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http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130304/frn1303041825004-n1.htm
2013.03.04 夕刊フジ
北朝鮮による核開発が進むなか、日本に新たな脅威が迫っている。沖縄県尖閣諸島を狙う中国が、日本を焦土に巻き込む大規模なミサイル攻撃を想定し始めたというのだ。照準は自衛隊の基地はもとより、東京などの大都市、東日本大震災で危機管理体制の甘さを露呈した原子力発電所も含まれるという。暴走国家が描く悪夢のシナリオとは−。
極東が核の恐怖に飲み込まれようとしている。
北朝鮮の3度目の核実験で揺れるなか、中国人民解放軍のミサイル戦略部隊「第二砲兵部隊(第二砲兵)」に不穏な動きが出ているというのだ。
中国軍の動静をウオッチし続ける外交筋が「中国共産党幹部からの情報」としてこう明かす。
「最近、軍部内で(中国)国内の原子力発電所の警備に関する予算が付いた。それを受け、『第二砲兵』を中心とする対空ミサイル部隊の配置が急ピッチで進んでいる」
アジア全域でエネルギー産業の調査を手がけるテピア総合研究所によると、中国で稼働する原子炉は15基(昨年末時点)。これに加え、建設途中の原子炉30基の周囲に「地対空ミサイルを積載した移動式車両を配備している」(外交筋)という。
この動きは何を意味するのか。軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「日本などから飛んでくるミサイルを迎撃するための措置で、逆に言うと、中国軍が同じ計画を持っていることの証しだ。日本の原発を弾道ミサイルで攻撃することを視野に入れた上での動きだろう」と解説する。
日本では全国17カ所、廃炉が決まっている福島第1原発を含めれば54基の原発がある。自衛隊の基地・駐屯地のほか東京などの大都市、さらには原発までも標的にしたことになる。
具体的に仕掛ける攻撃も不気味だ。中国軍が描くシナリオについて世良氏が続ける。
「中国のミサイル基地は、吉林省・通化(トンファ)、湖南省・懐化(ファイファ)、山東省・莱蕪(ライウー)の3カ所。通化と莱蕪の両基地から射程2000〜2700キロの中距離弾道ミサイル『東風21』で日本の原発を狙う。中国はこのミサイルを推定で100発保有している」
さらに移動式トレーラーから射程1500〜2500キロの巡航ミサイルを連続発射するという。
「この巡航ミサイルは500発程度保有しているとみられる。日本としても一度に大量発射されると海上配備型迎撃ミサイル(SM3)や地対空誘導弾パトリオット(PAC3)でも対応できない」と世良氏は危ぶむ。
中国軍内でこうした原発攻撃計画が浮上したのは、一昨年3月11日の東日本大震災に伴い発生した福島第1原発事故がきっかけだった。
「あの事故で日本の原発があまりにもろいシステムということが分かった。電源がアウトになれば、勝手に原子炉がメルトダウンする。わざわざ核弾頭を飛ばさずとも、日本全土を壊滅状態にすることができる」(世良氏)
もちろん、日本政府も「3・11」で露呈した原発の安全保障上のリスクに危機感を抱いている。
警察庁は、13年度予算案に全国の原発と原子力関連施設の警備体制強化を盛り込んだ。予算は12年度の3億7300万円から17億5000万円に大幅増額。原子力関連施設に常駐する計約1700人の銃器対策部隊も増員する方針でいる。
同庁の公開資料では「原子力関連施設の脆弱性が国内外に明らかになった」として「テロの脅威は引き続き高い」と言及。北朝鮮工作員のほかに「脅威」の対象として中国の存在を挙げている。
だが、備えが十分とは言い難い。「警戒しているのはあくまでテロで、大規模な軍事攻撃を想定しているわけではない。ミサイルによるピンポイント攻撃に備えた迎撃態勢を大至急整えなければいけない」と世良氏。
原発が自爆用の原爆に変貌するような事態だけは避けなければならない。
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