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中国、韓国、ロシアの狡猾な領有権拡張戦略  中国共産党がある限り日中関係は変わらない  「尖閣」で身構える韓国
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投稿者 MR 日時 2012 年 9 月 19 日 01:04:05: cT5Wxjlo3Xe3.
 


JBpress>日本再生>国防 [国防]
中国、韓国、ロシアの狡猾な領有権拡張戦略
日本の防衛力軽視が招いた現実を直視せよ
2012年09月19日(Wed) 森 清勇
 「日本海」を東海とすべきだというのが韓国の言い分である。同様に、「竹島」を独島と呼称し、日本が国家として機能停止状況にあった隙に、勝手に李承晩ラインを引き不法に占拠してきた。

 中国は国連機関が海底資源調査をしたときから尖閣諸島の領有権を主張しはじめ、最近では「核心的利益」と称して、領海侵犯など威嚇にも似たあの手この手の言動を繰り返している。

 ロシアは大統領や閣僚が北方領土を訪問し、返還するとしてきた歯舞群島の島々にまでロシア語名をつける調査を開始した。

韓国の「日本海」改称運動


韓国に違法占拠されている日本海に浮かぶ竹島〔AFPBB News〕

 「日本海」は国際的に確立した名称である。しかし、韓国は1992年に国連加盟して以来、日本海に「東海」の併記を訴えてきた。

 最新では2012年4月23日からモナコで開かれていた国際水路機関(IHO)総会で、海図集の改定にあわせて「日本海」に「東海」を併記するように全力を挙げた。議論はまとまらず、次期総会(2017年)に持ち越しとなった。

 日本海は日本の西方沿岸全域に接している。韓国の東方に位置するが、接しているのはほんの一部で、大部分は北朝鮮やロシアの東南方に位置しており、「東海」が普遍的呼称たりえないことは一目瞭然である。

 むしろ韓国の西方沿岸に全面的に接する黄海こそが「西海」にふさわしいのではないだろうか。しかし、こちらの改名については一切主張しないのは、相手が中国であり、華夷秩序を払拭できない韓国の事大主義によるものだろうか。とにもかくにも「東海」は言いがかり以外の何ものでもない。

 韓国は韓国系米国人が多く在住する米国のバージニア州などで教科書に「東海」と併記することなどを求めてきた。今年1月のバージニア州議会では8対7の1票差で併記が否決されるという際どいものであった。

 従軍慰安婦問題の前例があるように、そのうちに、韓国系米国人の増加とロビー活動の活発化で、韓国の主張が大きな声となって米国議会を動かさないとも限らない。

 従軍慰安婦問題が米国の地方議会の決議に発して、最終的には合衆国下院で「従軍慰安婦問題の対日謝罪要求決議」(2007年6月26日、下院外交委員会で賛成39票対反対2票、最終的には同7月30日下院本会議にて採択)が採択されてしまった。

 2010年には韓国系米国人が52%を占める東部のニュージャージー州パラセイズパーク市で、「日本の植民地時代に20万人を超える女性、少女が慰安婦として日本軍に連れ去られた。これは人権侵害だ」と綴った慰安婦碑が建立された。

 2012年にはニューヨーク州ウェストバリー市のアイゼンハワーパーク公園にも建てられた。今後もニューヨーク市などに計画され、増える見込みだという。

 パラセイズパーク市には駐ニューヨーク日本総領事や自民党国会議員団が市長を訪問して撤去を要請したが、実現していない。いったん決議された場合の撤去はなかなか難しい。

 地方参政権付与問題が繰り返し提議されるが、日本には朝鮮系や中国系住民がかなり所在する地域もある。

 そうした人たちが地方議会とはいえ議席を得て政治力を行使できるようになれば、米国どころか日本においてさえ「東海」や「慰安婦像」は言うに及ばず、「竹島」はもちろん、「対馬」の領有権さえ主張しかねない。杞憂が現実となる前に、能動的に日本が動くことが求められている。

「辺疆」意識の強い中国

 五星紅旗と呼ばれる中国の国旗は、大きな星が漢民族本土を示し、小さな4つの星が併呑した満州、モンゴル、ウイグル、チベットを示しているとも言われる。

 本来の国境は言うまでもなく漢民族が住む領域であろうが、その縁辺の国々を力でねじ伏せ、自国に組み込むのが古来の中国流国境である。

 こうした観点から、中国には固定的な国境よりも、力で屈服させいくらでも拡大できる「辺疆(へんきょう)」意識が強いと言われる。領有をめぐって周辺諸国と係争している南シナ海の南沙、中沙、西沙は新しく設けた「三沙市」に組み込み自国領を主張している。

 東シナ海の尖閣諸島もこの延長線上にある。中国外務省から流出したとされる資料では沖縄県は言うに及ばず愛知以西の西日本全体が「東海省」、東日本は「日本自治区」、日本海は「東北海」とされている。

 何かと言えば事大主義を取る朝鮮半島は文句なしの「朝鮮省」で、その前に黄海で韓国と争っている蘇岩礁(韓国名離於島〈イオド〉)を辺疆に組み込む動きが活発化しよう。

 かつて中国が帝国主義の西洋列強によって虫食い状態にされた時、敢然と立ち上がったのが日本であった。米国は「門戸開放」を掲げて、いかにも西欧列強から中国を守るかのように振る舞ったが、それは米国の付け入る隙を見つける含意でもあった。

 近隣国家であるために大きな影響を受ける日本は、自国の存亡のためとはいえ中国の国家崩壊を危惧し、保全を熱望した。

 黄文雄の『大東亜戦争肯定論』は、「日本が日露戦争に勝利したことで、ロシアの南下、つまり清国への侵略が阻止されたのである。もし日本が負けていたら、日本というアジアの抵抗勢力がいなくなった以上、まず満洲、朝鮮はロシアの計画通りにその版図に組み入れられた。そして清国でも、ロシアの南下はものすごい勢いで行われ、西欧列強による国土分割に拍車がかけられたことだろう」と述べている。

 その中国が、17年前には「30年もすれば日本という国は存在しない」と豪語し、数年前には太平洋覇権の米中二分を提案した。今は核恫喝もちらつかせながら「核心的利益」を掲げて、宣伝と威嚇と捏造の歴史で、1世紀遅れの現代版中国流帝国主義を再現している。

 日露戦争の勝利が有色人種に勇気を与えたように、尖閣諸島の国有化とその死守はチベットや東南アジア諸国に勇気を与えるに違いない。

 日本にとっては乾坤一擲の真剣勝負であり、中国が繰り出すであろう硬軟両様の戦術、俗に三戦と言われる「世論戦」「心理戦」「法律戦」に翻弄されることなく、国益の一点を見据えて柔軟かつ主導的に対処しなければならない。

アイヌ語が示す日本の領土

 幕末の馬関戦争に勝利した英国は、中国における「香港」と同じように山口県下関市の「彦島」を租借地にしようとした。

 藩主は「租借やむなし」という考えに傾いていたと言われるが、上海で外国に占拠された国の惨めな状況を見てきた高杉晋作が突っぱねて事なきを得たという話が伝わっている。

 江戸湾には米国人が名付けた岬や島が幾つもあった。

 日本を訪れた英国の旅行家は「私たちの船はリセプション湾(久里浜湾)、ペリー島(猿島)、ウェブスター島(夏島、埋め立てで現横須賀市夏島町)、サラトガ島(富津崎)、ミシシッピー湾(根岸湾)を通過した。トリーティ・ポイント(本牧岬)から・・・」(イザベラ・バード著『日本奥地紀行』)と書いている。

 米国の属国になっていたら今でもこうした名称であったに違いない。

 同書を解説した宮本常一の『イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を読む』には、小笠原諸島帰属の経緯にも触れている。

 小笠原貞頼が発見するまでは無人島(ぶにんとう)と呼ばれており、ペリーは航海日誌にブニンの訛った「ボナンisland」と書き、日本人が呼んでいた名前を踏襲した。

 これが効果を発揮して、明治になって、小笠原は日本の領土であると主張した時、米国も認めざるを得なかった。クナシリ、エトロフはアイヌ人がつけた島名で、領有権がいずれにあるかは言うまでもないとも記している。

 北海道勤務時代にアイヌ語名称に関心を持った。

 帯広はオベレベレケプ(川尻が分かれる川)で、その名を冠したオベリベリ温泉がある。ニペソツ山(シナノキ群生の意、アイヌは衣服の繊維に活用)や十勝川(トカプチ)など、道内の地名や山川など、ことごとくアイヌ語由来である。

 同様に、国後島は「クンネ・シリ」(黒い島)、択捉島は「エトウ・オロ・プ」(岬のある所)に由来するもので、ロシア語名も「クナシル」「イトウルップ」とアイヌ語表記を踏襲している。

 しかし、ロシアは日本領土であることが明瞭で、返還するとして足を踏み込んでいなかった歯舞群島を調査し、呼称のない島々にロシア語名をつける動きを示している(『産経新聞』24.9.9)。歯舞、色丹までも返還しないぞという意思表示でもあろうか。

 ここまでくれば、友好や協力などとは別次元の長期的国益に関わる問題として、ロシア(旧ソ連)による不法占領の経緯を国際社会に向かって執拗に知らせるよりほかにない。日本に足りないのは宣伝力と執拗さではないだろうか。

条約の適用範囲と領有権

 排他的経済水域(EEZ)の起点となる離島は、全国に99島ある。このうち49島には名称がなかったが、10島は2011年5月に命名された。残る39島の名称は所属地方自治体の要望を参考に、2012年3月2日に名称が公表された。

 尖閣諸島関係では久場島付近の3島と大正島1島が関係していた。命名された島は、地図や海図に逐次掲載される。中国政府は翌3日、尖閣諸島周辺を含む71島(細部不明)に命名する対抗措置に出た。

 米国務省報道官による8月28日の定例記者会見で中国人記者との間で、以下のような質疑応答が交わされたという。

 記者が「米国における尖閣諸島の公式名称は何ですか。『釣魚島』ですか、『尖閣諸島』ですか』と質問すると、ヌランド報道官は「われわれは『SENKAKUS』と呼んでいます」と答えた。

 中国が「釣魚島」と呼び領有権を主張する尖閣諸島について、米政府は公式呼称として「SENKAKUS」(「センカク」で、英語では諸島を意味する複数形)を採用していることを明らかにしたわけである。

 その状況をインターネットでさらに詳しく見ると、「そうです。何度も言うように、1960年に締結された日米安保条約の適用範囲です」と述べる報道官に対し、記者は「それは矛盾ではないですか。私にはそう思えます」と食い下がったという。

 報道官は「尖閣諸島は1972年に沖縄に返還されてから、日本政府の管理下にあります」と述べると、記者は「では別の聞き方をしましょう。その島は『日本の領土』ですか」と質問した。

 これに対し、報道官は「もう一度言います。特定の立場を取らないが、安保条約は適用されます」と答え、次の話題に転じている。

 「特定の立場は取らない」ということは、尖閣諸島の領有権を中国も主張しているので、領有権自体については明言しないという意味に解される。

 具体的に言えば、日本の領土であり、所有者が個人から国に代わったわけで、「尖閣=国家」の認識をもって、外交第一を意識しつつも、軍事力もしっかり整備して、いかなる犠牲を払っても保持する姿勢(具体的には「意志」と「能力」)を顕示しなければ、日米同盟さえ機能しないということである。

あとがき

 自分を捨ててでも相手の窮状を慮るという日本人の心優しい民族性が、亡国の危機にあった中国や朝鮮を救ってきた。

 例えば近代化を目指す両国への政府開発援助(ODA)など多額の有償・無償の供与などである。こうした支援にもかかわらず、両国は従軍慰安婦や南京大虐殺などと称する欺瞞の歴史を世界に発信し続け、日本を貶めてきた。

 これまでの日本は離島をはじめ国土の安全保障に対する確固とした戦略も展望も持っていなかった。相手を刺激するなどとして、最小限のバランスに必要な防衛力の整備さえ怠ってきた。

 戦力バランスの空白が、対日攻勢を一気に噴き出させた感さえある。今後は(極力使用しないとしても)軍事力をバックにした国益重視の外交への転換が強く求められている。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36121


 


中国共産党がある限り日中関係は変わらない
政権の基盤は「反日」と一体化したナショナリズム
2012年09月19日(Wed) 古森 義久
 中国の多数の都市で反日デモが荒れ狂っている。日本が尖閣諸島を国有化したことへの中国の国民一般の怒りなのだという。

 しかし共産党の一党独裁で結社の自由や集会の自由が厳しく規制される中国では国民一般からの自由な自然発生のデモというのはありえない。政府当局が黙認、あるいは扇動しない限り、多数の人間が集まること自体が許されないからである。

 だから中国での集会とかデモというのは、当局にとって水道の蛇口の操作に似ている。抗議の動きをどこまで許すかは、水道の蛇口から出す水の量を調節するのと同じなのだ。

中国における反米デモと反日デモの違い

 私自身が目撃した実例は1999年6月の北京での反米デモだった。このデモは米軍機を主力とする北大西洋条約機構(NATO)軍機が当時のユーゴスラビアの首都ベオグラードの中国大使館を爆撃し、内部にいた中国人3人が死亡、20人ほどが重軽傷を負った事件への中国側の抗議だった。米国側は当初から一貫して誤爆だと弁解していた。

 事件から数日もすると、北京の米国大使館前には連日、抗議のデモ隊が押しかけるようになった。当時、産経新聞中国総局長として現地に駐在していた私も連日、米国大使館前に出かけ、現状を眺めた。

 このデモは完全に当局に管理されていた。デモ行進をして、米国大使館構内に石まで投げ込む当事者たちはみな北京内外の大学の学生たちだったが、全員がバスで動員されていた。大学ごとに現場近くにバスで運ばれてきた男女学生たちは、バスを降りて、隊列を組み、大使館前へと行進していく。その間、道路から石を拾って、大使館にぶつけるのだが、大使館の前には中国人警官が並んで立っていて、普通のサイズの石を投げることは黙認するが、そのサイズが一定以上に大きくなると、すぐ停止させるという手のこんだ「デモ管理」だった。なにからなにまで中国当局がシナリオを描いた抗議デモだったのだ。

 今回の反日デモも、当局のそうした管理があることは明白である。ただし中国の国民一般の間では日本や日本人がそもそも大嫌いという向きが多いから、当局にとって「反日」の動きは放置するだけでも、盛り上がる。当局の管理はむしろ、どこで止めるか、である。反日が暴走して、「反中国共産党」「反中国政府」になってはならないのだ。

 だが、水道の水となる日本への負の感情は汲めどもつきないほど、中国社会には満ち満ちている。中国共産党の長年の反日教育がその素地を固めているのだ。

 中国当局とすれば、日本側に尖閣問題での譲歩をさせるため、そして中国側では反日の表明で愛国心と共産党政権支持を強くするため、大規模な反日デモの広がりも、効用があることになる。

植え付けられた「犠牲者意識からの日本への憎しみ」

 こうした中国での反日の構図を、米国の中国研究学者がナショナリズムの観点から分析した論文を発表しているのが面白かった。その観点を踏まえると、いまの反日の動きの全体像がさらに立体的に透けて見えてくる。確かにナショナリズムの要因はいまの中国での反日の流れの象徴的な現実の一端だと言える。

 この論文は「ニューヨーク・タイムズ」への先月の寄稿だった。筆者はオクラハマ大学の米中問題研究所所長のピーター・グリース教授である。

 グリース教授は少年時代を中国で過ごし、1999年にカリフォルニア大学で博士号を取得して、オハイオ大学、コロラド大学を経て2006年からオクラホマ大学に勤めている。まだ40歳前後の気鋭の中国研究学者である。寄稿論文は「なぜ中国は日本に、そして米国にも憤慨するのか」と題されていた。

 同論文によれば、今回の反日デモはナショナリズム的なイデオロギーが起源だという。いまのデモ参加者たちの日本への反感は真実であり、その原因は結局は中国当局による過去の「犠牲者意識からの日本への憎しみ」なのだという。

 中国共産党は自国民への特定の歴史教育により、特に日本への憎しみを育てることに努めてきたが、その基盤はナショナリズムをあおるプロパガンダだったというのである。

 一般にナショナリズムという言葉は日本語では国家主義、国粋主義、民族主義などと訳されるが、この中国の場合、漢民族の特殊の自己認識が基礎となるため、民族主義と訳すのが最適かもしれない。いずれにせよ、中国共産党は自国民に日本については日清戦争での屈辱的な敗北から日中戦争での後退、南京での事件など日本のネガティブな部分だけを教えて、道義的かつ憎悪の次元でのナショナリズムとしての日本への負の感情を植えつけるのだ、とも述べている。

 グリース氏のこの論文は、次のようにも述べていた。

 「中国の怒りのナショナリズムは第一に日本に向けられるが、米国もその対象となる。中国が台湾と日本との間でいずれも問題を抱えているのは、米国が台湾と日本とを支持している事実が大きい。朝鮮戦争の際、米国が第7艦隊を台湾海峡に送りこまなかったら、中国は台湾をとっくに併合できただろう。日本が尖閣問題などで中国に逆らうのも、米国が日本と同盟を結んでいることの原因が大きいというのだ」

 「中国共産党にとって永遠の統治の正当性は自国のナショナリズムを促進してきたことにある。ナショナリズムに徹した政治集団が国全体を統治していくべきだという認識である。このナショナリズム認識は次期の政治指導層を選ぶ会議の最中には特に重要となる」

 つまりは中国共産党はこのナショナリズムと一体になった反日こそを自分たちの統治の正当性の根拠に使っている、という指摘なのだ。

反日感情はボトムアップの形でも盛り上がっている

 実は私はまさにその点についてグリース氏に4年ほど前に個別にインタビューして、見解を尋ねていた。2008年7月、日中関係が短期間とはいえ、一種の凪のような小康状態にある時期だった。

 そのときのグリース氏の見解を一問一答の形で紹介しよう。そこからはいまの中国の反日デモの思わぬ真実までが浮かびあがってくるようにも思える。

――中国のナショナリズムをどう特徴づけるか。

 「ナショナリズムとは一般に国民が自国に対して抱く帰属と支持の意識を指すが、中国の場合は非常に特殊で、民族文化、とくに漢民族の血が基盤となる。文化面では中国の古い文明への誇りが主であり、近年はそこに歴史上の屈辱という要素からの被害者意識が加えられた。その被害者意識からの怒りが日本にぶつけられるのだと言える」

――そのナショナリズムは中国の日本への態度にどう影響しているのか。

 「中国の対日政策形成では、不運なことにナショナリズムが主要因の1つとなってしまった。これは日中両国にとっても、北東アジアの平和や安定にとっても好ましくない。1990年代までは、中国では日本に対する歴史認識でも『中国共産党の指導で日本の帝国主義者を打破した』という態度で、中国側の勝利やヒロイズムの強調が主だった。ところが95年ごろから愛国主義教育の開始の下、中国側の歴史教科書の書き換え、第2次大戦の新しい解釈、南京虐殺の新議論などにより、対日認識も変わってきた。日本は中国文化の長年の受益者なのに恩義を忘れ、日清戦争で中国を破り、その後も侵略を続けたという歴史解釈が広められた。日本側の残虐性や不公正が宣伝され、一般中国人の怒りをあおり、現代の中国側の反日感情の基盤となっていった。この感情は永続性が強い。こうした点では中国側の対日感情は他の外国に対する感情とは非常に異なるのだ」

──中国当局が自国民の反日感情を強め、それを対日政策での道具にもするということか。

 「中国当局は確かに国民の反日感情を日本との外交やビジネスに利用することも多い。歴史カードにもよく使う。だが反日感情は上からだけでなく、国民一般という意味の下からボトムアップの形で盛り上がった部分もある。南京虐殺の記念館建設は地元住民の要求が多かったともいう。だから国民の反日感情が政府に本来、望んだよりも強硬 な対日姿勢をとらせることもある。2005年春の反日デモの際もそうだった」

──中国共産党の統治の正当性を示すために自国民に日本への厳しい態度を保たせるという指摘もあるが。

 「わが党こそが日本の軍国主義勢力を倒し中国を解放したが、日本はまた軍国主義を復活させる恐れがあり、わが党の統治が続かねばならないという『正当性』 と言えるかもしれない。ただ反日感情には党の思惑どおりにならない部分もある。小泉政権時代、中国当局が小泉純一郎首相へのひどい非難を広め、国民一般がそれでさらにひどい小泉観を抱き、今度はその一般の激しい悪感情のため指導者が小泉首相と会談したくてもできなくなってしまったのはその実例だ」

──日中関係のいまの状況をどう見るか

 「表面では確かに改善されたように見える。しかし、基本はあまり変わっていないと思う。過去数年に起きた民間レベルのちょっとした衝突がまた起きれば、中国側で反日デモが起きても不思議ではない」

 上記の「日中関係のいまの状況」とは2008年7月の時点での状況を指す。その4年後の現在、中国で反日デモが盛り上がっているのだ。この点でのグリース氏の予測はぴたりと当たったことになる。そしていまの中国での反日はナショナリズムの発露として中国共産党政権の存続に必要な活力剤となっているということだろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36130

 

http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120918/236921/?ST=print漁夫の利か「とばっちり」か――「尖閣」で身構える韓国

通貨では「中国カード」切る

2012年9月19日(水)  鈴置 高史

 「尖閣」と直接は関係ないはずの韓国が身構える。日中対立の間を上手に立ちまわれば漁夫の利を得られる。しかし下手すると「とばっちり」を食う――。韓国は首をすくめながら洞が峠を決め込んでいる。

日中対立は韓国の得

 中央日報の金永煕・国際問題大記者のコラム「韓日葛藤、MB(李明博)と野田が問題だ」(9月14日付)の書き出しが実に興味深い(注)。

 「韓日関係を滅茶苦茶にした李明博大統領のオーバーアクションがなかったら、今ごろ我々は釣魚台(尖閣)で中国と日本が繰り広げる崖っぷちの対決を、余裕を持って見守りながら我々が得られる漁夫の利を計算することができていたろう……」

 「韓国が得られる漁夫の利」とは何か。この記事は具体的に書いていない。韓国人に聞くとその多くが「対立が激化すれば、中国が日本商品を締め出すのは確実。その分、韓国の製品が売れる」と説明する。

 外交的な「利」も期待されている。「韓国に対する中国の風当たりが弱まるはずだ」。中国が日本を悪者に見なすほど韓国は相対的にいい子になれる、と韓国人は信じがちだ(「日韓関係はこれからどんどん悪くなる」参照)。

 同時に「中国と対立する日本からも、もっと大事にされるようになり韓国の外交的地位が向上する」とのそろばんも韓国人ははじく。

「日王への謝罪要求」で足元に火のついた韓国

 もっとも、この記事の主眼は「本来、韓国は漁夫の利を得られたはずなのに、独島(竹島)訪問や日王(天皇)への謝罪要求により自分の足元に火を付けてしまった」と李明博大統領を批判することにあった。

 「足元に火」とは日本が竹島問題を巡り国際司法裁判所に提訴を決めたこと、日韓通貨スワップの一部打ち切りを検討すると表明したこと――の2点だ。

(注)一部の韓国紙には「大記者」という肩書のシニア記者が存在する。

 金永煕・大記者は、前者に関しては日本の外務省の人員、予算が韓国のそれぞれの2.5倍、4.5倍あることを指摘し「韓国には名分と正当性がある」ものの「兵力と戦費を考えると韓日間の全面的外交戦争は苦しい」と率直に明かした。

 後者に関しては、1997年の通貨危機も当時の金泳三大統領の日本侮蔑発言がきっかけとなったとの見方を示し「危機の再現」に懸念を表明した。

 実際、韓国の金融界は、10月30日に期限の来る570億ドル相当のスワップを日本が打ち切らないか、相当な危機感を抱いている。

聯合ニュースの奇妙な特種

 9月16日、聯合ニュースが奇妙な特種を配信した。朴宰完・企画財政相へのインタビュー記事で、見出しは「ウォンを国際通貨に……韓中貿易決済を手始めに」。関連記事として一問一答までついている。

 骨子は(1)中韓通貨スワップ協定の資金を貿易決済に活用すべく中国と協議を開始した (2)(通貨スワップを発動し)韓国からモノを輸入する中国企業に対し決済用のウォンを貸し出す一方、韓国企業には人民元を貸す (3)これによりウォンと人民元建ての取引が増えて取引コストが抑えられるうえ、ウォンの国際化への道が開ける (4)日韓スワップの資金も同様に活用したい――だ。

 奥歯にモノの挟まったような記事なのだが、ここからうかがえる韓国政府の本音は、中韓で結んでいる560億ドル相当(3600億人民元、64兆ウォン)のスワップを発動して外貨不足に備えたい、ということと思われる。

 しかし、素直にそう書けば「韓国はまた、外貨不足に陥っているのか」と市場に疑われかねない。そこで「ウォンの国際化」を名分に掲げたのだろう。もっとも、その“言い訳”も少々苦しい。世界の金融が揺れ動く今、韓国が「ウォンの国際化」に突然に乗り出すのも変だからだ。

 そもそも自国通貨を国際化したいなら、あるいは対中貿易でのドル決済をやめて通貨の交換コストを下げたいのなら、まず人民元とウォンを直接交換する仕組みを作るのが自然だ。日本と中国はそれを始めている(「円も人民元に吸い込まれる」参照)。

「スワップを打ち切ったら中国に寄るぞ」

 さらに深読みすれば、この記事は純粋な報道と言うよりも「中国とのスワップを発動するぞ。嫌ならスワップ打ち切りはやめろ」という日本向け脅迫なのかもしれない。

 韓国の金融当局は「『中国との緊密性を日本よりも高めるぞ』と脅せば、日本の金融当局は韓国の言うことを必ず聞く」という“信念”を持っている。韓国紙には「2008年の通貨危機の際も『中国カード』を切ることで日本にスワップ額を増やさせた」といった金融当局者の手柄話が載ったりする。

 一方、日本では「韓国との通貨スワップにより韓国のウォン安・円高政策を手助けした」との認識が広まっている。与党に復帰する可能性の高い自民党には「ウォン安・円高を通じ日本企業を苦しめた日韓スワップこそは、民主党政権の大失態」と主張する議員が増えている(「日韓スワップ打ち切りで韓国に報復できるか」参照)。

 そうした状況下で韓国政府が「10月30日にスワップを打ち切られないために、中国に寄って見せることで日本を揺さぶろう」と考えた可能性が高い。

 実は、聯合ニュースが朴宰完・企画財政相にインタビューしたのは9月11日。通信社なのにそれを5日遅れで報じたわけだ。反日デモが中国各地で盛り上がったのを見て「今なら『中国カード』が効く」と韓国は計算したのかもしれない。

竹島周辺での物理的な衝突を懸念

 通貨・金融で日中対立の「漁夫の利」を狙う韓国だが、軍事的には「“尖閣のとばっちり”を独島(竹島)で受けかねない」との危機感も生まれている。

 左派系紙、ハンギョレ新聞は9月15日付で「中・日の領土を巡る葛藤は人ごとではない」という社説を載せた。最大手紙で保守系の朝鮮日報も同日付で「『独島への挑発』を受ければ落ち着いて対応すると韓国政府は言うものの……」という見出しの記事を載せた。

 いずれの記事も、中国が尖閣諸島に政府船を派遣して領海を侵犯したのに触発され、日本が竹島で同じことを実行したら日韓間で物理的な衝突が起きかねない、という問題意識から書かれている。

 前者の記事は「隣の強国間の葛藤は我が国にとっても決して望ましいことではない。それだけに我々も和解の雰囲気を醸成するためにできる限りの努力を払わなければいけない」と建前論で締めくくっている。

 後者は「日本が海上保安庁の船舶を(竹島周辺に送って)挑発した際には韓国政府は『断固とした、冷静な対応』で臨む方針」としつつも「日本の挑発が続き韓国国民の反日感情が噴出した場合、事態が予想できない方向に進む可能性がある」と、日本に肩をそびやかして見せた。

 日韓の物理的衝突は「ありえないこと」ではない。2006年7月、竹島周辺海域での測量を巡り、韓国・海洋警察の警備艇と日本の海上保安庁の巡視船が対峙した。当時、官房長官だった安倍晋三元首相が2010年の講演で明かした。安倍元首相によると、韓国側には射撃許可が出ていたという。

 この時はそれを知った「日本側が引く」ことで収拾した。しかし、日本人の反韓感情と領土意識が高まった今、日本も「予想ができない方向」に進むかもしれない。

「尖閣」が韓国の洞が峠に

 韓国は少しずつだが米国から離れ、中国に従い始めた。「中国の台頭・米国の衰退」との認識に加え、中国の宗属国だった歴史的経緯と意識からだ(「中国ににじり寄る韓国」参照)。

 今や、韓国は米国が望んだ日韓軍事協定も拒否したうえ、中国に対し同じ協定を結んで欲しいと申し出るに至った(「中国に『日本と軍事協定を結ぶな』と脅される韓国」参照)。

 ただ「離米従中」と、その一局面でもある「反日親中」という外交上の傾斜にもかかわらず、韓国は「竹島」で中国を頼りにする動きには出ていない。また、「尖閣」で中国を支持する姿勢はまだ打ち出していない。

 外交に詳しい韓国の知識人に聞くと、こう答える人が多い。「国力、ことに海軍力ではいまだ、米国や日本が中国を上回っているからだ」。

 逆に言えば、中国の海軍力が日本を超え、米国がこの地域から関心を失えば中国側につく、ということだろう。あるいは日本が「尖閣」で外交的に中国に屈すれば、「竹島」で韓国は強気に転じるかもしれない。いずれにせよ「尖閣」の行方は、韓国の旗色を鮮明にするきっかけとなる可能性が大きい。

・このコラムは隔週木曜日掲載ですが、今回は繰り上げて載せました。

・著者の鈴置高史氏のシュミレーション小説『朝鮮半島201Z』には、中国が尖閣だけでなく沖縄も中国の領土だと主張することを受け、韓国の大統領が「沖縄」と言い、あわてて中国の呼び方である「琉球」と言い直す場面が出てきます。

鈴置 高史(すずおき・たかぶみ)

 日本経済新聞社編集委員。
 1954年、愛知県生まれ。早稲田大学政経学部卒。
 77年、日本経済新聞社に入社、産業部に配属。大阪経済部、東大阪分室を経てソウル特派員(87〜92年)、香港特派員(99〜03年と06〜08年)。04年から05年まで経済解説部長。
 95〜96年にハーバード大学日米関係プログラム研究員、06年にイースト・ウエスト・センター(ハワイ)ジェファーソン・プログラム・フェロー。
 論文・著書は「From Flying Geese to Round Robin: The Emergence of Powerful Asian Companies and the Collapse of Japan’s Keiretsu (Harvard University, 1996) 」、「韓国経済何が問題か」(韓国生産性本部、92年、韓国語)、小説「朝鮮半島201Z年」(日本経済新聞出版社、2010年)。
 「中国の工場現場を歩き中国経済のぼっ興を描いた」として02年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。


早読み 深読み 朝鮮半島

朝鮮半島情勢を軸に、アジアのこれからを読み解いていくコラム。著者は日本経済新聞の編集委員。朝鮮半島の将来を予測したシナリオ的小説『朝鮮半島201Z年』を刊行している。その中で登場人物に「しかし今、韓国研究は面白いでしょう。中国が軸となってモノゴトが動くようになったので、皆、中国をカバーしたがる。だけど、日本の風上にある韓国を観察することで“中国台風”の進路や強さ、被害をいち早く予想できる」と語らせている。  

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コメント
 
01. 2012年9月19日 03:11:31 : 7uPtGleutM
この人は在日なんだろうね。シナ人や在日は間違えて釣魚台とかくんだ。この文章は日本人ではない。

ユダヤ世界征服奴隷化のアジェンダがアジアでもメーそんやイルミナテイによって始まったが、アジア地区はシナが征服するということだからシナは日本を絶滅占領するきかもしれんね。京都あたりに水爆を落とせば打ち合わせ済みの民主党が直ぐに降伏してシナ軍が占領して民俗浄化を行う手筈かもしれんね。日本版フェーマだろうね。日本が滅べば他のアジアの国は直ぐにシナの属国になるだろうしね。半島は1000年奴隷に逆もどりだ。700万の人口が日本合邦によって2500万になったのと反対に再び700万の半島に戻されるだろう。

シナじんはnwoで生延びられると思ってるところが凄い。黄色人種は奴らは人間とはみてないぞ。日本がなくなれば白人に逆らうものはいなくなる。


02. 2012年9月19日 09:20:55 : cqRnZH2CUM

まあ、最近の一連の事件で、平和ぼけした国民も、少しは、周りにどんなやつらが住んでいるかが、わかって良かっただろう

後は行き過ぎ、過剰反応が問題だな


03. 2012年9月19日 12:32:29 : L0wrLWyduw
日中両国民の誰も戦争など望むものではない?

平和ボケの日本が何時までも軟弱な甘い幻想を抱き続ければ相手に容易に侵略され

る事は自明の理である。

中国も国内事情からも直ちに戦火を交えるつもりは無いと思うが、尖閣問題を

今後も棚上げし、誰も上陸できない無人島としてたなざらしにすれば、いづれ

両国のパワーバランスが崩れた暁には中国はなりふり構わず一気に日本を占領して

しまうであろう。

時間のある間に日本独自で強力な軍事大国になる必要がある。

充分な抑止効果をはっきりと相手国に知らしめるためにも早急な「防衛力強化」が

望まれる。

65歳以上が3000万人以上もいる老人国では、人海戦術は取れない、全てを

日本が誇るロボット兵器である、無人の兵器を開発すべきである。

それが日本の生きる道ではなかろうか?


04. 2012年9月29日 11:37:42 : KGdU4deO5Y
>中国、韓国、ロシアの狡猾な領有権拡張戦略  

向うからも同じ目で見られてることをお忘れなく。 

<日本の狡猾な領有権拡張戦略> 

しかも、客観的に見て、日本の言い分には根拠が弱いということも。


>中国共産党がある限り日中関係は変わらない 

ではロシアで共産党は殆ど無くなったと言って良いけど、「領土問題」が変わったのか?
問題は、アメリカの対日支配が続く限り、「領土問題」も隣国関係も歪んだままだ、ということ!
それにしても、愚かな限りだ。 古森なんぞの下らん言を引用するとは。 


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