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宣戦の詔書 時・出典
1941年12月8日・日本外交主要文書・年表(1),54‐55頁.官報
終戦の詔書 時・出典
1945年8月14日・日本外交主要文書・年表(1),75‐76頁.官報
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「宣戦の詔書」
天佑(てんゆう:天の助け)を保有し萬世一系(ばんせいいっけい:永遠に皇統が続くこと)の皇祚(こうそ:天皇の位)を踐(ふ)める(位につく)大日本帝國天皇は昭(あきらか)に忠誠勇武なる汝(なんじ)有衆(ゆうしゅう:君主から人民を呼ぶ称)に示す朕茲(ここ)に米國及英國に對して戰を宜(せん)す朕が陸海將兵は全力を奮(ふるっ)て交戰に從事し朕が百僚有司(ひゃくりょうゆうし:多くの官僚)は勵精(れいせい:精をだすこと)職務を奉行(ほうこう:上の者の命令に従って事を行うこと)し朕が衆庶(しゅうしょ:庶民)は各々其の本分を盡(つく)し億兆一心國家の總力を擧けて征戰(せいせん:戦いにおもむくこと)の目的を達成するに遺算(いさん:手落ち)なからむことを期せよ抑々(そもそも)東亞(とうあ:アジア東部―中国・朝鮮・日本)の安定を確保し以て世界の平和に寄與(きよ)するは丕顯(ひけん:おおいにかがやかしい)なる皇祖考(こうそこう:明治天皇)丕承(ひしょう:立派に受け継ぐ)なる皇考(こうこう:天皇が死去した先代の天皇をいう言葉)の作述(さくじゅつ:先人の意見を述べることと新説をだすこと)せる遠猷(えんゆう:遠い将来まで考えた計画)にして朕が拳々(けんけん:両手でうやうやしく奉げもつこと)措(お)かざる所而(に)して列國との交誼(こうぎ:親しい交際)を篤(あつ)くし萬邦(ばんぽう:あらゆる国)共榮(きょうえい)の樂を偕(とも:一緒)にするは之亦(また)帝國が常に國交の要義(ようぎ:重要な意義)と爲す所なり今や不幸にして米英兩國と釁端(きんたん:争いのはじめ)を開くに至る洵(まこと)に已むを得さるものあり豈(あに:あいえない)朕が志ならむや中華民國政府曩(さきに:前に)に帝國の眞意を解せず濫(みだり)に事を構へて東亞の平和を撹亂(かくらん)し遂に帝國をして干戈(かんか:戦い)を執(と)るに至らしめ茲(ここ)に4年有餘を經たり幸に國民政府更新するあり帝國は之と善隣の誼(よしみ:したしみ)を結び相提攜(ていけい:提携)するに至れるも重慶に殘存せる政權は米英の庇蔭(ひいん:助けまもるこ
と)を恃(たの)みて兄弟(けいらい)尚未だ牆(かき:かきね)に相鬩(せめ)ぐを悛(あらた)めず(いまだに相互の境をはさんでせめぎあう姿勢を改めない)米英兩國は殘存政權を支援して東亞の禍亂(からん:世の災いになるような騒動)を助長し平和の美名に匿(かく)れて東洋制覇(せいは)の非望(ひぼう:身分にふさわしくない望み)を逞(たくまし)うせむとす剰(あまつさ)へ與國(よこく:同盟国)を誘ひ帝國の周邊(しゅうへん)に於て武備(ぶび:軍備)を増強して我に挑戰し更に帝國の平和的通商に有らゆる妨害を與(あた)へ遂に經濟斷交を敢(あえ)てし帝國の生存に重大なる脅威を加ふ朕は政府をして事態を平和の裡(うち)に囘復(かいふく)せしめむとし隠忍(いんにん:じっと我慢すること)久しきに彌(わた)りたるも彼は毫(ごう:ほんの少し)も交譲(こうじょう:互い譲り合う)の精神なく徒(いたずら)に時局の解決を遷延(せんえん:延び延びになる事)せしめて此の間却(かえ)つて益々經濟上軍事上の脅威を増大し以て我を屈從(くつじゅう:屈服)せしめむとす斯(かく)の如(ごと)くにして推移せむか東亞安定に關する帝國積年の努力は悉(ことごと)く水泡に帰し帝國の存立亦正に危殆(きたい:非常に危険なこと)に瀕(ひん)せり事既に此に至る帝國は今や自存自衛の爲蹶然(けつぜん:勢いよくたちあがるさま)起つてー切の障礙(しょうがい)を破碎(はさい:こなごなにする)するの外なきなり 皇祖皇宗の神靈(しんれい:神のみたま)上に在り朕は汝有衆の忠誠勇武に信倚(しんい:しんらい)し祖宗の遺業を恢弘(かいこう:広く大きくすること)し速(すみやか)に禍根(かこん:災いの起こるもと)を芟除(さんじょ:除き去ること)して東亞永遠の平和を確立し以て帝國の光榮を保全せむことを期す
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「終戦の詔書」
朕(ちん)深く世界の大勢(たいせい)と帝国の現状とに鑑(かんが)み非常の措置(そち)を以(もっ)て時局を収拾せむと欲(ほっ)し茲(ここ)に忠良(ちゅうりょう)なる爾(なんじ:お前達)臣民(しんみん)に告ぐ朕は帝国政府をして米(べい)英(えい)支(し)蘇(そ)四国(よんこく:アメリカ・イギリス・中国(支那)ソ連の四ヶ国)に対し其(そ)の共同宣言(ポツダム宣言)を受諾(じゅだく)する旨(むね)通告せしめたり抑々(そもそも)帝国臣民の康寧(こうねい:やすらかなこと)を図(はか)り、万邦(ばんぽう)共栄の楽(たのしみ)を偕(とも:共)にするは皇祖(こうそ)皇宗(こうそう)の遣範(いはん:先人から遺された手本)にして、朕の拳々(けんけん)措(お)かざる所(胸に刻んで教えを守りぬかねばならない)曩(さき:先に)に米英二国(にこく)に宣戦せる所以(ゆえん)も、亦(また)実に帝国の自存(じそん)と東亜の安定とを庶幾(しょき:こい願う)するに出(い)で、他国の主権を排(はい)し領土を侵(おか)すが如(ごと)きは、固(もと:もともと)より朕が志(こころざし)にあらず然(しか)るに、交戦已(すで)に四歳(よんさい:四年)を閲(けみ:経過する)し、朕が陸海将兵の勇戦(ゆうせん)、朕が百僚(ひゃくりょう)有司(ゆうし)の励精(れいせい)朕が一億衆庶(しゅうしょ)の奉公(ほうこう)、各々最善を尽(つく)せるに拘(かかわ)らず戦局必ずしも好転せず世界の大勢(たいせい)、亦(また)我に利(り)あらず加之(しかのみならず)敵は新(あらた)に残虐なる爆弾を使用して、頻(しきり)に無辜(むこ:辜は罪,何の罪もない人)を殺傷(さっしょう)し惨害(さんがい)の及ぶ所真(まこと)に測(はか)るべからざるに至る而(しか)も尚(なお)交戦を継続せむか(なお戦争を継続したら)終(つい)に我が民族の滅亡を招来(しょうらい)するのみならず延(ひい:それが原因になって)て人類の文明をも破却(はきゃく)すべし斯(かく)の如(ごと)くむは朕何を以(もっ)てか億兆の赤子(せきし:人民)を保(ほ)し皇祖(こうそ)皇宗(こうそう)の神霊(しんれい)に謝(しゃ)せむや是(こ)れ朕が帝国政府をして共同宣言に応(おう)せしむるに至れる所以(ゆえん)なり朕は帝国と共に終始(しゅうし)東亜の解放に協力せる諸盟邦(しょめいほう)に対し遺憾(いかん)の意を表(ひょう)せざるを得ず帝国臣民にして、戦陣に死し、職域(しょくいき)に殉(じゅん)し非命(ひめい)に斃(たお)れたる者、及(および)其(そ)の遺族に想(おもい)を致せば、五内(ごだい:五つの内蔵:全身)為(ため)に裂(さ)く且(かつ)戦傷(せんしょう)を負(お)い災禍(さいか)を蒙(こうむ)り家業(かぎょう)を失いたる者の厚生に至りては朕の深く軫念(しんねん:心を痛める)する所なり惟(おも)うに今後帝国の受くべき苦難は固(もと)より尋常(じんじょう)にあらず爾(なんじ)臣民(しんみん)の衷情(ちゅうじょう:まごころ)も朕善(よ)く之(これ)を知る然(しか)れども朕は時運(じうん)の趨(おもむ)く所堪(た)え難(がた)きを堪え忍(しの)び難きを忍び以(もっ)て万世(ばんせい)の為(ため)に太平(たいへい)を開かむと欲す朕は茲(ここ)に国体を護持(ごじ)し得て忠良なる爾(なんじ)臣民の赤誠(せきせい:うわべを飾らないまごころ)に信倚(しんい:信じ頼り)し常に爾(なんじ)臣民と共に在(あ)り若(も)し夫(そ)れ情(じょう)の激(げき)する所濫(みだり:勝手気ままに)に事端を滋(じたん,しげ:事柄の発端をややこしくし)くし或は同胞排儕(はいせい:排斥)互に時局を乱(みだ)り為(ため)に大道(たいどう)を誤り信義を世界に失(うしな)うが如きは朕最(もっと)も之(これ)を戒(いまし)む宜(よろ)しく挙国(きょこく)一家(いっか)子孫相伝(あいつた)え確(かた)く神州(しんしゅう)の不滅を信じ任(にん)重くして道(みち)遠きを念(おも)い総力を将来の建設に傾け道義を篤(あつ)くし志操(しそう)を鞏(かた)くし誓(ちかっ)て国体の精華(せいか)を発揚(はつよう)し世界の進運(しんうん)に後(おく)れざらむことを期(き)すべし爾(なんじ)臣民其(そ)れ克(よ)く朕が意(い)を体(たい)せよ(私の気持ちを理解して言う事を守ってくれ)
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//Memo
//Hitokoto
*このたった二枚の紙切れが公表される間に、いったいどれだけの生命が傷つき亡くなったか。現在、責任ある地位に就いておられる方々には、深く胸に刻み込んでもらいたい。
*アジア各地で独立をめざす民族闘争がわき起こったのは、日本帝国の収奪と抑圧に抗してのことであり、詔書の言う「共栄」とは道理に合わないことを強引に正当化しようとする詭弁でしかない。
*近現代史を過度に賛美し、過ちを教訓としない民族に未来はないとすれば、おそらく東洋の未来は暗い。
*この投稿を読んで阿修羅掲示板の諸兄諸姉はどのようにお考えか、ご教示ねがいたい。
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