04. 2013年4月05日 21:37:58
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2013年 4月 04日 19:52 JST 更新 米政府、米軍が過剰反応と判断、軍行動抑制へ─対北朝鮮で 記事 By ADAM ENTOUS AND JULIAN E. BARNES 韓国・烏山米軍基地から離陸するF22戦闘機(3日) 【ワシントン】北朝鮮の挑発的声明などをけん制するため、米政府は軍事力をあからさまに誇示していたが、かえって一段と深刻な危機を招きかねないとの懸念から、攻撃的な態度を抑え始めている。米当局者が明かした。 米国は、オバマ政権が今年初めに承認した「プレーブック」と呼ばれる段階的計画に待ったをかけている。プレーブックとは、韓国との年次合同機動演習での米軍による示威行動の手順や周知計画をまとめたもの。これには、北朝鮮付近でここ数週間に実施された核兵器搭載可能なB52爆撃機、B2ステルス爆撃機、最新鋭のF22ステルス戦闘機などによる示威的な飛行も含まれていた。 米当局によると、米国は今週、この計画を一歩後退させた。小規模な核戦力と予想不能な新指導者を持つ北朝鮮を米国が意図していた以上に挑発することになる可能性を当局者が危惧し始めたためだ。
政権高官の1人は「北朝鮮側に誤解を招く可能性をわれわれが高めており、それが誤算を招きかねないことが懸念される」と説明した。 当局によると、北朝鮮が軍事演習への対応として近い将来軍事行動を計画しているとは米国は考えていない。それよりも、プレーブック見直しの背景には、不意を突かれた北朝鮮が、米国の示威行動に軍事的に対抗する公算は小さいとの情報当局の予想に反して、性急な行動に打って出る可能性に対する懸念が政権内で高まっていることがある。 さらに当局によると、米国が誘導ミサイル駆逐艦2隻を韓国沖海域に派遣したとの報道を米海軍が1日に認めたことも計画変更に影響しているという。この配備は、ホワイトハウスも国防省も公表する意向はなく、プレーブックにも含まれていなかったという。 当局によると、駆逐艦派遣を公表したことで、北朝鮮との緊張がホワイトハウスが意図していた以上に高まるリスクが出てきたという。また、ホワイトハウスは示威行動を統制し、組織的に展開する構えでいたが、それに反して情報が公にされてしまったことで困惑しているという。 当局によると、ホワイトハウスは北朝鮮の態度を見極める間、プレーブックの次の措置を保留にした。ただし、政権は将来的な示威行動の可能性は除外していない。国防総省のリトル報道官は2日、米国は朝鮮半島の「温度」を下げる意向であることを明らかにした。 プレーブックの主要支持者の1人、ヘーゲル国防長官は3日の講演で、米国や同地域の他の国々は「複雑な一触即発状態」をさらに悪化させることは望んでいないと語った。さらに、北朝鮮に過激な口調を緩め、「和平への道」への可能性を閉ざさないよう訴えた。 国防当局は、3日に発表したグアムへの最新鋭ミサイル防衛システムの配備は、B2戦闘機同様攻撃ではなく、防衛を目的としたものであり、米国とその同盟国に対する北朝鮮の中・長距離弾道ミサイルの脅威に対処することを狙いとした米国のこれまでの措置に沿ったものだと述べた。 米太平洋軍司令部は、12月の長距離ロケット打ち上げをはじめ北朝鮮の挑発的行為が相次ぐなか、韓国との年次軍事演習に向けた準備のなかでプレーブックの策定を開始した。 また、それに関する周知活動の目的には、北朝鮮に対するメッセージの発信のみならず、韓国のタカ派の新政権に対して、米国は全面的に韓国政府を支援しており、北朝鮮の挑発に韓国が軍事的に対抗する必要はないことを確信させることもあった。 米情報機関はプレーブックに関わるリスクを評価し、北朝鮮の体制が最も優先しているのは自己保全であり、軍事的な対抗策に打って出る可能性は低いとの結論に達した。米当局は、北朝鮮は軍事行動を取れば米韓の痛烈な反撃に遭い、体制崩壊を招きかねないことを理解しているとみている。 オバマ政権当局の1人は「誤算や戦争発生を誰もが懸念している。だが、米政府全体としては北朝鮮が全面戦争を仕掛けることはないだろうとの見方が占めている」と言い、「彼らの関心はあくまでも体制存続にある」と述べた。 プレーブックについては、何度か行われたホワイトハウスの高官級の会合でも協議された、と会合参加者は話す。ヘーゲル氏は国防長官就任後の初仕事の1つとして、プレーブックを後押しした。会合参加者によると、ケリー新国務長官をはじめ、他の政権高官は防衛省を支持したという。 プレーブックの支持者は協議のなかで、手に負えない事態になるのを防ぐため、米国はエスカレートする措置を抑制すべきだと述べた。それら当局者によると、プレーブックには、韓国の新体制が北朝鮮の威嚇に対応せざるを得ないと感じずに済むよう米国が支援を請け合うという目的もあった。米韓合同軍事演習と北朝鮮の年次立法会議が重なる時期には、北朝鮮の威嚇的行為が頻発する傾向があるためだ。 しかし、政権内では、北朝鮮に対する挑発が意図せぬ結果を招く可能性を懸念する声が一部当局者から上がった。これら当局者の一部はホワイトハウスと国防省の情報機関に対する信頼感に疑問を呈した。北朝鮮がどのような態度に出るかに関して、情報機関のこれまでの予測は外れることもあった。 予測の当たり外れにとりわけ差があったのが、北朝鮮の新たな指導者、金正恩第1書記に関してだ。金氏の人物象は依然あいまいで、情報機関自体も父の金正日総書記以上に予測不可能な人物の可能性があると説明してきている。 だが、協議では最上級のレベルではほとんど異議が上がらなかった、と参加者は話す。リビアや北西アフリカ、シリアをはじめとする海外での武力行使に関する他のオバマ政権の協議が長引いているのとは対照的だ。会合参加者によると、オバマ大統領は、プレーブックの実行にゴーサインを出した。 最初の示威行動は米韓合同軍事演習「フォウル・イーグル」実施期間中の3月8日で、B52長距離爆撃機が低空飛行を行った。その数週間後、米ミズーリ州の空軍基地から派遣されたB2爆撃機2機が白昼に韓国のミサイル射程圏内にダミー爆弾を投下した。 米情報当局は計画通りに北朝鮮の反応を確認した。これら示威的飛行に対して北朝鮮は、国防省や情報当局の予想通り、激しい抗議声明で応じ、米韓を攻撃すると脅した。 さらに3月31日に最新鋭のF22戦闘機2機を韓国に飛行させると、北朝鮮は再び激しい反応をみせた。 週末にかけて北朝鮮が米韓に対する攻撃の脅しを強めると、軍当局いわくロケット発射に備えた北朝鮮の監視に対する「細心の」援護策の1つとして、米国防省は誘導ミサイル駆逐艦「USSジョン・S・マケイン」と「USSディケーター」2隻を西太平洋に派遣した。 政権当局によると、国防省はマケインとディケーターの配備を週末に発表しなかったが、この配備はプレーブックにも含まれていなかったという。当局の一部は、駆逐艦の配備を北朝鮮が示威行動の拡大ととらえることを危惧し、公にしたくないと考えた。 だが、駆逐艦が韓国に向かっているとのニュース報道を受け、海軍当局が任務遂行の事実を認めた。 当局高官の1人によると、この措置は防衛的性質のものではあるが、威嚇ではないかとの見方を強めることになり、ホワイトハウスがそれを危惧し始めたという。 「この海軍の対応によって懸念が一挙に噴出した」と同高官は述べた。 情報機関の当局者は、北朝鮮が軍事行動を取る可能性について依然懐疑的だ。情報当局は今週、北朝鮮に対する自らの見方を擁護する発言をした。当局の1人は 「現時点においては北朝鮮の動きは依然口先だけにとどまっている」と述べ、「北朝鮮側が行動に移すことを示す証拠は何もない。これは情報当局の見解を裏付けているようにみえる」と語った。 だが、政権の一部は警戒感を募らせている。 政権当局の1人は「ある意味、やり過ぎてしまった感じがある。(北朝鮮へのメッセージ発信が)あまりにもうまく行き過ぎてしまったため、韓国に引き続き支援を約束する一方で、示威的行動を少し手控えることを検討している」と述べた。 関連記事
米、グアム島に新鋭ミサイル防衛システムを配備へ―北朝鮮対策 米、ミサイル駆逐艦を朝鮮半島に配備―韓国は迅速な対応を強調 イランをしのぐ北朝鮮の核兵器の脅威
韓国 イージス艦配置しミサイル発射警戒 4月5日 18時52分 北朝鮮が弾道ミサイルの発射の準備ともとれる動きを見せていることから、韓国軍は周辺の海域にイージス艦を配置して監視を強化しています。
北朝鮮は、アメリカ軍の基地があるグアムを射程に収めた中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられる機体を日本海側に輸送するなど、発射の準備ともとれる動きを見せています。 韓国国防省は発射を警戒するため、高性能レーダーでミサイルを追尾するイージス艦2隻を日本海と黄海にそれぞれ配置したことを5日、明らかにしました。 韓国軍は北朝鮮東部の日本海側での弾道ミサイルの動きだけでなく、西部の黄海に向けて短距離ミサイルを発射する可能性も否定できないとして、監視を強化しています。 韓国のイージス艦は北朝鮮が去年12月に事実上の弾道ミサイルを発射した際にも発射を探知、追尾したことがあり、韓国軍はイージス艦で得た情報を基にアメリカ軍などと連携して対応に当たりたい考えです。 [関連ニュース] 自動検索 ・ 北朝鮮 ミサイル発射準備の動きか (4月5日 17時45分) ・ 北朝鮮 ミサイル発射に向け準備の動きか (4月4日 12時25分) ・ 米 グアムに迎撃ミサイル配備へ (4月4日 6時44分)
米韓、不意打ち発射に警戒 中距離ミサイル日本海側移設で 【ソウル=内山清行】米韓両政府が北朝鮮による中距離弾道ミサイルの発射に警戒を強めている。北朝鮮は「ムスダン」級とみられる中距離ミサイルを日本海側に移動させており、移動式発射台から不意打ち的に発射する可能性があるためだ。国連安全保障理事会の制裁決議などに反発する威嚇行為の一環だが、実際に発射すれば日本上空を通過する懸念もある。
聯合ニュースは5日、北朝鮮が「ムスダン」2基を日本海側に移した後、発射台車両に載せたことを確認したとする韓国政府高官の発言を伝えた。「ミサイル搭載の車両を特定施設に隠したようだ」としている。特定施設がどこかは不明だが、米韓当局が集中的に監視しているという。 「ムスダン」の射程は3000キロメートル以上で、北朝鮮からグアムに到達する中距離ミサイル。韓国国防省は公式にミサイルの種類を特定していないが「仮にムスダンだとすれば、グアムの米軍戦力や、上空を通過する国への脅威になる」と指摘している。 北朝鮮の弾道ミサイルには、昨年12月に発射した長距離の銀河3号などがある。テポドン1号、2号の実験発射では日本上空を飛び越えた。中距離ミサイルでは「ノドン」(射程1300キロメートル)の発射が過去にあったが、「ムスダン」の実験発射はこれまで確認されていない。
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