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日本とロシアが手を結ぶ絶好の好機到来  膨張する中国を牽制するためにも、歴史の封印も考えよ
http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/517.html
投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 29 日 00:23:28: cT5Wxjlo3Xe3.
 

JBpress>海外>ロシア [ロシア]
日本とロシアが手を結ぶ絶好の好機到来
膨張する中国を牽制するためにも、歴史の封印も考えよ
2012年11月29日(Thu) W.C.
 1週間ほど前にロシアからイーゴリ・シュワロフ第1副首相が来日し、日ロ間の経済関係を日本政府や民間企業と協議する会議に出席した。彼は1967年生まれの45歳、東京オリンピックも知らない世代で何ともまだ若い。だが、今やロシア政府にあっては押しも押されもせぬナンバー2である。

 1990年代後半に民間から政府に引き抜かれて国家資産の管理を任されていたが、2000年のウラジーミル・プーチン政権発足とともに大臣級に引き上げられ、以後大統領補佐官や大統領府副長官を経て2008年5月に第1副首相に任ぜられている。

極東地区にエースを投入したロシアの本気


ウラジオストクとルースキー島をつなぐ世界最長の斜張橋〔AFPBB News〕

 その直後の6月にロシアで開かれた国際経済フォーラムの場で、彼は政府の代表格で登壇して大いに批判をぶった。

 その批判の対象には、当時天井知らずの原油価格高騰の波に乗って怒涛の進撃を続けていたロシアの石油・ガス産業も挙げられ、それらが抱える欠陥を指摘しながら、「(ロシアは)もう自分で自分を騙すことなどやめようではないか」とまで言い切る。

 これには、会場に詰めかけたロシアや諸外国のビジネスマンたちもいささか驚き、そしていくばくかの清新な風も感じたものだった。

 市場経済派の彼は、しかし民間でも実務経験を積んでいるだけあって、原理主義者ではない。ロシアの実情を踏まえたうえでどう市場経済を実現していけばよいか、を考えているようだ。

 政治と経済の妥協や接点を求めるタイプとも言え、その面で恐らく考え方が似ている大親分のプーチンに気に入られたのだろう。最近になって彼の金銭がらみのスキャンダルが見え隠れするが、政治家なら誰もが持つ向こう傷の1つとして今は眺めておきたい。

 その彼が、ロシア・極東の開発で事実上の指揮官となり、日ロ貿易経済政府間委員会のロシア側のトップにも就任した。まさにエース級の投入である。プーチンがいかにこれらの問題を重視しているかの証左にほかならない。

 プーチンの狙うところは、ロシアの極東経済を発展させ、人口を増やすことであり、極東への産業・商業双方での資本を内外から呼び寄せてそれを実現することにある。

 国内経済での地域格差解消とそれによる社会の安定化を図り、極東の隣人・中国の経済面での膨張とロシアへのその浸透を将来的に食い止めねばならない。

 その中で、日本はロシアの目に次のように映るだろう。

 「日本にはロシアがその到来を期待する資本と技術がある。中韓との揉めごとに巻き込まれてこれらに代わる新たな進出先を探すその日本の資本を呼び込むには、今が絶好のチャンスである。そして、3.11以降は、ロシアがアジア方面に出せる数少ない商品であるエネルギー資源で、最大の得意先にもなってくれる可能性が大きい」

 9月にアジア太平洋経済協力(APEC)の閣僚会議が開催されたウラジオストクには、都市整備のために大量の資金が投入された。シュワロフは日本のビジネスマンたちに呼びかける。

 「色々批判を書く面々がいるが、好きなように書かせておけばよろしい。ともかく、まずは御自分の目でいかに近代的な町が出来上がったかを是非見て下さい」

 これに日本の企業はどう応えるか。この7〜8月に行われた、ロシア・極東向けのビジネスへの関心の有無を問う経団連のアンケート調査では、回答した162社の約4割が関心なし、3割がすでに極東向けのビジネスに従事、残りの3割が「興味あり」や「行動を起こす予定あり」という結果だった。

中国への好感度が急低下、ロシア進出の可能性模索か


中国初の空母「遼寧」に着艦した中国の戦闘機「J-15」。軍事力増強にひた走る中国は周辺国の脅威に〔AFPBB News〕

 今年が初めての設問だったためにこれまでの回答の趨勢を見ることはできないが、恐らくは中国の反日行動の影響で、ロシア・極東への進出の可能性も一応は調べてみるか、と考える企業は増えたのではないだろうか。

 最近の世論調査でも、日本人の中国への好感度は2割を切ったようだから、人気ではロシアと肩を並べるほどに落ちた。これからを考えても、発足したばかりの習近平体制が対日融和に転ずるとはまだ誰も自信を持って予測はできない。

 マルクス・レーニン主義や毛沢東主義を捨てないと習近平自身が断じていても、国を束ねる当面のイデオロギーは愛国主義しかないから、そうなると歴史問題の中で尖閣を巡る日本との対立はまずやむことはないだろう。

 であれば、出て行く先として中国に代わる相手を、時間はかかっても見つけなければ・・・。

 それでは、アンケートに回答した先発組以外の約7割の企業を、これからロシアがどう惹きつけられるかである。結論から言えば、ロシア・極東をアジアのどの国に比べても仕事がやりやすく儲かる場所にするしかない。

 まず金銭面で言えば、進出する資本への税金ゼロである。補助金を出してもよいくらいだ。次に、対ロシア投資で問題となる煩瑣な行政手続きや腐敗からの解放。

 就任からまだ1年も経ていない沿海州知事のウラジーミル・ミクルシェフスキーはメディアとのインタビューの中で、行政の「治外法権(“オフショア”という表現)」というアイデアを漏らしている。

 香港を念頭に置いているのだろうか。経済特区の意味を拡張して、そこに租界地をつくることでもしなければ、という前線を任された立場の深刻な気持ちが伝わってくる。

 そして、将来への夢と展望――産業を興し人口を増やした先に何が来るのか、の構図をロシアは示さなければならない。

 どう経済を振興させようと、ロシア・極東の人口がこれから1億や2億人に増えるはずもない。つまり、中国からの人口圧力への懸念は半永久的に消えるものではないのだ。

 その中で、極東の経済安全保障を確保しようというなら、その処方箋は1つしかない。中国に侵害された際に不利益を蒙る国と資本の数を自国内に増やし、それによって実現される徹底した国際経済化をバリアーとすることである。ビジネスを通じて、ロシアに味方する多勢を創っていくしかないのだ。

 とはいえ、こうした施策の実現が簡単ではないことは想像に難くない。そんなことは途上国のやることであって、先進国・ロシアにはそれに相応しいやり方がある、といった民族主義とも世間知らずともつかない根拠なき見方が最初の障害だろう。

 各論に移れば、進出企業への税の減免案はすでにロシア内で議論されているが、極東だけを特別に扱うわけにはいかない、あるいは、そうしたところで国内企業の脱税行為に悪用されるだけ、といった反対論に押されている。シュワロフもこれらを理由に税優遇には明確に反対している。

最大の問題は神学・哲学論争


健康問題も取り沙汰されたウラジーミル・プーチン大統領〔AFPBB News〕

 それだけではない。元駐日大使のアレクサンドル・パノフによれば、地場のロシア資本が自分の利益を奪われることを恐れて、裏では外資の進出に反対している。

 ふざけた話にも聞こえるが、この種の民族派の抵抗はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉への反対にも通じるものだから、まあ分からなくもない。

 むしろ開発についての神学・哲学論争多々の方が問題だろう。それが、「決められない」政治を延々と続けさせる結果になってしまう。

 外資流入促進はいいが、蓋を開けたらほとんど中国企業だった、なんてことになったらどうするのか。中国企業だけを締め出せるのか。それこそ、外交問題に発展して中ロ紛争再現になりはしまいか・・・・。

 こうした状況を聞かされると、プーチンがこのところめっきり老け込んできたように見える理由も分かる気がする。

 いくら笛を吹いても、である。だが、ラジカルな道を選ばなければ、問題は半永久的に解決しない。今のロシア・極東は、そのままなら誰にとっても魅力ある土地ではないからだ。

 ロシアはなぜこんな厄介な土地を持ったのか。東へ東へ、でウラル山脈から先は未知の世界、その最果てが限りなく広がっていった結果で太平洋にぶつかったから、であるが、その後さらに欲が膨らんだのか、今の極東だけで矛を収める積りはなかった。

 中国の東北三省(旧満州)も含めてぶん取る予定だった。それを「坂の上の雲」に阻まれた結果、経済的には東北三省と一体となって生きるしかない土地が切り離されて、ロシア領に残されてしまったのだ。

 他人の土地を奪ったことへの因果応報とでも言うか。そして、今のロシアの悩みは100年余前に日本が埋め込んだ爆弾とも言えるかもしれない。

 「極東」という呼び名は、たぶん19世紀に覇権を争った相手の英国のそれを踏襲したものだろう。だがそれは、大英帝国本土から海を通して眺めて生まれた元祖・極東の意味や範囲とはだいぶ異なる。

 西は太平洋岸から3000キロ以上も奥まったバイカル湖辺りまで、北は北極海からカムチャツカ半島、それに千島列島やサハリンなどの島嶼がすべて含まれる。

 その面積たるや622万平方キロ(極東連邦管区)で、これは豪州大陸の86%、アラスカを除いた米国本土48州の81%にも及ぶ広大な地域である。

 ロシアが「極東の開発」と述べる際には、日本人には実感が湧かないこの広さ全体の国土総合開発を意味している。日本海に近い大陸部の対外経済関係だけを論じていただけでは済まない。

 けれども、話が気宇壮大であればそれだけビジネスの世界からはかけ離れるし、話をまとめる場合に広い地域に散在する各要素を考慮しなければならなくなり、それが膨大な数に上るものだから、議論が発散してしまって後が続かない。

極東や東シベリアからの電力を日本へ??

 極東や東シベリアの豊富な水力で電力を起こし、安価なそれを日本へ、といった話も耳にする。だが、水源は太平洋岸からは3000〜4000キロは離れている。その送電距離を考えたら、末端の電力価格がいくらになるかで最初から「話すのは無駄」になる。あの経済性無視のソ連体制下ですら、そんなことはやらなかった。

 電力が駄目なら、ガスでも石油でも・・・。いずれも電力同様に、やるなら3000キロを超える内陸部での長距離輸送が必要となる。

 開発と輸送のコストをそのまま製品価格に乗せたなら、まず誰も手は出さないだろう。残念ながら、ウラジオストクの傍に油田やガス田がわんさと、というわけではないのだ。

 そして、その広大な地域の住民は650万人でしかない。

 人口の少ない地域の経済発展をどう実現したらいいか。これは多分いまだかつて誰も解いたことがない問題である。

 日本でも、シャッター商店街に象徴される地方の疲弊とその克服を多くの専門家が論じている。どう客を集めるかに問題は収斂するが、様々な提案には1つの大きな暗黙の了解がある。それは、やりよう一つで集まってきてくれる人々どこか近くに存在しているということだ。言うならば、近場での人間の動きの奪い合いの話である。

 従って、本当の過疎地で商店街を新たに興したり、ショッピングセンターを始めようとはさすがに誰も言わない。

 熱心に地域再生を説く論者も、「客も売り手も少な過ぎて困っている商店街は、そもそも必要なのか」と、突き放している。人がいなければ、そこに経済と呼べるような動きが存在しようがないことは、自明の理だからだ。

 極東の人口は、ソ連崩壊後からの過去20年間で800万人から650万人に減った。日本では過去45年間に人口が33%以上減った地域が過疎地になる。この日本の定義に従えば極東は過疎地にならない、などと戯言(ざれごと)を言っている場合ではない。その定義には表れない人口密度を見たら過疎としか言いようがないのだから。

 しかし、人口密度で見た過疎地は、世界の中でほかにもある。そして、子細に見るとロシアの過疎が「中途半端」なものであることが分かる。

 極東の半分近くの面積(インドとほぼ同じ)を持つサハ共和国(ヤクーチャ)の人口密度は、極東の中でも最も少ない1平方キロメートル当たり0.3人だが、それでも豪州・北部準州の2倍、カナダ・北西準州の10倍もある。

中途半端な過疎が対策を難しくしている


ウラジオストクとルースキー島をつなぐ世界最長の斜張橋を訪れたドミトリー・メドベージェフ首相〔AFPBB News〕

 極東で最も人口密度の高い沿海州(同16人)に到っては、カナダ・アルバータ州の2倍、ブリティッシュ・コロンビア州の3倍、豪州・クイーンズランド州の5倍にもなる。

 ならば、カナダや豪州の過疎地がロシアの極東に比べてもっと惨めな生活をしているかと問えば、そうだと答える人は稀だろう。両国の場合、過疎地の人口は徹底して少ない。だから、国家の補助も全体では巨額にならず、1人当たりならかなりのことができる額にも増やせるはずだ。

 一方で、沿海州より人口密度が低い上述の地域では、人口の絶対数では沿海州(極東最大の200万人)を1.5〜2倍も上回り、その地域のある集中した部分で1つの経済体を築ける規模に到っている。

 こうしたことから簡単な結論が導けるだろう。ロシアの極東は過疎であっても、国が補助して養うには住民の頭数が多くて負担が大き過ぎる。だが、独立した地域経済を成り立たせるためには逆にその頭数は少な過ぎるのだ。

 中途半端から抜け出すには2つの道がある。1つは徹底して住民の数を減らしてしまうことである。

 実際に1990年代にマガダン州での過疎の村に対し、世銀は他所への移転を促進させていたし、極北の都市・ノリリスクに対してもこれが行われた。極東で人がいなくなったなら、残された領土は資源輸送の通過と軍の配置による国防を残すだけの土地となる。

 このやり方は、しかしプーチンの受け入れるところではないだろう、少なくとも当面は。

 ならばもう1つの道である人口増加策に進むしかない。そうであるなら、その策に再び中途半端は許されない。結局はすでに述べたようなラジカルな開放政策しか、選択の余地はないことになるのではなかろうか。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36636  

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コメント
 
01. 2012年12月01日 00:56:05 : yy7D5jhcis
シベリア抑留の話を持ち出す人はいるが、それを言えば日本はシベリア出兵で列強の侵略の尻馬に乗った(それどころか、欧米諸国が引き上げた後も厚かましく居座った)歴史があるのだ。双方水に流して協力した方がよい。

02. 2012年12月03日 04:33:47 : FtAqUhrlFU
直流送電が使えるな。
http://wirelesswire.jp/Inside_Out/201104221200.html

03. 2012年12月16日 09:23:10 : zbctqLJ9bq
ロシア・グルジアのサイバー戦争:サイバー反撃による秘匿性の崩壊

(株)情報通信総合研究所
グローバル研究グループ
佐藤 仁


2008年8月、グルジアでロシア軍とグルジア軍が砲撃戦を繰り広げた。それと並行してグルジアの政府機関のサイトと重要インフラはDDoS攻撃を受けてアクセス不能状態に陥った。ロシアからグルジアに対してサイバー攻撃が多く報じられていた(※1)。2012年11月、ロシアとグルジアでのサイバー戦争が新たな局面を迎えた。

グルジア側のサイバートラップ

2008年以降もロシアとグルジア間ではサイバー攻撃がたびたび問題になっていた。そして2011年初めにグルジアのニュースサイトがサイバー攻撃を受け、重要情報が窃取されるマルウェアがグルジア国内の約390のコンピュータに拡散された。このマルウェアは感染したPCのWebカメラを使って盗聴する機能も持っていた。政府機関や銀行、重要インフラなどが標的にされていた。グルジアCERT(Computer Emergency Response Team)はこのサイバー攻撃に対して以下のような反撃に出た。

意図的に自国のPCをマルウェアに感染させて「Georgian-Nato Agreement」という名称のZIPファイルを置き、攻撃側が窃取するように仕向けた。「グルジア・NATOでの合意」という、攻撃側が欲しがりそうな名前のファイルである。
攻撃側はグルジアCERTの罠に嵌り、このファイルを盗んだ。そしてグルジアCERTはZIPファイルに仕込んでおいたマルウェアを実行した。
グルジアCERTは攻撃側のPCを乗っ取ることに成功した。攻撃側のPC内の情報を入手したり、Webカメラを使ってPCの前にいた男性の写真を撮影した。
グルジア側によって、撮影された男性の顔写真はグルジアCERTの報告書で公表された(※2)。他にもマルウェアの使用方法に関するロシア語の電子メール、男性の住所、ISP、メールアドレス男性のコンピュータから入手した。男性が使っていたドメインは、モスクワのロシア内務省の関連施設の住所で登録されていて、ロシアの情報機関、ロシア連邦保安庁(FSB)の所在地の近くであることが判明し、報告書内では地図も公表している。

サイバー攻撃の2つの特徴

サイバー攻撃の大きな特徴は「秘匿性」と「非対称性」の2点だった。

(1)秘匿性の特徴は、誰がいつサイバー攻撃を仕掛けてくるかわからない。攻撃を受けた後も、相手の特定は難しい。そのため、ゲリラ的に政府や重要インフラ、民間企業を標的にした攻撃が「どこから」・「誰から」攻撃を受けているのか不明瞭である。

(2)サイバー攻撃は非対称性のため、個人や非国家アクターが国や企業に対してサイバー攻撃を行い、ダメージを与えることができる。

秘匿性の崩壊とサイバー反撃

今回のグルジアCERTのサイバートラップは、攻撃側が罠に引っ掛かるようなファイルを仕掛けて、攻撃側のPCに入り込み、WebカメラでPCの前の攻撃者の写真撮影まで行い、相手の住所まで判明することに成功した。
従来のサイバー攻撃のように、攻撃側に優位であったサイバースペースの特徴の秘匿性は通用しなくなるかもしれない。グルジアCERTによる反撃はサイバー攻撃の特徴の1つであった秘匿性を崩壊させることに成功した。また、今まではサイバー攻撃は攻撃者側が一方的に攻撃を仕掛けてくることが多かったが、これからは攻撃者側もサイバー反撃に対して慎重にならざるを得ない。

セキュリティ・ソフトウェア会社カスペルスキーは2012年12月12日に、2013年は国家が関与したサイバー攻撃が増えると予測している(※3)。しかし国家としてサイバー攻撃に関与し、公式にそれを認めた国はない。それがサイバースペースの秘匿性を活用した攻撃だからだ。
今回のグルジアのサイバー反撃はサイバー攻撃を検討している国家に再考を促すだろう。サイバー攻撃を仕掛けた後に相手国からトラップをかけられてPCや住所まで突き止められてしまい、Webカメラで写真撮影されて公開されてしまう恐れがある。
 サイバー攻撃は攻撃側と防衛側の「いたちごっこ」の繰り返しであり、攻撃側もサイバートラップに嵌らないような策を講じてくる可能性が高い。他方、新たなサイバー反撃が登場したことによって、従来のサイバー攻撃はスタイルを変えてくる可能性はある。

※1 Richard A.Clark, ”Cyber War: The Next Threat to National Security and What to Do About It”(Ecco, 2010) によると、グルジアのインターネット接続はロシアとトルコ経由で行われており、グルジア向けトラヒックを確保するロシア、トルコのルータのほとんどがサイバー攻撃を受け、ルータから先に進めなかったため、グルジアでは情報も入らないし、情報発信もできなかった、と述べている。
また、2008年8月10日のデータ分析会社Renesysの分析によるとネットワークプレフィックスのうち最大35%が長期間に渡ってインターネットから消えたと指摘している。
http://www.renesys.com/blog/2008/08/georgia_clings_to_the_net.shtml

※2 CYBER ESPIONAGE Against Georgian Government(CERT.GOV.GE LEPL Data Exchange Agency Ministry of Justice of Georgia)攻撃者の地図、写真も公開されている。
http://dea.gov.ge/uploads/CERT%20DOCS/Cyber%20Espionage.pdf

※3 “Kaspersky Security Bulletin 2012. Malware Evolution”(2012年12月12日カスペルスキー) 国家の関与に関するサイバーセキュリティ増加予測の原文は以下の通り。
” 3. Nation-state-sponsored cyber-attacks Stuxnet pioneered the use of highly sophisticated malware for targeted attacks on key production facilities. However, while such attacks are not commonplace, it's now clear that Stuxnet was not an isolated incident. We are now entering an era of cold ‘cyber-war', where nations have the ability to fight each other unconstrained by the limitations of conventional real-world warfare. Looking ahead we can expect more countries to develop cyber weapons − designed to steal information or sabotage systems − not least because the entry-level for developing such weapons is much lower than is the case with real-world weapons. It's also possible that we may see ‘copy-cat’ attacks by non-nation-states, with an increased risk of ‘collateral damage’ beyond the intended victim of the attack. The targets for such cyber-attacks could include energy supply and transportation control facilities, financial and telecommunications systems and other ‘critical infrastructure’ facilities.”
http://www.securelist.com/en/analysis/204792254/Kaspersky_Security_Bulletin_2012_Malware_Evolution

※本情報は2012年12月13日時点のものである。


こちらも併せてご覧ください。(これまでに掲載した記事)
ロシア・グルジアのサイバー戦争:サイバー反撃による秘匿性の崩壊
世界の通信事業者が狙うM2M市場
イスラエル:サイバー攻撃は武力紛争時に有効なのか?
ソーシャルメディアの新しい切り口としての宗教〜ムスリム向けSNS「Salamworld」
「備えあれば憂いなし」:震災に備えて通信手段を増やしておこう


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