http://www.asyura2.com/12/warb9/msg/216.html
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日本の新聞も報じていますが、安保理は14日全会一致で、シリアに停戦監視団を派遣することを決定し、その先遣隊として30名を派遣することを決めました(彼等は24時間以内にもシリア到着が可能の由)。
決議はまたアナン提案5項目に対する支持を再確認し、シリア政府に対してその義務を果たすように呼びかけたとのことです。
決議案は当初米国が作成し、一部の文言についてロシアが難色を示していたので、修正後に全会一致で採択されたとのことですが、何が問題で、同修正されたかは不明です(シリア政府が停戦を守っていないことに対する非難または批判の文言でもあったのでしょうか?)。
これで取りあえず麻痺していた安保理もロシア、中国も含む全会一致で監視団の派遣に合意できたわけですが(この辺の経緯を見ていると、冷戦の再来を思わせるものがあります。もしかしたら、米国の国際的優越の低下と欧州の政治的無力さと対照的に、超大国化しつつある中国と資源を背景にプーチンの強権政治が復活しつつあるロシアの台頭で、世界は再び冷戦を迎えることになるのではないか、などと言う嫌な予感もしますが、どうでしょうか?オバマが弱腰というので共和党などは批判していますが)、問題は今後シリア政府がどの程度国連に協力するかです。
これまでのアサドのやり方を見ていると、ロシアとイランの支持を背景に、欺瞞と暴力で反政府派を抑え込もうとして、それに相当程度成功しているだけに、楽観はできない、というか今後ともこの2カ国が実質的な支持を続ける限り、アサドが立場を変えて「良い人」になるとは到底思えません。
監視団の到着前にそう言うのもなんですが、停戦監視団の前途は極めて多難だと思います。
尤も、アサドほどひどい奴はあまりいなかったと思うが、国連のPKOが扱ってきた相手は、皆大体が相当の「悪」で、なんとか国連の目を盗んで自己の勢力を伸ばそうとするような国や勢力ばかりでしたから、UNTSOで中東の手強い連中を相手することに慣れているノルウェイだったかのベテラン監視団長には、相当期待できると思います。
朝日だったかには、将来監視団が250名規模に拡大されるときには、日本(自衛隊)にも協力してほしいと言う意見があると出ていましたが、それが現実化すれば、初心な日本人には難しい仕事になりそうですが、生き馬の目を抜く中東を相手にして行くには良い経験と思います。
それはともかくシリアの現場では早速方々で停戦破りです。
15日付のal jazeera net は14日シリアでは政府軍の銃撃で27名が死亡したが、主にホムスとアレッポであったと報じています。またダマスカス郊外でも3名が殺されたとのことです。
アレッポでの多くの死者は先に殺された青年の葬儀の列に発砲されてのものとのことです。またダラア及びダマスカス郊外でも抗議集会に激しく発砲があったとのことです(確かアナン提案では平和的な集会は自由に認めるとの条項があったように思います)。
またホムスでは市の中心部で14日夜から政府軍は激しい砲撃を加えているとのことです。
取りあえずの状況は以上ですが、毎日100名が死んでいたころに比べたら改善されているとはいえ、27名の死者というのは通常の感覚では非常に多い数字ですし、政府は未だに戦車や重火器を全く撤退していないばかりかこれをホムスなどで使用し、また非武装のデモ隊に至るところで発砲している模様です。
BBC放送(0700)はprecarious cease-fire(不安定な停戦) と形容していましたが、正しくその通りだと思います。
http://www.aljazeera.net/news/pages/0d63c139-70e6-47af-8652-f12829b78e2d?GoogleStatID=1
http://www.aljazeera.net/news/pages/80faf2a4-cd8b-4031-8157-113855158a4f?GoogleStatID=1
http://www.alquds.co.uk/index.asp?fname=latest\data\2012-04-14-17-50-44.htm
http://blog.livedoor.jp/abu_mustafa/#
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