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【バグダッド小倉孝保、秋山信一】イラクで旧政権による人権侵害の記録を残し、次世代に引き継ぐ取り組みが始まっている。人権省は昨年9月、虐殺や拷問の記録を集めた初の博物館を開き、小中学生らが見学に訪れている。フセイン政権崩壊から10年、旧政権の人権侵害も「歴史」になりつつある。
旧政権人権侵害博物館はバグダッド中心部の通称「グリーンゾーン」(旧米軍管理区域)にある。フセイン政権(79〜03年)はクルド人やイスラム教シーア派教徒を中心に、反政府活動が疑われる者と家族を大量虐殺し、多くを生き埋めにした。03年4月9日の政権崩壊後にイラク全土で確認された大規模墓地は少なくとも180カ所。約50カ所が掘り起こされ、1カ所あたり数百〜数千の遺体が見つかっている。
大規模墓地に関する展示では、遺体とともに掘り起こされた衣類やイスラム教の聖典コーラン、入れ歯、くし、スプーン、時計などの遺品が並べられている。子供用の小さな衣類やおしゃぶりも展示され、旧政権の徹底した虐殺の様子が伝わってくる。
旧政権庁舎から押収された人権侵害の証拠書類も展示している。北部アンファルで起きたクルド人虐殺事件(88年)に関して「あらゆる生命の存在を許すな」と記された政府の命令書や、野党の弾圧、公務員と外国人との結婚を禁止するフセイン大統領自身の署名のある書類も展示されている。また、反政府活動家に対する拷問の様子を再現した人形の展示もある。
女性館長のサバハ・リヤドさん(46)は「サダム(フセイン大統領)による恐怖政治はイラク史の一部です。あの時代に、どうやって市民が殺されたのかを次世代に知ってもらい、人権の大切さを感じてほしい」と話す。
博物館には3月前半だけで約400人の子供たちが見学に来た。彼らの多くは自身の記憶にない残酷な歴史に恐怖の表情を浮かべるという。今後はグリーンゾーン外での別館建設や、移動博物館の計画もある。
http://mainichi.jp/select/news/20130319k0000e030181000c.html
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