが起きる公算は小さいとしている。ある当局者は、制裁緩和には「イランはわれわれをエキサイトさせるほどのことをしてくれなくてはならない」と語った。
このドラマが進展する中で、まず注目すべきはオバマ大統領だ。現時点での大統領の狙いは「スケジュールを遅らせる」という単純なもので、より広範な解決策を見つけるまでの時間を稼ぐために、同国の核兵器開発能力に向けた行進のテンポを遅らせるということだ。大統領は間もなく、イランのどの動きが本物で、どれが十分なものかの厳しい判定に直面する可能性がある。
2番目のキーパーソンはイランの最高指導者ハメネイ師だ。西側の当局者は、アハマディネジャド大統領が核問題での責任者だとの主張を実質的に退けて、重要なのは精神的指導者の声だけだと考えている。オバマ大統領が3月に、核兵器の所有は道義に反するとの同師の宗教的宣言は交渉の基盤になる、とのメッセージをトルコ経由で同師に送った理由はここにある。
3番目の人物は会議には参加せず、一国の首脳でもない。イスラエルのバラク国防相だ。米国は、バラク氏のボスであるネタニヤフ首相が交渉を進めて対イラン軍事攻撃を回避できるとはあまり期待していない。バラク氏は話しは別だ。軍事行動を取る場合には副首相でもある同氏の同意が必要だ。今後のイスラエル外交ではさまざまな意見が出るだろうが、最も重要なのはバラク氏の意見だ。
記者: Gerald F. Seib
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_442733?mod=WSJFeatures
米、イラン反体制派グループのテロ組織リストからの削除検討
2012年 5月 15日 14:53 JST
【ワシントン】オバマ米政権は国務省のテロ組織リストから、イランの反体制派グループを削除する方向で検討を進めている。この件で概要説明を受けた複数の当局者が明らかにした。イランの核プログラム抑制に向けて米政府が新たな外交的取り組みを進めるなかで、今回の動きはイラン政府との新たな関係悪化につながりかねない。
Reuters
キャンプ・アシュラフへの家族訪問をイラク治安部隊に阻止され、抗議するイラン人家族(昨年12月)
イラン亡命反体制組織ムジャヒディーン・ハルク(MEK)は1979年のイスラム革命以前に米国民を殺害したとされることや、イラン政府に対抗するためイラクの故サダム・フセイン元大統領と同盟を結んだとして、15年前にテロ集団に指定されていた。
MEKは過去2年間、米国務省のテロ組織リストからの削除を求め、ワシントンで合法的なロビー活動を積極的に展開してきた。1997年のテロ集団指定を受けて、米国内でMEKの資産は凍結されるとともに、資金集めができない状態だった。
米高官は14日、クリントン国務長官は同グループについて最終判断を下していないと明らかにした。しかし、同グループがイランへの攻撃拠点として使用していたイラク国内の凖軍事拠点キャンプ・アシュラフを明け渡すことで協力を続ける場合には、テロ組織リストからの除外を米国務省は前向きに検討する、とも述べている。
記者: Jay Solomon、Evan Perez
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