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(回答先: テスト 投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 3 月 23 日 12:41:44)
川内博史氏が見た福島第一1号機 地震で損壊 否定できず
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4月11日 東京新聞「こちら特報部」 :「日々担々」資料ブログ
福島第一原発1号機の非常用冷却装置は地震で壊れたのでは−。地震原因説を唱えてきた川内博史前衆院議員が三月、東京電力以外の第三者として初めて現地調査した。配管を覆っていた保温材や鉄骨などが散乱する惨状を見て、事故原因の徹底解明を訴えている。こんな状況で原発の新規制基準が導入され、原発が再稼働されていいのか。 (佐藤圭、上田千秋)
「防護服は約二十キロもあり、着ているとすぐに汗が噴き出した」
川内氏は、依然高い放射線量が計測される1号機原子炉建屋内に入ったときの様子を話す。
調査は先月十三日と二十八日のそれぞれ午後三時から三十分間。東電の姉川尚史・原子力設備管理部長らが同行した。その様子を再現すると−。
外気温は十三日が二三度、二十八日は一四度。カバーで覆われた建屋内に照明はあるものの、全体的に薄暗い。ライトを照らして階段を上がっていくと、非常用復水器のある四階にたどり着く。
復水器は原子炉の水蒸気を冷やして水にして原子炉に戻す。もともとは電源がなくても作動する緊急時の重要な冷却装置で、A、Bの二系統ある。オレンジ色の円筒形をした本体に連なる配管を覆う保温材は所々めくれ、床には鉄骨類やがれきが散乱していた。
姉川氏の説明は、従来の東電の主張とは食い違っていたという。
東電は二〇一一年十月に復水器周辺を撮影した動画を公開した。東電社員が「配管は大丈夫そうですね」と強調したり、水位計の表示について「A系は65%」「B系は85%」と確認するなどの場面が収められている。
ところが川内氏が水位計を見てみると、A系は70%、B系は100%。東電の発表と違う理由を問うと、姉川氏は「点検をしていないので、正確な値を示しているかどうか、今の段階では分からない」と答えた。川内氏が「数値は信用できないのか」と畳み掛けると、姉川氏は「そういうことですね」と認めた。
天井の大物搬入口が開いているのも不可解だった。事故当時、ふたは閉まっていたとみられる。五・七メートル四方、厚さ八ミリ、重さは一・五トンもあるが、見当たらなかった。
1号機は一一年三月十二日夕、炉心溶融(メルトダウン)で発生した水素が建屋に漏れ出し、水素爆発を起こした。
川内氏によれば、五階で爆発が起きれば、ふたは閉まったままか、四階に崩れ落ちていなければおかしい。一方、四階で爆発した場合、ふたは上方向に吹き飛ぶはずだ。四階での爆発なら、地震の揺れで破損した復水器と配管の隙間から水素や放射性物質が漏れた可能性が高くなるわけだ。
東電は爆発場所を「建屋の上部」と曖昧にし、ふたがどうなったかは「分からない」。川内氏が「四階で爆発が起きた可能性もありますね」と水を向けると、姉川氏は「その可能性はある」と否定しなかった。
川内氏は議員時代、衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会の委員長として事故原因の解明に尽くした。原子力安全基盤機構(JNES)が一一年十二月、地震による非常冷却装置系の配管損傷の可能性を示す解析結果をまとめたのは、川内氏の度重なる要請によるものだった。
川内氏は昨年夏から現地調査を希望していたが、先の衆院選で落選。このため今回は、民主党の近藤昭一衆院議員に同行する形で実現した。
実は調査は一回だけのはずだった。再調査の理由は、東電が撮影したビデオが「真っ暗」だったためだ。東電は「ビデオカメラのレンズカバーを閉じた状態で撮影してしまった」と釈明した。
川内氏は「東電が『現場は危険』と言うので撮影を任せた。何度も『ちゃんと撮れているか』と確認したのに…」とあきれる。二度目は自ら撮影した。被ばく量は一回目が五ミリシーベルト、二回目が六ミリシーベルト。余計な被ばくを強いられた格好だ。
国会事故調査委員会の田中三彦委員が当時、建屋内の調査を予定し、東電の「真っ暗で危険」という説明で断念していたが、今年二月に虚偽だったことが発覚している。
調査に田中氏も参加する予定だったが、「複数の委員と一緒でないと、十分に調査できない」としてキャンセルした。
川内氏は東電の対応について「今も事故原因は解明されていないのに、『津波が原因』に固執している。都合の悪いことは真っ黒でごまかそうとする」と批判。国会に対しては「第三者の専門家による現地調査が欠かせない。国会主導で実現してほしい」と訴える。
◆新基準より原因究明
原発には、さまざまな非常用の炉心冷却装置が備えられている。核燃料の余熱や崩壊熱による原子炉圧力の上昇を、制御棒の挿入だけでは防ぎきれないからだ。
その一つが非常用復水器だ。八時間ほど注水冷却できる能力があり、福島第一では1号機だけに設置されていた。
復水器は地震発生直後、自動的に起動した。しかし、原子炉とつなぐ配管にある弁の開閉は電動で、電源を失った後、弁の遠隔操作ができなくなった。運転員は手動で数回、弁の開閉を繰り返し、復水器が動いていた時間は長くはなかった。
運転員がこうした行動をとった理由ははっきりしない。東電は「毎時五五度以上の急激な冷却は炉を傷める。それを避けるよう定めている操作手順書に従った」と主張。
一方、国会の事故調査委員会は「原子炉の圧力が下がったのは、配管の水漏れが原因ではないかと考え、確認しようとした」との運転員の証言を紹介。緊急時に手順書に従うのは不合理とし、言い分は食い違ったままだ。
そうした中、原子力規制委員会は新たな原発の規制基準を策定中だ。
配管の破損原因が地震か津波かも明らかになっていないのに、問題はないのか。東京大の井野博満名誉教授(金属材料学)は「科学や技術の力でも100%原因が判明するわけではないが、すべて分かったような認識で基準づくりが進んでいる面はある。分からない部分は必ずあるんだという前提で考えないと、また事故が起きても、『想定外』ということになってしまう」と憂慮する。
元原子力プラント設計技術者の後藤政志氏は「川内氏の映像を見ると破損がひどく、国会事故調などの報告内容を確認できるものではなかった」とし、こう続けた。
「他のプラントと違って、簡単に原因を調べられないのが原発事故。専門家がまだ現場に入っていないことは問題だが、放射線量が高く、調査には限界がある。非破壊検査などさまざまな方法を何年もかけてやって、事故原因を追究していく必要がある」
<デスクメモ> 福島中央テレビがとらえた1号機建屋の爆発映像の衝撃は忘れられない。その内部の子細な様子がネットTVの「ニコニコ動画」で見ることができる。川内氏は積極的に情報公開に努めてきた政治家で、被ばくを覚悟で撮影した内容は極め付きだ。小紙が新聞なのが残念。テレビよ、なぜ流さないのか。 (呂)
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