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(回答先: 投稿者 ダイナモ 日時 2013 年 10 月 02 日 22:58:08)
9月22日(日)は、「差別撤廃・東京大行進」に出た。2000人以上の人が集まり、デモをした。2時間以上、歩いた。そして、9月25日(水)は、「のりこえねっと」のキックオフ記者会見に出た。これは正式には、「ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク」という。上野千鶴子さん、辛淑玉さん、宇都宮健児さん、河野義行さん、北原みのりさん、中沢けいさんなど、21人が「共同代表」になって、この日は11人が出席した。僕も共同代表に入っている。辛さんが司会だ。「鈴木さんが入ってくれたおかげで、グンと幅が広がりました」と言われた。「右の幅」を一人で広げたようだ。
また、この日出席できなかったが、雁屋哲さん(漫画原作者)、田中優子さん、知花昌一さん、それに元首相の村山富市さんも共同代表になっている。次の日の「東京新聞」には大きく報道されていた。
「売られたケンカ買います」
在日・辛さん立ち上がる。反ヘイトスピーチ団体結成
この見出しも凄い。積極的に、闘いに打って出ると当日も辛さんは言っていた。ヘイトスピーチ反対の集会や勉強会だけでなく、彼らの実態調査をし、発表する。又、独自に制作した番組をネットで配信する。デモなどの差別行動の中心人物らの告訴も辞さないという。「レイシストよ、私と闘え!」というのだ。これは心強い。一人ひとり、名指しで挙げて、テレビやネットで闘ったらいい。「辛さんと上野さんじゃ、最強タッグだよ」と新聞記者も囁いていた。
「反ヘイトスピーチの先発団体とは連帯していくんですか?」と記者からの質問が出た。ヘイトスピーチのデモの時は、反対する人々が沿道から抗議している。プラカード隊、しばき隊などがいる。又、「東京大行進」のようなデモもあり、さらに有田芳生さんたち国会議員が中心になって、議員会館で何度か集会をしている。有田さんや鈴木寛さんなどは国会で質問し、安倍首相から「そのようなデモは遺憾だ」という言葉を引き出している。いろんな形で、いろんな方面から、ヘイトスピーチに反対する声や運動が出てきた。いいことだ。それらを無理にまとめる必要もない。各方面から、どんどんやったらいい。辛さんも、「いろいろ声はかけていきます。これからの課題です」と答えていた。
9月28日(土)、午後4時から、ニューオーサカホテルで行われたシンポジウムに出たので、僕は、そのような状況を報告した。東京・大阪をはじめ全国で、差別デモが行われ、「朝鮮人は死ね!」「韓国人は首吊れ!」などと叫んでいる。いくらなんでも、こんなものはすぐに終わるだろうと思われていた。ところが終わらない。それどころか、これに煽られるように、政治も、マスコミも、強硬・排外主義的なことを言っている。それに対し、やっと今、「反対」の声をあげる人たちが出てきました。と報告したのだ。そして、どうしたら差別をなくせるか。国家的・民族的な対立・憎悪をどうしたら乗り越えられるか。などについて話し合った。
「コリア国際学園」後援会設立総会が行われ、その第一部の記念シンポジウムに出たのだ。テーマは「東アジア時代の次世代教育」。そこで今、問題になっているヘイトスピーチ、民族差別の問題を話し合った。さらに、「コリア国際学園」の現状、そして学園への期待を話したのだ。
4時から6時近くまでシンポジウムは行われた。パネリストは3人。寺脇研さん(京都造形芸術大学教授)と朴一さん(大阪市立大学教授)と僕だ。寺脇さんとは最近よく会う。実は、寺脇さんにすすめられて、コリア国際学園の後援会発起人になっている。映画『戦争と一人の女』を作り、問題提起している。右の人たちからは、かなり叩かれている。今、韓国で上映している。と報告していた。
もう一人のパネリストの朴一さんは初めてかと思って挨拶したら、「よく会ってますよ。『たかじん』でも一緒に出ましたよ」と言われた。このシンポジウムのコーディネーターは姜誠さん(ジャーナリスト)だ。「初めまして」と言ったら、「マガ9の集会でよく会ってますよ」と言われた。じゃ、こういうシンポジウムをマガ9学校でもやりましょうよ、と言った。
このシンポジウムのあとは、6時から懇親会。「人間国宝」の志村ふくみさん(染織家)が挨拶し、「シンポジウムがとてもよかった」と言ってた。「人間国宝」にほめられた。光栄だ。「普段、私たちが考えてない視点からの発言があって、とても勉強になりました」と。
又、作曲家の中村泰士さんも、シンポジウムはよかったと言っていた。
「去年もここで設立総会をやりましたよね」と寺脇さんに聞いたら、「去年は準備会でした」という。じゃ、後援会は今日、正式に発足したんだ。後援会発起人は次の10人だ。志村ふくみ、瀬戸内寂聴、徳山詳直、水谷幸正、上田正昭、平田オリザ、中村泰士、野中広務、澤地久枝、鈴木邦男。
去年6月の「準備会」の時は、瀬戸内さんも来ていた。その後、一度僕はコリア国際学園に行って高校生の前で話をした。実際、学校に行き、勉強や討論会の様子を見、生徒と話した。驚いた。よく勉強してるし、考えている。民族主義や民族排外主義についても生徒たちと真剣に話し合った。凄い生徒たちだと思った。大人だって、こんなに考えてる人はいない。いろんな人たちと一緒に学び、一緒に話し合い、討論するからなのか。「年をとれば、体験を積み、人間は賢くなる」と思っていたが、違った。年をとっても、頭が固く、心を開けない人は多い。反対に、こんなに若い中学生・高校生が自由に考え、心を開き、世界のことを考えてる。
そうだ、「コリア国際学園」のことを少し説明しよう。今年の春、6回生の入学式を迎えた。まだ若い学校だ。1〜3回生が今、大学生だ。世界の大学に羽ばたいている。
「建学の理念」は、〈境界をまたぐ「越境人」に〉だ。こう書かれている。
コリア国際学園は、在日コリアンをはじめとする多様な文化的背景を持つ生徒たちが、自らのアイデンティティについて自由に考え学ぶことができ、かつ確かな学力と豊かな個性を持った創造的人間として複数の国家・境界をまたぎ活躍できる、いわば「越境人」の育成を目指します。
そして、「教育理念」は、「多文化共生」「人権と平和」「自由と創造」だ。
9月28日の僕らのシンポジウムの前にも、「学園紹介」の映像が流れた。ここで学び、さらに海外の大学に留学、進学してる生徒。スポーツ、音楽などで活躍してる生徒。又、中学、高校でどんな勉強をしているか。そんな映像だ。「24時間サッカー」やチャリティオークション、他の学校と共催での「多文化共生」をめぐる討論会などだ。世界に出、世界を相手にして、しっかりと考え、発言している。
その中で、一番驚いたのは、「3言語スピーチ大会」だった。関西学院千里国際中等部・高等部と共同主催でやった。スピーチの主題は、中等部は「幼いころの思い出」。高等部は「共同体」。主題に沿って、中等部生徒は2言語、高等部生徒は3言語で実力を競う。コリア国際学園中等部の2人は、日本生まれで日本語が最も自然であるにもかかわらず、あえて英語とコリア語によるスピーチに挑戦した。高等部の生徒は英語、コリア語、日本語でスピーチする。1人が、初めは日本語、次に英語、コリア語…と話すのだ。よく出来るもんだと驚いた。
「その言語によって喋り方や気分も変わるんですよ」と隣で学園の人が解説してくれた。凄い。その国の言葉を喋ることによって、その国のことをより理解できる。そんなこともあるのだろう。こんな挑戦をしている学校は他にどこにもない。又、1人が三つの言語で演説するなんて、他にない。大学の先生だって出来ない。「グローバル化だ」と偉そうにテレビで喋ってる評論家だって、出来ない。凄い生徒たちが育っていると思った。
オリンピックを日本に招致するプレゼンテーションでは、英語やフランス語もちょっと混ぜてスピーチしていた。しかし、あんな「子供だまし」のものではない。この高校生たちの「3言語スピーチ大会」は。彼らの方がずっと大人だし、越境人だ。「マガ9学校」でもやってみたらいい。僕も挑戦しようかな。僕は大学ではドイツ語をやったし、中国・北朝鮮には何度も行ってる。だから、「ドイツ語・中国語・コリア語」の3言語で演説する。と思ったけど、とても無理だよね。
高校生にはかなわない。ともかく凄い学校ですよ。コリア国際学園は。次の3言語スピーチ大会の時はぜひ見学に行きたい、とお願いした。
「国民的・民族的な対立・憎悪をどうしたら乗り越えられるか」まじめに討論した
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