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【カイロ和田浩明】中東の民主化運動「アラブの春」の波を受け、シリアでアサド政権の退陣を求める騒乱が本格化して15日で1年がたった。政府軍は反体制派を徹底弾圧しており、国連推計で民間人だけで8000人以上が死亡、難民や避難民も9万人に達した。アナン国連特使の先の和平仲介も不調に終わり、米欧やロシア、周辺国の思惑や利害も絡んで事態打開の糸口すら見えない状況だ。
反体制派は3月に入り、主要政治組織の「シリア国民評議会」から一部幹部が離脱。離反兵士団体「自由シリア軍」はシリアの中部、北部の拠点から相次いで撤退した。
国民評議会を見切り脱退したカマル・ラブワニ氏(54)は毎日新聞の電話取材に、脱退理由を「自由シリア軍への武器供与を国際社会に働きかける努力がない」と批判した。4月中にも、他の反体制派の糾合を目指して新組織の設立に動きたい考えた。
当初、シリアでの民主化デモは当局の腐敗や政治犯虐待への怒りの表明が主目的だった。だが、政権側の強硬対応でデモ参加者は反体制色を強め、離反兵士の参加で武装闘争化した。
軍・治安部隊の幹部は、大統領の出身母体であるイスラム教少数派のアラウィ派(人口の12%)だ。デモ参加者や自由シリア軍には多数派のスンニ派(70%)が目立っており、宗派間対立の様相も帯びている。
アサド大統領は反体制派を「武装テロ集団」と呼んで弾圧する。住宅地への無差別砲撃や民間人の大量拘束、拷問も行い、国連や人権機関から「人道に対する罪」との批判も受ける。
一方、2月末には複数政党制や大統領3選禁止を盛り込んだ新憲法を導入した。5月7日の総選挙実施も発表し、「民意を受けた政治改革」を演出する。
アサド政権は、シリアを武器の輸出先として期待するロシアに加え、中国やイランなどの支援も受ける。反体制派を支えたい米欧やサウジアラビアなどが経済制裁などを実施して包囲網を形成しても、具体的成果は出ていない。シリア情勢に詳しいベイルート・アメリカン大学のシャフィーク・マスリ教授(国際政治)は「当面は手詰まり状態が続く」と予測している。
http://mainichi.jp/select/world/news/20120316k0000m030069000c.html
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