http://www.asyura2.com/12/warb10/msg/257.html
Tweet |
陸上自衛隊と米海兵隊の実動訓練。尖閣の有事に、米国はどんな判断を下すのか=米国・グアム島(大西史朗撮影)
日中尖閣衝突で米軍参戦 「日米安保条約は発動されない」の指摘も
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20121005/plt1210051551004-n1.htm
2012.10.05 夕刊フジ
沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海を、中国の海洋監視船や漁業監視船が連日のように侵犯し、中国海軍も周辺海域に展開している。日本は海上保安庁が領海侵犯に対応するとともに、自衛隊と米軍が警戒態勢を敷いている。中国側の尖閣侵攻から、日中間で軍事衝突が起きる可能性もあり得るが、一部では「日米安保条約は尖閣では発動されない」という指摘も聞かれる。同盟国・米国は介入(参戦)してくるのか。背後で、中国の関与が疑われる「情報戦」「心理戦」の存在もささやかれている。
米国による中国牽制作戦が進行している。
最新鋭ステルス戦闘機「F35」を、沖縄の米空軍嘉手納基地に配備するほか、米第7艦隊は空母「ジョージ・ワシントン」と「ジョン・C・ステニス」の2隻を西太平洋に展開。尖閣諸島をもカバーする新型輸送機オスプレイも、沖縄の米軍普天間基地に配備した。
現在、尖閣諸島は、海上保安庁の第11管区海上保安本部が、全国の海上保安本部からの応援も得ながら、中国艦船による理不尽な領海侵犯に対応している。当然、自衛隊も警戒態勢を敷いているが、世界最強の軍隊を持つ米国の“後方支援”は心強い。
こうしたなか、同盟国への信頼を疑わせる言説が流れている。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は先月10日と20日付の2回、ピューリッツアー受賞歴がある、ニコラス・クリストフ記者の「私の感覚では、中国に分がある」「尖閣諸島の紛争で米国が日米安保条約を発動する可能性はゼロ」というコラムを掲載した。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏も、週刊朝日(10月5日号)で、「安保を適用したからといって、米軍が軍事的に介入するわけじゃない」と語り、週刊ポスト(9月7日号)では、「米国の憲法では、交戦権は議会で承認されなければ行使できない。日本領土が攻撃されたとしても、米議会の承認が得られない限り、米軍は出動しない」と指摘している。
安全保障の常識として、自国の領土を守るのはまずその国の軍隊である。中国が尖閣諸島に軍事侵攻してきた場合、当然、日本の陸海空自衛隊が真っ先に領土防衛に当たる。最新鋭の装備も、日々の過酷な訓練もそのためにある。そのうえで、日米安保条約で、日本の防衛義務を負っている米軍が介入することになっている。
パネッタ米国防長官は先月19日、中国の習近平副主席と北京で会談した際、「尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内」との立場を伝達した。翌20日、キャンベル米国務次官補も、上院外交委の東アジア・太平洋小委員会で、「(尖閣は)明確な日本政府の施政権下にある」「日米安保条約第5条の明確な適用範囲だ」と証言している。
実に心強いが、前出のような指摘もあって疑問は尽きない。万が一、中国が尖閣を軍事占領して、一時的に管轄権が中国に移った場合、安保条約の対象ではなくなるとの指摘もある。同盟国は頼りにならないのか?
沖縄・南西諸島地域の領空を守る航空自衛隊南西航空混成団司令を務めた佐藤守・元空将は「尖閣防衛を自衛隊が真っ先にやるのは当然。現時点で、中国軍を撃退する能力も装備もある。米軍も『日本はサムライの国だろう』と思っている」といい、こう続ける。
「いったんドンパチが始まったら米国は同盟国の日本を全面支援する。これは安保条約の規定に加え、米国の東アジア戦略にも合致する。尖閣諸島を奪われれば、次に台湾、八重山諸島、沖縄本島を中国に獲られる。これを米国は許さない。米軍の出動は議会の承認が必要だが、大統領の決断があれば60日以内の事後承認でいい。一時的に管轄権を奪われても、自衛隊は領土奪還作戦を敢行し、米軍も協力するはず。尖閣は、米国にも戦略的要地。長年、米軍の将校と現場で接してきた感覚として、米軍は頼りになる。尖閣に関する作戦計画も持っているだろう」
元公安調査庁第2部長の菅沼光弘氏も「安保条約がある以上、世界の目もあり、軍事侵攻があれば米国は介入せざるを得ない。ただ、米国も中国も核大国であり、米中戦争は避けたいはず」といい、こう語る。
「中国人民解放軍の幹部が数日前、『持久戦の準備が整った』と公言していた。これは『戦わずして勝つ』という孫子の兵法のことだ。正規軍ではなく漁民を大量に尖閣に送り込んだり、軍事的圧力で日本人に恐怖を与えながら、『情報戦』『心理戦』で日本の実効支配を弱め、最終的に尖閣を奪うつもりだろう。日米同盟に亀裂を入れるのも戦略の1つだ」
最近、一部識者から「日中両国で島の帰属や共同開発など、平和的に話し合ってはどうか」といった主張が出されている。
菅沼氏は「中国側が仕掛けた『情報戦』『心理戦』の一環だろう。日本固有の領土なのに、どうして中国と交渉のテーブルに着く必要があるのか。動じてはならない。毅然として『尖閣は絶対に守る』と言っていればいい」という。
佐藤氏も「中国の代弁者に聞こえる。2008年に中国人民解放軍の幹部と議論した際、まったく同じことを言っていた。中国の軍事的脅威より、こうした謀略工作が心配だ。民主的手段で尖閣が侵攻されたら、自衛隊にも米軍にも手出しができない」と語る。
中国の卑劣な陰謀に屈してはならない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。