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旧正月前の1月22日、高雄の海軍左営基地沖で掃海や対快速艇、対潜水艦戦演習を展開した台湾海軍。中国への機密漏洩事件に揺れている(吉村剛史撮影)
【海外事件簿】中国への軍機漏洩事件で疑惑拡大 軍内権力闘争説も 台湾
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20130216/frn1302161708007-n1.htm
2013.02.17 夕刊フジ
台湾の防衛を担う国防部(国防省に相当)がスパイ事件の拡大に揺れている。台湾では昨年、海軍の退役将校3人が潜水艦に関連する機密情報を中国の情報当局に漏洩(ろうえい)したとして軍当局に逮捕、起訴されたが、さらに台湾海峡の最前線に立つ現役海軍少将や国防部長(国防相)側近までもが事件に関与した疑いで軍当局による調査を受けていることが相次いで明らかになった。単なる軍紀の弛緩(しかん)にとどまらず、陸海軍の反目など、軍内部の権力闘争の存在を憶測する声も浮上している。(台北 吉村剛史)
□海軍主力艦隊トップと国防部長側近の2少将
新たに関与が取り沙汰されているのは、台湾にとって台湾海峡の守りの要ともいうべき澎湖諸島を拠点とする海軍第146艦隊の艦隊長を務めていた徐中華少将と、高華柱国防部長の側近中の側近として国防部国会連絡処長を務めていた呉金駿少将(陸軍)。
台湾の有力各紙によると、軍検察当局は徐少将が一連のスパイ事件に関与した疑いが濃厚になったとして1月30日に調査を開始。このため徐少将は146艦隊長の任を解かれた。
これに前後して呉少将に関しても、妻の親族が中国の情報機関と接触し、情報取引をしていた疑いが浮上。少将本人も関係した可能性もあるとして軍検察当局が調査に乗り出し、呉少将も陸軍司令部委員への異動が発令された。
国防部の羅紹和報道官(少将)は2人に対し、職務を調整したうえで、軍当局が慎重かつ厳格な取り調べを行っている事実を認めているものの、「具体的なことは明らかにできない」としている。
□元処長と接点・新鋭装備の情報も漏洩か
徐少将が指揮していた146艦隊は、米軍の技術支援をもとに、台湾が建造した成功級フリゲート艦2隻を保有する台湾海軍の主力艦隊。
「航母殺手」(空母キラー)の異名を持つ対艦ミサイル「雄風3号」をはじめ、主力艦隊に見合った最新鋭の正面装備が配備されていることもあり、「これらに関する機密が流出した可能性もある」と推測するメディアもある。
台湾では昨年9月、海軍司令部直轄機関である大気海洋局政治作戦処の元処長(中佐)ら退役将校3人が、台湾周辺海域の海底地形や潮流など潜水艦の行動に関わる高度な軍事情報を中国側に漏洩したとして、軍当局に逮捕、起訴された。
徐少将は、この元処長のかつての部下にあたり、元処長らから金品などを贈られ、その見返りに軍機を漏らしたとみられている。
一方、国防部長の参謀だった呉少将は、その人当たりの良さなどが高部長に見込まれて重用されたこともあり、立法院(国会)との連絡処長という職務柄、台湾当局中枢における交友関係は幅広かった。
報道によると、軍当局は、通信記録などから、やはり元処長との接触ややりとりが確認されたことから、関与が発覚した妻の親族だけでなく、呉少将本人も事件に関与した可能性を認めたという。
□問われる軍紀、「軍中陰謀論」も浮上
台湾の軍をめぐっては、2011年、当時、陸軍司令部の情報システム担当トップにあたる電子情報通信処処長だった現役少将が、中国人女性との交際を通じ、米国から売却されたハイテク通信システム関連の機密情報を漏洩した事件が明るみに出て以降、退役将校の中国軍人との安易な交流拡大などで「脇の甘さ」が指摘されてきた。
加えて、2012年7月には、台湾東部・宜蘭県蘇澳を拠点とする海軍第168艦隊の艦隊長が演習中に演習海域を離脱し、沖縄県・尖閣諸島に接近したことで懲戒処分が下されたが、その後、軍内外から「厳し過ぎる」との論議を呼び、識者を交えた審議で処分が撤回されるなど、不可解な迷走を展開した。
この一件では陸軍出身の高華柱氏を国防部長にいただく軍内で、OBも含め、陸軍と海軍の反目などが噂されていた。
折しも台湾では2013年1月1日をもって、国防部と軍の大規模な組織改編が行われたばかり。
今回新たに明るみに出た疑惑でも、ちょうど陳冲行政院長(首相)の辞任表明に伴う内閣改造の時期に当たっていたことや、一連のスパイ事件が、退役将校から、じわじわと軍と国防部の中枢の現役将官に波及したことが注目された。
また、新たな疑惑の当事者の一方が海軍少将、一方が陸軍少将であることなどから、有力紙、聯合報では「軍中陰謀論」として、軍内の権力闘争の可能性にも言及している。
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