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2012/12/6 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
シリア情勢がいよいよ大詰めを迎えた。
先月、反体制勢力を糾合した「シリア国民連合」が発足してから、戦況が急変、アサド政権は追い詰められている。国民連合にはロシア製肩掛け式地対空ミサイルSA16などの高度な兵器が供給され、アサド政権の航空機が撃墜される事態が相次いでいる。これに対して、アサド政権は化学兵器を使用する準備か、ともみられる動きを示し、オバマ米大統領ら北大西洋条約機構(NATO)諸国首脳はアサド大統領に対して警告のメッセージを送ったという。
最も懸念されるのは、米中央情報局(CIA)がシリア国内30〜40カ所と推定する化学兵器施設のうち数カ所の周辺で、親シリアのシーア派民兵組織ヒズボラが軍事訓練キャンプを張っていることだ。アサド政権が崩壊した場合、ヒズボラが化学兵器を獲得して持ち去る可能性も出てきた。
そのような事態に陥れば、シリア国内に戦闘を封じ込めることはできず、中東全域に危機が拡大する恐れがある。
このため、オバマ大統領は近隣のトルコ、ヨルダン、イスラエルと緊密な協議を重ねてきた。米軍はさしあたり、化学兵器専門家らも含めたとみられる150人の米軍タスクフォースをヨルダンに派遣、緊急事態に備えている。
レバノンでは、ミカティ政権がヒズボラ寄りのため、レバノン国内情勢が混乱する恐れもある。
オバマ大統領はこれまで、シリア情勢への米軍の直接介入を避ける立場を示していた。しかし、8月の記者会見では、化学兵器が使用されるような局面はまさに「レッドライン」で、不介入政策を見直すこともあり得る姿勢を示した。
では、シリアが保有する化学兵器を確保して安全に保管するには「どれほどの兵力が必要か」と米軍に問いただしたところ「7万5000人」という回答が示された、とニューヨーク・タイムズ紙は伝えている。
さて、オバマ大統領が米軍特殊部隊などをシリア国内に派遣するかどうか、が次の焦点。米軍部隊は化学兵器攻撃を受ける可能性もあるし、ヒズボラと化学兵器の争奪戦になる恐れもある。極めて危険な作戦となる。
◇春名幹男 早大客員教授。1946年、京都市生まれ。大阪外大卒。共同通信ワシントン支局長、特別編集委員を経て現職。95年ボーン・上田記念国際記者賞受賞。「秘密のファイル―CIAの対日工作」など著書多数。
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