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2012年4月 1日 (日)
帝国今昔
帝国今昔
2012年3月26日
ローマやイギリスの様な大帝国は搾取的だった。征服した国から搾取する資源と富の価格が、征服と統治の価格を上回ったがゆえに、帝国は成功したのだ。ローマが帝国を、より東部のドイツへと拡大しなかった理由は、ゲルマン部族の武勇ではなく、征服の経費が、搾取可能な資源の価値を越えてしまうというローマの計算だった。
ローマ帝国が崩壊したのは、自分たち同士が権力を求めて戦う内戦によって、ローマ人の人員と資源が枯渇したためだ。二つの世界大戦でドイツと戦い、疲弊した為に、大英帝国は崩壊した。
著書『諸帝国の支配』The Rule of Empires(2010)の中で、ティモシー・H・パーソンズは、啓もう的帝国の神話を、搾取的帝国の真実で置き換えている。ローマ、オーマヤド・カリフ王朝、ペルーのスペイン人、イタリアのナポレオンや、インドやケニヤでのイギリスが、資源搾取で成功したこと述べている。ケニヤ支配の経費を削減するため、イギリスは、イギリスの為になる部族意識をあおり、部族の習慣をでっち上げた。
パーソンズはアメリカ帝国を検討してはいないが、本の前書きで、アメリカ人は何ら搾取の恩恵を受けていないように見えるため、アメリカ帝国が本当に帝国なのかどうか、彼は疑っている。8年間の戦争と、イラク占領という取組みの後、ワシントンがその努力の見返りに得たものといえば、更なる債務の数兆ドルであり、イラクの石油ではない。アフガニスタンのタリバンに対する、10年間の何兆ドルもかけた戦いの後、秘密のCIA作戦用資金に使える麻薬取引の一部を除いて、ワシントンには、見せられる成果がない。
アメリカの戦争は非常に金がかかる。ブッシュとオバマは国家債務を倍増し、アメリカ人はそれで何の恩恵も受けていないのだ。ワシントンの戦争からは、富も、パンもサーカスも、アメリカ人に流れ込んではいない。すると、これは要するに何なのだろう?
答えは、ワシントンの帝国は、アメリカを支配するごく少数の強力な利益集団の利益を計る目的で、資源をアメリカ人から搾取しているのだ。軍安全保障合体、ウオール街、アグリ・ビジネスとイスラエル・ロビーは、自分たちの儲けと権力の役に立つよう、政府を利用して、アメリカ人から資源を搾取しているのだ。安全保障国家の権益の為に、アメリカ憲法は搾取されており、アメリカ人の収入は、1パーセントのポケットへと向けられてしまっている。アメリカ帝国は、こうして機能しているのだ。
新帝国は違っている。征服を実現せずに帝国になるのだ。アメリカ軍はイラクを征服せず、ワシントンが据えた傀儡政権によって、政治的に追い出された。アフガニスタンにおける勝利はなく、十年経ってもアメリカ軍はアフガニスタンを支配していない。
新帝国では、戦争で成功することはもはや問題ではない。戦争状態にあることで、搾取が行われる。アメリカ人納税者の莫大な金が、アメリカの軍事産業に、膨大な権力が、国土安全保障省に流れ込む。アメリカ帝国は、アメリカ国民から富と自由を奪うことによって、機能しているのだ。
これが、戦争が終わらない、あるいは、一つの戦争が終わると、次ぎの戦争が始まる理由だ。オバマが大統領の座に着いた時、アフガニスタンにおけるアメリカの任務は何かと質問されたことを想起頂きたい。彼は、任務が何か、任務を定義する必要があるかどうか知らないと答えた。
オバマは決して任務を規定しなかった。その目的を語ることなしに、アフガニスタン戦争を延長した。戦争の目的は、軍/安全保障複合体の権力と富を築くために、アメリカ国民を犠牲にすることだと、オバマがアメリカ国民に言うわけにはゆかない。
この真実は、アメリカ軍侵略の目的が、犠牲無しで実現することを意味するわけではない。膨大な人数のイスラム教徒達が爆撃され、殺りくされ、経済やインフラが破壊されたが、それは彼等から資源を搾取するためではない。
新帝国の下、標的とされた国の国民の命を奪うために、帝国の国民がその富と自由を搾取されるというのは皮肉なことだ。爆撃され、殺害されるイスラム教徒達と同様、アメリカ国民もアメリカ帝国の犠牲者だ。
Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムwww.paulcraigroberts.orgは世界中の支持者が読んでいる。
記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2012/03/26/empires-then-and-now/
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Information clearing houseでは、それぞれの記事にコメントを書き込める。そこに掲載されている、この記事に対して、書かれているコメントで、同感するものがあった。
細かいことに拘泥しすぎるのかも知れないが、虐殺されたアフガン国民 <同様に>、アメリカ国民も犠牲者なのだ、とは思えない。
国とトップの名を置き換えれば、そのまま意味が通じる。悲しい原理。永久戦争状態において、国民を支配する図式、『1984年』のなかで描かれている。
『MOX工場の建設再開へ 日本原燃、六ケ所村』というニュースに驚かされた。直接処分でさえ危険なのに、いまだ再処理にこだわる異常さ。
子供の頃、錬金術の話を読んであきれた記憶がある。愚鈍な王と迎合する高官。全くの昔話と思いこんでいた。昨年までは。
さにあらず。『原発推進』『核燃料リサイクル』『高速増殖炉もんじゅ』そして『迎撃ミサイル』『安保』等いずれもあり得ないことを売り込む『現代の』錬金術。
昔はそういうインチキ商売の宣伝制度、愚鈍な王、御用高官、御用商人と錬金術師だけだった。現代では、御用学者という現代の錬金術師、提灯もちタレント、商業マスコミ、テレビなる白痴製造装置、というハイテク・ガマの油売りシステムのおかげで売り込みは実に容易。『金の妙薬』。
日本中を放射能汚染させ、穀物、野菜、果物から、魚、家畜に至るまで、食料自給を全く不可能にし、宗主国から全面輸入、という遠大な計画を、支配者は意図的に推進しているようにしか思えない。ガリオア・エロア援助、宗主国の小麦と脱脂粉乳を思い出す。惚け老人の妄想であって欲しいものだ。ただし、東京の場合は、合理的な経済的理由がある。
東京で瓦礫処分を行うのは東京臨界サイクルパワー。東京電力グループ企業。
穴を堀り、その穴を埋めなおせば、事業は続くというケインズ経済学は健在?
原発で儲け、燃料リサイクルで儲け、たとえ原発が破壊しても、除染作業をしたり、汚染瓦礫を処理したりすれば、二重、三重に収入は増える。おいしい商売。
宗主国は、爆弾でよその国を徹底的に破壊しておいて、インフラ復旧で儲ける。
属国は、原発で自国を徹底的に破壊しておいて、インフラ復旧で儲ける。属国国民、国から永久戦争をしかけられているようなものだろう。
増税反対の二人の亀井議員、国民新党から追い出されたのだろうか?そして、
米海兵隊は「殴り込み部隊」と武雄市議会で発言した江原一雄議員(日本共産党)に、議会は「出席停止1日」の懲罰動議を賛成多数で可決させた。
というブログ記事を見て更に驚いた。本当と思えない。マスコミは全く触れない。
小生が武雄市の住民であれば村八分状態にされている?宗主国・属国体制に不都合な真実を語ると懲罰される市・国。既に日本、かつてと同様、対テロ戦争中の言論統制状態にある。
戦争で成功することはもはや問題ではない。戦争状態にあることで、搾取が行われる。属国の納税者の莫大な金が、アメリカの軍事産業に、膨大な権力が、アメリカ国土安全保障省に流れ込む。アメリカ帝国は、アメリカ国民と属国民から富と自由を奪うことによって機能しているのだ。
対テロ戦争の目的は、軍/安全保障複合体の権力と富を築くため、アメリカ国民と共に、最大の属国の国民を犠牲にすることだと、傀儡首相が日本人に言うわけにはゆかない。
新帝国の下、標的とされた国の国民の命を奪うために、属国国民がその富と自由を搾取されるというのは当然のことだ。爆撃され、殺害されるイスラム教徒達と同様、属国国民も、アメリカ帝国の犠牲者だ。
原発で成功することはもはや問題ではない。原発が大事故状態にあることで、搾取が行われる。属国の納税者の莫大な金が、属国の原発関連事業に、膨大な権力が、属国政府と、アメリカ国土安全保障省に流れ込む。アメリカ帝国とその属国は、アメリカ国民と属国民から富と自由を奪うことによって機能しているのだ。
2012年4月 1日 (日)
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