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2013年03月29日00:01
亀井静香衆議院議員(みどりの風)に3月27日、わが国が抱える政治課題と自らの政治姿勢について聞いた。小沢一郎氏らを巻き込んだ政界再編に意欲を示すとともに、このままでは国が立ちゆかなくなるとの見方をした。
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東西両「悪党」軸に共闘模索
――マスメディアは亀井さんを完全に無視しているが、『月刊日本』4月号で「決してこのままでは終わらせない」とおっしゃった。「最後の戦い」は続いていると期待していいか。
亀井 それは生きている限り、当然だ。このままでいったら、もう日本は生体反応がなくなる。いくら突き刺しても痛くない、死に体になる。そうさせないためにやるだけのことをやる。
おれはこの間も小沢一郎を連れて広島市内で(街宣活動を)やった。あいつの顔なんか見たくもないが、佐藤公治(参議院議員で7月に改選)君がいい男だから。このままだったらやられてしまう。「西の悪党の亀井が、東の悪党の小沢と一緒に来た」と雨の中、壇上からわめいてやった。小沢の評判悪いからとすくんでいるから、「駄目だ」と言ったんだ。それで小沢が出てきた。
「文化人や学者のなり損ないの連中に皆さんの生活を仕切られて、大丈夫ですか」と呼び掛けた。「柄も悪くて人相も悪いけど」と脇にいる小沢を指して、「実績もあり、実直もある男を使わなきゃ損じゃないか」と向けた。地元メディアでは結構反応があった。
おれが居直って、「何で悪党が悪いんだ」とぶったら、小沢が「わたしも亀井さん並みの悪党にしていただいて光栄です」なんて演説してた。とにかく、世間が何と言おうと、やることをやらなければ。今から。
――自民党包囲網を敷くに当たって、民主党は味方か。
亀井 おれは海江田(万里民主党代表)とかに言ってる。「おまえたちはそんなことで政権奪取ができるのか。この夏の参院選で勝てるのか」と。政策の違いと かいろいろあるが、この秋津洲(あきつしま)を沈めちゃいかんという真剣な思いを持っている人間と協力して闘うしかない。それに懸ける。うまくいくかどう か分からんが、やるだけのことをやる。
民主党と言うより、そういう政治家が立ち上がらなければ駄目。だから小沢のような「評判の悪い男」でも、やる気があるなら戦列に加われと。
――みんなの党との関係は。
亀井 みんなの党はさっぱり分からんが、(渡辺)喜美なんか結構いいところがある。突っ張るところは突っ張るから。だけどよく分からん。維新の会も今、石原(慎太郎共同代表)が入院している。一緒に飯を食いたいと言うから、会おうとした日に入院した。
――石原氏から連絡があったのか。
亀井 ああ、久しぶりに。そしたら予定の日に入院した。彼もがっかりしてんだよ。「しまった」と。中央競馬から地方競馬に乗り換えて、すってんころりんと落馬した。
――東京競馬場の方が良かったと。
亀井 今はそう思ってんだろう。
――みんなの党に行田邦子参議院議員(3月12日までみどりの風)が移ったが。
亀井 ばかげたことをしたね。最悪の選択をしたことが分かるぞとおれは言ってやった。プロ野球の選手や芸能人がプロダクションや球団を円満に変わるのと訳が違うよと。政治家は。「それは分かるかい」と向けたら、「まだよく分かりません」と。そのうち分かるだろう。
――渡辺代表が無理矢理一本釣りしたという印象だが。
亀井 される方が悪いんだ。本人がその気になったんでしょ。
――反面、政策協定を結んだように伝えられるが。
亀井 この日本を死に物狂いで救おうという気持ちさえあれば、具体的な方便についてはいろいろある。富士山に登るのに、登山口がいろいろあるのと同じ。
おれは「安保反対」「君が代反対」の社会党左派と(1994年の自社さ政権で)組んだ男だ。おれが説得して。あのときは「小沢のファッショ野郎にこの日本を任せておいていいのか」、この一点だけで村山(富市旧社会党委員長)さんを口説いた。
自覚足りぬNHK幹部に抗議
――みどりの風はNHKを記者会見から閉め出した。『日曜討論』での扱いが原因と伝えられるが。
亀井 党として取材を拒否した。政党要件を満たしているのに、出さないなんて言うから。それならこちらが取材拒否すればいいだけのこと。思い上がるなと。 視聴率でやっている民間放送と違う。勝手に自分たちで基準を作って、閉め出していいという話ではない。それがあいつら、分からないんだ。
――理事が予算の説明に来たとき説教したのか。
亀井 ああ。「おまえら、頭おかしい」と。「おまえら、いかれてる」と。メディアとしての、公共放送としての自覚がない。
郵政の末路は『七人の侍』
――郵政民営化改正法は昨年、亀井さんの捨て身の働きかけで通ったが、なかなか新規事業が認められない。
亀井 アメリカだよ。特に保険の部分、学資保険の改訂版をはじめ、あらゆる面について妨害している。
――宿敵の自民・公明両党を巻き込んでまでやり遂げたが。
亀井 だって、民主党がやる気なくなったから、そういう禁じ手を使わざるを得なかった。
――禁じ手を使ってまでやりきったのは、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加の足音が聞こえてきた警戒感からか。
亀井 それもあるけど、あの法律は郵政見直しの必要から、どうしても出さなければならなかった。7年前、地獄の底で国民新党を結党し、わずか5名で「やるぞ」と決めたことだから。
――その仕掛け人である亀井さんが全く忘れられて、全特(全国郵便局長会)の柘植芳文(つげ・よしふみ)前会長が自民党公認で出ることになった。
亀井 おれは柘植に言ってやった。「おれが7年前の郵政の大会で言ったのを覚えているか。おまえたちは『七人の侍』という黒澤明の映画を見たことがある か」と。「郵政事業の見直しは必ずやる」と、わずか5名の野党が宣言した。「いやあ、やれるかなあ」という顔をしていたけど。「やった後、国民新党や亀井 静香に対して、あんたたちはどういう態度を取る分かってんだよ」と警告していた。
映画の最後は、村娘までが冷たい目で村から追い出す。柘植がこないだ電話を掛けてきて、「すまん」みたいなことを言うから、「勝手にしなはれ」と応じ た。いいんだよ。おれはお見通しだよ。だって彼らは地域社会のために、日本国のために作ってる団体じゃない。トラック協会なんかと同様、自分たちの利益を 守るためにある団体だ。だから、7年前から大観している。当たり前のことが起きてるだけのこと。生々流転。いいんじゃないか。
このままではテロに時代に
――俗に言う「陰謀論」についてどう考えているか。例えば今、中国への敵がい心をあおる外交と報道が展開されているし、北朝鮮の脅威が喧伝(けんでん)さ れている。この場合で言えばロックフェラーをはじめとする国際金融資本が戦争をちらつかせて日本からお金を巻き上げようとしているといった理解を。
亀井 それは、どこがどこをなんて言ったらナンセンス。どの国も自国の利益、どの企業も自分たちの利益のために、ありとあらゆることをやってるのがこの世の中。驚くことはない。裏でそういうふうにお金が回っていたとしても当たり前の話。太古の昔から、人間の社会はそう。
――多くの国民がTPP参加や中国との摩擦などを通じ強い警戒心を持つ一方、4年に1度小学校の体育館で名前を書くことしかできないいら立ちを抱える。国民に助言を。
亀井 ほとんどがアホになっている。生体反応が起きないし、どんなに痛い針を刺されても痛くないのだから。そのうち生体反応のない死体になる。
――警戒心を抱いている賢明な国民も少なくない。まだ生体反応のある人もいる。そういう人たちはNHKを見て「くそったれ−」と思い、政界の動きを見て「何やってんだ」と不満ではちきれそう。どうしていいか分からない。
亀井 決起しなきゃ駄目だ。しかし、それは本人が決めることだ。おれはそんなことをあおるわけじゃないし、推奨するわけでもないが、日本はテロの時代に入 るよ。間違いなく。団体が無力になって衆を頼んでやれなくなった。そうなると個人がやり出す。警察庁の幹部に予告してやったよ。対応の仕方は責任を取るこ とのみになる。このままでいけば。
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