06. 2013年1月17日 02:30:45
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JBpress>日本再生>国防 [国防] セオリー通りに“報復”の対中ミサイル配備を 軍備は強力な方が戦争を招かない 2013年01月17日(Thu) 北村 淳 拙論「マスコミが伝えない中国の対日攻撃ミサイル」(2012年12月25日)で指摘したように、現時点においても中国や北朝鮮の各種長射程ミサイル(弾道ミサイル、長距離巡航ミサイル)は日本各地の戦略目標を破壊することが可能である。 このような軍事的優勢を外交的恫喝として用いさせないためにも、一刻も早く何らかの抑止力を保持しなければ対等な外交交渉のテーブルにすら着けないことになる。 日米同盟は万能な抑止力ではない 日米同盟が存在する以上、中国もアメリカの軍事介入を恐れざるを得ず、対日長射程ミサイル攻撃など絶対に実施しない、と日米同盟を“万能な抑止力”と考えるのはあまりに身勝手な考え方にすぎる。 対日ミサイル攻撃の可能性をちらつかせての恫喝外交に日本が直面している段階では、日米安保条約に基づくアメリカによる本格的軍事支援はなされない。アメリカの軍事力にそこまで期待するのならば、同盟関係でなく服属関係に変更してアメリカの属領になることを意味する。中国にせよ北朝鮮にせよ、強力な長射程ミサイルによる対日攻撃能力を恫喝的外交に用いさせないために、独立国としての日本は独自の抑止力を保持する必要がある。 受動的な抑止力構築は非現実的 現在自衛隊が運用している弾道ミサイル防衛システム(イージスBMD・PAC-3)は外敵が発射した弾道ミサイルが日本に向かって飛翔してくるのを待ち受けて迎撃する“受動的”弾道ミサイル防衛システム(BMD)である。 BMDと違い長距離巡航ミサイルに対する専用の迎撃システム(CMD)の開発はいまだにヨチヨチ歩きの段階であり、現状では各種防空システム(早期警戒機、戦闘機、駆逐艦など)を総動員して日本に向かってくる長距離巡航ミサイルを探知・追尾・迎撃することになる。したがって、これもまた“受動的”長距離巡航ミサイル防衛態勢ということができる。 これらの受動的な防衛能力を飛躍的に強化して、日本に飛来する長射程ミサイルをことごとく発見し撃墜できるようにすれば、相当強力な抑止力となり得る。 しかし、そのように“完璧”に近い受動的ミサイル防衛態勢を構築するには、まず大前提としてアメリカミサイル防衛局と日本をはじめとする同盟国が協力して開発推進中のイージスBMDの迎撃精度が100%に限りなく近づかなければならない。 そして、イージスBMD搭載艦、駆逐艦、潜水艦、艦載ヘリコプター、PAC-3、早期警戒管制機、早期警戒機、戦闘機、空中給油機、などを現有量の2〜3倍増する必要がある。さらに理想的には、新規装備として無人偵察機、偵察衛星、攻撃原子力潜水艦も必要である。 もちろんそれら増強システムの運用要員も同様に必要なのは当然であるため、海上自衛隊も航空自衛隊も現在の3倍の規模に膨張しなければならない。 長射程ミサイル防衛に直接関与しないように見える陸上自衛隊とても、PAC-3をはじめ飛躍的に増大するミサイル防衛装備や対空ミサイル貯蔵施設ならびに関連基地・施設の警戒警備に人員を割かねばならなくなり、現在の風潮のように「海・空を増やす代わりに陸を減らす」とは反対に、最悪でも現状維持は絶対に必要になる。 要するに、受動的な抑止力を建設するには、兵力50万、各種水上戦闘艦100隻、攻撃潜水艦40隻、各種戦闘機600機、各種警戒機50機、PAC-3対空ミサイルシステム600セットを擁する自衛隊が必要になる。この規模の軍隊は、アメリカ軍にははるかに 及ばないとはいっても、国際軍事水準から見ると質・量ともに極めて強大な軍事システムを構築し維持しなければならないことになる。 このような防衛能力強化は、現在日本が直面している軍事的脅威に即刻備えるための抑止能力構築である以上、可及的速やかな完成が必要である。したがって、おそらく今後5年間近くにわたっての国防費は現行の5倍以上は必要になる。単純に考えても、これらの高価な装備の大量調達や人員大増員に伴う人件費や諸経費の増大に対処することは、GDPの僅か1%を自分たち自身の国土と国民を防衛するための国防費に支出することにすら躊躇している現状では、とても無理な相談ということになる。 このように、現行の受動的ミサイル防衛態勢を強化して対日長射程ミサイル攻撃を抑え込んでしまおうという戦略は絶望的なアイデアと言えよう。 強力な報復攻撃力で対日攻撃意思を封じ込める それならば、いかにすべきなのか? “報復的抑止力”を手にするしか現在のところ方策は見当たらない(詳細は拙著『尖閣を守れない自衛隊』宝島社新書を参照していただきたい)。 報復的抑止力というのは、いずれかの外敵が日本に対して弾道ミサイルなり長距離巡航ミサイルなりを打ち込んで日本の社会的インフラを破壊し日本国民の生命を奪った場合、そのような攻撃を加えた外敵の軍事施設や社会的インフラを徹底的に破壊してしまう強烈な報復攻撃を実施する軍事力を意味する。このような能力を日本自身が手にすることにより、甚大な報復攻撃を恐れて外敵は日本に対する長射程ミサイル攻撃の意思が挫かれることになる。 日本が強力な報復攻撃能力を保有すれば、外敵は日本に対する軍事攻撃を躊躇し、戦争といった事態には至らない公算が極めて大きくなる。強力な軍備の方が弱体な軍備よりも戦争を招来しないのは、古今東西の戦史を分析すれば導き出せる“公理”のようなものである。生来的平和国家日本では「報復攻撃」と言うと好戦的な響きを持つ言葉かもしれないが、軍事常識からすればごく普通の用語であり、強力な報復攻撃能力は外敵の攻撃意思を挫く強力な抑止能力を意味している。 報復攻撃と言うからには、攻撃側に損害が生じては報復にはならない。味方に損害を生ぜしめないで敵に甚大(質的または量的またはその両者)な損害を加えるために最適な兵器の筆頭は弾道ミサイルあるいは長距離巡航ミサイルである。つまり、報復攻撃は現在日本が直面している最大の脅威である長射程ミサイルを逆に用いて実施することになる。 とはいっても、日本には日本本土からにせよ、水上戦闘艦や潜水艦それに航空機からにせよ、敵の地上目標を攻撃するための長射程ミサイルは存在しない。したがって、中国や北朝鮮の長射程ミサイル攻撃を抑止するためには、中国や北朝鮮の政治・軍事・経済中枢に痛撃を与えるだけの弾道ミサイルあるいは長距離巡航ミサイルを可及的速やかに調達しなければならないことになる。 とりあえず大量のトマホーク巡航ミサイルを配備する H2ロケットで人工衛星を打ち上げる技術力を持つ日本には、弾道ミサイルを製造する潜在的能力がある。しかし、極めて高価な弾道ミサイルは、実質的には核弾頭を搭載しなければコストパフォーマンスが悪すぎるうえ、核報復攻撃力ではない報復的抑止力には不適である。 一方、長距離巡航ミサイルの各種性能は飛躍的に向上してきたため、極めて正確なピンポイント攻撃が可能となっている。したがって大量の長距離巡航ミサイルを手にして、極めて強力な報復攻撃力=抑止力を保有する方策が取られるべきである。 残念ながら自衛隊は長距離巡航ミサイルを保有していないだけでなく、日本の長距離巡航ミサイル関連開発技術は中国からは大幅に立ち後れており、長距離巡航ミサイル運用に必須の衛星測位システムは米国のGPSに全面的に依存している状況である。したがって、日本独自の長距離巡航ミサイルを開発し自律的に運用するまでの途は遠いと考えざるを得ない。 そこで、日本が独自に長距離巡航ミサイルを開発し運用できるようになるまでの期間は、実戦で多用され性能には定評があるアメリカのトマホーク長距離巡航ミサイルを調達するしか方法はない。日本が長距離巡航ミサイルを配備するのは、日本に対する非核弾頭搭載の長射程ミサイルによる攻撃やその可能性を背景にした恫喝を排除するための報復的抑止力としてであるため、当然ながら非核(高性能爆薬)弾頭搭載トマホークミサイル(TLAM-C)を調達することになる。 イギリス海軍潜水艦から発射されたトマホークミサイル(イギリス国防省) トマホークミサイル(TLAM-C)には、水上戦闘艦から発射するRGM-109と潜水艦から発射するUGM-109がある。海上自衛隊の水上戦闘艦のうち、垂直発射装置(Mk41)が装備してある艦艇からはRGM-109が発射可能であり、海上自衛隊のすべての潜水艦の魚雷発射管からはUGM-109が発射可能である。
また、ミサイル発射コントロールプログラムはトマホークミサイル用に変更しなければならないが、アメリカ海軍はミサイル発射装置・コントロールシステムに互換性を持たすように開発したため、アメリカ海軍と共通の発射装置を採用している海上自衛隊の軍艦にはコントロールソフトも容易に移植が可能である。 現在、海上自衛隊の水上戦闘艦に装備されている垂直発射装置には最大で約700基、潜水艦の魚雷発射管には最大でおよそ100基のトマホークミサイルをそれぞれ連続的に発射する能力が備わっている。もちろん駆逐艦の垂直発射装置や潜水艦の魚雷発射管全てにトマホークミサイルを装填して作戦行動をするわけにはいかないのだが、報復攻撃を実施する場合には少なくとも200基のトマホークミサイルによる飽和攻撃は可能で、単時間内での反復攻撃も可能である。 水上艦艇発射型トマホークミサイル(RGM-109)の最大射程距離は1700キロメートル前後である。また、潜水艦発射型トマホークミサイル(UGM-109)の最大射程距離は1200キロメートル前後である。したがって海上自衛隊艦艇は、自分自身が攻撃を受ける恐れのない安全な海域から、トマホークミサイルを発射して中国や北朝鮮に対して報復攻撃を実施することが可能なのである(地図参照)。 トマホーク長距離巡航ミサイルの射程圏(『尖閣を守れない自衛隊』より) 要するに、アメリカからTLAM-Cトマホーク巡航ミサイル(RGM-109・UGM-109)を必要数購入すれば、それらを海上自衛隊艦艇に配備した瞬間から日本は強力な報復攻撃力=抑止力を独自に保有することになるのである。
1000億円で抑止力を調達する 日本が報復的抑止力として調達しなければならないトマホークミサイルは最低でも500〜600基、理想的には1000基以上と考えられる。TLAM-Cは1基あたり100万〜150万ドルと言われているが、当然のことながら大量調達に伴いコストダウンが期待できる。ただし、これらのTLAM-Cは短期間のうちに取り揃えていく必要があるため、アメリカの製造メーカーによる大増産と日本のメーカーによるライセンス生産の同時進行が必要になる。ライセンス生産の場合コストが跳ね上がるため、緊急増産期間は日本メーカーでのノックダウン生産ということになるであろう。 いずれにせよ、1基あたりおよそ1億円とすると、1000億円程度の投資によって日本自前の報復的抑止力が身につくのである。同時に、アメリカの主力産業である防衛産業の上得意客となることにより、首相が「日米同盟の深化」というお題目を何百回繰り返すよりもより確実に日米同盟は深化されるのである。
何に怯えている、丹羽宇一郎・前中国大使 文藝春秋の独占手記に強い違和感を覚える 2013年01月17日(Thu) 宇佐 静男 民間出身では初の中国大使を務めた丹羽宇一郎氏が、月刊誌文芸春秋2月号で「日中外交の真実」と題し、独占手記を発表した。手記の中で、丹羽氏は2年半弱の駐中国日本大使勤務を振り返り、「尖閣に始まり尖閣で終わった」と感想を漏らす。 悪化の一途を辿る日中関係について、「私のせいではない」という言葉は使わないものの、全体を通じてやや自己弁護的なトーンが感じられるのは「回顧録」や「独占手記」に特有の傾向なのかもしれない。 国益に対する深慮遠謀が感じられない発言の数々 北京の日本大使館を出る日本政府の公用車。丹羽大使時代には襲撃を受けて国旗を奪われる事件が発生した〔AFPBB News〕
筆者は日中関係悪化の原因を彼に押しつけるつもりは毛頭ない。ただ、手記に書かれている事実を題材として、民間出身大使の是非をも含め、ここまで悪化した日中関係について総括する必要があると考える。 丹羽氏は「脱官僚」「官僚バッシング」の風潮に乗り、2010年7月、民主党政権によって中国大使にノミネートされた。手記にもあるが、当時「民主党は素人に外交を任せるのか」といった批判が挙がった。 これについて彼は、数々の政府の仕事の経験、つまり「経済諮問会議議員、地方分権改革推進委員会や総務省の独法(独立行政法人)評価委員会の委員長、税制調査会の委員」などを通じて国の重要政策に携わってきており、「日本が直面していた問題も把握していた」と述べ、だから問題ない(明確な言及はないが)というニュアンスで記述している。 今後、同様な人事があり得ることを考えれば、これを好機として真摯に振り返ってみることも有益であろう。 2012年は日中国交正常化40周年であり、本来なら日中友好の節目となるはずだったとしながらも、予想外の事件、つまり石原慎太郎前都知事による尖閣諸島購入計画発表があったと述べる。 着任間もない2010年9月7日に起きた中国漁船と海上保安庁巡視船衝突事件でギクシャクした日中関係が好転する手ごたえがあったが、都の購入計画発表で期待は大きく裏切られたとする。 都の購入計画が明らかになってから中国外交部も非常に神経質になっていたと言うが、その2カ月後、丹羽大使は「フィナンシャル・タイムズ」紙のインタビューに応じて「もし計画が実行されれば、日中関係にきわめて深刻な危機をもたらす」と述べている。 ここで釈然としないのは、中国側が神経質になっているという認識があれば、プロの外交官ならこういう発言を公にするだろうか、しかも外国メディアを使って・・・という疑問である。 氏の目的は何だったのだろう。大使ともなれば、片言隻句、一挙手一投足に至るまで意図があり、国益への深慮遠謀がなければならない。 この発言により都に対し購入をやめさせようとしたのだろうか。もしそうであれば、国内の問題であり、アンダーテーブルで動くべきものである。まさかこの発言で中国側を宥めようとしたのでもあるまい。いずれにしても、この評論家的発言の意図が分からない。 日本国内でも様々な批判が上がったが、都が公式に購入計画を発表した後であり、この発言は火に油を注ぐこととなった。 結果として日中双方を後戻りできない状況に陥らせたという意味で、駐中国日本大使としては極めて不適切な発言であったと言える。素人の民間出身大使の負の側面が出たと言われてもやむを得まい。 手記では、この発言について、「今になって、自らの発言についての是非をコメントするのは控えたい」「『あのボールが失敗でしたね』などと、後出しじゃんけんのような真似はしたくない」と述べて多くを語らない。 今は語れないということかもしれないが、いずれかの時点で後世のために当事者が率直に語るのは元大使としての責務であろう。総括なきところに進歩は生まれない。 あの時点において、外国メディアのインタビューを受ける是非はさておいても、大使としては国際社会に向かって、次のように情報発信すべきだったのではないだろうか。 外交官ではなく評論家? 暴徒化した反日デモで略奪と破壊され尽くした日系スーパーのジャスコ〔AFPBB News〕
「都の購入は『所有権の移転』に過ぎない。土地の所有が認められていない共産主義国家では分かりにくいかもしれないが、日本は民主主義国家であり、土地の所有は認められている。もともと日本人個人が所有していた土地を都が買い取るという所有権の移転に過ぎない」と。 インタビューについて丹羽氏は「都が購入に踏み切っていいタイミングなのかという観点で、自分なりの意見を申し上げた」と述べている。だが、意見を述べるだけであれば評論家にすぎない。 もし購入のタイミングがふさわしくないと考えるのであれば、あらゆる手段を使って石原都知事に翻意させる努力をすべきだったろう。万策尽きて翻意させることができなかったならば、次の一手として、事態の悪化を抑制すべく中国政府への働きかけ、そして国際社会へ上記のような説明をすべきだった。 都に対する意見を外国メディアを通じて述べるなど、外交センスを疑われてもしようがない。 次に彼の持論である「係争の存在を認めるべし」という点である。丹羽氏は昨年12月20日、日本記者クラブでの会見でも、尖閣を巡る中国との関係について「外交上の係争はある。『ない』というのは理解不能だ」と述べ、日本政府の「領土問題はない」とする立場を変更するよう求めている。 手記の中でも、尖閣諸島については、「歴史的経緯、国際法に照らし合わせても、我が国固有の領土」ではあるが、「外交上の係争は存在する」と認めるべきだと主張する。でないと「交渉のテーブルに着くことすらできない」と述べる。 そもそも中国との領有権問題について交渉のテーブルで解決できると考えているのであろうか。もしそうであれば、あまりにもナイーブ過ぎる。だが、文中を見る限り、そこまでナイーブでもなさそうだ。 「現在、日本と中国の国力は均衡しており、そう簡単に白黒がつきません。物理的な力が加わらない限り、100%解決しない。つまり戦争以外に完全解決の道はない。これは断言できます」 そう言いながらも「係争の存在」を認めてテーブルに着けという交渉の目的は何であるのか。このままでは中国の軍事力行使がやがて生起すると情勢を判断し、それを防ぐためと考えたのか。もしそうであれば、低い軍事的知見によって情勢判断を誤っていることになる。これについては後述する。 「歴史的経緯、国際法に照らし合わせても、我が国固有の領土」であると述べる尖閣諸島について「係争の存在」を認めることは、日本側の譲歩であるに違いない。 記者会見で、「日本が係争の存在を認めれば中国の挑発行動は治まるか」との問いに対して丹羽氏は、「それ以外、道はない」と述べた。相手のブラフに怯えて展望なく譲歩するのは外交の敗北であり、まさに中国の思う壺である。 他方、フランスとドイツ国境に位置するアルザス・ロレーヌの400年近い紛争の歴史を持ち出し、第2次大戦後フランス、ドイツが和解し、ここにイタリア、ベルギー、オランダなどが加わりECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)が結成され、後のEU誕生の礎になったと説く。 アルザス・ロレーヌとは事情が全く異なる 尖閣諸島海域で中国の漁業監視船を監視する海上保安庁の巡視船〔AFPBB News〕
尖閣もこの例に倣え、とばかりの主張である。だが、価値観があまり違わないフランス、ドイツの例を、価値観ばかりか政治体制も180度異なる日本と中国の係争に当てはめようとするのはあまりにも乱暴すぎる。 丹羽氏は、商事会社で務めてきたビジネスマンらしく次のように述べる。 「相場の世界には『森羅万象、売りか、買いか』という言葉があります。(中略)本当の相場のプロは、この二つの選択肢だけでなく『待つ』『休む』というカードを持っている。今の尖閣諸島をめぐる日中の状況を考えると、この『待つ』という判断が必要なのではないかと私は考えています」 この点については筆者も全く同感である。だが、一方で丹羽氏は「係争を認めろ」と主張する。「係争を認める」のは、1つの譲歩であり「待つ」ことではない。「待つ」というのは、「領有権をめぐる問題はない」との主張を変えず、海保による実効支配を維持した今の状態を継続することである。 「日本の総理、大臣には、短期的に考えるのではなく、長期的視点にたって、もっと外交の現場の声をくみ取って尊重してほしいと思います」とも述べているが、短期的に考えているのは氏自身なのではないだろうか。 「現場の声をくみ取る」ことは重要なことである。だが、国益という大所高所から国家戦略を考えぬき、時には「現場」を犠牲にしてでも貫徹することがあるのが国家の政策というものではないだろうか。 昨年12月の領空侵犯についても述べられているが、対領空侵犯措置の現場に長年いた筆者としては、いささか違和感を覚える。 「中国側の安易な挑発行為に、日本が過敏に反応することがあってはなりません。(中略)過度に応じることがあれば、両国は後戻りできない事態になるでしょう」 暗に航空自衛隊の対領空侵犯措置の中止を求めているようにも窺える。そもそも丹羽氏は日本の対領空侵犯措置の実体を御存じなのだろうか。 氏に限らず、日本の指導者層に軍事的知見が乏しいのは、日本の宿痾のようなものである。軍事的観点なき外交などは存在しない。最低限の軍事知識さえ持たないようでは、情勢判断を誤り、時として国益そのものを毀損する可能性があることを自戒しなければならない。 陸に警察があり、海に海保があり、平時、日本の領域の治安、秩序を維持している。だが、空には航空警察という組織がない。 従って空の秩序維持は、航空自衛隊が航空警察の役割を果たしている。それが「対領空侵犯措置」であり、実施していることは防衛行動ではなく警察行動である。 日本の厳格なポリシーこそ国際社会に向けて発信すべし 中国の航空機による領空侵犯に緊急発進する航空自衛隊のF-15戦闘機〔AFPBB News〕
諸外国では警察行動と防衛行動の境界をあえて不明確にしている。状況に応じて臨機にこの境界を乗り越えることがあり得る。であるからこそ、奇襲にも対応できる即応性が維持できるわけである。 航空自衛隊の場合、この境界は明確かつ厳格である。高度な政治判断がない限り警察行動から防衛行動に移ることはあり得ない。 国際法、国際慣習からの逸脱はあり得ない。武器の使用についても厳しく縛りがかかっている。某国のように民間旅客機でも領空侵犯したら撃墜するようなことは決してあり得ない。 紙幅の関係上、詳細は省くが、一言で言えば海保が海上で実施する活動を上空で実施しているだけである。これ以上でも、これ以下でもない。 「過度に応ずることがあれば」という言葉自体が、現場の実情把握不足を露呈している。さらには、中国に対して「過度に対応」できるかのような誤ったメッセージになる可能性もある。 「過度に対応」云々を言う前に、元大使であれば、我が国の対領空侵犯措置のポリシー、厳格性、そして隊員の規律厳正さこそ国際社会に向かって公言すべきではないだろうか。 「外交は血を流さない戦争であり、戦争は血を流す外交である」と言われる。氏の発言を引用するまでもなく、日本外交の弱点はこのような軍事的知識不足によるところも大きい。相手の軍事力に必要以上に気おされたり、威嚇に怯えたりするようでは、外交のオプションが狭められ、相手国の主張に譲歩するしかなくなる。 そもそも、中国は尖閣諸島で軍事力を行使する可能性はあるのか。結論から先に言うと現状ではほとんどない。 これまで中国は南シナ海では次のように領有権を獲得してきた。まず大量の漁船団を使って違法操業をさせ、文民を大挙上陸させて主権碑などを設置する。そして漁民、民間人保護の大義名分の下、軍事力を行使して支配権を獲得する。 この南シナ海パターンは尖閣には適用できない。多数の人員を上陸させるには、大量の補給物資輸送が継続できることが条件となる。補給物資が滞ると「尖閣版ガダルカナル」となる。そのためには制空権、制海権を獲得することが必須である。 中国空軍は現在、第4世代戦闘機は航空自衛隊の2倍以上保有する。だが、航続距離、管制能力ともに劣り、洋上での航空作戦能力はいまだ成熟の域に達していない。東シナ海上空での中国空軍の航空作戦能力は、航空自衛隊単独であっても凌駕することは難しい。 戦力のパラメーターは自衛隊だけではない。日米同盟を考慮に入れると、日米共同の航空戦力は格段に中国に優っている。中国による東シナ海の制空権獲得は、現段階ではほぼ困難である。 軍事行動には出られない中国の国内事情 制海権でも日本が優位を占める。海上自衛隊は対潜作戦や機雷掃海の実力で米軍に次いで世界第2位である。海上自衛隊のイージス護衛艦の能力は最新鋭の中国艦艇と比べても、ケタ違いの能力差を有する。海上自衛隊単独でも十分強力である。まして日米同盟が睨みを利かしている。 米国は尖閣諸島が日本の施政下にあり、日米安保の適用対象であること確認する条項を2013年度国防権限法に追加した。日米共同ともなれば東シナ海の制空権、制海権の獲得は不可能なことを知り尽くしているのは人民解放軍自身である。中国首脳が冷静な分析をする限り、尖閣諸島での軍事力行使は現段階ではあり得ない。 中国は国内事情によっても軍事力行使が大きく制約されている。中国の目下の最優先課題は経済成長である。これを失うと共産党独裁の正統性をも失いかねない。共産党一党独裁の維持は、中国では何より優先される。胡錦濤から反日強硬派と言われる習近平に政権が代わっても、この方針は変わらない。週刊紙「南方週末」に対する言論統制騒動を見ても分かる。 欧州債務危機のあおりを受け、経済成長も政府目標である前年比7.5%を下回る懸念が指摘され始めている。中国は経済成長率が7%を切ると危険水域だと言われる。中国経済はグローバル経済に依存しており、国際協調路線が欠かせない。軍事行動を採ることによって国際的評判が失墜し、経済成長に響く事態は何としても避けたいのが実情である。 近年、中国では国民の不満が鬱積している。ジニ係数0.61が示すように所得格差は驚くほど拡大し、公務員の腐敗は蔓延っている。暴動・デモの件数は年間20万件、1日平均548件と言われ、治安維持予算が国防予算を上回っていることからも事態の深刻さが分かる。 国民の不満が鬱積している時の軍事力行使はリスクが高い。完璧な勝利を達成できれば共産党独裁政権への求心力は高まるだろう。だが、少しの失敗でも、不満が暴動となり、燎原の火のように全国に広がる可能性がある。 過去二十数年間で国防費は三十数倍に拡大され、強化した軍事力を背景に対外強硬路線を望む者がいることも確かである。軍事の論理と経済の論理との相克はあるものの、米国を敵に回し、経済を犠牲にしてまで軍事力を行使するほど、中国首脳は冷静さを失っていない。 では、中国が尖閣で軍事力を行使するとしたらどのような場合であろうか。1つは、何らかの事情で中国共産党の一党独裁が崩れそうになった場合である。 「国内矛盾は国外へ特化せよ」というのは独裁者の常道である。だが米国との戦争を視野に入れねばならず、それは自爆テロに近い。 2つ目は、軍事力を行使しても国際社会から非難を受けないで、日米同盟も機能しないような事態である。考えにくい事態であるが、日本に一方的に非があるような事態だろう。日本は間違っても先に手を出すような「真珠湾の罠」に二度と嵌ってはならない。 丹羽氏の手記から多くの賛同できる点もある。例えば「尖閣問題は長期戦を視野に入れて」「中国を国際経済の表舞台に引っ張り出す」「歪められた日本人像を打ち消すためにも日本の文化を輸出する動きを強める」「外交には、一時の感情に流されることのない、総合的な判断が必要」等々である。 だが、全体を通して読み取れるのは「無用な怯え」である。たぶん軍事的知見不足に起因する情勢判断の誤りであろう。 無用な怯えを排除し粛々と備えよ 軍事力をもって尖閣領有権問題を解決できないことを最もよく知っているのは中国政府である。だからこそ、「不戦屈敵」、つまり武力を伴わない戦争である「三戦(心理戦、世論戦、法律戦)」に全力を傾注しつつある。軍事力を直接ではなく、間接に使い、経済、政治、外交を組み合わせて多様で総合的な威圧をかけようとするものだ。 対日暴動、日本製品不買運動、通関手続きの意図的遅延、人的交流や友好行事中止、露骨な公船による領海侵犯、海軍艦艇による周辺航行、戦闘機の防空識別圏侵入などは「心理戦」なのだ。これらにオロオロするようでは、既に「心理戦」に負けている。危機を煽るだけのメディアも「心理戦」に荷担していることを忘れてはならない。 国連での対日非難演説に見られるように、今後はさらなる国際社会での宣伝攻勢、つまり「世論戦」も強めてくることが予想される。尖閣領有権主張の理論的根拠を詰めて「法律戦」にも臨んでくるだろう。 中国の挑発行動は始まったばかりである。これからの長期戦に臨もうとする時、ただ見えない影に怯えて「領土係争を認めるべきだ」「国有化以前の状態に棚上げすべきである」といった主張が国内で出てくることは憂慮すべきことである。 我が国が今、なすべきことは、丹羽氏が述べる「相場の世界」でいうところの「待つ」ことであり耐えることである。 中国外交には「相手国の徹底した抵抗と国際社会の非難には敏感に反応」するという特徴がある。今後、さらに海保を充実させながら実効支配を維持するとともに、防衛力を強化して日米同盟の緊密化を図ることであり、脅しや嫌がらせなどの「心理戦」に屈しないことである。 併せて国際社会に対し日本の領有権の根拠を堂々かつ理路整然と主張し続け、「世論戦」「法律戦」にも負けないことが大切なのだ。 JBpress>海外>ロシア [ロシア] 米諜報機関が作成した2030年までのロシア 「Global Trends 2030」を読み解く 2013年01月17日(Thu) 杉浦 史和 多くの主要国で重要な選挙があった2012年が過ぎ去り、新しい政権の枠組みの中で2013年が始まった。これからのロシアはどうなるのか。様々な諸条件が複雑に絡み合う中で展望は容易ではないが、年の初めの初夢にかこつけて、半ば強引に考察を試みたい。
まず、周知の通り、昨年はロシアではウラジーミル・プーチン氏が大統領職へ返り咲いた。一方、米国では共和党のミット・ロムニー候補の挑戦を、辛うじて現職のバラク・オバマ大統領が退け、まもなく2期目に突入する。 丁々発止を続けるロシアと米国 米国人による養子縁組禁止に支持を表明するプーチン大統領〔AFPBB News〕
前回の拙稿掲載時点からの動向を記しておけば、ロシアのWTO(世界貿易機関)加盟承認に関わる恒久的正常貿易関係(PNTR)の付与は認められたものの、いわゆるセルゲイ・マグニツキィ法が成立して米国はロシアの非人道的統治のあり方に対して異議申し立てを継続している。 これに対して、ロシア側も反養子引き渡し法を採択し、ロシア人の養子を米国人に引き渡すことを禁止する方策に出た。これはロシア出身の養子が米国で「非人道的な」取り扱いを受けていることに抗議するものである。米ロ関係のジャブの応酬はまだまだ続くようだ。 そんな折、2012年12月、米国の主要な情報機関が結集して編纂された「2030年の世界(“Global Trends 2030”)」リポートが公表された。 これは1996年から4年おき4度発表されており、米国の外交政策策定の基本的なシナリオとなるものであり、これを解析することは今後の世界の動向を見据えるためにも重要である。 日本についての展望もあり、それはそれで非常に興味深い論点をたくさん含んでいるのではあるが、ここでは米国がロシアの近未来をどう見ているかについてピックアップしながら、紹介することとしたい。 まず、「2030年の世界」リポートの基本線だが、中国およびインドの国際的な影響力の増大の一方で、欧州、日本、ロシアの影響力は低減すること、ならびに、いわゆる非西欧の新興国が影響力を強め、とりわけこれら新興国が集団として連帯することで世界システムにおける一大勢力になるとしている。 従来の大国からなる国際システムの様相が様変わりし、ロシアの影響力の減退は、避けられないものというのが基本的な見方だ。 では次に、ロシアの今後20年の姿について、より詳細に見ることにしよう。 まず人口動態についてだがロシアでは、2010年の1億4300万人から2030年に1億3000万人まで人口が減少するとみられる。 欧州諸国と出生率では遜色はなく、それが経済成長の引き下げ要因であるのは同じだが、若年世代での喫煙習慣、アルコールの過剰摂取やこれに関連した事故のために男性の寿命が短いので、高齢化はゆっくり進む。 ロシアの1人当たりGDPは2020年、2万7000ドルに シェールガス革命に沸く米国。写真は油田を視察するオバマ大統領〔AFPBB News〕
2007年からロシアの労働可能人口の規模はすでに減り始めており、今後もその傾向は続く。また、現在14%程度を占めるムスリム系の人口が2030年までに19%にまで増加することからくる民族間の対立の深刻化の可能性も指摘されている。 次に食糧事情であるが、ロシアは穀物の主要産出国であるがゆえに、食糧問題が価格高騰などを通じて国内的に問題となることは少ないと見ている。 一方、エネルギー問題では、特段の指摘はないが、いわゆるシェールガス革命が、地球規模でエネルギー産業の構図を大きく変化させると見ており、ロシアへの影響も避けられないだろう。 こうした動きを踏まえて、ロシアの1人当たりの国内総生産(GDP)は2020年に2万7000ドルへと増大する見込みで、これは同時点で中国の1万7000ドル、ブラジルの2万3000ドルを上回るようだ。 以上の見通しに立って、米国はロシアの近未来を次のように描写する。エネルギー産業に依存した経済の弱みは、近代化努力の進捗がはかばかしくないこと、および労働力人口の減少ならびに高齢化が原因となって、経済成長の重石となる。 しかし、WTOへの加盟など明るい展望もあり、外資を受け入れるための投資環境を改善し製造業の進展に努めれば発展の余地はある。一方で、対西側および対中国関係が、より安定的で建設的なものになるか、敵対的で攻撃的なものになるかによっては、見通しは大きく変わる。 特に経済成長の停滞が人々の生活水準の低下につながり、そこから生じる国民の不満をよりナショナリスティックな感情の発露へと政治指導部が導くようなことがあれば、ロシアと周辺諸国との間の紛争の可能性が高まり、不安定要素となる。 その際、ロシアと旧ソ連共和国との間に軍事的衝突が起こる場合には、米国および北大西洋条約機構(NATO)が仲介する可能性が高いことから、これが地域紛争にとどまらず、地球規模の紛争となる可能性を指摘している。 したがって、ロシアの近未来のシナリオは次の3つである。 (1)他国と親和的なパートナーとなるシナリオ。これはそのよって立つ価値観に基づくのではなく、それが便宜的に有効かどうかによる。指導部にとっては、ロシアの西欧派とスラブ派の伝統的な対立が、戦略的方向性を決定する際の難題となる。 (2)他国との二律背反的な関係を続けるシナリオ。ロシアが軍事力を強化して、中国の膨張と対立することを望むのであれば、次の20年は国際的な協調にとって難しい関係となり得る。 (3)周囲にとってきわめて気むずかしい国となるシナリオ。旧ソ連の近隣諸国に対して軍事力を用いてこれを支配しようとするならばあり得る。とりわけ国民の生活水準の低下からくる不満を、解消する方策とする場合には。 中国のようなスタイルの発展は望めない 米国および周辺国にとってはシナリオの(1)が実現するような方策を模索することになるだろう。逆に言えば、ロシアの繁栄の道は、より世界各国に親和的な勢力となり、国際経済への一層の統合を進めていくほかに道はない、というのが本報告書の立場だ。 かような見方に対して1点コメントしておけば、筆者はロシアの製造業が外資の力を得て復活するという可能性には少なからぬ懐疑を持っている。 人口構成や賃金水準などの要因から、中国が経済的離陸を成し遂げたのと同じようなレベルで、ロシアがいわゆる労働集約型の製造業の育成をテコに経済成長をすることは難しい。 そのため外資の進出動機はどうしても国内需要を満たすことにとどまり、国内市場の成長余力も限られているなかではこれが経済成長のための強力な牽引力になりえないからだ。要すれば、開放的かつ対外親和的な政策を取ったとしても、ロシアの成長余力は、その国内要因により限定的なものとなると考えられる。 これから20年間という中長期のシナリオ作成の振幅はどうしても大きなものとならざるを得ない。したがって、こうした未来予測は、ある意味、当たるも八卦、当たらぬも八卦という世界ではあろう。 しかしながら、特に筆者の関心を引いたのは、現時点の世界状況を過去の歴史に求めた歴史的なアナロジーに関する分析である。 報告書は、現在の世界を1815年から第1次世界大戦までのいわゆるウィーン体制の国際環境に似ているという。 当時との類似点として、社会的、経済的、技術的そして政治的な変化が急激であることと、現時点での国際システムが、G20の形成に見られるように、おおむね多極主義的なことである。 しかしとりわけ重要だと思われるのは、19世紀を通じて英国は圧倒的な支配力があったわけではなかったが、実際のパワーよりも大きな役割を果たすように努め、それに成功したとしていることである。 中国対応で米国と協調する可能性も 1830年時点で、ロシアとフランスの国民総生産(GNP)は英国のそれとほぼ同じ規模であり、また第1次世界大戦前夜の米国、ロシア、ドイツの経済規模は、英国よりもはるかに大きかったにもかかわらず、英国は、地球規模の金融・経済的地位、ヨーロッパ諸国のオフショアバランサーとしての役割、ならびに英国の海外植民地を結ぶ商業航路の安全を守る役割において何ものにも替えがたい重要性を持ち、そのことが英国を世界システムにおいて傑出した存在としていたのだ。 現在の世界情勢もまたきわめて多極的な制度となっている。このことの含意は、どの一国も単独では自分の意思を他国に押しつけることができないというものである。 実際、本報告書が想定するように、2030年までのいずれかの時点で中国が米国の経済規模を上回ることが確実ななか、米国は中国を思った通りに操ることはできない。 そうだとしても、19世紀の英国による巧みな勢力均衡政策に倣えば、米国は失われつつある覇権を何らかの形で維持することが可能だとしているのだ。 この点を踏まえれば、ロシアが対中国という立場から、米国との協調に踏み出すという可能性もあるのだろう。米国がロシアに対して送っているメッセージをロシアはどう読み解くであろうか。興味津々である。 (お詫びと訂正)前回の記事の中で、セルゲイ・マグニツキィ氏のことをユコス事件の被告側弁護士と述べましたが、正しくはエルミタージュ・ファンドの弁護士でした。お詫びして訂正させていただきます。 |