02. 2013年2月15日 08:26:36
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日本国憲法は国と国民を守る義務を放棄している? 新政権の出方を伺う近隣諸国は「平和を愛する諸国民」か 2013年02月15日(Fri) JBpress 自民党衆議院議員の藤井ひさゆき氏と山田賢司氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。中国海軍艦船レーダー照射事件で緊張が高まる日中関係を取り上げたほか、国防や外交、安倍政権が取り組む経済対策などについて語った。中露は、日本の政権交代前後の「反応の違い」を試している? 中山 今回は、昨年12月の衆議院総選挙で初当選を果たした2人の新人国会議員、兵庫4区選出の藤井(ひさゆき)さんと、兵庫7区選出の山田(賢司)さんにお話を伺います。まずはお2人が政治を志したきっかけを教えてください。 藤井 少子高齢化が急速に進む日本の制度やシステムを変えなければならないと思ったのです。これまでは、行政の中で地域おこしなどに携わりながらそれをやろうと考えていましたが、今の我が国は政治から変えなければならないと気づき、行動を決意しました。 山田 ずっと銀行員をやっていた私は、「民間は民間にできることをやり、政治は政治が好きな人がやればいい」と思っていました。しかし、2010年に尖閣諸島中国漁船衝突事件が起きた時からその考えは変わりました。 当時、政府は船長を一度逮捕したにもかかわらず釈放してしまった。あの時、犯人たちがピースサインをしながら英雄気取りで帰国したのを見て許せなかったのです。経済は民間が一生懸命頑張ればうまくいくでしょうが、外交や防衛は国が舵取りひとつ間違えると取り返しのつかないことになってしまう。 そこで自民党に文句を言ってやろうと思い、ホームページを開いたところ、たまたま次期衆議院議員の公募を目にしました。「パソコンの前で文句を言うくらいなら自分でやるか」と考え、応募したのがきっかけです。 中国海軍艦の海上自衛隊護衛艦に対するレーダー照射について会見する小野寺五典防衛相〔AFPBB News〕
中山 中国海軍艦船による火器管制用のレーダー照射事件をめぐる報道が連日伝えられています。中国の行為を人間で例えるならば、実弾の入った銃を相手の額に向けたのと同じことです。今後、戦争に発展するリスクを回避するのは当然ですが、この事案にどんな対策を講じるべきだと思いますか。 藤井 まずは毅然とした対応が必要です。歴史の教訓からも学ぶべきことはあります。例えば、かつて英国の宥和政策がナチス・ドイツの台頭を助長し、第2次世界大戦を引き起こす結果となりましたが、日本はそうした歴史的経緯を踏まえて「領土を守る」というメッセージを発信しなければなりません。 特に米国と歩調を合わせて防衛するという姿勢を中国に示すことで、戦争を回避する方向に持っていくべきだと思います。 山田 私はまず、現場の海上自衛隊の方々に感謝を申し上げたいと思います。今回のレーザー照射は、本来ならば日本が撃ち返しても国際法上認められる、まさに一触即発の行為です。現場で大きな危険に晒されながらも、国際紛争にならないように努めている皆さんには本当に頭が下がる思いです。 また一方で、これは政治の責任でもあります。戦後68年が経つ今、日本に何ができるのかを政治が整理した上で、現場との責任関係を明確にしなければなりません。 例えば戦争の引き金を護衛艦の艦長に委ねるのか、それとも戦争は避けるべきだからと彼らを危険に晒し続けるのか。こうした問いに政治が答えを出すべき時だと思います。 中山 中国のみならず、先日はロシア空軍の戦闘機が北海道利尻島沖の領空を侵犯したそうです。近隣諸国の一連の動きは、安倍(晋三)新政権と前政権との反応の違いを試しているように見えます。 山田 そうですね。どちらの政権でも公表するかどうかが国会で議論されましたが、外交や防衛に関することは機密であり外交手段ですから、必ずしも起きた直後に公表する必要はありません。 前政権はどちらかと言うと中国の顔色をうかがって公表しなかった。それが現政権では、外交交渉手段の1つとして相手の出方を見た上で公表した点が大きな違いだと思います。 藤井 日本が毅然とした対応を見せたことは非常に良かったと思います。お互いが大人の対応をすることが大事なんです。前政権とは違い、今度は芯のある政権なんだと示したことは大きな意味があるのではないでしょうか。 日本は憲法に「自衛権の行使」を明記すべき時に来ている 中山 日本は主権国家として自衛隊を保持していますが、一方で米国の「核の傘」の庇護下にあるのも事実です。我が国は今後、どのように防衛インフラを整備すべきだと思いますか。 山田 憲法改正は避けて通れないと思います。憲法改正というと、すぐに「戦争をしようとしている」と解釈されがちですが、国を守ることは当たり前の行為で、他国では憲法で武力行使を認めています。それが我が国の憲法には書かれていない。 日本国憲法前文には「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書かれています。本当にそういう国ばかりならいいのですが…。 私は、むしろ日本国憲法が国と国民を守る義務を自ら放棄していると思うんです。戦後の一時期は仕方がなかったにせよ、そろそろ憲法に国を守るために必要なことを明記すべきではないでしょうか。 敗戦国のドイツやイタリアでも憲法に交戦規定がありますから、日本もこうした国家の基本を踏まえた上で政治家が覚悟を持って臨むことが大切です。 藤井 国防や外交というのは、いわばリアリズムの問題です。冷戦終結時、日本のGDP(国内総生産)が世界に占める割合は14.3%で、中国はわずか1〜2%でした。今やそれが逆転し、日本が約8%で中国は約9%まで伸びています。 今後、中国の経済力が上がっていくのと比例して軍事力も増大するでしょう。つまり、東アジアにおける軍事バランスが崩れる可能性があるのです。 その中で日本がなすべきなのは、日米同盟を強化し、東南アジアやインドなどの周辺国と連携を深めていくこと。また、中国と経済的な相互依存によってお互いに戦争を回避するのも必要ではないでしょうか。 ニューヨークの国連本部(ウィキペディアより) 中山 私からも1つ提言があります。米国ニューヨークには国際連合本部ビルがあり、スイスのジュネーブには国際連合欧州本部がありますよね。また、エチオピアの首都アディスアベバには、アフリカ54カ国・地域が加盟する地域機関アフリカ連合(AU)が存在します。
一方、BRICsのうちインドと中国があるアジアは、人口も非常に多いエリアですが、国連の本部機能がない。日本には唯一の国連機関である国連大学がありますが、その認知度は決して高くないのが現状です。 そこに国の資金を投じるよりも、例えば旧広島市民球場の跡地にアジアの国連本部を誘致してはどうでしょうか。将来的に日本が“アジアのスイス”になる準備を進めることも1つのアイデアだと思います。 本当に効果が実感できる経済政策を矢継ぎ早に打ち出すべし 中山 1年生議員は苦労も多いと思いますが、議員生活について教えていただけますか。 藤井 私は今、補正予算や経済政策に取り組んでいます。ちょうど予算案が国会に提出され議論が行われていますが、本当に意味のある政策にしなければなりません。 例えば学校の耐震化や空調設備の設置を進めたり、災害で被害を受けた河川の復旧、あるいは「ミッシングリンク」と呼ばれる道路未開通区間の整備など、効果的な予算配分を実現するために汗を流しています。 山田 1年生議員の生活は勉強する機会がとても多く、毎朝早くから国防や経済、社会保障など色々な部会に出席して政策を学んでいます。議員バッジをつけるとこんなに忙しいのかと思うくらい慌ただしい日々ですが、藤井さんがおっしゃるように勉強するだけでなく、それを国民の生活に反映し、実感できるようにしなければなりません。 私の選挙区である西宮・芦屋も色々な課題を抱えていますが、アベノミクスで打ち上げた政策を実生活に落とし込むことが使命だと思っています。 中山 泰秀(なかやま・やすひで)氏 衆議院議員(自由民主党所属)。1970年大阪市北区生まれ。電通勤務を経て政治の道へ入る。2003年衆議院総選挙で初当選、2007〜2008年8月まで外務大臣政務官を務める。自民党・国防部会長(撮影:前田せいめい) 中山 アベノミクスの基本方針として「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」という“3本の矢”を掲げていますが、その効果を疑問視する声もあります。お2人はこれについてどうお考えですか。
藤井 「景気は気から」と言われますが、野田(佳彦)前首相が党首討論で衆院解散を表明した時、日経平均株価は8600円台だったのが今や1万1000円を超えています。まずはこれ自体が素晴らしいことではないでしょうか。 金融政策の次は一刻も早く補正予算や本予算を通し、財政政策という第2の矢を放つこと。そして最後に成長戦略を実行すべきだと思います。 山田 アベノミクスの1本目の矢である金融緩和に、すでにマーケットは反応しています。つまり「デフレを止める」というメッセージを発信することが、これから投資しようというマインドを引き出すのです。 その上で、公共投資を含めた投資を活発化しながら将来の日本を導く成長戦略を描くことが大切です。私は銀行員出身ということもあり、財務金融委員会や科学技術・イノベーション推進特別委員会に参加させてもらい、その実現に日々取り組んでいます。 中山 最後になりますが、将来を担う日本の子どもたちにメッセージをお願いします。 山田 自分のやりたいことを一生懸命やってほしいですね。「よく遊びよく学べ」ということだけでなく、将来を考えて今やった方がいいと思うことをやる。やらないで後悔するくらいなら、自分を信じて行動に移すべきです。その先に色々な展開が待っているはずですから。 また、日本の将来はこれからの子どもたちにかかっていますから、教育面でも子どものやる気を伸ばす取り組みが必要だと思います。 藤井 とにかく大切なのはプラス思考です。自分はできるんだと信じること。財団法人日本青少年研究所が日米中の高校生を対象に実施した統計によると、「あなたは価値のある人間だと思いますか」という問いに対し、「全くそう思う」と答えた割合は米国が75.2%、中国が62.2%、日本はたった7.5%しかいないそうです。 自信を持たなければ豊かな人生を送ることは難しいですから、自分はやればできる、生きる価値があるんだと信じて夢を実現してほしいですね。いずれにせよ今後は、世界に羽ばたく日本人を育成していくことが不可欠だと思います。 『中山泰秀のやすトラダムス』 2月10日 24:00-25:00放送 ※Kiss FM KOBE "中山泰秀の「やすトラダムス」" は、radiko.jpでも聴取できます(関西地方のみ)。auの対応機種では、LISMO WAVEを利用すると、日本全国で聴取可能です。また、「ドコデモFM」のアプリでは、日本全国でスマートフォン(ドコモのAndroid搭載端末、auとsoftbankのiPhone)で聴取できます。 |