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【メキシコ市・國枝すみれ】南大西洋のフォークランド(アルゼンチン名・マルビナス)諸島の領有権を巡り英国とアルゼンチンが戦火を交えたフォークランド紛争開始から2日で30年を迎えた。現在は軍事衝突の可能性は低いものの、英国がフォークランド沖で油田開発を始めたため、帰属をめぐる議論が再燃し、両国関係は1990年の国交回復以降で最悪と形容されるまで冷え切っている。
フォークランド諸島沖で海底油田の存在が確認され、英国が2016年の生産を目指して2年前から開発に着手しており、アルゼンチン側が反発している。
アルゼンチンのフェルナンデス大統領は同国南端のフエゴ島で2日、英国が21世紀になっても「飛び地領土」を持つことを批判し、「我々の環境、資源、石油の強奪を止めろ」と演説。先月末には、油田開発の差し止めを念頭に、開発に協力する欧米の金融機関に対して「刑事、民事訴訟を起こす」と話し、英国による油田開発をけん制した。
一方、英国のキャメロン首相は2日、「フォークランドの住民だけが未来を決める権利があり、英国はその権利を守る」と語り、住民がアルゼンチンへの帰属を求めない限り、返還を拒否する方針だ。
住民約3000人の多くは英国系で英領所属を望んでいる。石油開発で島の経済が潤う期待が高まる現在はなおさらだ。島民はアルゼンチンが敗北した6月14日を「解放記念日」として祝っている。
【ことば】フォークランド紛争
アルゼンチンの東約480キロに位置する諸島で、1833年から英国が実効支配している。1982年に、軍事政権下のアルゼンチンが侵攻したが、英国の反撃に遭い敗退。74日間の戦闘で、戦死者は英軍の255人、アルゼンチン軍は649人。
http://mainichi.jp/select/world/news/20120403k0000e030152000c.html
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