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中国は、尖閣を獲りに来ている。内政上の権力争いなどではない。あったとしてもどの程度ハードに攻めるかの戦術論の問題であろう。
日本との関係が多少こじれてもとにかく島を獲る。これはもう9月以降の状況を見れば明らかである。
それでは、どのようにして獲るのか。中国の立場に立って考えてみよう。中国は自分が先に武力行使をしたと糾弾されるような行動はしないだろう。戦争を覚悟しているとしても、国際社会に対してプロパガンダが打てる戦略が最優先である。アメリカの世論を怒らせたら最悪の場合、日米安保発動となってしまう。そうでなくとも侵略者のような振る舞いはコストの方が大きい。「穏やかな方法」で獲るのが一番効率的である。
それでは、どのように「穏やかな方法」で獲るのか?やはり「漁民」の保護がいちばん国際、国内世論向けには受けがいいだろう。次第に漁船や海洋監視船・漁業監視船を尖閣のそばに近づけていく。日本の海上保安庁が対応した場合はとりあえず退去。いくつかのグループを同時に進入させて海上保安庁の対応能力を探るとともに、何度か波状的にそれを繰り返し、実効支配が中国に移ったことを印象づける。
そしてある夜、漁船が火災を起こして故障、「漁民」の命がかかっているとして尖閣上陸強行。その際に漁業監視船も補助するとして同行。その監視船もまた、故障して航行不能になる。このためその援助のためさらに中国海洋監視船・漁業監視船がさらなる援助として資材等を運び込み修理を始める。
日本は、せいぜい遠巻きに監視して、早く退去しなさいというだけでそれ以上のことはできない。外交ルートを通じて抗議しても、正当な権利を行使していると突っぱねられるだけ。もしかしたら「近いうちに」に退去するといった洒落たことをいうかもしれない。
3週間もすれば中国国旗を掲げた船舶の故障、荒天時に漁民を保護するための施設が完成し、中国人が常駐それを中国海洋監視船が保護するパターンが確立される。
さて日本はどう出るか?たぶん何もできな、竹島状態になるだけである。アメリカもそんなことで戦争をしようと思わないし、アメリカ国内世論を戦争で納得されることはできない。
日本側でもよくわからないまま獲られると世論は分断されて、一枚岩で戦争には進めないだろう。それどころか穏便な方法で獲ってもらえたことに安堵する人々が、経済人を中心に出てくるであろう。一旦渡してしまえば、とりあえず日中関係は正常化する。
このシナリオが働くための絶対条件は、島への上陸時に日本側が武力で反応しないということである。そのためには「漁民」に「けが人」が出るというおまけも必要かもしれない。また、この作戦は、野田政権が続くうちに行う必要がある。次の選挙では、右翼政権というか中国相手に戦争辞さずといった政権ができる可能性が強い。その前に既成事実を作る必要がある。その意味では、中国に残された時間は少ない。中国としてはもう9月の段階でルビコン川を渡っているつもりだろう。
さて日本の防戦だが、先に同じことを行うに限る。ともかく何らかの口実をつけて日本人を多数島に常駐させ、中国が島を取りに来たらそのままアメリカを巻き込んだ戦争になると思わせるような状況を作る必要がある。この点、アメリカは帰属問題には一定の立場はとらないが、尖閣は日米安保の対象といっている。何よりも同盟国を見捨てるような状況を作りたくないため武力行使を控えるよう中国に強力な圧力を掛けるだろう。上陸に中国は抗議するだろうが、国際社会とアメリカを真っ向から敵にするような選択肢はとりにくい。
今の状況を見ていると中国は今年中にも実効支配の確立に動くと思われる。あまりにも長い日中対立は中国にとっても面倒を引き起こすこと、それに野田政権の方が与しやすいことを考えれば可能性は高い。
ここまで読んでいただいた方には、同じように中国の立場に立ってどのように尖閣を獲るか考えてコメントいただければ幸いである。もっと効率的でいい案があるかもしれない。
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