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アジアにおける米国:再び岩礁に乗り上げて アジアの海で繰り広げられる米中の競争
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投稿者 MR 日時 2012 年 11 月 28 日 00:45:25: cT5Wxjlo3Xe3.
 

JBpress>海外>The Economist [The Economist]
アジアにおける米国:再び岩礁に乗り上げて
2012年11月28日(Wed) The Economist
(英エコノミスト誌 2012年11月24日号)

バラク・オバマ大統領は南シナ海を巡って対立する地域に接近している。

 10カ国の加盟国から成る東南アジア諸国連合(ASEAN)の流儀を一言で要約するとすれば、それは「コンセンサス」だ。このため、7月にカンボジアで開かれたASEANの会議があからさまな不一致という結果に終わった時、多くの人はそれが例外的な出来事だと思った。

 しかし、ASEANの行事日程の目玉として11月18〜20日にプノンペンで行われた一連の首脳会議(18カ国が参加する東アジアサミットを含む)においてさえ、ASEAN各国は共同戦線を張ることができなかった。

ASEANは完全に分裂したのか?


今月のASEAN首脳会議も、加盟国間で対立が生じ、コンセンサスが得られなかった〔AFPBB News〕

 論争は前回と同じ問題――南シナ海での中国の領有権の主張をどのように扱うか――を巡って、フィリピンとカンボジアという同じASEAN加盟国の間で起きた。

 ASEANは今、かつてないほど分裂しているように見える。末期的に割れたと考える向きもある。

 首脳会議には、中国、インド、ロシアの首脳、および再選された米国のバラク・オバマ大統領も招かれた。今回の論争が勃発したのは、ASEANで中国に最も近い同盟国と広く考えられているカンボジアが、険悪化している紛争を「国際化」しない――つまり、米国を巻き込まない――とのコンセンサスを発表した時だった。

 南シナ海で領有権を主張する米国の同盟国フィリピンはこれを拒否し、フィリピンには自分たちが国際裁判所あるいは国に訴えかけることにより「国益を守る固有の権利がある」と述べた。ベトナムも同じようにカンボジアに憤慨していた。

 中国は、石油とガスの膨大な埋蔵量があると考えられている南シナ海のほぼ全域、そして南シナ海に浮かぶ概ね小さな点のような土地について領有権を主張している。

 ASEAN加盟国のうち、ベトナムは、中国が支配している北側の西沙諸島のすべてと、ブルネイ、マレーシア、そして特にフィリピンの主張が中国の主張と重なる南側の南沙諸島について領有権を主張している。

 ASEANでの論争は、領有権を主張する国々がカンボジアやラオス、ことによるとミャンマーなど、中国に近く、領有権を主張していない国々と対立する構図になっている。シンガポールは、この問題について従来カンボジアに批判的だ。インドネシアは仲裁者の役目を果たそうとしている。

 中国は今回、恐らく議論で分が悪かった。中国は、領有権を主張する他国との協議は2国間でなければならないと主張している。だが、フィリピンとベトナムは、衝突のリスクを減らすために、長年約束されている海洋行動規範について合意するため、ASEANを含む多国間協議を望んでいる。

 首脳会議では多国間協議を支持する意見が優勢だったが、中国はいつものようにそうした協議に身を委ねることを拒否した。こうした事情すべてに加わった新たな材料が、米国によるアジアへの旋回だ。米国は今、海洋安全保障が成長にとって不可欠と見られている地域で中国と影響力を競い合っている。

アジアの海で繰り広げられる米中の競争

 米国は、係争中の諸島や岩礁の領有権に関しては中立の立場だと話している。だが、首脳会議で米国は、多国間協議を求めるベトナムとフィリピンの主張に重みを加えていた。同様に、東シナ海の尖閣諸島・釣魚島を巡る日中間の主権争いでも米国は中立だと述べているが、米国は尖閣諸島が日本との安全保障条約の適用範囲内であることを認めている。

 実際、米国にアジア地域への関与を深めるよう駆り立てているのは、経済的なチャンスと同じくらい、中国が新たな自己主張を展開していることへの懸念だ。

 オバマ大統領がタイを駆け足で訪問し、新たな軍事協定に調印したのも、こうした懸念を反映している。ミャンマーに歴史的な訪問――現役の米国大統領による初めての訪問――を行ったのも同様だ。オバマ大統領はミャンマーで、改革を促したり、引き続き中国から距離を置くよう働きかけたりすることを期待していた。

 これは東南アジアで今後何年も続くテーマになるだろう。オバマ大統領の選挙後初の外遊がいかにアジアに対する米国の新たなコミットメントを反映しているかについては、いろいろ言われてきた。だが、中国の温家宝首相も、オバマ大統領が到着した翌日にバンコクに姿を現し、温かい歓迎を受けた。

 この地域の抜け目のない国々は、米中の競争が続く限り、それを最大限に活用するだろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/36638  

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