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(回答先: Re: てすと 投稿者 初心に帰るお天道様に恥じない生き方 日時 2014 年 3 月 14 日 18:10:51)
『パンドラの約束』というアメリカ映画を見た。一言でいうなら、原子力発電に関する誤解を解き、その長所を見直そうという映画だ。いや、違う。この映画の主張はもっと緊迫している。「地球の温暖化を今、食い止めるためには、原発を無くしてはいけない」という真摯な警告であるといったほうが正しいだろう。
脱原発を決めて2年半、CO2排出量は増える一方
2月26日、ドイツ。EFI(Expertenkommission Forschung und Innovation=研究・開発専門家委員会)という政府の調査機関が、衝撃的な調査結果を提出した。「再生可能エネルギー法は、気候変動防止にも技術の刷新にも役に立たない」というのだ。脱原発を高らかに掲げ、再生可能エネルギー法を伝家の宝刀として誇りにしてきたドイツ国民は、大きなショックを受けた。じゃあ、脱原発は今後どうなるのか、と。
再生可能エネルギー法は、自然エネルギーに由来する電気に対し、20年間にわたる全量固定価格買い取りを保証している。昨今、電気代が高騰しているのは、この買い取り金の激増が原因なのだが、国民はこれが気候変動の防止に役立つと言われ、大きな負担をのんできたのだった。
しかし、EFIは、それが間違いだと言っている。それどころか、「再生可能エネルギー法の継続を正当であるとする理由は見つけることができない」とまで断言しているのだ。
地球は確かに温暖化しているようだ。近年、毎年のように地球のどこかで殺人的な嵐や豪雨や台風が起こっているのも、それと関係があるのだろう。しかし、これから発展途上国の人々の生活が向上し、もっと多くの電気が消費されるようになり、それを火力発電で賄っていくとすれば、温暖化がさらに進むのは避けられないことだ。
だったら、それを防ぐため、CO2を出さない自然由来のエネルギーを使えばいいという説があったはずだが、それがどうも間違っていたらしい。現実としては、太陽光や風力の発電施設をいくら増設しようとも、火力発電所をなくすことはできない。
なぜかというと、太陽光と風力はどちらもお天気任せなので、電力需要のピーク期に安定的な供給を保証することができないからだ。
そうでなくても、太陽光や風力は、季節間、あるいは昼夜間で大きな変動がある。一日の間でも日の照り具合、風の吹き具合は変わる。だから、生産される電力はたえず変動する。太陽や風では、電力の安定供給は保障されない。
電力の安定供給が保障されないということは、産業国にとっては致命的なことだ。だから、太陽光や風力の発電には、必ずバックアップを行う発電施設が必要になる。それは、太陽光や風力の発電施設がどれだけたくさんあっても、変わらない。そして、原発がない限り、そのバックアップの発電はガス、石油、あるいは、石炭、褐炭でやるしかない。こういうものを燃やすと、もちろん空気が汚れる。
ドイツは今、その道を歩んでいる。現在、16基のうち9基の原発が稼働しているが、止まっている7基分を補うため、火力発電が必要なのに加え、風力と太陽光の発電容量が増えたため、そのバックアップとして、さらに火力が増えている。
つまり、脱原発を決めて2年半が過ぎたが、それ以来、安価な石炭と褐炭の使用が増え、CO2の排出量が増えた。しかも、これからさらに原発が止まり、さらに風力と太陽光発電が増えるため、今、慌てて火力発電所を作っている。CO2の排出量は、もちろんさらに増えるだろう。
ドイツは元々石炭と褐炭の国だ。脱原発をする前も、電力のうちの4割強が石炭、褐炭で作られていた。今はそれが45%を超えている。同じ量の電気を作るために排出しているCO2の量は、フランスと比べて10倍となっている。フランスは原子力発電が75%で、水力もあり、石炭は6%にすぎない。
原発論議の多くが情緒的に行われる理由
前置きが長くなったが、『パンドラの約束』では、このテーマを扱っている。脱原発の弊害として起こるCO2の増加を看過してはならないということだ。石油会社は太陽光や風力エネルギーに大賛成。なぜかというと、それにより、さらに石油が売れるからだそうで、それを聞くと、私でも「何かおかしい」と感じる。
おかしいと感じたのは、脱原発に賛成していた環境運動家たちも同じで、彼らが反原発の立場から、実は地球のために一番よいのは原発であるという意見に転じるまでのドラマがこの映画の中身だ。監督のロバート・ストーン氏も、原子力反対派として知られていた人物で、初めて監督した作品は、反原子力映画『ラジオ・ビキニ』である。
つまり、『パンドラの約束』は、今まで原発の廃止のために尽力していた人たちが、なぜ原発擁護に転向したのかという経緯を、原発の環境にもたらす意味を論理的に説明することで示そうとしている。そういう意味では、脱原発を推進しようとしている人にとっても、また、原発を擁護しようとしている人にとっても、見る価値がある映画だと思う。
"論理的に説明することで示そうとしている"と書いたが、実は原発論議の落とし穴はここにある。主張のやりかたに論理が抜けて、多くが情緒的に行われている。それにはもちろん理由がある。
原発のことなど、その構造も、仕組みも、放射能の影響も、危険性も、素人には専門的過ぎて理解できないから、意見の誘導には情緒に訴えるのが一番効果的なのだ。素人は、多くの数字を提示されて分かった気にはなるが、本当にそこから得るのは、漠然とした恐怖感であることが多い。
恐怖感が悪いと言っているのではない。しかし、恐怖感は科学に基づいていないことも多い。だから、恐怖感で何かを決めるのは、本来なら、私たちが避けたいと思っていることのはずだ。
しかし、素人にとって原発論議は、自分たちで判断できる範疇を越えてしまっているという致命的な問題があるので、科学的に対処することがとても難しい。そこで恐怖感がうまく利用される。
恐怖心や不気味さを演出するテクニック
2009年、デンマークのマイケル・マドセン監督が、『Into Eternity(邦題=100,000年後の安全)』というドキュメンタリー映画を作った。フィンランドのオルキルオト発電所の付属施設として建設された「オンカロ処分場」を扱った映画で、主役は地中奥深くに埋められる核廃棄物だ。
10万年後の人たちに「ここが処分場であることをどのように伝えることができるか」を心配することがメインテーマだ。
ここらへんの地盤は、小さな空洞に5億年前に閉じ込められた海水がそのまま見つかるというほど安定した地盤だという。日本人は羨む他はない。その安定した地下500メートルの場所に廃棄物を貯蔵するなら、10万年後にはすべてがウラン鉱山並の放射能レベルになり、それほどの心配はないというのが専門家の意見だ。だから、埋めたあとの地表は自然に戻しておけばよい。
その人たちに「ここを掘ってはいけません」ということをどのように伝えようかということだ。 しかし、映画のテーマは別だ。もし、何万年後かに、穴は掘れるが、放射能など知らない生物が、いつかそこを掘ったらどうしよう?
つまり、これはもうすでに核廃棄物貯蔵の技術的な話ではなく、異質な文明を持った未来の人類(宇宙人?)が、万が一、偶然そこに500メートルの穴を掘ったことを仮定した遠大な話で、科学というよりもサイエンスフィクションに近い。
そして、これがいかにも怖く描かれる。暗い低音の音楽が陰鬱なムードを醸し出し、地下坑道へ入っていく人が暗闇でマッチを擦る場面が何度も出てくる。そこに実際に行った学者の話を聞いてみたら、坑道は通常電気照明が行われており、また入って行く人はヘッドランプを携行しているということだ。まったく照明のない空間でマッチを擦るというのは、「未知の暗闇」という不気味さを演出するためのテクニックなのだろう。
『パンドラの約束』の方も、もちろん演出は為されている。こちらは、反原発運動が情緒に流れ過ぎていることを強調したいらしく、冒頭にはデモのシーンが多く織り込まれている。それを見ると、デモのリーダーたちはマイクの前で感情的に怒鳴りたてているし、デモの参加者の頭も、とても非科学的に見える。
その後に登場するのが、冷静で論理的な人たちだ。デモ隊とはきれいな対照をなすその知的な人たちは、脱原発がもたらす大気汚染や気候変動の脅威を、論理的に、しかも人道的な見地から説明してくれるのだ。つまり、理性の勝利ということになる。
原子力反対者の多くが支持者に転向
2013年11月、気候変動を専門とする4人の研究者(ジェームズ・ハンセン、ケン・カルディアラ、ケリー・エマヌエル、トム・ウェグリー)が、地球温暖化を食い止めるため、より安全な原子力発電システムの開発を推進するよう、世界の指導者に求める公開書簡を発表した(CNN.co.jp)。
それによれば、世界のエネルギー消費が増え続ける中、化石燃料を原因とする気候変動を食い止めるためには、原子力発電の利用のみが唯一の道だという。
EUも現在、原子力推進にシフトしている。そのうち、脱原発を推し進めるドイツが、これまで石炭を多く燃やすとして批難されていたポーランドなどより、さらにひどく空気を汚す国になる可能性は高い。
『パンドラの約束』は、米国のサンダンス映画祭で上映された。映画の上映前は、観客の75%が原子力反対者であったのに、映画が終わった時点では、その80%が原子力の支持者となったという触れ込みだ。日本では、4月19日から東京、神奈川、福岡を皮切りに、全国で上映が始まる。
「地球温暖化を食い止めるためには、原発を無くしてはいけない」---映画『パンドラの約束』の真摯な警告 現代ビジネス
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/38653
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また、愚かな洗脳記事を見つけた。 「地球温暖化調査」のために打ち上げられた観測衛星が明らかにした「 2012年から 50パーセント増えた北極の氷」http://www.asyura2.com/13/nature5/msg/179.htmlで、面積、質量共に一冬越えただけで、人間行動による炭酸ガスで温暖化しているという同じ地球上で、50%増えている極氷をみれば、人為的温暖化行為が自然に及ぼす影響は極めて些細な考慮するに足らない事象であるのは、阿修羅読者の方々なら、理解できるでしょう。
この事実を踏まえれば、この映画も記事も瑣末な、科学的に憂慮すべきことでないということをご理解いただけるでしょう。 それに、温暖化と言う点では、原発は膨大な量の海水や湖水等を直接的にその温度を上昇させていますね。
自然の雄大さに比べて非常に瑣末である人為的温暖化行為に対し、海水湖水等、大量の水を直接温暖化し、その上、膨大な量の放射性廃棄物が放射能を環境に撒き散らしながらこれまた、膨大な熱量の崩壊熱を出し続ける原子力発電がそれに寄与するほどの効果は、科学的にみてもその論理性を欠く。 何故なら、電力産生に伴う温度変換の発生しづらい風力発電、地熱発電、太陽光発電等、他に温暖化に、明らかに寄与する代替エネルギーを私たちはすでにもっているのだから。
私は論理的思考に基づいて書いている。
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