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株式日記と経済展望
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今回の事象が、今回1回だけだったとしても、3分も照射を続けるなど、中国軍の
レベルが低いと断ずるには十分で、近代海軍のレベルにはないと言えます。
2013年2月12日 火曜日
◆レーダー照射事件とESMの重要性 2月10日 数多久遠
http://blogos.com/article/55972/?axis=g:0
電子戦の最も一般的な分類、ESM、ECM、ECCMの内、その意義や効果が最も理解されないのがESMです。
前回記事へのコメントとして、日本にESMの能力があることを中国も承知しているのだから、日本が中国のレーダー特性を知っていることを知っているのでは、、ロックオンされて警報を発するレーダー警戒装置なんて装備として当たり前との意見を頂きました。
しかし、レーダー警戒装置があれば、それだけで警報を発すると思うのは間違いです。
ESMにも2種類あるからです。
一つは、レーダー警戒装置等が警報を発すること、そして、もう一つはレーダー警戒装置が照射を受けたレーダー波と比較対象とするためのレーダーデータを、それ以前に収集してデータベース化しておくことです。
ESMとして、特に大切なのは、後者の方です。
普通は、火器管制レーダーのデータを収集させないため、射撃訓練等は、敵国によってデータ収集されない空間・時間において行ないます。
それを敢えて収集するため、日本の場合は、YS-11EBやEP-3を上空に飛ばして、標的である火器管制レーダーの捜索範囲の遥か遠方から収集(レーダーの捜索範囲は一定でも、レーダー波自体は、それより遠距離に飛んで行きます)するか、あるいは潜水艦を訓練海域に侵入させ、ESMマストを使用して潜行したまま収集させます。
更に、これらのデータは、空自であれば、電子戦訓練隊等が解析しなければ、火器管制レーダーのものなのか、火器管制レーダーであっても、ロックオンした状態なのか等までは分かりません。
ちなみに、火器管制レーダーを目標に向けて照射すること=ロックオンであるとか、火器管制レーダーで対象を補足する前段階における捜索レーダー的運用でもロックオン時と同じレーダー波が出ているとの認識は誤りです。
レーダーの型式によって異なりますが、火器管制レーダーであっても、大抵少なくとも3つの段階の作動モード(捜索−粗追随−精追随(ロックオン)等)があり、PRF(繰り返し周波数)、送信出力(ピーク、平均)、パルス幅等が変わります。(もちろん捜索レーダーでも同じです)
これに加えて、天候によるクラッタ状況や妨害電波の存在の有無などに応じて、周波数ホッピングやスペクトラム拡散の技術が、選択的に使用されたり、されなかったりします。
つまり、レーダー警戒装置が警報を発し、今回のように現場で火器管制レーダーを照射されていることが即座に認識できるためには、これら無数の場合分けに応じた膨大なレーダーデータの集積(これこそがESM)が必要な訳です。
これらは、プロとすれば常識的な事実ですが、軍事評論家であっても理解されていない事があります。
前回記事では、
「今回の公表は、自衛隊が照射を受けたレーダー波を、火器管制のための諸元で発信されていることを、自衛隊がデータとして把握していることを暴露してしまいました。」
と書いただけだったので、はなはだ分かりにくかったようでしたので、今回の補足記事を書きました。
今回の公表によって、ハード的に変えられないものはともかくとして、中国軍は変更可能なレーダー運用要領は変更するでしょう。
潜水艦が危険を冒して収集したデータベースがパーになりかねない訳です。
また、更なる公開により、レーダー電波の解析結果を公表すれば、更なる危険も考えられます。
「レーダー照射:日本政府、証拠公開へ」(毎日新聞13年2月9日)
護衛艦が受信したレーダー電波の解析結果を公表すれば、「自衛隊の分析能力を知られてしまう」(防衛省幹部)との危惧は強い。小野寺氏も「出せるデータと出せないデータがある」と語る。
ビデオは問題ありませんが、レーダー波の解析結果は、絶対に公表してはなりません。
なぜなら、自衛隊の解析が完璧なら問題はありませんが、少しでも誤謬があれば、中国側として、日本の解析能力の”限界”が確定的に分かってしまうためです。
レーダーの解析結果なんて、どうせ一般の方には意味不明ですし、前掲報道にもあるとおり、どんな証拠を突きつけたところで、「中国は絶対に自分の非を認めないだろう」(官邸スタッフ)と言う見込みがある以上、レーダー波の解析結果は、非公開とするか、さもなければ、中国からしたら明らかにデタラメであると分かる本当のデタラメを公開したらいいのです。
中国は、本物であってもデタラメだと言い張るに決まっているのですから、最初からデタラメを公表しても結果は同じです。(国家としての誠実性の問題は、第3国の専門家からすれば明らかになってしまいますが)
今回同様の野放図な電波照射が、過去にも行なわれていたのかについては、確かな情報がありません。
継続して野放図であったのなら、確かにデータは取り放題だったでしょうから、そのデータには、それほど重要性があるとは言えませんし、この記事は妥当でないという事になります。
しかし、普通は、おいそれと火器管制レーダーを照射することなどありませんし、もし行なうとしても、レーダー諸元を簡易なモノにごまかすことを行ないます。
今回の事象が、今回1回だけだったとしても、3分も照射を続けるなど、中国軍のレベルが低いと断ずるには十分ですが、これを過去から継続していたのであれば、中国海軍のレベルは、夕刊ゴシップ紙が書くように近代海軍のレベルにはないと言えます。
私には、そこまで中国軍がマヌケだとは思えません。
同じ事を自衛隊が行なったら、間違いなく処罰モノです。注意では済まされず、なんらかの懲戒処分でしょう。
中国艦艦長の人事(軽処分で済むか、文字通り首が飛ぶか)が分かれば、中国海軍のこの問題に対する認識が分かって面白いと思われます。
(私のコメント)
昨日の「株式日記」では中国は洗練された民主国家にはなれないことを書きましたが、そのことは今回の尖閣諸島海域における中国海軍の軍艦からの射撃用レーダー照射事件からも伺えます。つまり最高機密に属する射撃用レーダーの情報を与えるような事を、中国海軍の軍艦の艦長が独断で行なっていただろうと伺えるからです。
なぜ射撃用レーダーの照射が最高機密なのかと言えば、周波数が分かってしまえば妨害電波で無効にする事ができます。それを3分間も照射したのだから意味が分かりません。レーダー波は目に見えなければ音も聞こえません。日本海軍が負けたのは暗号電文をアメリカが解析していたにも拘らず使い続けたことであり、平文でも構わないような内容でも暗号電文を使っていた。
だから暗号データーを集積してデーターベース化していけば、暗号の解析が可能になります。射撃用レーダーも似たようなものであり、普段から照射して使っていたのなら、最重要機密を外部に漏らしていることになります。射撃用レーダーはアメリカ海軍がソロモン海海戦で使い始めましたが、真っ暗闇でも敵艦の照準を定める装置であり、日本海軍は夜戦が得意技だったのにレーダーの目には負けた。
日本海軍は探照灯を点けて照明弾を打ち上げて応戦するしかありませんでしたが、アメリカ海軍の軍艦は暗闇から打って来る。アメリカ海軍の「ワシントン」のレーダー射撃で戦艦「霧島」は沈んだ。夜間戦闘なら日本海軍のお家芸と慢心しきって夜戦で負けた。ミッドウエイ海戦が暗号解読で負けて、ソロモン海海戦ではレーダー射撃に負けた。
このようにレーダーは勝敗に左右するものであり、射撃用レーダー波を逆探知して分析すれば、何処の軍艦で何処から発射しているかが分かる。更には妨害電波で無効にすれば大砲もミサイルも撃てなくなる。だから射撃訓練におけるレーダー照射は訓練でも数多氏が書いているように、データ収集されないような所で行なう。もしロシアや中国の航空機などが近づいてきたら訓練は中止してレーダーも止める。
もし中国の軍艦のレーダー照射の内容まで公表すれば、自衛隊がどの程度の分析能力があるかが分かってしまうから公表しないのが当然ですが、実戦でもないのに中国の軍艦は射撃用レーダーを照射するのは大量の軍事秘密を自衛隊に提供している事になります。中国海軍の軍艦の艦長がよほど馬鹿なのか、それとも変更可能なレーダー電波を照射していたのでしょうか?
数多氏の記事では、「レーダーの型式によって異なりますが、火器管制レーダーであっても、大抵少なくとも3つの段階の作動モード(捜索−粗追随−精追随(ロックオン)等)があり、PRF(繰り返し周波数)、送信出力(ピーク、平均)、パルス幅等が変わります。(もちろん捜索レーダーでも同じです)これに加えて、天候によるクラッタ状況や妨害電波の存在の有無などに応じて、周波数ホッピングやスペクトラム拡散の技術が、選択的に使用されたり、されなかったりします。」とありますが、専門的なことは分からない。
射撃用レーダーも途中で周波数を変えたり、精度や出力を変えたりして探知されないようにするのでしょうが、データー収集されて分析されてしまうと対抗措置が取られて意味が無くなる。まさに暗号解読と同じような最高機密を実戦でもないのに使うとは理解に苦しみます。数多氏が指摘するように中国海軍は近代海軍とは言えないのでしょう。
まさに大日本帝国海軍は、アメリカの暗号解読とレーダー等による近代兵器の活躍によって太平洋の制海権を失ってしまった。帝国海軍は月月火水木金金と言われるような猛訓練をしていましたが、兵器の近代化に金を惜しんでしまった。糸川博士は戦前においてジェットエンジンの開発に取り組んでいましたが中止させられた。レーダーも八木アンテナは日本が開発したものですが、レーダー開発には生かせなかった。
満州の地下には大慶油田があったのに採掘できなかったように、日本はとても近代国家とは言えないような科学技術しか持たずに、軍国化に突き進んでアメリカの科学技術に負けた。たとえ大東亜戦争が連戦連勝でもB29と核爆弾によって負けることは必定だった。1939年には核爆弾の原理が発見されてドイツも日本もイギリスもアメリカも開発競争が行なわれていた。しかし日本軍は広島長崎に落とされた爆弾が原爆である事すら一部の人しか分からなかった。軍の最高首脳部も原爆の事が御前会議で出た事はない。
近代国家と言えるためには、情報の公開と民主化が必要であり、戦前の軍部のようなエリート軍人を養成しても科学技術に弱い軍人では役に立たない。現在の中国も近代国家とは言えないような国家体制ですが、尖閣における射撃用レーダー照射事件からもそれが伺える。もっとも現在の日本の警察もネットには弱くてパソコン遠隔操作事件では無能さをさらけ出してしまった。マスコミも今回のレーダー照射事件でも何が問題なのかを掴んでいない報道ばかりだ。
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