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(CNN) 米国主導の多国籍軍がイラクに侵攻して始まったイラク戦争の開戦から、19日で10年がたつ。長く続いた戦闘は数多くのイラク市民に死や絶望をもたらし、人生を一変させた。
「イラクの自由作戦」に参加した元陸軍兵のノア・ギャロウェイ氏は、戦争がもたらした影響についてこう語る。
「一国が他国に侵攻すれば、争いとは無関係だった市民に影響が及ぶ。我々はこの世界に住む人間として、そうした人たちに手を差し伸べる責任がある。民家や人命が破壊された。米国内にも対応すべき課題はあるが、困難な時であっても我々にはやらなければならないことが多数ある」
10年たった今も、戦争による犠牲や困難に苦しむイラクの民間人は後を絶たず、人道援助の必要性は増すばかりだとギャラウェイ氏は言う。適切な治療を受けられる医療システムがないため、医療援助が必要な人も多い。
そうした人たちの1人、ノアちゃんは、脊椎(せきつい)の形成が不十分な二分脊椎の障害を持って生まれた。2005年にアブグレイブにある民家を米兵が急襲した際に、祖母がこの子を助けてほしいと懇願。この訴えが実って米国の病院で手術を受けたが、イラクに戻って7歳になった今も車椅子で生活し、十分な治療を受けられずに命の危険にさらされる日が続く。
医師や看護士で組織する非営利組織(NPO)のIMCは、開戦前からイラクで活動を続け、救急医療態勢の確立などに尽力してきた。「イラクの医療態勢は10年前に比べると大きく進歩した。負傷者の救命率も大幅に上昇した」と関係者は話す。それでもまだ任務完了にはほど遠い状況だといい、「10年前に始まった仕事を完了するまで」活動を休むことはないと力を込めた。
戦争によって子どもたちも深刻な状況に追い込まれた。児童支援団体によれば、この10年の戦争やテロで親を失った子どもはユニセフの推計で80万人に上るといい、「緊急に人道援助が必要な状況」だという。
同団体はこうした子どもたちに食事や教育、医療などの援助を提供しており、「中には親をなくして路上で働いて自活している子どももいる。イラクの未来を担う子どもたちを愛情で支えなければならない」と訴える。
米国が介入したイラク戦争は終わっても、イラクの人たちの苦難は終わっていない。依然として大きな国際人道援助が求められている。
http://www.cnn.co.jp/world/35029707.html?tag=cbox;world
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