http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/850.html
Tweet |
改憲・集団的自衛権行使を阻むために
【大阪】三月二二日、エルおおさかで、「イラク戦争一〇年検証のつどい」がおおさか平和人権センター・しないさせない戦争協力関西ネットワーク主催で開かれ、二〇〇人の市民が参加した。
増田京子さん(しないさせない戦争協力関西ネットワーク共同代表)の司会で進行し、主催者を代表して田渕直さん(おおさか平和人権センター理事長)があいさつした。
「イラクには大量破壊兵器があることを理由に米国・英国等により始められたイラク戦争。大量破壊兵器は存在せず、イラクを『民主化』するという理由で、フセイン政権を倒し従順なイラク政権をつくるはずだったが、米兵の死者をもうこれ以上出せないと、戦争は終結」。
「英国の機関の調査によるとイラク人死者一二万人、米兵の戦死者は四五〇〇人という。小泉政権は、国連決議のないこの戦争をいち早く支持した。現安倍政権はこの戦争の検証をする意思が全くないまま、集団的自衛権の行使をしようとしている。もうすぐ参院選を迎えるが、このような状況はなんとしても終わらせねばならない」。
イラク人カメラ
マンの証言聞く
アリ・マシュハダーニさん(イラク・フォトジャーナリスト)がイラクの状況を報告した。アリさんは、イラクのラマディ出身。ロイター通信、BBC等のカメラマンとしてイラクの地域を取材してきた。経済封鎖が始まって、子どもは食べ物がなくなり病気になった。
その状況を国際特派員として取材し記事を書いていたが、状況があまりにも悲劇的で文章ではとても書ききれないので、カメラを持つようになった。米国は活動を邪魔してきたので、隠れて情報を集めた。取材中に行方不明者を探したり、輸血の血液を提供したことも(別掲)。
高遠菜穂子さん
の医療支援活動
続いて、高遠菜穂子さんが報告した。
「初めてイラクに入ったのは〇三年五月。それ以来、NGOとしてイラク支援をしている。今年一月から二月に、ヒューマンライツ・ナウとともにファルージャ総合病院で調査をした。特に内部被曝についてはWHOだけの調査では不十分だからだ。報告書は、国連特別報告者に提出する。国連特別報告者は昨年福島にも来た」。
「ファルージャでの健康被害について調べた。具体的には、放射線による先天性欠損症について。ここは、心臓に穴が空いているなどの心疾患が非常に多い。五日間で一五人の子どもが手術を受けられた。手術は、米国の医療チームが担当している。反米感情が強いところなので、私が案内の一人として医師を助け、間に入ってうまくことが運ぶようにしたり、患者のケアをしたりしている」。
「イラクでは、心臓手術ができるところはバグダッド、ナジャフ、ナシリアなど非常に限られている。そういうところで、米国の医師チームが医療訓練もやっている。その流れで、ファルージャでも医療プロジェクトをしたいと考えてきた。私の中では一つの平和構築と考えている」。
「米国人のいないところで、これで米国がやってきたことが許されるわけではないといってくれるイラク人もいる。〇八年以降、三〇〇人の子どもが手術を受けて退院した。一緒に行ってくれる日本人の医師を探していたら、盛岡先生(昭和大学准教授)が快く引き受けてくれた。彼は、国際NGOの経験者だ」。
スンニ派への
差別と襲撃
「盛岡先生の手術の日に大規模なデモが起き、手術は延期になった。大規模なデモがあちこちで起きる。共通しているのは、スンニ派に対する差別をやめろ!だ。〇五年反テロ法が成立し、スンニ派は連行され拷問を受け、この法で有罪となると終身刑か死刑だ」。
「日本のメディアのイラク関連記事では必ず、スンニ派のアルカイダ系テロ組織が…という言い方が最後につく。弾圧はイラク政府がやっている。国会議員や副大統領ですら逮捕され死刑判決を受ける。一日二〇人に死刑が執行される。反テロ法の濫用だ。やっている方はシーア派の影響が強い」。
「女性の囚人も五〇〇〇人いると言われているが、秘密の刑務所があると言われ、統計には入っていない。バース党員は公職に就けないし、移住も認められない。盛岡先生の手術日に病室は血みどろになった。デモにイラク軍が発砲したためだった。一〇年前〇三年のファルージャ総合病院もまったく同じだった。違うのは、当時は撃った方が米国だったが、一三年はイラク軍だということ」。
「現在も、電気は午前午後二時間ずつしかつかない。報道の自由も抑圧されている。検問所は、ファルージャからバグダッドまでに二〇カ所もある。〇五年から始まった宗教対立が尾を引いている。一〇年前は、米軍に対して市民のレジスタンスがあったが、今イラク軍に対してはないのでホッとしている。あればシリアのような内戦になるだろう」。
「デモは洗練されている。主催者は誰? 一テント一部族で一五〇張りのテントの部族が呼びかけている。彼らはフェイスブックなどで連絡を取り、討論している。これが最後だと彼らは考えている。これがダメならイラクはおしまいだと。これがスンニ派の市民だ」。
戦争への歩み
くい止めよう
「三月二〇日、早稲田大学でイラクテン集会をやった。日本は英国の検証を見習うべきだ。この夏に最終報告が出る。トップシークレットまで公開されている。オランダでも検証が終了し、イラク戦争は国際法に違反すると結論づけられた。オランダは自衛隊と同じサマワで活動していた」。
「日本の自衛隊はどうなるのか。安倍内閣は集団的自衛権の行使に意欲的だが、その判断材料はイラク戦争の検証のなかにある。早稲田宣言(三月二〇日に採択されたもの、政府と市民のそれぞれがなすべきことを七項目にわたりのべている)を広めてほしい」。
最後に、中北龍太郎さん(しないさせない戦争協力関西ネットワーク共同代表)が閉会のあいさつをし、「イラク戦争の時は九条が生きていたので集団的自衛権行使は不可能だったが、今安倍政権は改憲への動きを強めている。イラク戦争の検証をすればそれが間違いであることは明白になる。早稲田宣言を広めていこう」と呼びかけた。
(T・T)
アリ・マシュハダーニさんの証言
虐殺者たちは日本の
基地から飛んできた
米国は、フセインを逮捕したあとも居座った。なぜ米兵はいるのか。フセインの支持者を殺すため。〇四年にはフセイン政権の幹部が大量に逮捕された。その後は、テロリストを退治するため、そして選挙の結果を確認するためにという理由で居座った。仮政府がつくられ、一二人が一人一月ずつ大統領につくという前代未聞のことが始まり、それが民主主義だと。
一九八〇年代、ダムを造るためにハーナの町の塔(歴史建造物)を高台に移転した。これは日本が請け負ってくれた。この塔は戦争で無残にも破壊された。戦争が始まる前に、ナムルードの町にある文化財を地下三階に隠したが、米国が盗んで返してくれない。博物館は空爆された。これが民主主義の姿だ。インフラは破壊され、飲み水はなくなった。人が死んだら、公園が墓地になった。病院に米兵が入ってくるようになり、必要な医療物資は入ってこない。医者は米兵は出て行けとデモに参加した。アッサルファールという虐殺のあったところでは、女や子ども三二人が米兵に殺された。なぜ殺すのか。海兵隊は一日一〇人殺す決まりになっているから殺すんだ。私の家の部屋の壁にも劣化ウラン弾の破片が飛んできた。ガイガー計数管ではかると放射線量が高い(〇・一μシーベルト毎時)。
人殺しがノルマ
の米海兵隊員
私も、ビルの破壊現場や米兵による虐殺現場を撮っていて八回拘束され、脚を切断されるところだった。精神的肉体的に拷問された。取材は、イラクの治安の邪魔になるという理由で。
今から映す映像を見たくない人は一時退場してほしい。その映像(後ろ手に縛られて横たわっているイラク女性。米兵が彼女の首をナイフで切ると、大量の血がほとばしり出る。首はほとんど切り離されているが、女性はまだ生きている。完全に首を切り離し、その首を米兵が持ち上げ、首のなくなった体の胴体の上に首を置いて、顔の上に紙片を貼る。紙片には、「我々はイラクの解放者だ」)。信じられないような残酷な映像。この映像は、米軍がアンバール市で会議をしていた間にこっそり入って、開いていた米軍のパソコンの中に入っていたビデオ映像を見つけて盗んだものだ。
イラクの現在の状況は?イラクは今まででもっとも腐敗している。このことを世界のメディアは伝えてほしい。ファルージャの虐殺をした米兵は日本の米軍基地から飛んできた。イラク戦争で米軍に日本がついて来た時はショックだった。米軍は自衛隊を盾として使っていた。米軍がやっているようなことは、どこの国もやっていない。日本は平和な国だと世界で思われている。日本は平和な国としてもっと発展してほしい。(発言要旨、文責編集部)
http://www.jrcl.net/frame130408b.html
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。