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米中に引き裂かれるASEAN 首脳会議は対中政策を巡って対立
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投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 29 日 01:19:42: cT5Wxjlo3Xe3.
 

米中に引き裂かれるASEAN

首脳会議は対中政策を巡って対立

2012年11月29日(木)  The Economist


 東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国が共有する姿勢を一言で表す言葉があるとすれば、「コンセンサス」だろう。それだけに、今年7月にカンボジアで開催された会合が合意を見ることなく閉幕した時、これを例外的な事態と見る向きが多かった。

 ところがASEAN諸国は、11月18〜20日にカンボジアのプノンペンで開かれた一連の首脳会議――18カ国が参加した東アジア首脳会議を含む――でも、足並みを揃えることができなかった。ASEANにとって重要な機会だったにもかかわらずだ。

 今回も7月と同様、南シナ海に対して領有権を主張する中国にどう対処するかという問題で加盟国同士が衝突した。対立したのはやはり前回と同じく、ASEANを主導するフィリピンとカンボジアだった。ASEANに生じた亀裂は、これまでになく深く見える。もはや修復不可能との見方もある。

対中関係で二分されるASEAN

 首脳会議には、中国、インド、ロシアの首脳や、再選された米国のバラク・オバマ大統領も参加した。

 対立が再燃したきっかけは、ASEAN議長国のカンボジアが、ある声明案を発表したことだった――泥沼化している領有権論争を「国際問題化」しないことで合意した。これは、この問題に米国を介入させないことを意味する。カンボジアは、ASEAN加盟国の中で中国に最も近いと見られている

 この案を、フィリピンが拒絶した。同国は、南シナ海の島について主権を主張しており、中国と争っている。国際的裁定機関でもほかの国でも、自国が望む相手に訴えて「国益を守る固有の権利」を主張した。フィリピンは、米国の同盟国でもある。

 ベトナムも、カンボジアの姿勢に不快感を表明した。同国も、南シナ海において中国と領有権を争っている。南シナ海北部では、中国が実効支配する西沙諸島全体について、南部の海域では南沙諸島について領有権を主張している。南沙諸島では、ベトナムのほかにブルネイ、マレーシア、そして特にフィリピンが領有権を主張しており、中国の主張と対立している。

 中国は南シナ海のほぼすべての海域と、そこに浮かぶ小さな島々について主権を主張している。南シナ海の海底には大量の石油と天然ガスが眠っていると考えられている。

2国間交渉か、多国間交渉か

 ASEAN内の今回の衝突では、南シナ海において領有権を主張する国々と、領有権問題にからまないカンボジア、ラオス、そしておそらくミャンマーなど中国寄りの国々が対立する構図となった。シンガポールはこの問題に関してかねてカンボジアに批判的で、インドネシアは調停役を演じようとしている。

 今回の対立では、中国はおそらく不利な立場に立たされた。中国は、領有権問題は2国間で交渉すべきと主張している。しかしフィリピンとベトナムは、ASEANなど多国間の枠組みで話し合いを進めることを求めている。この枠組みで、既に策定することで合意している海上行動規範をまとめ、紛争に発展するリスクを抑えるべきというのだ。中国は従来通り、こうした多国間の交渉には参加しないとの姿勢を維持しているが、首脳会議の大勢は多国間交渉を支持した。

中国と米国の綱引きの構図

 ここに加わるのが、アジア回帰を標榜する米国だ。米国は今、東南アジア地域での影響力を巡り、中国と対抗している。この地域の発展には、海域の安全保障が不可欠と考えられるためだ。

 米国は、各島嶼の領有権問題については中立の立場を表明している。しかし首脳会議の場では、多国間交渉を求めるベトナムとフィリピンの主張を支持した。

 米国は、日本と中国の間で問題化している東シナ海の尖閣諸島(中国名:釣魚島)についても同様に、主権に関しては中立だとしている。しかし、尖閣諸島が日米安全保障条約の適用対象であることは明確にした。

 米国がこの地域への関与を強めているのは、経済発展の機会があるからだけではない。自己主張を強める中国に対する懸念が存在する。オバマ大統領が早々にタイを訪れ、新軍事協定に署名したのはその表れだ。また、現職の米大統領として初めてミャンマーを訪問したのも、同国の改革を支援し、中国離れを促進しようという狙いがあった。

 東南アジアの情勢は、今後当分の間、このような米中間の綱引きを軸に展開するだろう。オバマ大統領の再選後初の外遊は、米国のアジア回帰の方針を明確にするものだった。今回はその点に注目が集まった。一方、中国の温家宝首相もオバマ大統領が訪れた翌日にタイのバンコクを訪れ、やはり歓迎を受けている。

 東南アジアの賢明な国々は、米中間の勢力争いが続くかぎり、これを好機として最大限に利用していくに違いない。

©2012 The Economist Newspaper Limited.
Nov 24th 2012, All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。


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1843年創刊の英国ロンドンから発行されている週刊誌。主に国際政治と経済を中心に扱い、科学、技術、本、芸術を毎号取り上げている。また隔週ごとに、経済のある分野に関して詳細な調査分析を載せている。


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コメント
 
01. 2012年12月02日 10:00:13 : LZQqGUA606
 日本ががんばらないから、こうやってグダグダになるんだよ、
日本のがんばり所に見える。

02. 2012年12月19日 14:45:47 : IOzibbQO0w
2012年 12月 19日 11:47 JST 更新
中国、尖閣諸島でエスカレート回避の意向―防衛研
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By WILLIAM MALLARD

 【東京】日本の防衛省のシンクタンク「防衛研究所」の増田雅之主任研究官は18日、日本が支配する尖閣諸島の周辺海域に中国が最近、船舶を派遣していることについて、日本による尖閣諸島の「実効支配」をやめさせるための長期的な戦略の一環だと述べた。しかし同時に、緊張が劇的に高まるのを避けるため、中国当局が監視活動を調整しているとも指摘した。

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Kyodo News/Associated Press
尖閣諸島の周辺を航行する中国の監視船と海上保安庁の巡視艇(9月)
 東シナ海での中国の最近の動き、例えば日本の領土の近海への船舶派遣の背景には、中国政府が尖閣諸島(中国名は釣魚島)の領有権を主張しようとしていることがある。二国間の緊張が高まるなか、日本では安倍晋三自民党総裁が次期首相に選出されることが確実だ。同氏は最近領有権問題について沈黙しているものの、これまで中国に対して強硬な発言をしている。

 増田研究官は、中国に関する年次報告発表にあたり同日、記者会見して、中国は長い間、日本による尖閣諸島の実効支配をやめさせようと試みていると述べた。

 ただし同氏は、日中間の緊張が一段と高まる確率は非常に低いと述べ、その理由として中国政府が日本と敵対するリスク、そして潜在的には米国と敵対するリスクを理解していることを挙げた。観測筋は、その代わり中国は日本を刺激して係争水域でどう対応するかをみていると指摘している。安倍氏は日本の自衛隊の戦闘能力を拡大・強化する方針を掲げている。

 日本政府は先週、海上保安庁の巡視船が魚釣島の南方15キロメートルの上空で中国当局の小型機の侵犯を確認したのを受け、8機ないしそれ以上のF-15戦闘機を派遣した。

 増田氏は、最大のリスクは中国の監視船の増強にあると述べた。同氏によると、中国は現在1000トン級の監視船を28〜29隻保有しているが、2014〜15年までにあと20隻増やす計画だという。

 同氏は、個人的に日本の海上保安庁も監視能力の強化に真剣に取り組まなければならなくなると考えており、そうしなければ力のバランスが中国に有利な方向に傾くだろうと警告した。

 さらに、中国が軍を動員するとは予想していないと述べた。また、同国は人民解放軍(PLA)を動員するような事態にならないように情報をコントロールしようとしていると思うと指摘した。

 増田氏は、中国が 軍を警察部隊が支援する合同演習を行ったことについて、南シナ海や尖閣諸島周辺などの水域に他国が軍事的に関与してくるという緊急事態に備えた演習なのかもしれないとの見方を示した。

2012年 12月 18日 18:10 JST
【オピニオン】安倍次期首相は危険なナショナリストにあらず
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By MICHAEL AUSLIN

 前回総選挙での惨敗から3年、16日の第46回衆議院総選挙で自民党は与党・民主党に対して地滑り的勝利を収め、政権の座に返り咲いた。2007年に唐突に首相を辞任した安倍晋三氏は2度目のチャンスを与えられることになる。だが、安倍氏が首相に就任してもいないうちから、批評家らは日本の政治が右傾化する危険性を警告している。

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European Pressphoto Agency
安倍晋三氏(左)と野田佳彦氏(11月)。2人は批評家が言うほどかけ離れてはいない
 彼らは間違っている。民主党が政権就任中にいかに保守化していたか、一方で自民党がいかに国内問題に関して左傾化していたかを彼らは理解していない。安倍氏は国内では困難な任務に直面しているが、アジアを危機に陥らせるようなナショナリズムの復活を象徴する存在では決してない。

 野田佳彦首相は与党としてかつてないほどの大敗を喫し、退陣に追い込まれることになった。民主党は衆院で200近い議席を失い、本記事の出稿時点でわずか57議席しか獲得できていない。少なくとも5人の現職閣僚に加え、前首相の菅直人氏も小選挙区で敗れた。

 安倍氏率いる自民党は衆院定数480議席中、現時点で少なくとも291議席を獲得している。連立を組む公明党(獲得議席30)と合わせて3分の2の圧倒的多数を確保することになり、民主党が多数派を占める参院での決議を覆すことが可能になる。

 だが、自民党の勝利は深刻なぜい弱さもあらわにした。投票率は09年の総選挙時よりも10ポイント低い。さらに自民党は世論調査で30%を超える支持率を獲得しておらず、調査対象者の3分の1以上が投票行動を決めていない、またはいずれの政党も支持しないと回答していた。

 こうした角度から見てみると、自民党の勝利は民主党の失政に対して国民がノーを突き付けた結果にすぎず、自民党に対する確固たる信認を表すものでないことは明らかだ。この点については安倍氏自身も認識しており、自民党の勝利は民主党の3年に及ぶ「政治的混乱」の結果であり、芳しくない実績に終わった前回首相就任時と比較して自民党への信頼が回復しているわけではないと言及している。

 だが、有権者は両党にはさほど大きな違いがないことも認識している。国際的な批評家らとは異なり、日本の有権者は、安倍氏が中国との間に危機を勃発させようともくろむ反逆者的ナショナリストであるとは考えていない。

 外交問題に関しては、日本の現首相と次期首相は批評家が認識しているよりはるかに似通っている。安倍氏はしばしばナショナリストと中傷されるが、前回の首相就任時には中国との関係を改善している。確かに今年、日本の軍事費増額を要求してはいるが、このことは実質的にさほど大きな意味はない。日本の防衛費が過去10年、段階的に縮小しているのに対して、中国の防衛費は2桁増となっている。

 また、自衛隊の名称を国防軍に変えるという安倍氏の計画もナショナリズムとは無関係だ。そのアイデアを大げさに批判しているのは、いかなる種類の信頼性ある日本の防衛能力にもアレルギー反応を示す人たちだけだ。

 さらに重要なのは、民主党が近年いかにタカ派に転じていたかを批評家らが認識していないことだ。野田現首相は最新鋭ステルス戦闘機F35や垂直離着陸輸送機2機の購入を決断したほか、数十年にわたって維持されてきた、武器の輸出を原則として禁じる「武器輸出3原則」も緩和している。野田氏よりもリベラルな菅氏でさえも、中国の軍備増強によってもたらされる日本の領域への脅威を強調し、従来の受動的防衛姿勢に代わる「動的防衛力」構想の導入を要求する新たな防衛大綱の公表を10年に承認している。

 さらに民主党は米国との弾道ミサイル防衛テストも継続しており、北朝鮮をめぐっては韓国・米国と共により強硬な3カ国間対応を推し進めてきた。ここ数カ月は、中国の尖閣諸島に対する領有権の主張に対しても、同領域に定期的に巡視船や航空機を送り込むなどの対抗策を野田首相は取っている。

 経済問題に関しても同様で、安倍氏の政策と野田氏の政策がそれほどかけ離れているようにはみえない。選挙活動中に安倍氏が掲げていた経済政策の目玉は金融緩和だ。金融緩和は日本のデフレ脱却に役立つ可能性はあるものの、日本は過去2四半期経済が縮小しており、リセッション(景気後退)に逆戻りつつある。したがって安倍氏は、投資を促す有効なインセンティブや日本の過剰な規制を突き崩す信頼性のある改革策がなければ、金融緩和だけで真の回復は見込めないことに気づく可能性がある。

 安倍氏はまた、財政出動による景気浮揚を表明しているが、それは民主党が09年の政権就任時に提示していた最初の政策に追随するものであり、安倍氏にとっては方針転換だ。自民党が90年代に景気刺激策を何年も続けた末に景気を好転させることができなかったことから、安倍氏は前回首相就任時はそうした政策を控えていた。

 さらに安倍氏は、大きな議論を呼び、野田氏の選挙の行方を決定づけることになった消費増税法案への支持も示唆している。だが、一時は大規模な多国間貿易協定を支持していた野田氏と異なり、安倍氏は日本への海外からの直接投資の促進や外国の医薬品や食品の承認手続き簡素化など、規制緩和に対する具体的な施策は何も提示していない。

 結論を言えば、安倍氏は主戦論者ではなく、日本の外交や安全保障政策を抜本的に転換することもないだろう。中国や北朝鮮に対しては現行のアプローチを踏襲する公算が大きい。

 安倍氏が危機的状態に陥るかどうかは、投資やイノベーション(技術革新)を促す明確な成長戦略を打ち出せるかどうかにかかっている。この点も民主党と共通しており、民主党にはそれができなかった。日本の有権者が最も懸念している問題は経済であり、それ故、民主党にしびれを切らして取りあえず自民党にチャンスを与えようとしたようにみえる。他国は日本の有権者の判断を尊重すべきであり、日本の次期リーダーを恐れるべきではない。

(筆者のマイケル・オースリン氏はアメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長)


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