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結婚20年、雅子さまに感謝…皇太子さま53歳
読売新聞 2月23日(土)5時2分配信
結婚20年、雅子さまに感謝…皇太子さま53歳
米・ニューヨークでの講演に向けて準備を進められる皇太子さま(17日、東宮御所で)=宮内庁提供
皇太子さまは23日、53歳の誕生日を迎えられた。
これに先立ち東宮御所で記者会見し、今年6月9日で結婚20年を迎える雅子さま(49)について「苦労も多かったと思いますが、様々なことで私を助けてくれ、力になってもらっていることに心から感謝しています」と述べられた。
20年の結婚生活を振り返って、「夫婦で様々なことを共に経験し、共に支え合ってきました」と話し、雅子さまが長女愛子さま(11)の成長に心を配られてきたことに感謝された。
一方、雅子さまが適応障害で療養に入られて今年で10年。皇太子さまは「雅子は体調の波がある中で、公私にわたってできる限りの活動をしてきました」と語り、「快方に向かっておりますが、さらに療養が必要です。長い目で温かく見守っていただければ」と理解を求められた。長期化する療養に対し、主治医以外の医師の意見を聞く機会も必要ではとの質問には「東宮職医師団が大変良くやっていただいていますので、今のところ考えはありません」との見解を示された。
昨年夏から月1回、御所で天皇陛下と秋篠宮さまと懇談を重ねてきていることについては「陛下のご意見をうかがったり、意見交換することは非常に大切なこと」と話し、象徴天皇のあり方を模索する上で「大変ありがたいことと思っております」と述べられた。
この1年の社会の動きに関しては、困難な生活を強いられている東日本大震災の被災者に心を寄せたほか、1月に起きたアルジェリアの人質事件に触れ、「厳しい環境で途上国の発展や平和のために尽力されている方々が犠牲になられていることに深く心が痛みます」と哀悼の意を示された。
◇
◆皇太子さま53歳 誕生日記者会見の全文◆
問1
東日本大震災から間もなく2年となりますが、被災地の復興への道のりは依然険しい状況です。先月にはアルジェリアでイスラム武装勢力による人質事件が起き、日本人10人が犠牲になりました。一方で、昨年はロンドンオリンピックでの日本人選手の活躍や山中伸弥京都大学教授のノーベル賞受賞といった明るい話題もありました。殿下ご自身は、東南アジア3カ国公式訪問などお忙しい日々を過ごされました。この1年を振り返り、印象に残った出来事についてお聞かせください。
ご回答
東日本大震災から約2年がたちましたが、亡くなられた方々や被災された多くの方々のことを思うたびに心が痛みます。今年は、例年になく寒く、特に北日本では、大雪が降るなど、厳しい冬を迎える中、いまだ数多くの方々が仮設住宅での困難な避難生活を送られています。東日本大震災からの復興の道のりは長く、被災者の中には高齢者の方々もおられ、厳しい暮らしが続いていることを深く案じております。仮設住宅での困難な生活や<font color=red>放射能汚染による避難</font color=red>を続けられている方々を始めとして、被災者の方々が安心して暮らせるよう、一日も早く復興が進むことを心より願っております。
同時に、東日本大震災は、我が国国民の忍耐力や共助の心を国の内外に示し、人と人の絆を強めました。また、この1年を通じ、我が国から防災の知識と経験が様々な形で発信され、世界各国でいかされてきています。
2月初旬には、雅子と共に国立劇場で、東日本大震災復興支援の一環として行われた東北の民俗芸能公演を鑑賞し、出演者や関係者の方々とお会いする機会がありました。600年の歴史を誇り、地域の人々の心のよりどころとなっている伝統芸能を守り、活動していこうとする保存会の人々のすばらしい公演を鑑賞し、震災に立ち向かいながら、伝統を守り続けるひたむきな姿に心を打たれました。引き続き、東北の方々の復興に向けた取組を国民が心を一つにして支えていくことが大切です。これからも、雅子と共に被災地の復興に永く心を寄せていきたいと思っております。
昨年は、欧州の財政危機が注目されましたが、我が国を含め、先進国の経済成長・雇用の維持が容易ではなく、世界経済の停滞により、多くの国で貧困や所得の不均衡が拡大し、若者の失業が増加しています。我が国においても、若者がいかに安定した職業に就くかが重要な課題の一つとなっていると思われます。
昨年6月には、20年ぶりにリオデジャネイロにおいて、「国連持続可能な開発会議」が開催されましたが、我が国においても、近年、少子高齢化やエネルギー・環境問題、地方の活性化などの諸課題を解決し、若い世代が将来に希望を持ち、高齢者が安心して暮らせる持続可能な社会をいかに創っていくのかに関心が高まっています。また、この1年、いじめや体罰など子どもの教育の問題に改めて関心が集まりました。将来を担う子どもたちが健やかに成長し、若い世代が国の内外で自信を持って活躍し、女性、高齢者、障害者を含め全ての人々が、社会に積極的に参画できるような、活力のある社会を構築するために国民全体が世代を超えて協力することが期待されます。そうした観点から、私自身、今年も、国の内外で若者やボランティアの方々など多くの方にお会いしたいと思っています。
また、昨年は、ロンドンオリンピックやパラリンピックが行われ、多くの日本人選手が活躍したことをうれしく思います。
このような社会の求心力を高めようとする努力の中で、この1年、ロンドンオリンピックやパラリンピックなど世界の連帯を示す行事があった一方で、残念ながら、一部の国や地域では武力紛争が継続し、子どもを含め多数の犠牲者や難民が発生しています。我が国の女性ジャーナリストも犠牲になりました。また、いわゆるアラブの春もいまだ先行きの見えない状況が続いており、北アフリカにおいては、リビアで米国公館への襲撃により米国大使などが殺害され、アルジェリアでは、天然ガス関連施設が、襲撃を受け、邦人を含め多数の外国人が犠牲になるといった痛ましい事件が起こりました。世界の最前線の厳しい環境の中で、途上国の発展や平和のために尽力されている方々が犠牲になられていることに深く心が痛みます。このような事件が二度と起こらないように願っています。
科学・技術の分野では、昨年は、ヒッグス粒子とみられる新粒子発見、iPS細胞発見に関する山中教授のノーベル医学生理学賞受賞などのニュースが記憶に残っています。山中教授が、ノーベル賞受賞に当たり、iPS細胞技術による創薬や再生医療を通じ、患者の方々を救いたいとの強い思いを語られたことが深く印象に残っています。そのような志をお持ちの山中教授が、ノーベル賞を受賞されたことを大変うれしく思いました。技術面では、近年、スマートフォンが急速に普及し、また、これによるソーシャルメディアが広く活用されるなど情報通信分野の革新を通じ、社会におけるコミュニケーションの在り方が大きく変わってきています。産業・技術面での発展は、技術革新を通じて、人々の生活を改善するために重要であると同時に、社会に大きな影響を与えます。このため、社会がこうした技術をいかに受容し、いかしていくのか、議論を深めていく必要があります。このような視点から今後とも産業・技術面での進展に関心を払っていきたいと思っています。
昨年6月に、タイ、カンボジア、ラオスを訪問し、各国の王室、政府あるいは多くの国民の方々との交流を深めました。タイのアユタヤ、カンボジアのアンコールワットなどの史跡を訪れ、各国の長い歴史と我が国との交流に思いをはせるとともに、各国における文化財の保存などに、我が国の関係者が日本の経験や知見をいかしながら、長年関わられていることを目の当たりにし、文化面を含めた我が国と各国との幅広い交流の重要性を再認識しました。本年は、日本スペイン交流400周年に当たり、スペインのフェリペ皇太子殿下と共に、名誉総裁として両国の交流が深まるよう、協力していきたいと考えています。
最後になりますが、私は、来月初旬にニューヨークの国連本部で開催される「水と災害に関する特別会合」において、基調講演を行う予定になっております。
言うまでもなく、人類は水なしには生きていくことができません。しかし、水は同時に災害の原因にもなり、水災害により、世界各地で多くの生命や財産が失われています。東日本大震災では多くの尊い命が津波で失われました。私は、国連「水と衛生に関する諮問委員会」の名誉総裁として、昨年来、日本における水災害の歴史を、古い記録や文書(もんじょ)をひもとき、当時の災害がどのような状況であったか、また、人々がこれにどう対応し、復旧、復興がどのように進められたかということについて探る研究を進めておりますが、このような日本の過去の例は、日本はもとより、世界各地で起きる水災害への対応や対処の仕方に一つのヒントを与えるものと思っています。
安全な水を得られるという点で、日本は世界的にもとても恵まれていると思いますが、一方で水に関連した自然災害には度々襲われてきています。その意味でも、私は今後とも日本における水災害の歴史を研究し、日本の経験と教訓を世界にお伝えしていくことができればと思っています。
また、「水」は、災害だけでなく、貧困や衛生状況の改善、環境の保護、難民など弱者の保護、地域の安定といった様々な視点から極めて重要な問題です。しかし、これらの問題は、このところますます深刻になっています。最近、グテーレス国連難民高等弁務官やスウィング国際移住機関事務局長とお話しし、このような点を改めて強く感じました。国連は、ミレニアム開発目標の中で「水と衛生」について、「2015年までに、安全な飲料水と基礎的な衛生施設を持続可能な形で利用できない人々の割合を半減させる」という目標を掲げています。安全な飲料水に関する目標については、達成のめどが立っているものの、衛生に関する目標達成のために更なる加速が必要となっています。こうした中で、国連「水と衛生に関する諮問委員会」の活動期間が、ミレニアム開発目標に合わせ、2015年末まで延長されることになりました。これに伴い、私の同委員会の名誉総裁としての任期も2015年、平成27年末まで延長することを昨年末にお引き受けいたしました。今後とも、私の専門分野である歴史に関する研究活動をいかしつつ、「水と衛生」や「災害」の問題について、関係者と協力しながら、取り組んでいきたいと思っております。
◇
問2
6月に結婚20年を迎えられます。皇太子妃雅子さまと共に歩まれた20年間、楽しかったこと、ご苦労されたこと、いろいろおありだったかと思います。20年の結婚生活を振り返っての感想と、雅子さまや愛子さまへの思いをお聞かせください。
ご回答
年月のたつのは早いもので、結婚してからもう20年たつのかと思うと、とても感慨深いものがあります。この間、夫婦で様々なことを共に経験し、共に支え合ってきました。また、愛子も昨年12月に11歳になり、健やかに育っていることをうれしく思いますし、今後の成長を楽しみにしています。雅子にはこの間、苦労も多かったと思いますが、様々なことで私を助けてくれ、力になってもらっていること、また、母親として様々な気配りをしながら、愛子の成長を見守り、支えてくれていることに心から感謝しています。今後とも夫婦で協力しながら、また、愛子も共に、公私にわたり活動していくことができればと思います。天皇、皇后両陛下には、お心遣いを頂きながらお見守りいただいておりますことに感謝申し上げます。また、国民の皆様より私たち3人に対して温かいお気持ちを寄せていただいておりますことに、心より感謝の気持ちをお伝えします。
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問3
雅子さまが療養に入られて10年目となりました。昨年は公務での地方訪問はありませんでしたが、東宮職医師団からは、昨年9月以降、少しずつ疲れが取れ、徐々にご自身の活動に取り組まれているとの見解が示されました。雅子さまが療養に入られてからの日々を振り返り、どのような思いをお持ちですか。最近のご様子、公務復帰への見通しについてもお聞かせください。
ご回答
雅子への気遣いを大変うれしく思います。雅子は、周りの方々からのご協力を得ながら、快方に向けて精一杯の努力を続けております。
この10年を振り返ると、雅子は、体調の波がある中で、公私にわたってできる限りの活動をしてきました。その様子をそばで見ていると、心身の不調を抱えながら生活していくことの大変さがよく分かります。そうした中で、雅子は、様々に工夫をしながら活動の幅を広げ、東日本大震災を始め様々な出来事に心を砕き、困難な状況に陥っている人々の生活が少しでも良くなるよう心を寄せてまいりました。また、東宮御所内の仕事などで私を支える一方、愛子の成長にも心を配り、愛子が充実した日々を送るようになっていることをうれしく思っています。
お医者様から既にご報告があったとおり、雅子は一昨年後半から昨年にかけて、いろいろな疲れが出ておりましたが、最近はその疲れも少しずつ取れてきているように思います。先ほども申し上げましたが、先日も国立劇場で行われた宮城県石巻市の民俗芸能公演を一緒に鑑賞できたことを私もうれしく思いましたし、雅子自身も喜んでおりました。
雅子は、確かに快方に向かっておりますが、更に療養が必要です。雅子には、健康の回復を最優先にし、お医者様からご助言いただいているように、体調を整えながら、焦らずに、少しずつ活動の幅を広げていってほしいと思います。引き続き皆様方にも、安心できる環境作りの面でご協力をお願いいたしますとともに、雅子の回復を長い目で温かく見守っていただければと思います。
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問4
愛子さまはご両親の付き添いなしで通学されるようになり、バスケットボール部や管弦楽部など、さまざまな活動に意欲的に取り組まれていると伺っています。4月には6年生になられます。愛子さまのご成長ぶり、最近のご様子について、具体的なエピソードを交えながらお聞かせください。この1年、両陛下、秋篠宮ご一家とはどのような交流をされましたか。
ご回答
愛子については、5年生になって、学校の勉強も随分大変になってきましたが、授業の科目数とともに委員会活動、クラブ活動などの課外活動も増えて、忙しい中にも、充実した毎日を送っているように思います。
5年生から始めたバスケットボールクラブでは、初めての対外試合で他校を訪れ、他校の皆さんと試合を行ったり、初等科での試合の場合には、試合後は交流も行ったり、非常によい経験になっているように思います。
また、この冬休みには、親元を離れて、初めてお友達とスキー合宿に参加するなど、お友達との活動の場も増えてきました。今回のスキーは愛子にとっては、3年近く前の春休み以来の久しぶりのスキーとなりましたが、たくさん練習し、少し上達したようで、本人にとっても、自信が付いたことと思います。
何よりも、愛子自身が、自分で考え、行動することができるようになり、頼もしくなったと感じます。早いもので、春には6年生になりますが、愛子が、新たな知識を習得し、経験を広げながら、健やかに成長していくよう、雅子と共に見守っていきたいと思います。
天皇、皇后両陛下には、私たち3人にお心遣いを頂きながらお見守りいただいておりますことに感謝申し上げます。両陛下には、お誕生日のお祝いや様々な行事を含め3人でお会いすることがこの1年度々ございましたが、御所に上がらせていただいた折に、お食事をご一緒したり、両陛下に愛子が静養で集めた貝殻をお見せしたり、昨年の宮内庁職員文化祭に、皇后陛下が作品を出展される際には折り紙の制作をお手伝いさせていただいたり、楽しく過ごさせていただいております。
秋篠宮家とは、様々な機会にご一緒し、子どもたちで楽しく過ごすことがあります。愛子は、そうした機会などに、佳子ちゃんや悠仁ちゃんとご一緒し、楽しくお話をしているようです。
国民の皆様に温かく心をお寄せいただいていること、多くの方々に愛子の成長を支えていただいていることに感謝しております。
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問5
天皇陛下の心臓手術から1年が経ちました。陛下は昨年の会見で「しばらくはこのままでいきたい。病気になったときには、皇太子と秋篠宮が代わりを務めてくれますから、何も心配はなく、心強く思っています」と述べられました。今年80歳になられる陛下の公務の在り方についてどのようにお考えですか。手術前後やご回復の過程で、陛下や皇后さまとはどのようなお話しをされましたか。陛下は「天皇の務めには国事行為のほかに、公的に関わることがふさわしい象徴的な行為という務めがある」とも述べられましたが、将来天皇となられるお立場から、殿下ご自身は公務をどのようなものとお考えですか。
ご回答
天皇陛下には、昨年2月のご手術の後、順調にご快復になられていることを大変うれしく思っております。ここには、天皇陛下のご快復への強いお気持ちと皇后陛下の献身的なご看護がおありになったことと思います。ご手術に当たり、陛下には、3月11日の東日本大震災1年の式典へのご出席を念頭に置かれてご手術の日取りをお考えになられましたが、式典にご出席になることがおできになり、ご安堵(あんど)されたと思います。また、先生方にはよくご準備をされておられたとのことで、陛下も安心して手術に臨まれ、関係者の尽力を深く多としておられ、私も感謝したいと思います。私も雅子もご手術のご成功と順調なご快復を心からお祈りしておりました。臨時代行を務めたことに対して陛下からは温かいおねぎらいのお言葉を頂きました。
陛下のご公務については、陛下ご自身が、昨年のお誕生日の記者会見に際して、「負担の軽減は、公的行事の場合、公平の原則を踏まえてしなければならないので、十分に考えてしなくてはいけません。今のところしばらくはこのままでいきたいと考えています。」と述べられています。このようにお仕事の一つ一つを心から大切にされている陛下のお気持ちを大切にしたいと考えますが、同時に、陛下のご年齢を考えますとご負担の軽減は必要と思われます。どのような形でご負担の軽減が可能なのか、ご出席になられる公的行事の数を大きく減らさないとしても、個々の行事のご負担を少なくする方法を考えるなど、周りがいろいろと考え、お助けしていくことは必要だと思います。私も、少しでもお役に立つことがあれば、喜んでお力になりたいと思います。天皇、皇后両陛下には、ご公務で大変お忙しい日々を送っておられますので、くれぐれもお体を大切になさっていただきたいと思っております。
また、公務についての考えにつきましては、以前にも申しましたが、過去の天皇が歩んでこられた道と、そしてまた、天皇は日本国、そして国民統合の象徴であるとの日本国憲法の規定に思いを致して、国民と苦楽を共にしながら、国民の幸せを願い、象徴とはどうあるべきか、その望ましい在り方を求め続けるということが大切であると思います。同時に、これまで行われてきている公務を踏まえつつ、将来にわたり生じる日本社会の変化に応じて、公務に対する社会の要請に応えていくことが、重要であると考えております。私としても、常に学ぶ姿勢を忘れずに、他人への思いやりの心を大切にしながら、世の中のためにできることを心掛けてやっていきたいと思っております。
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◆関連質問◆
問1
第5問目に関連しまして、先ほど臨時代行について、陛下から温かいねぎらいのお言葉があったと述べられましたが、どういうお言葉だったのでしょうか、さらに、陛下とのコミュニケーションに関して、昨年、一昨年くらいから、御所で陛下と殿下と、また秋篠宮殿下と長官も入って、懇談をされていると伺っていますが、その際どういった話題が話されているのか、また、今お述べになられた象徴天皇の在り方について、例えば陛下から直接お考えをお聞きになるような場面があるのかなどについてお聞かせ願います。
ご回答
陛下からは、具体的には、臨時代行のお仕事本当にご苦労様でしたというような非常に温かいお言葉を頂戴いたしました。もちろん私は臨時代行を務めた後は、必ず陛下の所に伺って、臨時代行としてどのようなことを私が行ったかといった個々のことをご報告申し上げておりますので、それに対して、いろいろご質問もあったりしましたけれども、その後で本当にいろいろご苦労でしたということをおっしゃっていただいて、本当に私自身も大変うれしく思いました。また、陛下の所でのいろいろな話合いについては、発表事項では特にないので、細かいことは申し上げるつもりはありませんけれども、私、それから秋篠宮が折に触れて、陛下の所で、陛下のご意見を伺ったり、あるいはいろいろな意見交換をするということは、非常に私自身も大切なことだと思いますし、私自身も大変有意義な一時を過ごさせていただいております。最後の質問については、陛下と折に触れてご質問の象徴天皇の在り方について、具体的にどういうことを話しているかは申し上げられませんけれども、陛下ご自身がいろいろ思われていること、あるいは体験されてきたことなどをお話しくださるので、私としても本当にいろいろと参考にさせていただいておりますし、大変有り難いことだと思っております。
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問2
1問目の関連のお話の中で、来月の米国のご旅行と国連の会議のご講演の話がありましたけれども、今回の基調講演を通じて世界にどのようなメッセージを殿下は発信したいとお考えでしょうか。お聞かせいただければと思います。
ご回答
少し先ほどもお話ししましたが、一昨年の3月11日の東日本大震災で非常に大きな被害を受けたように、日本は度々水災害の被害に遭ってきて、そういった経験は今までいろいろと蓄積されていると思っています。そういったことが昔の古い記録、それから文書(もんじょ)などをひもといてみると、その中にいろいろと書かれておりまして、被害状況がどうだったかとか、当時の人々がそれにどういうふうに取り組んだかということも細かく見ていくといろいろなことが書かれております。そういったことは、もちろん今後の復興についても参考になると思いますし、世界でも似たような水災害などがあった場合に、何らかのヒントになるのではないかと思います。私としてはそういったいろいろな日本の過去の経験を今回国連の場でお話しして、そして世界の多くの方々の参考にしていただければと、そういうふうな思いでおります。
◇
問3
雅子さまの治療についてお聞きしますが、医療の現場では診断や治療方針について主治医以外の医師の意見を聞く動きが徐々に広がっています。いわゆるセカンドオピニオンというものですが、雅子さまの療養が10年目となった今、東宮職医師団以外の医師から意見を聞くことも有効ではないかという声も出ているのが現状です。殿下は、雅子さまの治療に対してセカンドオピニオンを用いるお考えはございませんでしょうか。
ご回答
私としましては、今まで見ておりますと、東宮職医師団が大変に良くやってきていただいていますし、その治療を私も非常に深く多としておりますので、今のところセカンドオピニオンという考え方は特にございません。
最終更新:2月23日(土)5時5分
読売新聞
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