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駐リビア米国大使ら殺害、中東全域に緊張高まる
2012年 9月 13日 9:15 JST
リビア東部のベンガジにある米領事館が11日、暴徒化した群衆の襲撃を受け、クリストファー・スティーブンス駐リビア米国大使と3人の米国人外交官が死亡した。リビアの治安上の危機で、中東地域全体で緊張が高まっている。
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Associated Press
クリストファー・スティーブンス駐リビア米大使
リビア当局は徹夜で襲撃犯の特定に努力している。 暴動は、反イスラム的な映像に怒ったとみられる暴徒が武装して米領事館を襲ったもので、この反イスラム映像はイスラエル系米国人の開発業者と自称する人物が制作したと名乗り出ている。
オバマ米大統領はワシントンで声明を出し、「最も強い言葉で」この襲撃を非難すると述べ、リビア政府と協力して犯人を処罰すると語った。ただし詳細は明らかにしなかった。
米政府当局者は、ベンガジでの攻撃は、武装勢力が事前に計画し、反イスラム映像への抗議行動発生に乗じたものかもしれないと述べたが、その真偽の判断は時期尚早だと語った。
ある米当局者は「それが事実だと断定するつもりはない」と述べ、「事前に計画された攻撃」というのは「1つの説」に過ぎないと語った。
米連邦捜査局(FBI)は、事件の捜査を開始したと述べた。米国の情報機関は、どのような集団が攻撃に参加したのかを知る一助になる可能性があるとして、これまでの脅しの情報を精査している。当局者によれば、米情報機関は特に親アルカイダグループのアンサル・アッシャリアに注目しているが、確たる証拠はないという。
米当局者たちは、攻撃に先立ち、 ベンガジ領事館ないしスティーブンズ大使に対する具体的な脅迫があったかどうか知らないと述べた。米大使殺害は、アフガニスタン駐在大使がカブールで殺された1979年以降初めて。
ベンガジの米領事館付近の住民によれば、11日夜発生した暴徒による攻撃が直ちに制御不可能になったという。
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Esam Al-Fetori/Reuters
A government brigade evacuated the consulate, after which militants set it on fire, a deputy interior minister for the Benghazi region told the al-Jazeera network.
米領事館と同じ地区に住むリビア人医師によると、約200人程度の武装した男たちがこの地区を通り米領事館に向かって行進していった際、地区の住民がこの男たちを退去させようとした。この医師は「われわれの住居に手を出すなと彼らに言うと、彼らは『米国人は異教徒であり、彼らの息の根を止めるつもりだ』と述べた。その後、撃ち合いが始まったので、われわれは逃げた」と語った。
幾人かの住民や米当局者によれば、リビア人警備員たちは、侵入してきた暴徒に歯が立たなかった。通りから逃げた地元住民によれば、激しい銃声の音が聞こえ、ロケット弾が飛び交う音も聞こえたという。多くの住人が約2時間ほどした後に再びこの通りに戻ったところ、米領事館の建物から火と煙が上がり、付近を覆っていたという。
この時点で撃ち合いが収まったため、住民やリビア人警備員が破壊された領事館の敷地に入り、救出しようとした。リビア人や米当局者によれば、意識不明のスティーブンズ大使をリビア人たちが領事館から運び出し、ベンガジ中央病院に搬送したという。
同病院の医師によると、病院スタッフが同大使の蘇生を試みようとしたが、到着した直後に死亡した。AP通信が報じたところでは、同大使を治療したリビア人医師は、同大使の死因は窒息死で、蘇生を90分間試みたが効果がなかったと語った。
過激派グループのアンサル・アッシャリアのメンバーは12日早朝、この病院で地元のベンガジ・テレビ局とのインタビューに応じ、米領事館を攻撃した男たちを称賛し、彼らは「リビア社会の最上層にある」と語った。しかし、米領事館攻撃の計画はしていないと述べた。アンサル・アッシャリアは宗教色の強い武装集団で、反カダフィ大佐の戦闘にも参加していた。
米外交官殺害のニュースは、米国時間で12日早朝に伝えられた。クリントン国務長官は、攻撃はあらゆる信仰者の良心に衝撃を与えると述べたが、事件を受けて米国の対リビア政策を変更することはないと語った。同長官は「リビアでのミッションは高貴であり、必要であり、これを継続する」と述べた。また、米国は世界中の米外交公館について安全対策を強化すると発表した。
米当局者は、外交官4人の死去の状況ないし、ベンガジに異常に多くの外交官が駐在していた理由について直ちにコメントしなかった。4人の外交官の遺体が引き取られたかどうかも不明。スティーブンズ大使は通常、首都トリポリに駐在しているが、リビア当局者によれば、同大使は暴動が発生した11日、米文化センター開設を控えてベンガジに滞在していたもようだという。
米当局者は、米海兵隊の安全保障チームである艦隊付テロ対策部隊(FAST)がリビアに向かっており、大使館の警備を補完することになるだろうと述べた。FASTは通常50〜200人の海兵隊員で構成されており、米国その他世界各地の拠点に配備されている。リビアに向かったFASTがどこから派遣されたかは不明。
リビア政府当局者は、米外交官殺害を非難した。同政府当局者の多くはベンガジに本拠を置く反カダフィ勢力を指揮した経験があり、当時スティーブンズ氏と協力していた。リビア国民議会のマガリエフ議長は事件について米国民に謝罪すると述べた。アブシャグール副首相は、米外交官殺害は「米国、リビア、そして自由世界に対する攻撃だ」と非難した。
12日正午までのところ、この暴動や米外交官殺害で逮捕者は出ていない。
リビアの新政権は、カダフィ体制打倒後も武装し続けて無法状態になっている無数の暴力集団や元反政府勢力を支配下に置こうと努めてきた。新たな治安当局者は、元反政府勢力を解散させて新たな国軍、防衛部隊、国境警備隊に編入する計画を立てているが、その履行は成功と失敗が相半ばしている。
11日夜の米領事館攻撃の目撃者によると、暴徒が到着した際、新国軍の制服を着た一握りのリビア人兵士が米領事館の外で警備していたが、すぐに圧倒されてしまったという。
この目撃者は、リビア人兵士たちは領事館と同じ通りで結婚式に参加しているリビア人市民を退去させようとしていたが、その際、武装戦闘分子が発砲し始めた。彼は「安全なところに避難しようとする人々が大勢いた」と述べた。この目撃者はベンガジの住民で、戦闘分子の報復を恐れて匿名を求めた。
11日にはベンガジの事件より先に、エジプトでもカイロの米大使館前で、ネット上に流された反イスラム映像に抗議するイスラム原理主義者たちのデモが実施された。この映像は、米国で制作されたもので、イスラム教の預言者ムハンマドを冒涜(ぼうとく)した内容だという。
英語音声
記者: Margaret Coker、Adam Entous、Julian Barnes
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